<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
このデジプラ法案については賛成でございますし、もうここまで来ると余りお聞きすることもありませんので、とにかく早くCツーC義務規定を実現するということで、各委員から御指摘あったことを早く実現していただきたいということだけ申し上げておきます。
消費者関係で、言うまでもありませんが、今国会で最大の焦点は、既に何回か取り上げさせていただいておりますけれど、特商法、預託法の契約書面の電子化、デジタル化の問題であります。
お手元に資料をお配りしておりますけれど、反対する団体が日増しに増えておりまして、前お配りしたときは八十ぐらいだったと思うんですが、今は百二十、この資料は三ですが、更に二つ増えて百二十五団体。京都府の生活協同組合連合会と群馬県の弁護士会がこれに加わって百二十五団体の方が、急速にこの反対の声を、声明を上げておられるということでございます。
皆さん、ふだんは消費者相談、いろんなことに現場で苦労されている方々がこれだけ反対をされているということになっております。消費者庁提案の法改正にこんなに反対が急速に広がっているというのは消費者庁始まって以来ではないかというふうに思います。そういう事態であります。
また、二枚目に、これは立憲民主党さんからもらった資料でありますけれど、昨日、衆議院の本会議で、立憲民主党、国民民主党、我が党の共同提案で、対案という形で法案を出しました。二つ目が、その申し上げた契約書面のデジタル化をしないということが主な柱の法案を提出したわけであります。
本来なら、衆議院から送られてきたときに質疑をすべきだと、私もそう思うんですけれども、実は昨日、衆議院本会議で立憲民主党の柚木議員が、柚木さんがもう呼びかけているんですね。与野党でこの点、この点での修正協議をやりましょうと、消費者庁がやらないのなら国会でやりましょうということを呼びかけておられる関係で、参議院に来る前に、できれば与野党で修正、あるいはもう消費者庁自身が削除なりやってもらいたいと思うんですけれども、そういうことがありますので、参議院に来る前が非常に大事な状況になっているので、今回も、今日も質問させていただきたいということでございます。
まず、井上大臣の現段階での認識を伺いますけれども、特商法、預託法の改正、特に預託法の改正は長年の、私もジャパンライフ問題やってきましたけれど、長年の現場からの要望でございました。特に預託法は、消費者庁は改正する必要なしということを私にもずっと言ってきたような経過があったんですね。
ところが、参議院自民党の衛藤晟一さんが消費者担当大臣になられたときに、私は衛藤さんに、もう長い付き合いでございますので、これやらなくていいんですかということを申し上げたら、衛藤さんは、あの人むきになって、やると。そういうところはいい人なんですね、あの方は。それで、事務方に指示をして、特商法と預託法の改正を政治主導でやって、で、いい改正案が出てくるということで現場の皆さんも喜んでいたわけですね。
ところが、ところが、急に突然、契約書面のデジタル化が入ってきたために、一歩前進、二歩前進どころかマイナスの法案になってしまったということで、せっかくのいい改正案だったのに泥を塗ったという関係になります。
今まで、消費者関係の法案というのは全て全会一致だったのではないかというふうに記憶しております。不十分さはあっても、絶えず一歩前進、半歩前進と、ないよりましというのがあって全会一致で来たんだというふうに思いますけれども。大体、対立するものじゃないんですよね、消費者関係というのは、与野党とかですね。ところが、今回初めてこのままでは全会一致にならないであろうというような事態になっておりまして、仮に数の上で通したとしても、初めて全会一致じゃない消費者庁提案の法案になる可能性が非常に高い状況に今なっているということであります。
井上大臣にお聞きしますけれど、これは消費者庁始まって以来のような事態に今なりつつあるわけですけど、この事態を招いたということに大臣は責任をお感じになっていますか。
○国務大臣(井上信治君) 特商法の改正についての御質問かと思いますけれども、これからの特商法の審議の中でそれぞれ与野党の皆さんの御理解をいただくように努力をしてまいりたいと思います。
○大門実紀史君 もう少し責任感じてほしいんですけどね。
ちょっと経過を申し上げますが、経過からおかしいんですよね、これね。なぜこんなことになったかという経過がおかしいんですね。
