国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年5月26日 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 「消費者被害拡大の危険」/契約書面の電子化で参考人
<赤旗記事>

2021年5月28日(金)

「消費者被害拡大の危険」
契約書面の電子化で参考人
大門氏質問

参考人に質問する大門実紀史議員
=26日、参院消費者特委

 特定商取引法改定案に関する参考人質疑が26日の参院地方創生・消費者問題特別委員会で行われ、事業者に義務付けられている契約書面交付の電子化をめぐり、参考人から批判と条文削除を求める声が相次ぎました。

 日弁連消費者問題対策委員会の釜井英法委員長は、「訪問販売やマルチ商法などは、消費者の判断をゆがめる可能性のある、不意打ちや利益誘導の勧誘から始まる。電子化は悪質業者に新たな武器を与え、消費者被害の拡大を招く危険性が高い」と批判。政府が歯止めだとする「消費者の承諾」について、「歯止めにならない。消費者は受け身の立場で断り切れずに契約させられ、事業者との間に情報量の格差もある」と強調しました。

 全国消費者団体連絡会の浦郷由季氏は、26日までに、消費者団体や各地の弁護士会など163団体が反対の意見書を出していると述べ、「電子化による消費者メリットより、被害拡大の方が大変懸念されている」と指摘。電子化を認める条文を「削除すべきだ」と述べました。

 日本共産党の大門実紀史議員は、本来は条文を削除すべきだとした上で、実効性ある歯止めについて、電子化を認める事業者や取引形態を政省令で限定する方法はどうかと質問。浦郷氏は賛同し、「検討会を開き、一つひとつの取引類型に関してきちんと議論して決めるべきだ」と、拙速な法改定を批判しました。

<議事録>

○委員長(石井浩郎君) 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、正木参考人、浦郷参考人、釜井参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず正木参考人からお願いいたします。正木参考人。

