国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年6月9日 本会議 電子化で被害が拡大/特定商取引法改定 反対討論
<赤旗記事>

2021年6月10日(木)

電子化で被害が拡大
特定商取引法改定 大門氏が反対

討論に立つ大門実紀史議員
=9日、参院本会議

 訪問販売などの契約に書面交付の電子化を盛り込んだ改定特定商取引法が9日の参院本会議で採決され、賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、立憲民主党は反対しました。(反対討論要旨)

 共産党の大門実紀史議員は反対討論で、同法はジャパンライフなど悪質事件を引き起こしてきた預託商法の原則禁止や「送り付け商法」の規制など消費者保護に資する改正を含む一方、書面交付の電子化は消費者被害の拡大につながるマイナス改定だと批判しました。

 大門氏は、書面交付の電子化ついて「デジタル戦略を掲げる菅首相に迎合しようとした井上信治消費者担当相の独断だ」と指摘。ジャパンライフ事件では多くのお年寄りがだまされたものの「契約書が紙であることで被害が発覚したり、裁判で訴えることもできた」と強調し、「全国の160を超える消費者団体や弁護士会から一斉に反対の声が上がったのは当然だ」と述べました。

 大門氏は「消費者庁は政省令で書面電子化による被害防止のための措置を検討することになった」としたものの、消費者被害防止策の具体化は今後の検討にゆだねられており「現段階で被害を防げる保証は何ひとつない」と指摘。「現場の方々が求めているのは電子化部分を削除し、それ以外の法改正を全会一致で成立させることだ」と主張しました。

2021年6月10日(木)

特定商取引法改定案 大門氏の反対討論
参院本会議

 日本共産党の大門実紀史議員が9日の参院本会議で行った特定商取引法改定案への反対討論(要旨)は次の通りです。


 書面交付の電子化を除けば、大変いい改正です。ジャパンライフなど悪質な事件を引き起こしてきた預託商法の原則禁止や、一方的に商品を送りつけ代金を請求する「送り付け商法」の規制など、消費者保護に資するさまざまな改正が含まれています。これらは、悪徳業者とたたかってきた消費生活相談員や弁護士など現場の方々が強く要望してきたものです。

 ところが昨年末、消費者保護よりも、デジタル戦略をかかげる菅首相に迎合しようとした井上大臣の独断で、書面交付の電子化が盛り込まれました。これは、被害を拡大するマイナスの改定です。

 ジャパンライフ事件では、契約書が紙であることで被害が発覚したり、紙が残っていたことで裁判に訴えることもできたのです。

 井上大臣、あなたの誤った独断が現場の反発を招き、消費者庁の信頼を地に落とす結果となりました。

 しかも井上大臣の答弁には三つのごまかしがありました。

 第一は、「書面の電子化は消費者の利便性の向上のためだ」と繰り返したことです。しかし、被害の多い訪問販売などで利便性など高まっては困るのです。

 第二は、書面の電子化は、内閣府の規制改革推進室の事務方から求められたとの答弁です。規制改革推進室の参考人は「想定していなかった書面の電子化を消費者庁から積極的に提案してきた」と答えています。自分から言いだしたことを他省庁の事務方の責任にするなど、みっともないと思いませんか。

 第三は、第三者機関である消費者委員会からお墨付きを得たような答弁を繰り返したことです。消費者委では反対、慎重な意見が多数を占めました。しかし、「電子化を前提にした建議を出すべきだ」と誘導したのは消費者庁から送り込まれた事務局長でした。

 消費者庁は政省令で被害防止の措置を検討することになりました。焦点は、書面交付を電子化する場合の消費者本人への承諾の取り方でした。私も消費者庁の相談にのり、承諾のどこかの段階で書面・紙を介在させること、家族など第三者の関与が必要だと提案しました。これらは今後の検討が確認されました。

