<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
最初に、委嘱審査のときに取り上げさせていただきました大手損保による損保代理店に対する優越的地位の濫用、代理店いじめですね、その問題について、そのときに三つ金融庁にお願いしたことがございます。その後の対応を伺いたいと思いますけれども、一つは、この大手損保による代理店いじめといいますか、そういうものは全国で起きている問題でございますので、各地方財務局でそれぞれ地域の中小代理店の声を聞いてあげてほしいというお願いをいたしまして、既に近畿財務局や福岡の事務所などでは対応していただいているところでございますけれども、ほかでも全体で、全国で起きておりますので、どこ行っても、そんな問題知らないとか、門前払いとか、あるいはよく分からないから帰ってくれというようなことがないように、各地方財務局に徹底してほしいというお願いをいたしましたが、その後の対応はどうなっているか、お願いいたします。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
財務局における損保代理店からの相談対応の徹底につきましては、先月三月二十四日に全国の財務局に対しまして事務連絡を発出いたしまして、代理店からの相談については丁寧に対応するように周知徹底を図ったところでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
特に前回取り上げた福岡と九州では、この三大損保、それぞれいろんなことが起きておりますので、福岡事務所以外の事務所でもきちっと話を聞いていただけるようにお願いしたいというふうにお願いしておきます。
二つ目、前回お願いしたのは、大手損保の本社自身が自分のところの関係の代理店の相談窓口を設けるべきだと。要するに、大手、本社の方針もあるんですけれど、各支社やあるいは現場の社員がやり過ぎて、高圧的な、もうパワハラ的な、あれこれやることが多かったわけですね。そういう点では、本社が代理店の方々の相談を受ける窓口をつくるべきだということを申し上げましたけど、その大手損保、特に三大メガ、四大と言ってもいいですけれど、そこの本社としての代理店対応の窓口の設置ですね、これはどういうふうになりそうですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
大手の損害保険会社におきます代理店の声を聞く相談窓口の設置につきましては、既に設置済みのところもございますけれども、まだ設置していない大手につきましても、現在、直接本社に相談できる窓口を設置すべく準備をしているところということでございまして、ゴールデンウイーク前後には稼働できるのではないかというふうに聞いております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
これも金融庁の指導によってつくる方向になっているということで、ありがとうございます。
三つ目にお願いしたのは、そもそも代理店の組織として日本損害保険代理業協会というのがあるわけですね。日本代協でございます。本来は、代理店の組織ですから、この日本代協が現場の代理店さんの声をよく聞いて、それを大手損保に伝えるべきだということも申し上げました。その点で、金融庁として日本代協に働きかけていただきたいということを申し上げましたが、この点ではその後どうなっていますか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
金融庁と日本損害保険代理業協会との意見交換会につきましては、今月二十七日に開催を予定をしておりまして、その際には、各都道府県の代協会長にもオンラインで参加をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
三つお願いして、全て機敏に対応していただいております。感謝申し上げたいと思います。
今日でこの問題を取り上げたのはもう国会で十回目になります。金融庁の迅速な誠実な対応でいろいろ改善も進んできておりますが、ただ、根本的には、一方的な手数料の引下げとかポイント制度、あるいはそもそも契約の仕組みが大手損保に有利になるような仕組みになっているとか、あるいは代理店を整理、淘汰する戦略を持っているとか、いろんなことがありますけれども、余りにちょっと前近代的で、民民の契約というにも恥ずかしい、ちょっとそれでは片付けられないような優越的地位濫用の疑いの濃い事例が多過ぎるんで、一つは公正取引委員会への訴えということも準備されているようですし、もう一つは、金融庁頑張ってもらっています行政からのアプローチということがあって、全体として、何というんですかね、本当に大手本位じゃなくて顧客本位の健全な業界にしていく必要があると思いますので、引き続き金融庁の御協力をお願いしたいと思います。