○参考人(正木義久君) 日本経済団体連合会、経団連でソーシャル・コミュニケーション本部長を務めております正木でございます。
 本日は、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、経団連の考え方を御説明させていただく機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
 私、経団連を代表いたしまして、消費者庁、特定商取引及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会に参画し、本法律案のベースとなる検討に参画してまいりました。
 そこで、私からは、衆議院で修正可決された本法律案に賛成の立場から、本法案の悪徳商法対策と消費者利益増進対策の二つの対策の意義と残された課題について考え方を述べたいと存じます。
 最初は、悪徳商法対策の意義でございます。
 経団連は、消費者や投資家など企業を取り巻く様々な方々とのエンゲージメントを結び、ウエルビーイングな社会を実現するということを通じまして、サステーナブルな資本主義の達成を目指しております。
 消費者については、そこに参加する消費者と事業者の双方にとって健全な市場をつくることが期待されるところでございます。一方、市場を荒らし、市場の参加者を不安に陥れる悪徳事業者は、消費者、事業者双方にとって共通の敵です。その趣旨から、今回の法案で、販売預託商法、通販の詐欺的な定期購入商法、送り付け商法の三つのタイプの悪徳商法を規律したことは大変画期的であると評価しております。
 消費者庁の検討委員会で検討するに当たって、これら悪徳商法をどうやって防ぐのか、私どもでも大変悩みました。昭和の規律では、業法で、正しい事業をする者を登録させて無登録の事業者を業法違反で取り締まる手法、それから取引の対象物を特定して取り締まる手法があったかと思います。しかし、現在は、ネットワーク会社が道路を走る乗り物を造り、自動車会社が都市をつくる時代です。業の在り方が変わっていく中で、伝統的な業法による規制には限界があります。
 今回の法改正のきっかけとなっている悪徳事業者、これはいずれも業や物の定義のはざまをついて消費者をだますような者たちです。そこで、思い切って、販売預託商法を原則禁止することを始め、悪徳な事業のモデルを規律することに賛成をいたしました。
 もちろん、悪貨が良貨を駆逐したり、新しいビジネスの芽を摘んだりすることがあってはなりません。例えば、コロナ禍で苦しむ企業が本社ビルを売却して運転資金を得た上で、そのビルのテナントになって月々の賃料を支払うリースバックの手法は、雇用を守りながら企業を存続させるための知恵です。一旦販売して所有権を移転した不動産をそのまま自らの下に置く点では似ていますけれども、今回の法律ではこうした事業者間の取引はきちんと除いています。
 こうした配慮をした上で、とはいえ、一旦、販売預託というある種のビジネスモデルを原則禁止とし、預託法の特定商品等の限定列挙を廃止する、あらゆる商品等を制限するというのは経済界としても思い切った決断でありまして、送り付け商法についても同様の本当に決断でございました。しかし、悪徳事業者を駆逐するためにはやむを得ないということで賛成をいたしまして、検討委員会の河上委員長には感激していただきました。
 本法案のもう一つの意義は、消費者利益増進対策です。
 消費行動がグローバルに広がる中で、外国執行当局に対する情報提供制度は、消費者庁が外国の執行当局に情報提供できるようにすることにより、相互主義によって外国の執行当局から消費者庁に情報提供をしてもらえるようにするというものでありまして、日本の消費者を食い物にして海外に逃げ込む悪徳事業者を追い込むのに有効な手段かと存じます。
 また、消費者からのクーリングオフの通知を電子メールの送付で行うようにできるようにすること、これ大変有意義でございまして、衆議院での審議でこれを発信主義とすることを明確にされたことは、これまで悪徳事業者のクーリングオフ用の回線がつながらないといったことのためにクーリングオフを諦めていた消費者にとっては、非常に安心できるものになったんではないかと捉えております。
 一方、本法案では、事業者が交付する契約書面についても、消費者が承諾をすれば電磁的な方法での提供もよいことを定めていただいております。
 経団連の規制改革要望では、オンライン英会話教室のように、契約の申込みもサービスの提供も全てオンライン上で行われるのに、なぜ契約書だけは紙で送らなければいけないのかという指摘を受けていたものもございます。
 また、ホームセキュリティーあるいはお年寄りの見守りサービスを提供する会社が、自宅を訪問をして営業して見積りをお渡しした後、後日、オンラインで申込みの署名と契約の交付をするということにしたいんだけれども、現行法の下では、訪問時に一気に契約をしてしまうか、契約の交付のためにコロナ禍にもかかわらずお客様を再訪問しなければならないといった指摘がございました。
 このような事例を踏まえますと、消費者の承諾を得た上で本法案で電子メールの送付等で契約書面の交付ができるようにしたということにつきましては、消費者の利便性を高める意義のある改正だと評価しております。
 改正電子帳簿保存法も施行され、企業の現場では、判こレス化、契約書類のデジタル化が進んでおります。昨年九月にスイスの国際経営開発研究所、IMDが発表した世界デジタル競争力ランキングで、日本は前年から四つ順位を落としまして二十七位となっておりますが、本法案の成立によりまして消費者の利便性を高めたということをアピールできれば、再度ランキングを上げることができるんじゃないかというふうにも思っております。
 最後に、本法案に今後残された課題として認識しております論点を二つ述べたいと思います。
 第一の課題は、消費者裁判手続特例法の改正についてです。
 本法案によりまして、特商法や預託法の行政処分に関して作成された書類を特定適格消費者団体に提供することとなっております。被害回復裁判のために、行政処分を受けた事業者に下された行政処分の処分書のような書類が提供されるのかと存じますけれども、民事裁判の一方当事者に行政が情報を提供するというものでございますので、その内容については慎重に検討した上で内閣府令で定めることが必要かと存じます。
 第二の課題は、改正法に新設された特商法第十一条四号と第十二条の六に位置付けられました通信販売の広告規制です。
 商品やサービスの申込画面に、販売が終了してしまうと誤解させるなどの目的で、申込みをせくようなカウントダウンを表示して、消費者をあおることができないようにする目的で設けられました。ただ、この法文を見ますと、その結果、ある商品、サービスについて期間限定の販売が行われていたという場合に、申込みの最終確認の画面のところでその期間について正しく表示することが必要ということになっております。しかし、通信販売の場合でなくても、セールの期間を好評のために一週間延長ということは起こり得る現象でありますので、それを虚偽表示と区別するということが必要になってまいります。
 また、例えば、製品のメーカーによる新商品販売セール、何々ショッピングサイトのキャンペーンセール、消費者の使う決済サービスによって異なるクレジットカード会社のポイント還元セールなど、複数のセールが重なっていることなどは日常よくあることでございます。それら様々な主体によって異なるキャンペーン期間を通信販売事業者の責任で最終画面に正しく表示するというのは非常に厳しいところがございます。
 送料無料、設置費無料、ポイント還元、エコバッグプレゼントなど製品価格の割引以外のキャンペーンや特典もありますけれども、どこまで表示が必要なのか、できるのか。現在、最終画面にこうした表示をしているところが少なくて、通信販売事業者はシステムの改修が求められることになるかもしれませんが、実行可能で簡便、合理的な制度となるよう、今後の整理をお願いしたいと思います。
 最後に、健全な市場づくりのために、市場に参加する事業者、消費者が共に手を携えて、行政当局がグローバルに協力し合うことを示した本法案の意義を改めて強調したいと思います。
 今国会では、さきに当委員会で取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案について審査いただき、可決、成立していただきました。ありがとうございました。先月、当委員会でその法案につきまして発言の機会をいただいた際、私は、同法案は、デジタル空間で、販売事業者、運営事業者、消費者の全ての当事者が利便性を享受しつつ、安全、安心な取引ができる市場を形成するための第一歩であると申し上げました。
 市場という場をつくるためには、市場とそうでない場との間にしっかりとした城壁をつくり、壁に守られた消費者が安心して自らの意思で良い商品、サービスを選択できるようにする必要がございます。本日御審議いただいている消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特商法等の一部を改正する法律案は、事業者、消費者、行政が手を携えて、共通の敵である悪徳事業者を許さないという毅然とした態度を示して、健全な市場を守る壁をつくるものだと捉えております。
 事業者、消費者、行政が互いに協力しなければ城壁は破られてしまいます。
 是非、本委員会の先生方にも手を携えていただき、一緒に敵に立ち向かっていただければと存じます。
 以上が今回の法案に対する経団連の見解でございます。
 御清聴、誠にありがとうございました。

