国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年3月22日 財政金融委員会 赤字国債 毎年審議を/5年延長ただす
<赤旗記事>

2021年3月29日(月)

赤字国債 毎年審議を
参院委 大門氏 5年延長ただす

質問する大門実紀史議員
=22日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は22日の参院財政金融委員会で、赤字国債を今後5年間発行できる特例公債法改定案について、複数年度ではなく単年度にして国会で毎年審議するよう求めました。

 大門氏は、2012年の特例公債法で複数年度の発行が可能になったのは、「ねじれ国会」時に同法が通らず公債が発行できないのを防ぐためだったと指摘。16年の同法改定時に5年間延長したのは、公債発行の抑制に努めるため、「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化」を20年度に達成する当初目標に合わせたものだったと強調し、今回の延長期間を5年とする根拠をただしました。

 財務省の中西健治副大臣は「前回を踏襲した」と答えました。大門氏は、今回の法案ではPB黒字化を「財政の健全化」に置き換えていると指摘。「『財政健全化』という永遠のテーマのような目標となった。根拠なくずっと延長される」と批判しました。

 法案を毎年提出しない理由に関し、中西氏は、ねじれ国会での予算審議で特例公債法が「人質」になり、議論が進まない懸念があると答弁。大門氏は「国会のチェック機能が失われる。膨大な国債をどうするかを与野党で議論するのが大事だ」と語りました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 特例公債法についてお聞きしたいと思いますが、その前に、このコロナ対策で大量に発行された国債を今後どうするのかという点について方向性をお聞きしたいと思います。
 まず、コロナ対策として発行された国債ですね、カウントの仕方、補正関連なんですかね、あると思いますが、とにかく、コロナ対応として発行された国債、財務省は今どれぐらいだと掌握されておりますか。

○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 まず、コロナのために発行した国債というのを別枠にしているわけではございませんので、いろいろ混ざってしまうんですが、大体の感じを申し上げますと、令和二年度の補正予算がどういうものだったかということだと思うんですが、一次補正では二十五・七兆円、二次補正では三十一・九兆円、三次補正では二十二・四兆円であります。ただ、三次補正は減税への対応ですとかコロナ以外の部分も入っておりますので、そうしたところの精査は、申し訳ございません、できておりませんけれども、大体そういう発行をいたしまして、二年度に関しましては八十兆円ということになっております。
 また、今年の当初予算につきましても、五兆円の予備費を含め、いろいろ入っているということでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 一年間の予算にも匹敵してくるほどのコロナ対応の国債が発行されたということでございます。この国債を今後どうするのかというのはいろいろ考えなきゃいけない問題でありますけれども、通常の国債と同じような償還を考えると、ちょっと大変なことになるんではないかと思います。
 三つの方法が考えられるんではないかと。一つは、西田さんがよく言われるMMTですね。西田経済学、教科書に書いていない世界でございますが、まあ大丈夫だと、借金したっていいんだという世界が一つ。もう一つは、増税でこれを返していくというのが二つ目ですね。三つ目は、我が党はこの間そういう提案もさせてもらっていますけれども、別会計、特別会計、別勘定にして、別建ての長期償還の国債で、安易に増税にしないということですね。
 この三つが大体考えられる方向ではないかと思うんですけれども、先日、あの予算委員会の公聴会で財政金融の専門家の方お二人に聞きましたら、お二人とも我が党と同じ、別会計、特別会計で対応するのが一番いいんではないかというふうに、そういうお答えもいただいておりますが、麻生財務大臣のお考えはいかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 借りた金をどうやって返すかというこの話なんですけれども、この特別会計につきましては、もう御存じのように、これは財政法の中で特定のいわゆる歳入をもって特定の歳出に充てるということになっておりますので、一般会計というか、その歳出と区分して整理をする必要がある場合などに限ってこれは設置するものとされております。これは御存じのとおりです。
 したがいまして、この新型コロナ関連の予算につきましては、あの東北のときの復興特別の予算と、関連の特別予算とは異なって、財源措置の確保が特に講じられているわけではありませんので、したがいまして、また、その具体的なそういうものをやるという見通しもないままにこういったことをやりますと、特別会計というのの設置をやるというのはちょっと慎重にやらないかぬだろうなと、正直それはそう思っております。
 また、今言われましたように、この新型コロナによりまして、九十兆、百兆に近いような予算というものが多分出ていると、いろんなものを突き合わせますともっとほかのところに隠れて入っているところあるのかもしれませんが、足下の財政が悪化していることはもう事実でありますから、そういった意味では、この財政の信認というものが失われないようにしておきませんと、少なくともマーケットの信頼というものを失うというのはこれ最も恐ろしいんで、財政再生、経済再生、そういったものの両立というのを図って次の世代に確実につないでいくというのが我々の責任だと思っております。
 もう一つ、我々の場合は、何といってもこの少子高齢化という、ちょっと極端にほかの国に比べて進んでいる難しい問題があります。そういうものを考えまして、私どもとしては、こういったもののあれは地味ではありますけれども着実にやっていく、それしかほかに、今のところ、特別にこれといったって、ぱっと一括で徳政令とかいろんな話よくしておられる方いらっしゃいますけれども、私どもとしては今そういったことを考えているわけではございません。