次に、資料用意いたしましたが、これも先日取り上げましたが、闇金融の問題です。後払い現金化という闇金融が今横行しているという話をいたしまして、商品を介在させることで貸金業じゃないということでカムフラージュをして、実際には年利数百%という高金利を貪っている闇金の話でございました。
金融庁と警察庁に対応をお願いしたんですけれども、これも早速金融庁は、こういう相談を一手に受けてきた被害者支援団体であります、マスコミにも登場しておりますけど、大阪いちょうの会、大阪いちょうの会というのがございますが、そこに直接ヒアリングをしていただくということになっていると聞いております。この点でも金融庁、迅速に対応していただいたと思っております。
この関係で一点知っておいていただきたいと思って資料を配りましたけど、毎日新聞の記事で、「「借りパク」ネット制裁」というのがあります。
今、闇金から借りて、もう当然返せなくなるわけですね、暴利でございますので。返せなくなると、昔のように怖いお兄さんが来て脅し付けたり、目ん玉売れとか腎臓売れというような話ありましたけど、今はそういうふうなことはほとんどなくて、何をやるかというと、電話掛けてきて、非常に丁寧な言い方で電話掛けてきて、返していただけないと会社に連絡しますと、おたくの娘さんとか家族に連絡しますというふうにまず脅したりするわけですね。本人はもう追い込まれていますから、家族にも知られたくないということで返すためにまた借りるということで、どんどんどんどんはまっていって追い込まれていくわけでございます。
もう一つの手法がこの資料なんですけれども、返せなくなったらネットにあなたの、貸すときにいろんな情報取るわけですね、家族から会社からですね、その情報をネットで流しますよと、ネットに全てオープンにしますよということをやるわけでありまして、それが今問題になっておりますが、この人は金返さなかったということをわあっとネットでやるわけですね。これによって自殺に、新聞に記事になっていますが、大阪で自殺に追い込まれた母子の問題が載っておりますけれども、それぐらい抹殺、社会的抹殺に使うようなサイトなんですけど、ここに流すぞということでまず脅すわけですね。で、もう返せなかったら流しちゃうわけですね。そして、もう自殺に追い込まれるというところまで行くと。これも脅しの手段に使って、それでまた借りさせて、とことんとことん借りさせるということをやっているわけであります。
これは金融庁だけの対応では難しいと思うんですけれど、警察庁、あるいはネットの関係でいきますと総務省も関わるかと思うんですけど、いずれにせよ、金融庁もこれ関心を持っていただきたいし、多重債務対策会議というのが今も一応あるかと思うんですけれど、関係省庁の会議ですね、そういう機会があれば各省庁とも情報交換をしていただいて、こういうサイトが大変なことに使われているということで、省庁間でも、私も警察庁とか総務省には要請いたしますけれど、金融庁も関心持って対応していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
金融庁におきましては、貸金業登録を受けずに貸金業を営む闇金融業者を把握した場合には、捜査当局等への情報提供を行うなど、これまでも関係機関と緊密に連携し、厳正に対処してまいりました。
今御指摘がありましたように、返済できない人の個人情報をネットで暴露するなどの脅しを取立ての手段として用いるものについても、当然のことながら、その存在を把握した場合には、引き続き関係機関と連携し、厳正に対応してまいりたいというふうに考えております。
また、消費者被害の拡大防止の観点からは、消費者庁等の関係機関とも連携いたしまして、広く一般の方々への注意喚起を更に行ってまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 よろしくお願いいたします。
次に、今日は税務調査とデジタル化の問題を取り上げさせていただきます。
国税庁が税務調査を行う際に、納税者の銀行口座を調べることがあります。これはむやみやたらにやってはいけないということになっておりまして、プライバシーの問題ありますので。また、銀行調査というのは本人だけではなくて本人の取引先からの入金とか支払とかが明らかになりますので、本人だけではなくて、すなわち取引先の調査もやることになりますので、いわゆる反面調査にもなりますので、今まで国税庁の通達やあるいは銀行業界の申合せなどでも、この銀行口座を調べるということは慎重な対応をしてもらうということになってきておりました。その銀行調査、すなわち税務署から金融機関、銀行にいろいろ照会、問合せをやることですね、これが銀行調査そのものでございますが、それをこれからデジタル化、オンライン化しようという動きになってきております。
まず、国税庁に伺いますけれど、これは何のためにやる必要があるんでしょうか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