○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 次に、浦郷参考人からお願いいたします。浦郷参考人。

○参考人(浦郷由季君) 一般社団法人全国消費者団体連絡会の浦郷と申します。
 本日は、特商法、預託法の改正の審議に関し意見を申し述べる機会をいただき、ありがとうございます。
 私ども全国消費者団体連絡会は消費者団体の全国的な連絡組織で、全国四十七の団体が緩やかにつながりながら、消費者問題、食品の安全や表示、環境、エネルギーなど、暮らしに関わる様々なテーマについて、消費者の立場から意見発信を進めています。
 私からは、この間の消費者運動の経緯とともに、意見、要望を述べたいと思います。
 今回の特商法、預託法の改正については、昨年の八月に消費者庁の検討会において報告書がまとめられました。
 大きな社会問題となった豊田商事やジャパンライフなど、多くの消費者に多額の財産被害を及ぼしてきた悪質な販売預託商法について、本質的に反社会的な性質を有し、行為自体が無価値であると捉え、原則禁止として明記されました。また、消費生活相談で増加している詐欺的な定期購入についても規制強化が記載され、消費者の不安に付け込む送り付け商法についても何ら正常な事業活動とはみなされないとして制度的な措置を講じる必要があるとされ、画期的な報告書となりました。
 こうした報告書がまとめられた背景には、四つの消費者団体、それは、主婦連合会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、通称NACSと呼ばれている団体です。そして、全国消費生活相談員協会、日本消費者協会が委員として参加し、消費者の立場や消費生活相談の現場の声から、健全な市場を願い、最後まで悪質商法の規制や撤廃を強く求めたことが大きな力となりました。
 また、河上正二委員長の、悪質な事業者は消費者にとっても健全な経済活動を行う事業者にとっても共通の敵であるという認識の下、議論が進められ、様々な立場にある委員をまとめられたということも大きく寄与しました。
 この検討会に関わった委員と消費者庁の事務局の努力により画期的な報告書が出されたことを踏まえ、全国消団連では、この報告書に沿った実効性のある法改正を進める旨の意見書、それを九月に提出するとともに、改正を進めている消費者庁の後押しをする、その意味も込めて、全国的な消費者運動の展開に向けて取り組むこととしました。
 十月に消費者庁取引対策課の笹路課長をお招きし、オンラインで、北海道から九州まで百名を超える参加者の下、学習会を開催、検討会報告書の内容を学ぶとともに法改正の実現を求め、参加者や会員団体に向けて、地方議会から国へ意見書提出を求める取組を呼びかけました。このとき、笹路課長からも、必ず報告書どおりの改正を目指すと強い決意を述べていただきました。そして、呼びかけに応じて各地域で活動している消費者団体、適格消費者団体、生協連、弁護士会など、連携、調整を図り、地方議会への働きかけを進めてくださいました。
 十二月八日にはシンポジウムも開催し、再び消費者庁の笹路課長に登壇いただくとともに、日弁連消費者問題対策委員会の弁護士の方々に協力いただきまして、法改正について地方議会の議員へ説明する際のポイントなどを説明、解説していただきました。このときの参加者は約百五十名となり、報告書に沿った実効性のある法改正を実現しようと、心を一つにし、本格的に各地で働きかけを進みました。
 しかし、その頃、消費者庁では、書面の電子化について改正案に盛り込むことを検討していたようです。シンポジウムでは、笹路課長はそのことには一切触れませんでした。
 書面の電子化が改正案に盛り込まれようとしていることが事実と分かり、大変重大な問題であるということから、全国消団連では、十二月二十五日に、法改正における契約書面等の電子化は拙速であり、慎重な論議を行うよう意見書を提出しました。このときは、特商法におけるオンライン完結型の特定継続的役務だけであると認識していました。しかし、年が明けて一月十四日の消費者委員会での消費者庁の報告により、通信販売を除く全ての取引類型や商品預託取引も含めて電子化の検討を進めていることが分かり、全国の消費者団体、弁護士会、司法書士会などからも、書面交付の電子化に反対する意見書が次々と出されていく状況となりました。
 また、一月二十日の消費者委員会のヒアリングでは、日本訪問販売協会より、書面の電子化の検討について、青天のへきれきみたいなものであって、従来そういったものの現実感がない中で、そういった議論はしてきた経緯はございませんという発言もありました。