○大門実紀史君 見通しがすぐ、ぱっと答えが出ない金額でありますので、ただ、財務省はすぐ増税というのが念頭に置きがちですけれど、それは大変、かえって事態を悪化させるという可能性もありますので、これからの議論でございますけれど、慎重に検討していくべきではないかと申し上げておきます。
 特例公債法ですけれど、先ほどの牧山ひろえ議員からございましたので、ほぼ同じ質問をちょっと用意していた関係で、今更ほかのことをやるわけにもいきませんので、同じ筋にはなりますけれど、ちょっとじっくり聞いていきたいなと思います。
 もう十年ぐらい前ですね、当時の財政金融委員会で大議論になりましたけれども、私もほぼもう忘れかけておりますので、財政金融の調査室に当時の議事録でポイントになるものを整理してもらって、その更に抜粋したものをお手元に、議事録の抜粋を用意してございます。
 これ見ながら、何があったのか、どういう流れだったのか、ちょっとまず確認をしていきたいと思うんですけど、改めて、まず平成二十四年、二〇一二年度の特例公債法、つまり複数年度の提案がされた、導入されたと。このときの特例公債法の趣旨を、改正の趣旨をまず簡潔に述べていただきたいと思います。

○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 こちらの抜粋ですと@とAのところに関わるわけでございますけれども、平成二十四年当時は予算の成立後もその裏付けとなる特例公債法が成立しないため、地方行政を含め、国民生活に影響を及ぼしかねない状況が生じたところでございます。
 こうした中で、当時の野田総理から、どの政党が政権を取っても当面は特例公債を発行せざるを得ない状況であることから、平成二十四年度の対応だけでなくそれ以降も考えて、予算と特例公債法を一体的に処理するルールを作るべきというお呼びかけがあって、当時の民主党、自民党、公明党の三党の間で御議論があり、三党確認書において複数年度にわたり特例公債の発行を可能とする現在の枠組みが取りまとめられたところと承知いたしております。

