<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
今日、現場から今大きな反対の声が上がっております特商法、預託法改正における契約書面のデジタル化の問題を取り上げたいと思います。
資料、お配りいただいております一枚目に特商法と預託法の本体の改正がございます。これは私たちも求めてきた現場の声を反映したもので賛成ということで、もっと早くやるべきだったということも含めて賛成でありますが、二枚目の契約書面等の電磁的交付ですが、これが突如盛り込まれまして、今まで書面を交付するという義務があったものを、対面だったものですね、電子化、メールで契約が結べるということが急遽盛り込まれまして、この点に関して、消費者生活相談員協会、各地の弁護士会、消費者団体などから、契約内容の確認がおろそかになると、そのことによって被害が広がるんではないかという様々な懸念が出されて、反対の声が急速に広がっております。まあ当然の心配でございまして、なぜこんなものを急に入れ込むのかと。せっかくいい改正なのに、なぜこんなものを入れたのかということで驚きと怒りの声が広がっております。
今日は時間が短いので、詳しくは法案のときにやりますけれど、なぜこれが出てきたのかという点について絞ってお聞きしたいと思います。
こういう特商法などのデジタル化、書面のデジタル契約というのは今までも議論がありまして、二〇〇〇年のときにはIT書面一括法というのがありましたし、二〇一一年にもそういう議論がIT本部で議論されたことありますが、とにかく経産省も消費者庁も、特商法とかこの世界は別なんだと、ここは駄目なんだということを言い続けてきてくれたわけですが、ところが、昨年の九月、菅政権が発足してデジタル戦略が目玉にとなったわけであります。で、十一月の、始まりがどこかというと、十一月に政府の規制改革推進会議の成長戦略ワーキング・グループというのが開かれて、そこで消費者庁が呼ばれて、ヒアリングに呼ばれていたわけですね、呼ばれたわけですね。
大体、成長戦略会議、規制改革会議の委員というのは、もう何でも規制緩和という危ない人たちなんですよ。今までいろんなことを問題起こしてきた、問題を起こす提案をしてきた人なんですね。ましてや、特商法の経過とか消費者保護とか分かるわけないですね、あの人たちに。その人たちが、特定継続的役務提供、被害が多かったエステサロンとか語学教室とかですね、こういうものがあるんですけど、特定継続的役務提供というんですが、そのオンライン契約を認めろということを言って、それに対して、出席した消費者庁の担当審議官が、驚いたんですけど、議事録ありますけど、もう開口一番やりますと、書面電子化の方向で考えますと自分から前のめりで言って。そうすると、彼らは言いますよね、もっと早くやれと、だったら早くやれと。もうそういうのは黙ってないですからね。そうしたら、早くやりますと、早く法改正しますと勝手に前のめりに答えているわけであります。今、目の前に、近過ぎるんですけど、いらっしゃって言いにくいんだけど。
普通なら、要望を聞いて、今までの経過もあるし、消費者庁の立場を説明して持ち帰るというのが普通なんですけど、消費者委員会の意見も聞かないでこのワーキング・グループに出ていって法改正をやりますという方向を明言するというのは聞いたことがないんですけど、ちょっと本人に聞くのはかわいそうだから高田次長に。
こういうことというのはあり得ないと、今までだったらと思うんですけど、なぜこんなときに勝手に、消費者委員会の意見を聞かないで、やりますというようなことを明言したんですか。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて新たな日常が模索される中で、経済社会のデジタル化が必要不可欠なものとなっております。
そのような状況下において、政府全体におけるデジタル化の議論の中で、規制改革推進会議成長戦略ワーキング・グループにおいて特定継続的役務提供における契約書面の扱いが取り上げられ、委員からは、オンラインでサービスを提供している人に限ってデジタル化の特例を設けるとかではなく、全面的なデジタル化にすべきではないかといった意見がございました。
また、規制改革推進会議の事務局である規制改革推進室から、規制改革推進会議において要望されている規制のほかの民民手続についても書面主義の見直しの検討が依頼されておりました。
これらを踏まえ、消費者庁においてもデジタル化について検討を行い、消費者の利便性の向上や消費者利益の擁護の観点なども考慮し、その後、消費者委員会でも御議論いただいた上で、特定商取引法及び預託法において、消費者の承諾を得た場合に限り契約書面等を電磁的方法で提供することを可能とする法改正を行うこととしたものでございます。