国税当局におきましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に、対象者を特定した上で金融機関への預貯金情報の照会を実施してきております。
このような行政機関から金融機関に対して行われる預貯金情報の照会については、これまで書面で行われてきたため、行政機関及び金融機関の双方にとって大きな業務コストが生じているという課題がございます。そのため、平成三十年一月に取りまとめられましたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、官民双方の負担を大幅に軽減するとともに迅速かつ適正な行政事務の遂行を達成するとの観点からオンライン化を図る旨の方針が示されてございます。
国税庁といたしましても、この方針に基づき、金融機関に対する照会をオンラインに切り替えることを予定しておりまして、昨年十月から十二月にかけ、一部の国税局及び税務署を対象に実証実験を実施したところでございます。
○大門実紀史君 要するに、銀行への照会実務、これはいろいろ手続が要るし、紙でお願いして、回答があってとかいろいろありますよね。そういう事務コストの削減、あるいは郵送で、実地もありますが郵送するコストの削減、そういう、何というんですかね、そういう業務の効率化といいますか、そういうことがあって、資料で示しましたが、ガバメント実行計画で今ちょっとお話があったような実証実験をやろうということになったということでございます。
次の資料三がその実証実験の図解にしたものでありますけれど、これもちょっと簡潔に、どういう実験なのか教えてくれますか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
委員御指摘のその実証実験についてでございますが、これはオンラインにより照会を行う場合の事務フローですとか、その効率化効果などを検証するために行ったものでございます。
この実証実験の結果といたしましては、預貯金情報の照会をオンラインで行った場合、郵送に比べて照会や回答に掛かる日数が大幅に短縮できることが確認されたところでございます。
○大門実紀史君 今後に関わるので、この仕組み、実証実験の仕組みをちょっと聞きたいんですけれど、これNTTデータが介在しておりますけど、今後これ本格的に稼働していくときもこういう民間のクラウドとか民間のデータベースを使う、そういう想定なんでしょうか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
ここのクラウドで、クラウドといいますかこのオンラインで行うシステムにつきましては、今郵送で行っているものをまさしく通信手段によって行うというふうに変えていくということでございますけれども、想定してございますのはあくまでも専用の回線でもって行うということでございまして、情報漏えい、そういった問題については万全を期していきたいというふうに思います。
○大門実紀史君 後でアメリカの事例申し上げますけど、こういう民間の企業を介在させるということがどうなのかというのはまず問われなきゃいけないですね、将来ですね。
もう一つ、ちょっとこれ不思議なんですけど、何でこんな、東邦銀行、福島銀行、これ両方とも福島にある銀行ですよね。あと横浜銀行。何でこういう狭い範囲で実証実験したんですか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
実証実験というのはあくまで部分的に行うものでございまして、これを最終的には全国展開をするということを目標に、それが有効かどうかということを試すというものでございまして、そのためのサンプルといたしまして、仙台局、それから東京局及び今御指摘のありましたような税務署、こういったことを対象にして行ったところでございます。
○大門実紀史君 よく分からないんですけど、横浜銀行というのはあれですよね、昔から大蔵銀行と言われているように、大蔵省、財務省の天下りが多いとか、福島はちょっと分かりませんが、要するに、頼みやすいところに頼んだんですよね、簡単に言うと、協力してくれやすいところにですね。何かそんな気がいたしますけれど、余りこういうところに、この特定の銀行にお願いすると、その銀行というのはちょっと風評が出ますよ。あの銀行は税務署に協力しやすい銀行だというふうになりかねないんで、もうちょっとちゃんと見といた方がいいなと、現場からどう思われるかですね。これはちょっと余計な話かも分かりませんが、申し上げておきたいと思います。
とにかく、この実証実験で効率化するのは間違いないと。これは当たり前ですよね、紙をデータにするんだから、一般的に効率化しなかったら余計おかしいわけでね。
ただ、次の資料がございますけど、この問題をどう捉えるかなんですけれど、単純に一言で言いますと、これは納税者のプライバシーを税務署と銀行がオンラインでスムーズに分かち合えるようにするための実験というか、システムの構築であります。