 意見書の発出状況を私どもで把握できる範囲で取りまとめ一覧にしていますが、五月十二日現在で百六十二団体となっています。本日、日本退職者連合も意見書を出されたということをお聞きしましたので、本日時点で百六十三団体となります。提出団体の大まかな内訳は、弁護士会三十三、弁護団等が九、司法書士会等九、生協連等六、自治体が五、全国知事会一、それから消費者団体、労働団体等が百となります。消費者団体の中には、日頃消費生活相談の場で相談業務をされている相談員の方々の任意の団体グループも含まれています。これほどの短期間でこれだけの団体の意見提出があった。つまり、電子化による消費者メリットより、電子化による消費者被害の拡大の方が大変懸念されているということです。
 実は、この書面の電子化問題により、地方議会からの意見書提出の取組を断念したという地域もありました。しかし、預託法の販売預託取引の原則禁止、詐欺的な定期購入契約や送り付け商法の規制強化についてはもう是非とも改正を進めてほしいということで、地方議会への請願、陳情に取り組んでいただき、全国三十の自治体において意見書が採択されています。中には、書面の電子化について、拙速な導入を避け、慎重な検討を求める旨を意見書に加えた自治体が四つありました。
 今回のような消費者保護に関わる重要な論点の、済みません、そもそも、今回の書面の電子化については、検討会の報告書にもなく、話題にもならなかった事項です。それが、いつどこでどのような議論があって今回の改正に盛り込むことになったのでしょうか。消費者庁は検討したと言いますが、例のあの規制改革推進会議の成長戦略ワーキング・グループや内閣府の規制改革推進室からの要請から本当に短い期間で、それも消費者庁内だけでの議論ではとても十分な議論とは言えません。今回のように消費者保護に関わる重要な論点の改正であれば、まず検討会を立ち上げて、消費生活相談員や専門家なども含め、慎重かつ十分に議論を積み重ねるべきです。
 私は、社会のデジタル化が進むこと全般に反対しているわけではありません。社会のデジタル化が進み、消費者の暮らしがより便利になることは大変良いことだと思います。ただし、便利になる一方で、個人情報の流出やインターネット上でのトラブルなど、デジタル社会における新たな問題への対応を同時に行わなければなりません。特に、高齢者など社会のデジタル化に対応できていない方々への対応を丁寧に行っていく必要があると思います。
 五月十二日に参議院本会議で可決、成立されたデジタル社会形成基本法の第七条には、デジタル社会の形成は、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与するものでなければならないとあります。特商法は、消費者トラブルが多発している販売類型を特定して、消費者保護を目的に規制を掛けている法律です。特商法において安易に書面交付を電子化すべきではない、このことは本当は消費者庁が一番よく分かっているはずです。消費生活相談現場を持つ消費者団体からは、もうとんでもない、電子化が可能になったらますます消費者被害が増えると懸念の声が上がっています。
 消費者庁のホームページには、「消費者庁の使命」として、「消費者行政の「舵取り役」として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現する。」と掲げられています。消費者庁はもっと消費者に寄り添ってください。
 契約書面の電子化については、きちんと議論、検討してから改正しても遅くありません。電子化の必要性や規制の実効性、消費者保護の確保、電子書面の交付を認めた場合の弊害など、それらについて慎重に検討してからにしてください。
 衆議院の審議では、電子メールでのクーリングオフについて、メールを発信したときに効力が生じることを明記する修正がありました。これにより、効力が生じるタイミングが明確になり、消費生活相談の現場では大変有効に機能すると期待しております。
 一方、書面交付の電子化については施行期間が一年延長されましたが、被害が大きい訪問販売や連鎖販売取引などを含め、通信販売を除く全ての取引類型が対象となる点については修正されませんでした。これだけ多くの消費生活相談員、消費者団体、弁護士会などが消費者被害の増加を危惧し、書面交付の電子化の条文削除を求めているのに、残念でなりません。この参議院の審議の中で改めて検討していただくことを心よりお願い申し上げます。
 今回の特商法、預託法の改正は消費者庁の検討会の報告書に沿った内容となっており、その趣旨の改正の実現については強く願っています。しかし、書面交付の電子化に関しては、これまで述べた経緯や各地からの意見を踏まえ、改めて条文から削除すべきであるということをいま一度申し上げ、私からの発言を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。

