国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年5月14日 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 地方分権一括法について質疑/スーパーシティについて

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 ずっと聞いておりまして、これほど評価の低い法案も珍しいんじゃないかというふうに思いますけど、ただ、我が党として、一つの改正案除いてほかは賛成でございます。
 一つだけ、どうしても懸念が残る、賛成が難しいということだけまず取り上げたいと思いますが、介護保険法改正でありますが、小規模多機能型居宅介護の利用者に関する定員の基準の変更であります。
 これは鳥取県が提案者ということでございますが、どのような事情で、どういう支障があってこの提案があったか、改めてちょっと説明をお願いしたいと思います。

○政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。
 鳥取県からは、小規模多機能型居宅介護の利用定員に関する基準につきまして、地域の実情に応じて必要な介護サービスが提供できるよう制度改正を求める提案がなされました。
 具体的には、利用定員に関する基準につきまして、厚生労働省令で定める基準に従い市町村が条例で定めることとなっておりますが、事業規模が小さくならざるを得ず、県内の事業所の約三八%が赤字であるなど厳しい経営状況にあることが言及されておりました。また、施設の規模、職員数等によっては、適切にサービスを提供できる状況があるにもかかわらず、利用定員の上限が設けられているために利用者のニーズに応えられないケースが生じていると言及されていたところであります。
 このような支障事例を踏まえ、今回、鳥取県から提案がなされたところでございます。

○大門実紀史君 この小規模多機能型の経営について、厳しい状況にある事業所もあるということは、実は私の知人もやっておりまして、知っております。実情知らないわけではありませんが、ただ一方で、全体見ますと、この今の基準の中でこそ小規模多機能の特性を生かして頑張ってやっているところもまたあるわけであります。
 申し上げたいのは、この定員の基準の緩和については、実は社会保障審議会の介護給付費分科会で、去年の九月、安易に行わない方がいいと、やっぱりこういう地域密着型のサービスの適切な提供、サービスの質の確保という点で心配することはかなりあるというような慎重意見も実際に出ております。
 そもそも、その経営状況の悪化の根本的な原因はやっぱり今の低い介護報酬にあるわけでありまして、そのことをちょっとおいておいてですね、そのことをおいておいて、この定数の基準だけをいじっていくということのこの方向性ですね。具体的に大変なところがあるのは分かっていますよ。分かっていますが、この両方に手を着けないで定数だけいじっていくということになりますと、ちょっとそもそものこの制度の趣旨と違っていく方向になるんじゃないかということで、この議論は衆議院でもやっていますのであえて繰り返しませんが、この点がどうしても懸念が残るということを申し上げておきたいと思います。
 一括提案ですから、残念ながら反対せざるを得ないということになりますので、後でわざわざ討論までは行いませんが、この点だけ指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 先日、デジタル関連法が可決されまして、その関連で、今日はスーパーシティについて質問しておきたいというふうに思います。
 スーパーシティ法案審議のときにも、前回、去年、佐藤審議官にもお答えいただきましたが、スーパーシティを選択すると、住民が選択するときに十分な住民の合意、判断が重要だという点を、法案審議のときもあったわけですが、この点では、昨年十月の閣議決定で国家戦略特区の基本方針に個人情報の適切な取扱いを規定してもらって、また、住民の意向を把握、確認については議会の議決だけではなくて住民投票も含めて方法を選ぶということと、さらに、基本構想の内閣総理大臣への提出の前に住民投票によってその意向を改めて確認するというようなことも組み入れていただいたということでございますので、これはこれで評価をしているんですけれども。
 ところが、資料をお配りいたしましたけど、十月、去年の十月二十二日ですけど、第四十七回国家戦略特区の諮問会議、ここでは、国会の審議の経過とか皆さんの努力と関係なく、とんでもないことを言っている人がおります。竹中平蔵さんでございます。こんなことを言っております。
 スーパーシティでありますけれど、これを実行する段階になったのですが、実はなかなか大変だと思います、住民合意を得るための非常に強い首長が必要であってと。で、あれこれ書いていますけど、これをやるためには、実は、提案を待っているだけではなく、事務局の方から、非常に可能性のあるところについては積極的に誘導していくと、機能が必要になってくると思いますというようなことを、平気でまだこんなことを言っているんですね。住民の希望とか参画とか合意形成という発想が一かけらもない、トップダウンでやらないと突破できないよというようなことを言っているわけであります。
 竹中さんは大臣のときには、何度も議論しましたけど、ここまでひどい人ではありませんでした。どこで変わったのかと思うぐらい、こういう発言ばっかり繰り返しています。
 坂本大臣に伺いますけれど、せっかく地方創生推進室が住民合意の仕組みを考えて、その方向を尊重しようという方向になっているのにもかかわらず、こういう発言を、まあこの諮問会議がいろんなことの発信源でありますけど、の委員がやっていることについて大臣はいかがお考えですか。