○大門実紀史君 この議事録でいえば、当時の野田総理が言われたことが繰り返し説明されたわけであります。要するに、ねじれ国会対策だったわけであります。これはよく皆さん、それは覚えていらっしゃると思います。
 参議院で野党が多数になりますと、予算は衆議院で可決すれば衆議院の優越で時期が来れば通りますけれども、公債法案はそうはいかないということで、参議院で当時の民主党が多数になれ自民党が多数になれ、どちらであってもなかなか通りにくい状況が生まれてくるというところで、安定的な財政運営というのは、つまりそのねじれによって左右されないという意味だと思いますが、複数年度の発行を認めるということで、民自公の合意でやられたわけですね。要するに、ねじれ対応以外の何物でもなかったわけです。ねじれがなかったらこういう法案は出てこなかったわけですね。これは、もう当時いらっしゃった議員の皆さんはみんな御存じのことだというふうに思います。
 じゃ、なぜ四年間としたのかもこの議事録に出ておりますし、先ほど牧山議員からも指摘ございました。要するに、特例公債法の第三条というのがございまして、この複数年度で発行するという、で、一括したものだけれども、だからといって、公債の発行は抑制的にならなければいけないと、四年間とかいったからといって自由にやっちゃ駄目よと、公債の発行は抑制しなさいよという特例公債法の三条がありましたものですから、それを担保するために、それに応えるために、これは、三党合意で確認された財政健全化計画ですね。
 先ほどございましたが、プライマリーバランス、GDP比ですけど、の赤字を半減する目標、この目標が二〇一五年となっていたものですから、このときの特例公債も同じ二〇一五年に合わせて四年間としたということでございまして、忘れてはならないのは、当時の議論はねじれが、ねじれ国会でいろいろあったと、やっぱり安定的に予算は執行しないと国民にも迷惑掛けるというような理由があったわけですね、皆さん。しかし、かといって、五年間、四年間、わあっともう審議がないからといって増やしちゃいけないと、だから、特例公債法の三条を担保すると要請があって今言ったプライマリーバランスとの関係が決められたわけでありまして、これ、よく覚えておく必要があるかというふうに思います。
 二〇一六年ですけれども、まず、当時は麻生財務大臣でございましたからお聞きしたいんですけど、ねじれはもう解消しておりました。この法案はそもそもねじれ対策でございました。ねじれが解消していたにもかかわらず、なぜ二〇一六年にこれが延長されたんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) この特例公債法については、今言われましたように、たしか二〇二四年に、当時の民主党、自民党、公明党の確認書等々で、三党で議員修正によって複数年度にわたり特例公債を発行可能とする枠組みができたんですが、今、大門先生御指摘のとおり、平成二十八年の改正では、少なくとも今後五年間はこの特例公債を発行せざるを得ないであろうという厳しい財政状態にある中で、三党でお決めいただいた枠組みというものを、引き続き安定的な財政運営を確保するという観点から、今年度までですか、五年間、特例公債の発行根拠を延長したというように御理解いただければと存じます。

○大門実紀史君 要するに、今のお言葉そのまま取ると、引き続き財政運営の安定ということは、ねじれは解消したけれども、また将来ねじれが発生することもあるということが含まれているわけでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 十分にあると思います。ないことを期待はしますけど、あり得ると思っています。

○大門実紀史君 過去にも歴史的に言えばねじれみたいなことがあったわけですけれども、ねじれがあるからということになりますと、そもそも特例公債を財政法上求められてきたことからいくと、ねじれがあるからずっとこれやっちゃおうということになると、ちょっと財政法との関係が疑わしくなってくると。
 ですから、私は、そもそもねじれが、元々ねじれ対応で始まって、ねじれが続いて現実的な問題としていろいろあったから、取りあえずもう五年間はということで、私どもは反対しましたけど通したんだなと思っていましたけど、解消された後もいつあるか分からないということになると、もうずっとその理由が立てられてしまうんではないかというふうに思いますし、もう一つ、二〇一六年ですね、このときは五年ですよね、五年間ですよね。この五年間の理由も、先ほど牧山さんとの議論でありましたけれど、プライマリーバランス、今度はプライマリーバランスの黒字化ですね、黒字化という安倍政権の財政健全化目標の年度と合わせたということですね。
 これも先ほど申し上げましたが、このときまでは特例公債法の三条の公債の発行の抑制に努めるということを非常に厳格に意識されて、一応ですね、一応意識されて、結び付けられて五年間だったというふうに思うわけですね。
 そういうことだったと思うんですが、それはよろしいですか。