○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 次に、釜井参考人からお願いいたします。釜井参考人。

○参考人(釜井英法君) 私は、一九八八年四月に弁護士になりまして、この三十三年間、東京で、多重債務、悪質業者が絡んだクレジット被害、詐欺的商法被害などの事件に取り組んできました。昨年の六月からは、日弁連の消費者問題対策委員会の委員長を務めております。そのような消費者被害の現場を担当してきた弁護士の立場から、今回の特商法、預託法等改正法案について意見を述べます。
 事前に意見書を出しておりますが、これを全部読むと十五分では終わらないので、少し要約した形でお話をさせていただきます。
 本改正法案のうち、販売預託商法の原則禁止及び詐欺的定期購入商法と送り付け商法に対する規制強化の点は、悪質事業者を消費者及び事業者の共通の敵として、その悪質事業者にターゲットを絞った抜本的な制度改革を実行すべきと提言した昨年八月の検討委員会報告書に見事に応えたもので、被害の防止と救済の実効性が期待でき、高く評価しています。
 また、電子メールによりクーリングオフ通知ができるようにすることに関し、当初の改正案では、効力発生時期を発信時とする明文規定が欠けていたところ、衆議院でそれを発信時と定める修正案が可決されたことも、実態をよく理解された的確な措置であったというふうに考えております。
 しかし、書面交付義務の電子化を認める点については、全国消団連の浦郷さんが今陳述されたとおり、本日時点で百六十三の団体から反対、慎重意見の提出がされています。にもかかわらず、衆議院では、この点について施行時期を二年先とする修正がされただけで、その他の点については全く見直しがされませんでした。しかも、政省令等の制定や抜本的な被害防止策の検討等に向けての附帯決議もなされませんでした。これは大変残念に思っております。
 参議院では、この電子化によって生じ得る消費者被害の防止について、改めて適用対象の見直しも含めた慎重な検討がなされることを期待しています。
 そして、仮に、承諾の要件を政省令で厳格に定めることを条件に契約書面の電子交付を認めるという方針を参議院においても選択されるというのであれば、消費者が書面を電子化することの意味を正しく理解した上で、真に主体的に請求した場合、単に承諾したのではなくて請求した場合に限定して電子化を認めるべきと考えます。
 事前に提出した意見書の順番とは異なりますが、もし長くなってからというところをちょっと心配しまして、先に預託法の改正について述べ、その後、特商法改正の書面交付義務の電子化等についてお話をさせてください。
 預託法改正についての意見は、意見書の八ページから十ページに書いています。
 豊田商事事件が起こってから約三十五年目にして、内閣総理大臣の確認制度の創設により、販売預託商法が原則禁止となります。まさに画期的な法改正だと評価します。約三十五年間の著名な販売預託被害事件の総被害額は一兆円を超えています。今後、この改正法を生かしてこの種の被害を根絶するためには、隙間事案の対応について目を光らせておく必要があると考えます。隙間が生じ得るのは、役務と権利の関係、預託期間の要件、金融商品取引法や出資法との関係です。
 この種の被害が発生したときには、市民の一番近くにいる消費生活センターの相談員さんや私たち弁護士が相談を受け、被害回復に動くというのが初期の対応です。が、被害の拡大を防止すること、被害実態を解明していくことは、主として主務官庁の仕事です。その際、法解釈の隙間が主務官庁の動きの障害となり得ます。この三十五年間に一兆円を超える被害が生じていることがその証左です。この隙間をなくすためには、事業者側の恣意的な解釈による規制逃れを許さないという主務官庁の気概ですね、それと、たらい回しにしないという関連省庁間の迅速かつ柔軟な連携、これが肝だというふうに思っております。
 今回の改正では、特定適格消費者団体に対して、特商法や預託法に基づく処分に関して作成した書類を提供できるとした規定も入りました。行政と民間との連携で共通の敵と戦うという観点から評価できます。そのほか、消費者庁や特定適格消費者団体の破産申立て権、解散命令制度、加害者の不当な収益を剥奪して被害者を救済する制度等の創設、出資法違反の罰則の引上げというような論点もあります。この辺りも含め、参議院で議論し、附帯決議等によって確認していただけることを願っております。
 次に、一番大きな問題だと思っている書面交付義務の電子化の点についてお話しします。
 書面交付義務の電子化を認めますと、書面交付義務とクーリングオフ制度が持つ消費者保護機能を失うおそれが強いということは、既に衆議院において繰り返し指摘されてきたところです。
 デジタル社会の推進という政府全体の方針に基づいて書面交付義務の電子化を導入するのであれば、消費者がオンラインで自分でアクセスして英会話指導契約を締結するような、オンラインで始まりオンラインで完結する、そういう契約類型に絞って導入するというのが本来であると思います。
 突然の不意打ち勧誘から始まる訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入、甘い利益誘引勧誘から始まる連鎖販売取引、いわゆるマルチ、業務提供誘引販売取引など、消費者の判断をゆがめる危険性のある勧誘から始まる取引に書面交付義務の電子化を導入することは、必要性もなく、逆に悪質業者に新たな武器を与えるものであって、被害拡大を招く危険性が高いというふうに考えます。むしろ、デジタル社会の推進を正面から議論するのであれば、消費者が商品やサービスを主体的に選択できるような環境づくりこそが重要だと思います。
 五年前の特商法改正でその規制を見送られましたが、不意打ち勧誘で主体的選択がゆがめられる危険性が高い訪問販売と電話勧誘販売、これらは不招請勧誘取引と言われていますが、その相談件数は、訪問販売は年約八万件、電話勧誘販売は年約六万件と、改正当時とは相変わらず、相変わらない高い水準にあります。この不招請勧誘取引の規制に直ちにむしろ取り組むべきだというふうに考えます。
 若者を中心に年間約一万件の相談が続いています連鎖販売取引、これも来年四月からの成年年齢引下げによって増加することが危惧されています。これも甘い利益誘導勧誘で、主体的な選択権をゆがめる危険性の高い取引です。この若年者へのマルチ取引規制にも直ちに取り組むべきです。
 中身に入ります。