したがって、税務署と銀行にとっては、銀行についてはちょっといろいろあるんですが、少なくとも事務負担の軽減、これはそうなるでしょうと。そのものは私も否定しませんけれど、じゃ、税務署と銀行が負担が減って良かったねと、良かった良かったということだけで済む問題なのかということで、現場からいろいろ懸念の声が上がっております。
そもそも、銀行の口座というのはプライバシーなんですけど、プライバシーをのぞかれない権利というのが憲法で保障されております。憲法十三条ですね。裁判例にもあるとおりですね。よく言われるのは、やましいことがないなら見られてもいいじゃないかというような、何で抵抗するんだというようなのがよく出がちですけど、それは、御存じか分からない、ナチス・ドイツのゲッペルスが言った言葉であって、それを基にユダヤ人の人たちのプライバシーを調べて、あれだけ虐殺したわけですね。
だから、やましいところがなきゃいいんじゃないのというのは、ちょっとここの話は違うんで、よくそこのところはプライバシーはなぜ守らなきゃいけないかということを基本に聞いてもらいたいんですけれど、納税通信という新聞にいろいろもう懸念が書かれております。要するに、この税務調査で納税者の権利を侵害することにつながる危険性が否定できないということであります。
さっき申し上げましたけど、そもそも、今税務調査で、銀行への照会、問合せというのは、内閣府の資料によりますと、各自治体も問合せするんですよね、地方税とかのことでね。で、国税ですよね。あと福祉関係も問合せとかあって、書面による照会、回答のやり取りが年間六千万件あるそうですね。膨大な数であります。ただ、国税はそのうちの一割ということになりますので、約六百万件が国税からの銀行への問合せ、これだけでもすごい数でありますけれども、私、この税務調査問題、長く取り上げさせてもらっていますけれど、この六百万件がそもそも、大変だ大変だと言いますけど、本当に照会する必要があってやっているものなのか。六百万件というと、件数からいうとほぼ全ての調査、何でもかんでも銀行に照会しているんじゃないかというふうに思ったりするんですね。
ですから、この手続のデジタル化の前に、照会する必要があるケースだけをちゃんと国税庁の通達どおりやることがまず肝腎で、どんどんやれと言っておいて、数が増えたから大変だと言う前に、きちっとやる必要のあるところだけやるとすればこれ六百万件もならないと思うんですけれど、まずその点いかがですか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
国税当局におきましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で金融機関への照会を実施しているというところでございます。
お尋ねのその六百万件という数字でございますけれども、それは、私どもが集計しているというより、むしろ内閣府の方で金融機関にアンケートを取った結果というふうに承知してございますが、例えば、一納税者について複数の金融機関と取引があったり、あるいは複数の支店と取引があったりする場合、そのそれぞれについての件数の合計額というふうに認識してございますので、私どもとしては、あくまでも、今申し上げたとおり、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で照会を実施しているということでございます。
○大門実紀史君 ちょっと具体的に申し上げますね。
銀行に照会するというのは、先ほど申し上げましたけど、調査対象の本人だけじゃなくて、その取引先まで調べることになります。あるいは銀行そのものを調べることにつながりますので、これは反面調査。したがって、これは調査対象以外の第三者も調べてしまうということがあるので、慎重にということになってきております。
ですから、これは実地にしろ書面にしろ、郵便でお問合せにしろ何にしろ、デジタルにしろ何にしろ、この反面調査は安易にやってはいけないと、対象の本人以外を勝手に調べることになりますのでね。任意調査でございますので安易にやっちゃいけないということになるわけでありまして、その点から、国税庁の事務運営通達、指針にもそのことはいろいろ書かれております。かなりもう昭和三十年ぐらいから、あっ、二十数年からいっぱい出ているんですね、これに関しての通達類はですね。
全部を紹介できませんけど、一つ二つ申し上げますと、国税庁の事務運営通達、指針にもなっていますが、取引先等に対する反面調査の実施に当たっては、その必要性と反面調査先への事前連絡の適否を十分検討すると。事前連絡をやる必要がある、やらない必要、やらないというのはよっぽどの事例だと思うんですけれど、十分検討する必要があると。実態として事前連絡をされた例は、私は余り承知しておりません。