昨年の十一月九日に規制改革推進会議のワーキンググループの会議がございまして、そこで、規制改革推進会議の方から、ワーキンググループの方から、特商法のうちの特定継続的役務提供というのがありますが、特定役務としておきますが、これは七つの取引の類型、特に危ない取引を類型を決めているんですけど、ただ、そうはいっても、そのうちの、今このデジタル化、コロナ対応の下でオンラインの英会話学習が広がっていると、それだけは、全てオンラインでやっているので、紙の契約書じゃなくてオンラインで完結できるようにしてほしいという具体的な要望があって、それを規制改革推進会議のワーキンググループで提案があって、消費者庁の方は、本来なら消費者団体の意見を聞くべきなんだけれども、その場でやりますと即答しているわけですね。
ただ、そうはいっても、こういう時期ですのでオンライン学習広がっておりますから、まともな事業者も多いわけですから、そこだけ何とかしてあげるということならばこれはやりようがあったかと思うんですけれども、それが後で違うことになるわけですね。
しかし、まだ、十二月の二十一日の規制改革推進会議、二回目です、の第二回の議長・座長会合というのがございまして、これは、いろいろ規制改革の提案をしてその答えをもらうというふうなまとめの会議でありますが、ここに消費者庁からの正式な回答のペーパーが出まして、ここでも、特定継続的役務提供、特定役務についてだけ書面デジタル化をやりますと、全部じゃなくてね、今回のようにですね、というような回答になっていたわけで、ここまでは、去年の十二月の二十一日の段階までは、全部やるんじゃなくてオンライン学習とか一定の部分だけやりますという提案だったんですよね。
ところが、年が明けて一月十四日になりますと、消費者庁が消費者委員会に提案したのが、今大問題になっておりますけど、その特定役務だけじゃなくて、訪問販売、連鎖取引、マルチ商法ですね、全て、全ての書面をデジタル化することを可能にすると、そういう方向で進めるという提案が一月十四日の消費者委員会に出てきたわけであります。突然出てきたんですね。十二月まで言っていたことと違う、広げちゃったわけでございます。
昨日、私、内閣委員会でデジタルの質問したときに、規制改革推進室の参考人に来ていただいて、この問題について聞きました。
すると、内閣府の規制改革推進室の参考人の方が説明してくれたんですけれども、規制改革推進会議が求めたのは、今申し上げた特定継続的役務提供、特定役務だけだったんですね。ところが、これ参考人が言うんですよ、内閣府の参考人が言うんですが、ところが、規制改革会議が想定もしていない、調査の対象にもしていなかったにもかかわらず、訪問販売、連鎖取引までやると消費者庁の方から積極的に言ってきたということなんですね。これは議事録残っておりますから見てほしいんですよね。
じゃ、なぜ、規制改革推進会議も求めていないのに、突然消費者庁自ら積極的に、求められてもいないことに全部やると、訪問販売、連鎖、マルチまで全部やると広げたのかと。十二月二十一日から一月十四日の消費者委員会の間に何があったのかと、これが最大の疑問でミステリーなんですね。なぜ変えなきゃいけなかったかと。
私、ちょっとこの関係長いものですからいろんな関係者、知り合いおりまして、ほかの省庁にも伝わっている話ですので聞いてみました。
率直に大臣に聞きたいんですけど、事務方は特定役務だけやりますということを大臣に報告したときに、大臣の方から、言われたことだけやるんじゃなくて、自ら進んで全部やれという指示をされたと。──ちょっとあなた、手を挙げないで、大臣に聞いているんだから。と指示されたというふうに関係者から聞いておりますが、大臣、事実ですか。
○国務大臣(井上信治君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて新たな日常が模索される中で、経済社会のデジタル化が必要不可欠なものとなっております。
そのような状況下において、政府全体におけるデジタル化の議論の中で、規制改革推進会議成長戦略ワーキング・グループにおいて特定継続的役務提供における契約書面の扱いが取り上げられました。また、規制改革推進会議の事務局である規制改革推進室から、各省庁の所管法における全ての民民手続の書面規制について、法改正が必要な事項の検討依頼がありました。
これらを受けて、消費者庁においてデジタル化について検討を行い、消費者の利便性の向上や消費者利益の擁護の観点なども考慮し、特定商取引法等において、消費者の承諾を得た場合に限り契約書面等の電磁的方法による提供を可能とする改正を行うこととしたものです。