 政府の答弁によれば、書面交付義務の電子化については、消費者の承諾を要件として電子化を認めるのだから消費者の利益は害されないとか、消費者が真意で承諾した場合に限るから消費者の不利益は生じないなどと説明されています。
 しかし、特商法の契約類型の主たるものは、先ほどから言いましたように、事業者が不意打ち勧誘や利益誘導勧誘で消費者を主導的に勧誘して契約締結に持ち込むものです。消費者は受け身の立場で断り切れずに契約させられるという類型です。情報量も事業者と消費者との間には大きな格差があります。したがって、本体の契約を勧誘するのと同じ場面で事業者が消費者に対し契約書面の電子交付を積極的に一体的に勧誘すれば、条文上は書面が原則となっていても、実際には書面交付が原則的な形態となってしまいます。消費者の承諾は歯止めにはなりません。
 それならば、電子交付の場合に書面の消費者保護機能を確保するにはどうしたらいいんでしょうか。少なくとも、次の措置を全て満たすことが必須であるというふうに私は考えています。
 まず、事業者から勧誘されて受け身の立場で電子交付を承諾するというのではなく、消費者が主体的に積極的に電子交付を希望し、それを請求した場合に限り電子交付を認めるとすべきです。
 衆議院の五月十一日、消費者問題特別委員会で参考人の河上正二先生が、消費者がどうしても電子情報の方が自分が管理がしやすいから欲しいというふうに言っているときにはこれを認めるということが適切だろうと考えていると述べられました。河上先生の発言の趣旨にも合致する措置だというふうに考えます。
 そして、この電子交付の請求というのは、証拠を消費者の手元に残すという観点から書面で行うこととし、控えを消費者が取得することを要するとすべきです。
 また、訪問販売等によって対面勧誘を行って、消費者が実質的に契約の申込みを承諾した時点、状態、段階でですね、契約の申込手続を電子メールなどで行うことを認めると、通信手段でも申込みを受けたから通信販売であると主張するような悪質業者が現れる可能性があります。
 そうなると、実際は訪問販売、訪問購入であるのに、それらに対する特商法上の規制を全面的に脱法できることとなってしまいます。訪問販売であることを証拠として残すためにも、電子化の請求は書面ですることを要するとする必要があります。
 念のため、今国会で、訪問販売、訪問購入による対面勧誘が行われた結果、消費者から電磁的方法により本体契約の申込みを受けた場合は通信販売には当たらず、訪問販売、訪問購入に該当するということを解釈として確認しておいていただけると有り難いというふうに考えております。
 まあ、そんな細かいことを言って、そんなひどいことをする業者のことまで考えなくてもというふうに思われるかもしれません。しかし、消費生活相談員さんや弁護士の現場感覚からすると、極めて常識的な感覚なんです。こういう業者が普通に出てくる、これがこの分野、訪問販売とかの不招請勧誘等の分野です。そういう分野に電子交付が導入されるという、その恐ろしさを是非御理解いただきたいというふうに思います。
 さらに、電子化された契約書面は、紙の契約書に比べて契約内容の詳細やクーリングオフの存在に気付く機会が失われるおそれが強いことから、事業者は、消費者が電子交付を選択する前に、契約書面にはクーリングオフができることを含む重要な権利義務が記載されていることや、電子交付を請求すると、クーリングオフ期間の、クーリングオフの起算日が電子データを受信した日からになることなど、契約書中の重要事項の説明を消費者に対して行う義務を規定することが必要だと考えます。
 金融商品取引法や電気通信事業法では、契約締結前に説明書面を交付して、それを分かりやすく説明する義務を負うことが省令に規定されています。しかし、業者の登録制が採用されていない特商法では、できれば法律に記載していただきたい。仮にそうでないとしても、政省令で契約締結前に重要事項の説明をする事業者の義務を規定することを附帯決議等で明確に方向付けていただきたいというふうに考えます。
 その際、対面取引においては、説明したか否かが水掛け論とならないように、説明義務の対象となる事項を紙の書面に記載して交付することを義務付けるべきだと考えます。
 デジタルデバイドという言葉があります。デジタル社会の推進は、昨今のコロナワクチン接種予約の混乱状況を見ても分かるように、デジタル機器に不慣れな脆弱な消費者を切り捨てるものであってはならないということです。
 二〇二〇年の消費生活年報によりますと、訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入に関する相談で、契約当事者が七十歳以上の高齢者の相談がそれぞれ四〇%、四〇%、五四%となっています。マルチ取引に関する相談は、約一万一千件のうち約四五%が二十歳代の若者です。若者は、デジタル機器の使い方には慣れていても、そこから得られる情報の理解度、利用度についてはまだ十分とは言い難い面があります。これらの分野に契約書面の電子化が認められると、その被害は潜在化しながら拡大するおそれがあります。マルチについては、来年四月の成年年齢引下げにより、被害の増加が心配されるところです。
 このデジタルデバイドの観点からも、特商法の契約書面の電子化は、できれば削除、仮に認めるとしても、消費者被害が拡大しない範囲でのみ許容されるように、法律及び政省令で厳格に規定するよう、参議院において更に議論していただきたいと思います。
 あと、詐欺的定期購入と送り付け商法について少し述べます。
 詐欺的定期購入については、意見書の五ページ以下で説明しています。事業者が設定した特定申込画面について、独立の条文を設けるなどして詐欺的定期購入の規制を強化した点は評価できます。しかし、誤認を招く表示を禁止するという法律の規定だけでは、規制する実効性が確保できません。具体例と判断基準を政省令、通達などで明確に定めていただきたいと思います。
 送り付け商法については、十四日の要件を削除して直ちに返還請求を喪失するとしたことは評価できます。しかし、一般消費者には分かりにくい面もあるので、消費者庁には是非積極的な啓発活動をしていただきたい。
 一方、改正法には、こういう送り付け商法を繰り返す悪質事業者に対する行政処分権限の規定が欠けております。刑事事件になるまでそのような悪質事業者がばっこする事態は避けたいところです。
 参議院の審議においては、今後の送り付け商法のトラブルの推移を注視して、必要に応じて行政処分権限の追加について検討することを課題として確認していただければというふうに思います。
 以上です。どうもありがとうございました。