○大門実紀史君 私が聞いたのは、なぜそういうことを先に前のめりで言うのかということでありまして、検討を後からするならば分かりますけどね、もう言っちゃっているわけです、ここで。
どう考えても、その今までの経過がありますから、ほかのことじゃないんですよ、特商法で被害、消費者被害があった分野の話なんでしょう。これについてそう簡単にやりますやりますというのはあり得ない話でありまして、これはやっぱりデジタル化の大号令を掛けていた菅政権、官邸への迎合といいますか、そんたくといいますか、もうそれしか考えられないと、今までの消費者庁、経産省のときから見ているとですね、というふうに思うわけであります。
このときは、規制改革会議が求めたのは特定継続的役務提供ですから、全部やれと言っていないんですよね。オンライン学習とかでそういうのがコロナの中で普及してきたときに、契約だけ書面で出すと言われるとせっかくオンラインでやり取りしているのに滞るから、それ何とかしてほしいという非常に限定的な要望だったわけですよね、はっきり言って。
ところが、消費者庁は、その後、この規制改革会議から求められてもいないのに、事業者から求められてもいないのに、この特定継続的役務提供だけじゃなくて特商法対象の全ての役務提供に対して書面デジタル化に広げたと、わざわざ消費者庁から広げたと。
これ一体どういうことなんですかね。なぜ自らわざわざ広げなきゃいけないんですか、誰も要望していないんですよ。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
繰り返しになるところがございますが、政府全体におけるデジタル化の議論の中で、規制改革推進会議成長戦略ワーキング・グループにおいて特定継続的役務提供における契約書面の扱いが取り上げられ、委員からは、オンラインでサービスを提供している人に限ってデジタル化の特例を設けるとかではなく、全面的なデジタル化にすべきではないかといった意見もございました。
また、規制改革推進会議の事務局である規制改革推進室から、規制改革推進会議において要望されている規制のほかの民民手続についても書面主義の見直しの検討が依頼されたところでございます。
これらを踏まえまして、消費者庁において総合的に検討いたしまして、このような法改正の提案をしているところでございます。
○大門実紀史君 そういう要望はちょっとあったかも分かりませんが、消費者委員会のときは慎重な意見の方がいっぱい出ていたじゃないですか。なぜ、もう消費者委員会のときにもう全部やると提案しているわけですよね。
だから、まあいろいろ後付けで言いますけれど、要するに、言われたことだけやるんじゃないですよと、消費者庁はと、官邸に対してね。官邸に対して、消費者庁は言われたことだけやるんじゃなくて自ら進んでやりますというような、何か官邸に忠誠を示すために提案したというような、政治的な流れ以外ですね、今までの消費者庁ならあり得ない姿勢の変化だというふうに思います。
申し上げたいのは、法案審査のときに詳しくはやりますけれど、申し上げたいのは、これ悪用されますよ。契約書面をデジタル化するということは、幾ら、本人の同意とか書いてありますけどね、あのジャパンライフだって何だって、みんな本人の同意取ってあの被害が起こっているわけですね。だから、本人の同意というのは関係ないんです、この世界は。必ずそれを悪用する商法が出てまいります。ジャパンライフのとき、私想像しても、あのときにデジタル化だったら彼らはこうしただろうということ、すぐ想像付くこといっぱいあります。ですから、これは、何というんですかね、非常にリアルに想像できちゃうんですね、このデジタル化したらと。
この今までの悪徳業者は、私もいろんな業者の問題取り上げてきましたけど、いつも法の隙間をつくんですよね。新手のやり方を考え出して、次々といろいろやってくるわけですよね。それを消費者庁も、あるいは私もそうですけど、後追いで取り上げて、法改正も後から穴を塞ぐと。後追いばっかりやっているんですね。またそれを彼らは次の法の隙間をついてやると。これが繰り返されているわけでありまして、もう全くそれの繰り返しですよね。
今回は穴埋めでも後追いでもなくて、消費者庁の側からそういう悪徳業者に隙を与えると、わざわざ隙を与えると、あるいはだましのツールを一つ加えて、彼らに、目の前に差し出すというようなことになるんですよ。もう今までの経験からいってなるんですよね。