○大門実紀史君 聞いたことに答えていただけますか。
十二月の二十一日の時点から一月十四日に変わったときの、大臣の御指示があったんですかと、これだけお答えください。
○国務大臣(井上信治君) 消費者庁の中において様々な検討をさせていただきました。
○大門実紀史君 今大臣が読まれた答弁書と私が委嘱審査のときに高田さんが言ったのと、同じことを言っているんですよ。そういうことを聞いているんじゃないんですよ。もっとリアルなこと聞いているわけですね。高田さん、いいんです、あなた、今日は。大臣とやっているんだから。
それじゃ、もう一つ聞きますけれど、簡単に言えば、オンライン学習への対応だけやっていれば、やればよかったんですよ。それをもう何か分からない、こういうふうに広げちゃったことからこの大問題になっているわけですよね。
じゃ、御自分の指示かどうかはちょっと明確に言われないけれども、少なくとも特定役務だったものを全体に広げたということの責任は、大臣としてそれは当然ありますね。大臣に聞いているんですよ。大臣に聞いている。いいよ、あなたは。
○国務大臣(井上信治君) 当然、国会に提出している法案でありますから、その法案の内容については責任があるというふうに認識しております。
○大門実紀史君 それならば、その責任において聞きますけれど、この全部に広げるという、取引一般じゃないんですよね、特商法の世界なんですよね、消費者保護の世界なんですよね。いろんな積み重ねでやってきた世界なんですね。そこの全部に広げるということの影響というのは、これだけ反対が広がるということも含めて、想像できなかったんですか、担当大臣として。
○国務大臣(井上信治君) もちろん、様々な御意見があるということは当然のことだと思っています。
○大門実紀史君 じゃ、今これだけ広がっていることについてどう思われているんですか。
○国務大臣(井上信治君) 繰り返しになりますが、様々な御意見があるということは当然のことだと思っています。
○大門実紀史君 これだけ現場でやってきた方々は、様々な御意見じゃないんですよ。様々、あれこれじゃないんですよ、これだけの方々が言っているのは。どういう認識ですか、それ。どういう認識でそういう様々になるんです、これが。
じゃ、高田さん、どうしてもしゃべりたいなら一言ね。高田さんは、少なくとも何年もやってきていますよね。これ、全体に広げたことでこれだけの反対が出ると。前代未聞ですよ、消費者庁始まって以来。想像もできなかったんですか、広げたことについて。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
まず、委員御指摘のとおり、規制改革推進会議成長戦略ワーキング・グループにおいて特定継続的役務提供における契約書面の扱いが取り上げられたのは事実でございます。ただし、規制改革推進会議の事務局である規制改革推進室から、各省庁の所管法における全ての民民手続の書面規制について、法改正が必要な事項の検討依頼がございました。つまり、親会議の方では特定継続役務、事務局からは全てのということが来ておりますので、ですから、全てについて検討しました。
もちろん、委員御指摘の批判、重々承知しております。それらの批判をしっかりと受け止めまして、政令、省令、通達などを通じまして、消費者被害防止のためになるような制度になりますよう、消費者団体などの御意見も丁寧に伺いながら慎重に制度設計を進めていきたいと考えております。
○大門実紀史君 私、大臣、あなたの政治判断が事務方も板挟みにしているんですよ、現場から言われて。現場からすごいですよ。そういうことをもっと責任感持った方がいいよ、あなたは、本当に。
それで、井上大臣は昨日、衆議院本会議で柚木議員の答弁で、悪質事業者に悪用されないように、まあ政省令でしょうけれども、例えば口頭や電話だけの承諾は認めないというふうなことを考えておりますと。これはどういう意味ですか。どういう仕組みですか。高田さんでいいです、どうぞ。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
承諾の実質化、非常に重要なものでございます。例えば、電話や口頭による承諾だけでは真に承諾を得たかどうかが曖昧になる可能性がございますので、それは外した方がいいのではないかと現時点では考えておりますが、それ以外のいろんな面につきまして、皆様の意見を丁寧に聞いて、政省令、通達など、しっかり制度設計を考えたいと思います。