○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。

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○大門実紀史君 お忙しい中、ありがとうございます。
 まず、正木参考人に伺います。
 毎回、参考人に来ていただいてありがとうございます。前回は資本主義の在り方で意気投合いたしましたけど、ただ、前回のデジタルプラットフォームと違って、この特商法の世界でございますので、何か経団連が訪問販売業界までカバーして一生懸命話をされる必要ないんじゃないかと思いながら聞いているんですけれども。
 ですから、本来はやっぱり日本訪問販売協会の方に今日は実は来ていただきたかったなと私は思っておりますし、正木さん言われたとおり、デジタル化、利便性の向上、誰も否定していないんですよね。正木さん言われたとおり、経済界と消費者の共通の敵が悪徳業者だと、その点から考えて非常に心配があるということをずっと申し上げているわけでございます。
 当事者の訪問販売協会からこの電子化の要望があったのかというのは、浦郷参考人からもあったとおり、当事者が青天のへきれきだと言っているぐらい、なかったんですよね。むしろ、訪問販売協会というのは、ここに会員一覧あるんですけれど、有名な化粧品メーカーとかミシンメーカーとか寝具メーカーとか、大企業も入っていますよね。一方で、私がこの国会で何度も取り上げてきたようなマルチ商法のそうそうたるメンバーも入っているということで、何かもう清濁併せのむ団体なんですよね。
 ただ、この書面の交付については、紙の交付については大変一生懸命頑張っておられまして、特商法ハンドブックというものを作られていて、特に書面交付のところは非常に丁寧にやらなきゃいけないということ書かれているし、相談対応マニュアルもそうですね、相談事例もそうですね。
 この当事者の訪問販売協会そのものは、むしろこの書面で交付するということをきちっとやることによって、このことによっていろいろ言われる業界だけれど、信頼を高めようということで頑張ってきているわけですね。もう見たら分かるとおり、そのとおりなんですよね。
 その、そこのところからもう書面、紙でやらなくていいよと言ってしまうということは、私は、何というんですかね、当事者の努力方向を外すといいますか、目標を取り上げるような、逆効果になるんじゃないかと、逆に言えばですね、いうふうに思うんですけど、本来は訪問販売業界に聞けばいいんですけど、正木さん、いかがお考えでしょうか。