これはちょっと大臣にお聞きしたいんですけれど、大臣の判断って大事でございまして、この預託法の改正、特商法の改正は、最初、消費者庁やりたがらなかったんですよ。事務方は要らないと言ったんですよ。そんなことやらなくてもいいと言ったんですよね、僕幾ら聞いてもね。ところが、衛藤晟一前大臣が、いろんな皆さんの意見、現場の意見聞いて、これやるべきだという政治主導で指示をされて、今回出てくるわけですね。やっぱりその政治主導、非常に大事なんです、この世界というのは。
その点で申し上げますけれど、今回の、消費者庁が、消費者庁が提案したこの契約書面のデジタル化、この仕組みを利用した、悪用した詐欺商法、必ず出てくると思います、間違いなく。これは消費者庁が提案したことによって生まれた被害ということになってまいります。そのときに消費者庁はこれ責任取れるんでしょうか。いかがですか、大臣。
○国務大臣(井上信治君) そういう意味では、この法律改正によって消費者被害が発生しないように消費者利益の保護を図るということは非常に重要だというふうに思っています。
特定商取引法等では、事業者に対して、契約の締結前や締結後などに必要な事項を記載した書面を消費者に交付しなければならない書面交付義務を規定しております。
この書面交付義務は消費者にとって重要な制度でありますが、社会や経済のデジタル化を踏まえ、書面でなく電子メールなどにより必要な情報を受け取りたい消費者のニーズにも応えるために、消費者の承諾を得た場合に限って契約書面等の記載事項の電磁的方法による提供、例えば電子メールでの提供を可能とするものであります。
消費者団体などから、高齢者などデジタル機器に必ずしも慣れていない面もある方々への対応や、悪質業者に利用されるのではないかなど、不安の声が寄せられていることは承知しております。
消費者庁としては、消費者団体などの御意見も十分に踏まえながら、決して消費者にとって不利益になることがないよう、政省令、通達などの策定過程においても詳細な制度設計を慎重に行い、消費者の利便性の向上や消費者保護の観点から万全を期すこととしてまいります。
○大門実紀史君 法案審議のときにと思いますが、できれば衆議院で修正をして参議院に送ってもらいたいなと、みんなが賛成できる預託法の改定してもらいたいなと思います。
一言ちょっと基本的な問題申し上げますけれど、デジタル化を進めるのはスピードアップですね。これ便利でいいですよね、私たちも早い方がいいですよね、欲しいものが早く手に入るとか、契約も早くすればと。これは、デジタル化というのはスピードです。スピードです。消費者被害、特にお年寄りやそういう方々の被害を防ぐのは、時間を掛けて、時間があるから防げるんですよね。契約のときに時間を掛ける、あるいは発見の、逆に、発見するときは早く家族が発見するという、これ時間が関係するわけですな。
ところが、このデジタル化というのはスピードアップですから、契約のときには、今までだったら、おじいちゃん、おばあちゃん、判こ押してと、判こ出してきてと。この間の間に、判こ、押す、これを考えるわけですけど、デジタルでも横に付いて、ジャパンライフの社員が横に付いて一緒にぽんぽんぽん押すと。同意、同意をしてチェック入れてぽんぽん押すというだけだともう分からないんですよね。だけど、おじいちゃん、おばあちゃんは、判こと言われたときに、判ことかですね、ちょっとどうしようかなとか、こういう時間がデジタルと書面との違いなんですよね。
で、発見されるときは大抵家族が発見するわけですよ。だまされた本人分からないわけですね。家族が変だなと思ったときに、何で、何でこんな預金の口座が減っていくのとなって、いろいろ、たんす見て、おじいちゃん、おばあちゃんのたんす開けてみたら契約書があったと。これでおかしいと思って電話してということになるわけですね。こういう発見があるわけですね。
ところが、デジタルだともうブラックボックス化して分からないと、なぜ口座、おじいちゃん、おばあちゃんの口座が減ったの分からないと、こうなるわけでありまして、大事なことは、デジタルか書面かというよりも時間なんですよね。どうしてもデジタルでやるとしたら、もう一つ、二つボタンを設けて、高齢者の方々は特にもう一つのチェック項目を設けると。そこで時間を、デジタルの方式でも時間を取るということも考えなきゃいけないと、こういう問題なんですよ。そんな軽い話じゃないんですよね。
大臣、次回のときはちょっとその辺考えていただいて、その答弁書読むのではなくて、政治家として、担当大臣としてきちっとした御答弁いただけるようにお願いして、今日は終わりたいと思います。
終わります。