○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、スーパーシティ構想は、住民目線で町づくりを行い、最先端技術を活用しつつ、国民が住みたいと思う、より良い未来社会を先行実現するものです。
 このため、国家戦略特区基本方針におきまして、スーパーシティの選定基準の一つとして、地方公共団体が区域指定の応募に当たり、住民説明会の開催、パブリックコメントの実施等、事前に住民等の意向把握のために必要な措置を講じていることということを明記しております。
 スーパーシティの区域指定につきましては、四月十六日に応募を締め切りました。現在審査中ですが、今回応募いただいた地方公共団体においては、例えば、首長が出席して住民説明会を開催する、ホームページでのパブリックコメントや住民向けのアンケートを実施するなど、住民の意向把握のための取組を講じていただいているというふうに承知をしております。
 先般、和歌山の仁坂知事が私のところに来られました。和歌山県は、人口三千人のすさみ町というところがスーパーシティに手を挙げております。すさみ町の町長さんは漁業者でございます。そういうことで、当初は仁坂知事が考えるスーパーシティと、その漁業出身の町長の間でなかなか意見がかみ合わなかったけれども、何度も何度もそれぞれ話をして、そして住民と話をして、住民合意の下にこのスーパーシティに向かって手を挙げようと、そして実現に向かって走ろうというようなことを、ということで手を挙げたということでございますので、住民目線の作業というのはしっかりやられているというふうに思います。
 ちなみに、仁坂知事と竹中さんは和歌山の高校で同級生ということだそうでございました。

○大門実紀史君 同級生はどうでもいいんですけど。
 要するに、この議事録といいますか、このテーマというのは、坂本大臣が皆さんに発言求めていて、この竹中さんの発言に対して大臣は、ありがとうございましたとお礼をおっしゃっているんですけれども、まあまあ、深くは言いませんが、こういうことを平気で言うような、言い放っているような国家戦略特区の諮問会議がもう諸悪の根源なので、やっぱりきちっと言わなきゃいけないと思うんですよね、黙って聞いていないで、にこにこしていないでですね、違うんじゃないかということはちゃんと言うべきだというふうに思います。その上で、というか、それはちょっとこれからはきちっとしてほしいなと思います。
 で、このスーパーシティを住民が選ぶかどうかというときの住民合意、参画が保障されるべきだということがありますが、もう一つは、私は、このスーパーシティってまだまだ、先ほどもありましたけど、個人情報の問題で、住民監視とかいろいろ危惧がありますので、もちろん賛成ではないんですけれども、危ないと思っているんですが、仮にある都市の住民がこのスーパーシティを選択したと、その場合でもですね、選択した後も、うちの町ではスーパーシティをやるということを住民が選んだ後も、住民参画が、参加が保障される仕組みが必要になってくるんじゃないかと思いますが、現行のスーパーシティ法の枠組みの中に、選択した後、住民が参加する、参画するという仕組みがあるのかないのか、佐藤審議官、いかがですか。