○政府参考人(角田隆君) ここは、最初の二十四年のときに、何年にしたらいいかという問題が恐らく悩ましかったんだろうと思いますけれども、そのとき、野田総理からのお呼びかけは、その記者レクなんかを見る限り、二〇二〇年、二〇二〇年までの黒字化、だから二〇二〇という考え方もあるし、半減の二〇一五までという考え方もあるということでお呼びかけがあって、そのとき、実際に何年にしたらいいかというときに、さすがに九年は長いと多分お考えになったので、二〇一五年、四年で切られたということだというふうに我々としては受け止めております。
 したがって、次もおおむね四年程度ということであれば、残期間が五年でございますので、その最終ゴールの黒字化、二〇二〇年度までの五年間について授権をお願いしたという経緯でございます。

○大門実紀史君 いや、ちょっと違いますよ。このときは私も国会で議論、よく覚えていますし、二〇一六年ですから。ここには麻生大臣の議事録、御答弁ありますが、ほかにもありまして、要するに、いろいろじゃなくて、プライマリーバランスの黒字化との関係だということを答弁を繰り返しされておりますんで、ちょっとぼやかした言い方してもらうと当時の国会議論は何だったのかと、答弁が何だったのかとなりますので、これはもう明らかに、麻生大臣の御答弁、当時の御答弁にもあるとおり、プライマリーバランスの黒字化との関係があったんだというのは、これはもう明白だというふうに思います。
 その上で、今回の改正の趣旨を改めてちょっと説明してくれますか。

○政府参考人(角田隆君) まず、平成二十四年に三党確認書と議員修正によって定められた枠組みを受け継ぎ、引き続き特例公債を発行せざるを得ない厳しい財政状況にある中で、安定的な財政運営を確保する観点から、現行法と同様に今後五年間の特例公債の発行の根拠を求めるものでございます。

○大門実紀史君 なぜまた今度はプライマリーバランス、私は、率直に言って、何か今度はプライマリーバランスとか何か結び付けるにはちょっと厳し過ぎる、状況がと、これはよく分かるんですよ。しかし、今までは特例公債法の三条との関係を厳格にしてきたという関係でいくと、すぽっと抜けていると。漠然と五年、財政健全化の五年と、これだけというところの、何というのか、ちょっと、論理的な今まで積み重ねてきたものからかなり飛躍しているというふうに思うんですけれども。
 先ほど、中西副大臣が、今ちょっと私が申し上げた現実的な話で、プライマリーバランスと特例公債発行の期限とを一致させるのはもう現実的に難しいと、はっきり言って。させられないというようなこともあって、プライマリーバランスとの関係は今回結び付けていないんですという御答弁ありましたけど、それはもう一つの現実論として分からなくはないんですけれども、そういうことじゃなかったですか、さっきの。

○副大臣(中西健治君) 先ほど牧山先生からの質問のときにお答えしたのは、現実的に難しいからということではなくて、プライマリーバランスの政府目標からすると、二〇一八年に一回変更されたことがありますと。二〇二〇年度の黒字化目標が二〇二五年度に変わっていますけれども、元々の現行法が変わっているわけではないというようなことを一つ申し上げたのと、もう一つは、この発行期間とそれからプライマリーバランスの黒字化というのは一致させる論理的必然性はないと。というのは、プライマリーバランスの黒字化を達成しても、特例公債は発行し続けなければならないからだと。これまでの累積債務がありますから、それに対応する必要があると。この二点を申し上げました。