 被害防止策の具体化は、今後の検討に委ねられており、現段階で被害を防げる保証はありません。この法案に賛成できません。

 現場の方々の願いは、書面交付の電子化部分を削除して、それ以外の法改正を全会一致で成立させることです。このことを強く求めて反対討論とします。

<議事録>

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 会派を代表し、特定商取引法等改正案に反対の討論を行います。
 本改正案は、書面交付の電子化を除けば大変いい改正案です。豊田商事やジャパンライフなど悪質な事件を引き起こしてきた預託商法の原則禁止や一方的に商品を送り付け代金を請求する送り付け商法の規制など、消費者保護に資する様々な改正が含まれています。
 これらの改正内容は、長年悪徳業者と闘ってきた消費生活相談員や弁護士など現場の方々が強く要望してきたものです。特に預託法の改正については、消費者庁が事業者に配慮して規制を掛けることをかたくなに拒んできましたが、現場の粘り強い運動と野党の国会質問、そして前消費者担当大臣の決断によってようやく実現したものです。
 ところが、昨年末、消費者保護よりもデジタル戦略を掲げる菅首相に迎合しようとした井上大臣の独断によって、突然、書面交付の電子化が改正案に盛り込まれました。書面交付の電子化は消費者保護どころか被害を拡大するマイナスの改定です。
 ジャパンライフ事件ではたくさんのお年寄りがだまされましたが、契約書が紙であることで被害が発覚したり、紙が残っていることで裁判に訴えることもできたのです。全国の消費者団体や弁護士会から書面交付の電子化に一斉に反対の声が上がったのは当然です。
 井上大臣の誤った独断が日夜消費者を守るために頑張っておられる現場の方々の猛反発を招き、消費者庁の信頼を地に落としたのです。あなたは一体何のために消費者担当大臣になったんですか。
 しかも、井上大臣の答弁には三つのごまかしがありました。
 第一は、書面の電子化は消費者の利便性の向上のためという答弁です。しかし、それは一般商取引の話であって、消費者被害の多い訪問販売や電話勧誘の世界で利便性など高まってもらっては困るんです。このことは消費者庁も百も承知していたから、あなたの指示が出るまでは書面交付の電子化を拒否してきたのです。
 第二のごまかしは、訪問販売などを含む全面的な書面の電子化は、内閣府の規制改革推進室の事務方から求められたものだという答弁です。しかし、菅総理も述べておられたように、規制改革推進室が消費者保護や国民の安全に関わることまで書面の電子化を求めた事実は一切ありません。
 規制改革推進室の政府参考人も私の質問に対し、我々が想定していなかった訪問販売などにおける書面の電子化は、消費者庁自ら積極的に提案してきたと明確に答えています。規制改革推進室が求めてきたという大臣の答弁は明らかに虚偽答弁です。自分から言い出したことを他省庁の、しかも事務方の責任にするなど、井上大臣、余りにもみっともないと思いませんか。
 第三のごまかしは、書面交付の電子化は第三者機関である消費者委員会にも了承していただいたと、まるで消費者委員会からお墨付きをもらったような答弁を繰り返してきたことです。
 確かに、消費者委員会の建議は書面交付の電子化を前提にしたような書きぶりになっています。しかし、消費者委員会の議論では書面交付の電子化に反対、慎重な意見が多数を占めていました。にもかかわらずそういう建議になったのは、消費者委員会の事務局が、委員の方々に対し、電子化は菅内閣の方針であらがえない、消費者委員会としては電子化を前提にした建議を出すべきと誘導したからです。誘導したのは、ほかでもありません、委員会質疑でも明らかにしたように、消費者庁から消費者委員会に送り込まれた事務局長です。
 消費者委員会のある委員の方は、これだけの要件を満たさなければ電子化には反対、そういうつもりで建議を了承したのにと、悔しい思いを語っておられました。自分の行いを正当化するために真面目な委員の方々の思いを利用するなど、井上大臣、恥ずかしいとは思いませんか。
 菅総理や麻生副総理からの指示によって、消費者庁は政省令において書面電子化による被害防止のための措置を検討することになりました。麻生さんの御指名でしたので、私も消費者庁の相談に乗り、意見交換をしました。焦点は、書面交付の電子化を消費者本人が承諾する方法でした。
 お年寄りなどを被害から守るためには、書面交付の電子化を書面、すなわち紙で承諾するという方法を取り入れること、また、家族など第三者を関与させることが必要だと提案をいたしました。電子書面で契約するか否かを紙で承諾することにすれば、その紙には当然契約の主な内容についても記載されることになり、契約そのものを紙で行った場合と同じ効果が期待されます。また、契約の段階から家族など第三者が確認する仕組みを導入すれば、お年寄りがだまされるのを未然に防ぐことにつながります。
 これらの提案は、消費者庁の答弁の中で、今後検討していくことが確認されました。また、与野党筆頭理事の御尽力で、附帯決議に書面と第三者の関与という文言を入れていただきました。さらに、消費者庁は、オンラインで完結する取引に限定して電子メールでの承諾を認め、それ以外の取引は当面紙での承諾を必要とするという具体案を答弁で示しました。法案が成立する前から政省令についてこれだけ委員会で具体的に議論したことは今までありません。
 しかし、よくよく考えてみれば、紙をなくすための法改正にどうやって紙を介在させるかというばかげた議論をさせられていたことになります。それもこれも、消費者保護に反するようなことを無理やり法改正に入れ込んだ、井上大臣、あなたの責任です。
 いずれにせよ、消費者被害防止策の具体化は全て今後の検討に委ねられており、現段階で被害を防げる保証は何一つありません。したがって、この法案に賛成することはできません。
 井上大臣、あなたは二十人目の消費者担当大臣です。今までの二十人の大臣はみんな短期間で交代し、名前も顔もよく分からないまま去っていった大臣もいます。しかし、二十人の消費者担当大臣の中で負の遺産、マイナスの改定を残したのは、井上大臣、あなただけです。あなたの名前は決して忘れられることはないでしょう。
 これまで消費者庁が提案した法案は、少なくとも委員会では全て全会一致で可決されてきました。それは、消費者問題が党派を超えた課題であり、たとえ不十分であっても一歩前進という評価があったからです。しかし、今回は、前進どころかマイナスの改定です。消費者問題特別委員会の発足のときからいる委員として、先日の委員会での採決が初めて全会一致の賛成とならなかったことをとても残念に思っています。
 消費者相談の現場にいる方々の願いは、この本会議においてもこのまま採決するのではなく、書面交付の電子化部分を一旦削除して、それ以外の法改正を後日改めて全会一致で成立させてほしい、書面の電子化については消費者団体、弁護士会などの意見をよく聞いてから出し直してほしいということにあります。
 このことを最後まで強く求めて、私の反対討論といたします。(拍手)

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