そもそも、この始まりからいって、昭和二十六年の国税庁長官通達とありますけど、そもそもなんですけど、普遍的に個人別の預貯金等の調査を行うようなことはこれを避けると、やらないということに、これが原則だということですね。慎重にするために、それを担保するために、税務署長のちゃんと判こがある書面を持って税務署員は銀行に行って、調べたいと、教えてくださいとやるということまで定められております。
これらの基本的な姿勢、現場的にいろいろあるんですね。これ、守っているか守っていないかというところはあるし、守っていない例もたくさん指摘させてもらってきたところなんだけれども、少なくともこの基本姿勢は、このデジタル化、オンライン化する上でどのように具体的に担保されるんでしょうか。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
今委員お尋ねの通達につきましては、金融機関に対する反面調査が、その通達の発令当時における銀行業務や貯蓄増進に及ぼす影響を考慮して、銀行調査を行うに当たっては慎重を期すべきである旨を指示したものでございます。
国税当局といたしましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で、金融機関等との取引について調査を行わなければ、その者に対する適正な課税、滞納処分等が困難と認められるなど、金融機関等の取引を調査する必要があると認められる場合に実施することとしてございます。
現在そのような考え方で実施してございますけれども、これは照会方法がオンラインに切り替わったとしても変わるものではございません。
○大門実紀史君 これから制度の構築だと思うんですけれど、今、例えば具体的に、税務署の方が、郵送の場合でこの人の口座について教えてくれというのがありますけど、例えば銀行に行くと、そしてこの方の口座を教えてほしいというときに税務署長の判この押した書面を持っていきますよね。これはデジタルの上でいくと、ただ、何かあれですか、PDFでそういう税務署長の何かを相手に送るということだけになるんですか、ただそういった仕組みになるということ。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
ただいま、先ほど申しましたとおり、金融機関に対してオンラインにより照会する場合であっても書面により照会する場合と変わるものではございませんし、また、調査担当者等が金融機関に対して照会を行う場合には管理者の指示に基づき実施することとしておりまして、これは現在そうでございますが、これもオンラインにより照会する場合と書面により照会する場合とで変わるものではございません。したがいまして、デジタル化によって金融機関に対する照会を例えば安易に行うようなことにはならないというふうに考えてございます。
いずれにいたしましても、オンラインによる照会の全国拡大の際には、職員への指導を適切に行いまして、適正な運用の徹底、確保に努めてまいりたいと思います。
○大門実紀史君 この前、消費者保護の契約書面のデジタル化についてちょっとお話ししたことあるんですけど、これ対面とデジタルというのは、代わりにやれるという簡単なものでもないんですよね、いろんなことがあって。例えば、税務署の人が銀行に行って、税務署長の判こ、署名をもらって見せます。見せてと言っても、その銀行の方もいろいろですよね。何でもかんでも税務署にぺらぺらしゃべる銀行だと信用されないから、どうして必要なんですか、何に必要なんですか、こういろいろ聞いて、いろいろこうやって、しかし税務署も全部言えないと。いろんなやり取りの中でまた支店長に相談に行って、じゃ、これとこれは御覧になって結構ですというふうに、この人と人とのこととかがあるわけですね。
ところが、これとこれとは言えるけど、これとこれは言えないとか、そのニュアンスも何もないし、じゃ、逆に言うと、これじゃ分からないから、これではお答えできませんからという、特に地銀とか信用金庫にもあるんですけれど、何でもお客さんのこと答えるわけにはいかないと、ちゃんと理由言ってくださいという、やっぱり取引先守らなきゃいけないから、言った場合にお断りすることもあるわけですね、場合によっては、レアケースでね。それはどうなるんですか。断るのは何かボタンでノーとか簡単にやるんですか。どういうふうにして断る、その理由とかどうやってやるんですか、やり取りは。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
委員御指摘の点については、金融機関に職員が実際行って調査するようなケースを想定されておっしゃっているんだと思いますけれども、書面の照会は郵送で行うものでございますので、必ずしも職員が金融機関に赴いて言っているというやり方でやっているわけではございません。その書面でやっている照会について、今回はオンラインに変えるということでございます。