○大門実紀史君 特例公債を、私たちでも発行もうしなくていいとか、誰もそう思っていないですよ。ずっと続けざるを得ないと思う、野党が政権取った場合でも。それはもうそういうこと。問題は、五年更に延長しますとか、その意味なんですね。
 それは、やっぱり今まで厳格に結び付けられたし、決してプライマリーバランスだけとは限らなくて、たまたまプライマリーバランスがあったので、三党合意の場合も、安倍政権もあったので、それと結び付けてありますが、いずれにせよ、何らかのもう少し具体的な財政健全目標と、この五年間とか何年間というのはもう少し整合性があるべきではないかと。そうでなければ、別に五年じゃなくてもいいわけですよね。三年でもいいし、八年でもいいしということになるわけですね。
 そういう意味で、その五年の根拠が牧山さんも私もよく分からないと、こういうことだと思うんですが、分からないんですけど。

○副大臣(中西健治君) 四年なのか、五年なのか、六年なのか、いや、二年、三年なのか、いろいろな選択肢があるんだろうというふうに思います。初めは四年、そして前回五年ということで来ました。今回は前回を踏襲させていただいたということであります。

○大門実紀史君 ですから、前回はそういう具体的な財政健全化目標、たまたまプライマリーバランスという数字があったんですけど、それがあったんです。だから、前回を踏襲するというと、踏襲していないと思うんですよ、五年間の根拠についてね。だから申し上げているわけでございますけれど。
 ちょっとよく分からないんですけど、資料のDの議論ですけど、今年の二月二十四日、衆議院の財務金融委員会で、主計局次長さんですね、要するにこういう議論があったんでしょうね。先ほどの繰り返しになりますけれども、安定的な財政運営を確保する観点から、もうこれを繰り返し言われていると。この点につきましては、非常に政治的なお話になりますので、私がこれ以上申し上げるのは差し控えますと。
 この政治的なお話って、どういうことなんですかね。

○政府参考人(角田隆君) それは、再びねじれになったときにも、ちゃんと、別にわざわざ人質に取るようなことはしませんよという趣旨の野党の委員からの御指摘があり、それに対して財務大臣から、まあ、そうはいってもねじれというのはなかなか難しい問題をはらんでいるということをこの前の段階で御議論がありまして、そこが肝ではあろうと思いますけど私ごときが言及するような話じゃないと思いましたので、そこは差し控えさせていただいたということでございます。

○大門実紀史君 そうすると、五年に余り根拠がないというのは、分かっちゃいけないんですけど、分かりましたけど。
 そうすると、何をもってこれから、この特例公債発行は、現実的に誰がやってもこれからずっと続くだろうというのは分かるわけですけど、この特例公債法が五年後また延長されるかもしれない。こういうときに、これはもう財政健全化だけ掲げれば特例公債法の三条を満たしているというふうにしちゃえば、もう何というんですか、ずうっと、ずうっとこれは提案できてしまう、提案することは可能になるということになりませんか。もしよければ。

○政府参考人(角田隆君) 取りあえず、私の方から。
 今回の対応としてこのように提案をさせていただいたということで、五年後については何か予断を持ってということではございませんということを申し上げておきたいと思います。

○副大臣(中西健治君) 先ほど大門委員もおっしゃられましたけれども、特例公債で授権されることというのは、公債を、赤字国債を発行できるかどうかというその有無の話であります。今、現実を踏まえて考えると、赤字国債を発行しないということは全く、一億円でも発行するためにはこの特例公債で授権されなきゃいけないということになると思います。
 私は財政健全化の旗は高く掲げておくべきだと思いますし、その中で肝要なのは、この発行の有無ということよりも、発行金額をどういうふうにマネージしていくのか、抑制していくのかということじゃないかと思います。特例公債の議論というのは極めて重要だと思いますけれども、それ以外の枠組みというのが必要になってくるということじゃないかと思います。
 その中で金額について言うと、やはり一番大事なのは予算ということになると思います。政府・与党がどのような予算編成の考え方をして予算を出してくるのか、そして国会で予算審議においてどうやってチェックしていくのか、これがもう一義的には一番重要になってくるということじゃないかというふうに思います。