○大門実紀史君 これは昨日の本会議でもありましたが、菅総理も言われて、麻生副総理も高田さんに、戻ってこいとつかまえてまで、しっかりやれと、参議院のインターネット中継の動画に残っておりますから、その映像がね。それぐらいしっかりやれと言われたことで、出てきたのが、ちょっと驚いたんですが、口頭や電話だけの承諾は認めないと。
つまり、あなたは、紙の契約書が一応原則だけれども、デジタルでも契約できますよ、メールで契約書を送ることもできますよというようなことですかね。この確認は口頭や電話だけでは駄目ですよということですよね。あなたが、もうちょっと聞いてね、あなたがデジタルでやるかどうかというのを電話や口頭だけで確認するのは駄目だということですね。
じゃ、何で確認するかなんですね。じゃ、紙を送って、確認書を送って、私はデジタルでやりますと確認書、紙を送って戻してもらうんだったら、これ元々紙の世界で、こんなのデジタル化じゃないんですよね。
そうすると考えられるのは、メールで送って、デジタルで契約書送ること可能ですよとメールで送って、はい、そうしますといったら、その方はメールで返事をするか、あるいは、そのメールにリンクがあって、そこをクリックしたらそこからデジタルで契約ができるようになるということになると、これ結局全部デジタルの世界で、何もこの消費者被害が、皆さんがもう大変心配しているのは、デジタルだけで完結すると、もういろんな経験されているから、私もそうですけど、いろんなことになりますよと言っているにもかかわらず、この口頭や電話だけの承諾は認めないと、代わりにメールで確認しますだったら、何も変わらないということになるんじゃないですか。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
口頭や電話は承諾とは考えないというのは現時点で考えている一つの例でございまして、それ以外どのような実質的な承諾の取り方があるか、いろんな方の意見を伺いながら慎重に考えたいと思います。まだそれは一つの例でございます。
○大門実紀史君 例にもならないですよ。
でも、もう私、最初に御提案して、政省令でやれるならよっぽど考えないとできませんよということ言って、もう一か月近くなりますけど、出てきたのがこんな話なのでちょっと驚いたから聞いているんだけど、これでは何のあれにもなりませんよね。
もっと重く受け止めないと、政省令で本当に歯止め掛けられるのかと。私はできないと思うからもう修正、削除するしかないと思っておりますけれど、できるならやってみろと思いますし、それはちょっとウルトラCしかないですよね、これね。もうこの部分の施行を何らかの形で変えるとか、そこまで考えないと歯止めできませんよ。こんな口頭や電話だけの承諾は認めないなんて、こんなこと言っていたら、何の歯止めにもなりませんよ。
例えば、仮にデジタルでやるとしても、そのデジタルに第三者を関与する、第三者が、おじいちゃん、おばあちゃんだけじゃなくて第三者が関与するとか、もうそういう仕組みをつくらない限り、デジタルの世界で歯止めを掛けようと思うと、つまり、人をそこに、第三者を関与するとかそういうことでない限り、デジタルの世界で歯止めを掛けるというのは無理ですよ。
それぐらいちょっと想像はできると思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(高田潔君) 繰り返しになりますが、いろんな方の御意見、消費者団体等の意見を丁寧に伺いながら、慎重な制度設計、政省令、通達などで考えたいと思います。
○大門実紀史君 何といいますかね、ですから、私、実は法制局に政省令で歯止め掛ける方法を幾つも検討してもらったんですけれど、私も最初は何かあるのかと思っていたんですが、結局、結局、今申し上げたようなこととか、相当のものがない限り歯止めは難しいというふうに私なりの結論を得ております。
通常と違って、通常は、この国会審議とか附帯決議とかそういうものを受けて、それから政省令に反映するというのが通常のあれですけど、今回の場合は、これから審議が始まっていきますけれど、審議の中で一定のものが示されないと法案に対する態度は違うということも踏まえて、今まで余り法案が通る前にこういう政省令考えているなんてことは言わないようなことで来ましたけど、今回、一定のもの示さないと、法案に対する、消費者庁始まって以来全会一致じゃないという事態を招くことになりかねないということも含めて、もうちょっとリアリティーのあるものを早急に示していただきたいということを申し上げて、今日は終わりたいと思います。
ありがとうございました。