○大門実紀史君 申し上げていることは、よく考えていただきたいということなんですね。プライバシー守るというのは非常に大事なことでありますので、調査を何も拒否しろとか、そういう意味じゃないんですよ。プライバシーを守りながらやるのが任意調査でありますので、余計なものまで暴き出すということではなくてね。暴かれたって別に構わなくても嫌なものですよね、何でもかんでも見られるというのはですね。
参考までにアメリカで今どういうことになっているかというのが最後の資料でございまして、アメリカでは二〇一九年七月に、日本とは逆の方向ですね、納税者ファースト法、これトランプ政権なんですよ、トランプ政権のときに納税者ファースト法というのが成立をいたしました。
さらに、中身は何なのかという反面調査の関係でいくと、資料六枚目以降がその解説になっております。CNNニューズですね。
要するに、アメリカでは反面調査の手続に、逆に納税者本人を参加してもらおうという、納税者を大事にしようという改正が行われているんですね。税務署と銀行の関係だけじゃなくて、納税者の声をきちっと聞くと。当たり前です。本人のことなんだから、本人にその手続に参加してもらうという改正がされております。
いろいろ書いてございますが、全部紹介する時間ありませんが、例えば、反面調査は実施する前に、先立つ四十五日前までに本人に反面調査やらせてもらいますよと、よろしいですかという通知をすると。これちょっと、大変厳しい改正になっております。
また、大体デジタルというとアメリカの方が先行しているわけですね。さっき言ったNTTどころか、民間企業もいろんなノウハウを持っているんですけど、そのアメリカでは民間のIT企業のプラットフォームを使って税務調査の効率化をやろうなんて発想がありません。発想がありません。アメリカでさえありません。
このCNNニューズに書いてございますけど、デジタル化による効率化というのは、アメリカにとっては納税者の手続上の権利、納税者の手続上の権利を常時侵害する装置を導入するものであると、こういう捉え方をするわけですよ。常時このデジタル化によって侵害されるおそれがある、そういうものを導入するということになるので、逆に、このデジタル化が進む中で納税者を参加してもらうと、歯止めを掛けると、そういうことですね。デジタル化が進めば進むという、なればなるほど逆にそういうことをきちっと考えないといけないというのがアメリカが先に示していただいていることでありまして、このアメリカのIRSですね、連邦課税庁と日本の国税庁はなぜこんなに違うのかというふうに、違う方向ですよね、安易にやろうと。安易とは言いませんが、何も考えないでただ進めているということではないかということを大変危惧しております。
これから検討ということなので、その点はきちっとアメリカの例も参考にしながら構築してほしいと。デジタル化一般を反対しているわけではありません、業務の効率化というのはね。あるいは、場合によっては納税者の方も、長い時間調査入って、どうなるか分からない。別に悪いことしていないんだけど、何か間違いがあって指摘されたらという不安とかをずっと抱えるわけですよね。そういう点では、もうはっきりすることははっきりした方がいい場合もありますので、業務のスピード化を何も反対するものじゃありませんが、納税者の権利の点でどうかということを危惧しているわけであります。
最後に、麻生大臣に伺いますけれど、この前の消費者保護のあれもそうなんですけど、何でもデジタル化すればいいというものじゃなくて、やっぱり対面で、だからこそ守っている世界、守られる世界、いろいろあるわけですよね。そういう点でいきますと、このデジタル化を進めるからこそ権利侵害とか、何といいますか、には重々留意してやる必要がありますので、今まで国税庁、ちゃんとそういう通知は一応出しておりますので、デジタル化に当たっての改めて通知を出すとか、そういうことも含めて、その納税者のプライバシーを侵害しないようなことを考えていく必要があるのではないかと思います。
ちょっとこれからの方向ではありますけれど、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、まあ税務調査でなんという話はもう何百年似たような話をずっと我々はしておるみたいなもんなんでしょうけれども、この税務調査というのは仮にも理解と協力、納税者の理解と協力を得て行われるものだと思っておりますので、これは国税の方としてもこのことは十分に理解をした上で、納得した上で、十分にやった上でやらにゃいかぬので、今御指摘のありましたように、法令なんかで定められた手続というのがありますので、その手続を守って税務調査を実施するということになっておりますので、これはデジタル化されてもその基本は変わりませんということだけははっきりしているんじゃないかと思っております。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。