○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 先ほど御説明いただいたとおりでございますけれども、まず、そのスーパーシティの構想の推進に当たりましては、住民の方々の意向の丁寧な把握と確認というのは、これは非常に重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、この点については、先ほど御指摘いただきましたとおり、昨年のこの委員会での法案の審議の際にも様々御指摘をいただいたというふうに認識をしております。
 それを踏まえまして、先ほど御紹介いただきましたとおり、昨年十月に私どものこの特区の基本方針というのを改正をいたしまして、この基本構想の作成、それから、その内閣総理大臣への提出に先立ちます住民の意向の把握のプロセスを明記をさせていただいたところでございます。
 今の御質問について申し上げますと、この基本構想というのは、この後、自治体からのその提案を私ども審査をいたしまして、諮問会議などでの審議を経て区域を指定するわけですが、その区域が指定された後に、それぞれの区域ごとに設立される区域会議で基本構想をまとめるということになります。
 したがいまして、その基本構想をまとめて内閣総理大臣に提出をする中で、先ほど御紹介いただきました議会の議決、あるいは住民投票と、こういうような手段によって住民の方々の意向を丁寧に把握して、それを反映させるということをさせていただきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 私もそう思います。仕組みとしては、基本構想の中に、選択した後も住民参画の仕組みを入れるべきだと。
 その点で、資料の二枚目に、参考になればということで資料を付けました。スペインのバルセロナですが、ここは日本の極端なあのスーパーシティとは違うんですが、スマートシティー構想というので進めております。バルセロナはそもそも非常に住民が主体となってのスマートシティーなんですけれども、そこで行われているのが、オンラインシステムでデシディムといいます。Decidimですけど、デシディムというシステムをやっております。
 これは日本でも兵庫県の加古川市が初導入して始めているそうでありますけれども、どんなシステムかというのは、真ん中の辺りの図になっておりますが、今までは、左側の、市民、住民が行政機関などに意見、提案をするんだけれども、答えが返ってこないとか一方通行になっていると。このデシディムの場合は、プラットフォームをつくるわけですね。まさにデジタル化に対応したスマートシティーでございますが、プラットフォームをつくって、ネット上で市民が、住民が意見や政策提案をする、それに行政がきちっと答えるという、まさにデジタル、オンラインを活用した住民参加の新しい方法が行われております。双方向であります。
 バルセロナではこのデシディムが、このプラットフォームを通じてもう幾つも住民の方々の提案を事業化する、政策化するということが行われておりまして、まさにデジタル時代の政策決定、住民参加の仕組みだというふうに思います。
 従来は住民の意思表示というと、議会の選挙で意思を示すとかあるいは住民投票とか住民参加の協議会があるとか、そういう形が従来でしたけど、このデジタル化時代でいえば、こういう、ふさわしいという点でいえば、このネットを活用した広い住民の民意を政策に反映する手段がもう既に始まっております。
 こういうことをやっぱり、仮に、私は今の段階で選ぶべきじゃないと思いますが、選んだ自治体があったとすれば、最低こういう仕組みをやっていく必要があると思いますが、是非こういうものも一つの、こういうものというか、これ非常に重要だと思うんですが、参考にして、政府としても一つの参考材料として、選ぶ自治体があれば提案していってほしいと思いますが、いかがですか。佐藤さん、どうですか。

○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、このスーパーシティの構想を進めるに当たりましては、住民の方々の意向の丁寧な把握、確認というのは非常に重要な課題であると認識をしておりまして、先ほども申し上げましたとおり、昨年十月に基本方針を改定をいたしまして、この基本構想の策定に当たっては、内閣府あるいは地方公共団体などが構成員となります区域会議が適切と認める方法で住民等の意向を反映して、把握をして反映させると、こういうことを明記したところであります。
 その際に、今御指摘いただきました、こういうITあるいはデジタル技術を活用した手法も有効であるというふうに考えておりまして、実はこの基本方針におきましても、基本構想の作成に当たっては、電子的な手法も活用しつつ、幅広い利害関係者の意向の反映に努めるという旨も明記をさせていただいているところでございます。
 今後、スーパーシティの区域指定の後に区域会議がこの基本構想を策定する際には、住民向けのサービスの具体的な内容、あるいは地域の状況等を踏まえながら、御指摘、今御紹介いただきましたような方法も含めまして、住民等の方々の幅広い利害関係者の意向を適切に反映できるように地方公共団体とともに検討してまいりたいというふうに思います。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 大臣からも一言いただけますか。

○国務大臣(坂本哲志君) 今事務方が言ったとおりでございますけれども、しっかり協議をしながらやってまいりたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 竹中さんの話に戻るんですけど、竹中さんがなぜこのトップダウンとか強い首長とか上から誘導しないと成功しないよというのは、彼は、私よく知っていますけど、五十何回も議論しましたんで、非常にリアルに捉えていると思うんですね。それは、ほかの世界のいろんな町でスマートシティーが成功していないのは、成功しなかったところあるのは、顔認証とかを含めて、やっぱり個人情報とか生体認証にも引っかかるというようなことが危惧されているということがあって、そう簡単にはいかないだろうというふうに思って判断しているんだというふうに、竹中さんは判断しているんだというふうに思います。
 そういう点でいきますと、やっぱりもっともっと住民合意の仕組み、住民参加のスキームをつくらないと、このまま行きますと、スーパーシティ構想、大々的にぶち上げましたけれど、一つも成功しないと、一つも前に進まないということが十分起こり得るわけですね。
 世界でいいますと、御存じかと思いますが、トロントでもこのスマートシティー構想が中止となりましたし、サンフランシスコ、ボストン、カリフォルニア、オレゴン、ハンプシャー、ワシントンでも、顔認証を含めて使用しないということになっておりますし、IBMもマイクロソフトも顔認証システムについては問題点を指摘しておりますので。
 日本のスーパーシティ構想は顔認証システムが一つの根幹になっております。そういう点からいっても、こういう住民の意見をよく聞くというシステムをつくらないとスマートシティーは成功しないということも指摘して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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