○参考人(正木義久君) まさに今のお話が、私が冒頭申し上げた業による規制というのが、今、世の中どんどん変わってきているんですね。何々業界、何々業界というので規制をする時代じゃなくなってきたと。
 訪問販売業界じゃなくて、今回の要望でいえば、私が先ほど言ったように、警備業の協会というか、警備業の方々から出てきていると。だけれども、今回も預託法の特定のところを外しましたけれども、まさにそれぞれの何か業の規制でやっていると、かえってそれ以外の形とかその隙間を縫った形での悪徳事業者が出てくるので、規制をする側も業の規制を取っ払うということをやっているということです。そんな中で、業界団体の役割も本当に我々の傘下のところでも苦しんでいるわけですけれども。
 そういうことですので、いろんな方があれっと、警備業の方からすると、何で我々、特商法の規制を受けるんだっけというようなところですけれども、でも、訪問をしてそのホームセキュリティー売っているわけですから、やはり規制の対象になる。これは正しいアプローチ、今の世の中正しいアプローチなんじゃないかと思います。そういった方からすると、いや、三回も訪問しなくて二回でいいんじゃないのというのも、これも真っ当なアプローチじゃないかというふうに私は考えております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 今おっしゃったことも含めて具体的にどういうふうにするかということなんですけど、釜井先生は、私もクレサラ、多重債務のときからいろんな場面で御一緒させてもらって、もうこの分野のエキスパート、権威ですけれども、今回も釜井先生らしい緻密な提案をいただいて、仮に政省令で歯止めを掛けるならということで具体的な要件を幾つか示していただきました。大変参考になると思います。
 私は、もうこの今回の書面電子化は、そもそも動機が不純で筋が悪いんで、もうこれ一遍削除すべきだと思いますけれど、ただ、麻生大臣が相談に乗ってやれと言うので消費者庁とこの間いろいろ議論はしているんですけれど。それでいろいろ、いろいろ検討している中で、要するに、どこかに、承諾のシステムならばどこかに紙を、そうはいってもどこかに紙をかませるか、あるいは第三者の承諾をかませるか、これ以外はあれこれやっても防ぎようがないなと、こういうふうに思うのと、ただ、その場合でも、私もこういう悪徳業者と随分付き合ってきましたけど、彼らは必ずあの手この手で擦り抜けるだろうと思うんですよね。
 それで、承諾の仕方ばかりに今政省令でどうするかという議論がいろいろあるんですけれど、私は、今の現時点での結論としては、承諾の方法じゃなくて、承諾の方は幾らやってもいろいろ擦り抜けられるので、むしろ、先ほどの正木さんの話もあるんですけど、やれる事業者、やってもいい事業者を決めると。これは浦郷参考人言われたもう百歩譲っての世界なんですけれど、例えば政省令で、書面電子化することができる事業者はオンラインで継続してサービスを提供する事業者に限ると。オンラインで継続してサービスを提供する事業者に限ると、それ以外は従前どおりとすると、仮にそうしますよね。なぜ継続してサービスを提供する、これは、例えば一番最初の話の英会話のオンライン教室ですね、例えば三か月コース、六か月コース、継続してというのはそういう意味ですね、こういうところはできるようになると。もう細かい承諾要らないと、もうやればいいと、大体継続してやるから、いろいろ安定性ありますからね。
 ただ、継続がなかった場合、オンラインで取引が完結するだけだと、私今相談受けているのは、オンラインで二束三文のPDFとか絵を送り付けて預託商法みたいなことをやっている連中がいるんですよね。これだとオンラインで完結していても駄目だから、実際の継続したサービスを提供するというような、そういうものについてはもうできる、ほかは当面駄目というふうにすれば、当初の規制改革会議から出た話もあれだし、まあ百歩譲るのもありますから、それが一番歯止めに、取りあえずの歯止めになるんじゃないかというふうに、この間ちょっと議論していて、細かい承諾のといったってちょっと難しいので、これはもうすぱっとこうやったらどうかというふうにちょっと思ったりするんですけど、釜井先生と浦郷参考人の御意見を聞かせてもらえればと思います。

○参考人(釜井英法君) ちょっと余り考えていなかったので、なかなか、ですが、今回のこの改正法の関係からすると、訪問販売で、そのサービスを提供するのが継続的、オンラインで提供すると、でも契約の締結は本当は対面でやらなきゃいけないという、そういうあれですかね。
 ちょっと伺ったときに、オンラインで全てその後の契約の履行はするんだけれど、最初のところが、最初の契約締結までもオンラインでやるようなことを考えてしまうと、訪問販売とか電話勧誘販売に、そもそもこの電子書面でもいいよという法律の形式になっていますから、その部分が意味がなくなってしまうかなとは思ったんですが、本来は訪問販売でその契約をして、その後の契約の履行だけがオンラインで完結するという、そういうところですかね。それであれば、全てのその特商法の契約の類型の中で、そのやり方が、今大門先生が言われたやり方が、何といったらいいか、そのやり方にした場合におよそ改正法のその条項が生きないというような規定になってしまうと駄目かなとは思いますけど。

○大門実紀史君 済みません、突然提案したので。
 要するに、今は法律はどうなっているかというと、できる規定になっていて、政省令で定めるになっているんですね。できる政省令なんですね。で、政省令でできるものを決めちゃえばいいと。今は全体ができるになっちゃったんで、その中でできない方法を探しているというようなところがありますけれども、そうじゃなくて、できるものを決めちゃえば、逆の発想ですけど、その方が早いんじゃないかということを申し上げている。

○参考人(釜井英法君) 今ちょっと答えることが何とも、ちょっと全体の条文の体裁でそういうことができるかどうか、今お答えするとしたら、私が検討してみますとお答えするしかない状況です。しかし、考え方としてはあるのかなと思います。

○参考人(浦郷由季君) 大門先生の、私、おっしゃるとおりだと思います。今、書面の電子化を、実質的な承諾をどう得るかというところで、承諾の仕方どうしたらいいかというのを一生懸命考えているところですけれども、やはり消費者が電子データの交付をその納得ずくで承諾するということはあり得ないところだと思います。その中で、今おっしゃった、やれる事業者とか、オンラインで継続して提供する契約とか、そういう方向から行く、本当に取引類型型一つ一つをきちんと議論して決めていくというそちらの方がいいのではないかと思います。
 だから、今回のところはまず改正となってしまっているんですけれども、やはりきちんと検討会を開いて、きちんと関係者の有識者呼んで議論をしてから、一つ一つの取引類型に関してきちんと議論をしてから決めるべきではないかということを思っております。

○大門実紀史君 正木参考人、いかがお考えですか。

○参考人(正木義久君) 何とか業法を作って、登録事業者をつくって、役所に何とか業課をつくってという行政の時代ではもうないだろうというふうに思いますので、やはり今回の枠組みは先ほど言った全部できるというふうにするということで、で、承諾の取り方というような今の考え方はむしろ新しい規制の在り方だと思いますし、それで規律していくしかないというふうに思います。

○大門実紀史君 終わります。

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