○大門実紀史君 それはまた別の議論ですね、金額、発行の額は。別の議論といいますか、それは当たり前の議論でありまして。
 今回のこの五年間とか、今まで、何度も繰り返すようですけど、四年には意味があって四年間。その間は公債の発行の抑制に努めますと、その担保としてプライマリーバランスを持ってきた。五年もそうでしたね。今回はそれがないというところで、当然その額が大事ですよね、発行額もね。だけど、この特例公債五年間とかを要するに国会で議論しないで、審議しないでぽんと認めていくという方式ですよね、これについて今議論しているわけでありますので。
 何といいますか、ちょっと大きく振り返りますと、そもそもねじれ対策という理由はなくなったと、プライマリーバランスなど具体的な目標と結び付けることもなくなって、一般的な財政健全化、もう永遠のテーマのような、永遠のテーマのような目標になったと。これで特例公債また五年発行するということになりますと、今度は麻生大臣のお考えを聞きたいんですけど、こういう、こういうことになれば今後幾らでも、しかも何年間と、五年という理由も、前が五年だったから今度も五年みたいな話で、その根拠もなくずっと延長できるということになってしまうんじゃないかと思いますが、麻生大臣はいかがお考えですか。

○副大臣(中西健治君) 大臣の前に。
 今回五年間というのは全く根拠がないということではありません。今回の法案の書きぶりというのは、プライマリーバランスの黒字化というのは入れていませんけれども、政府としては二〇二五年黒字化というのは目標として堅持しておりますので、その意味で踏襲させていただいたということでございます。

○国務大臣(麻生太郎君) 今、中西副大臣の方から答弁が既にあっておりましたけれども、これ今何となく税収がこれだけ、六十兆のはずが六十兆も全然届かずというような話になってくると、だんだんだんだんこう落ちてくるという、ずっと続くような感じがしますけど、世の中はそうばっかりとは限らぬので、間違いなく良くなると、良くなる方にいろいろずっと良くなっていくような感じもするものなので、なかなか上がったり下がったりというのは付き物だというのはこの四十年間ここにいてつくづくそう思いますけれども。
 今回のときも、少なくとも、このコロナの後、経済というのは回復軌道に仮に乗っていきますと、少なくとも私どもとしてはこういったような問題をやらなくてもいいような状況になっている可能性があると、これゼロじゃありませんので、また、そういうものだと思って我々二千二十何年までというのをやりたいと思っております。
 いずれにしても、そういった先々、この後から五年したとき、どういう財政状況になっているかというのはよく分かりませんけれども、しかし、私どもとしては、こういったような話でもう一回また当然のごとく五年間という延長なんという話を安易に持ち出すことがないような努力を私どもは財務省としてはせにゃいかぬと、政府としてはしなくちゃいかぬところだと、基本的にはそう思っております。

○大門実紀史君 そういう御努力とか何かとかは当たり前に分かるんですけど、じゃ、ちょっと聞き方変えますけど、幾ら伺っても、この立法事実といいますか、五年にする、五年間という、立法事実というか理由が分からないんですけど、これなぜ毎年議論しちゃいけないんですか。なぜ毎年この特例公債法について議論してはいけないんですか。毎年議論したって同じ問題意識でやれると思うんですけど、なぜ毎年しちゃいけないんですか。

○副大臣(中西健治君) 大門委員が二〇一二年当時の議論も先ほど敷衍していただきました。
 やはり、二〇一二年だけにではなくて毎年度、ねじれがあったときには、三月になると、予算を成立させるためにこの特例公債法が言わば人質になっているような形でなかなか議論が進まないということがあったと思います。そして、実際に、二〇一二年はもう御紹介されたとおり実際に通らないで、地方交付税なども交付されないということで半年間ずるずると行って、国民生活に支障が起きそうだということだったと思います。
 ですから、国民生活に支障は万が一にも起こさないようにと、こういう意識の下、ことで複数年度化ということをしたいということだと思います。

○大門実紀史君 私もあのとき思い出しますけど、野党もいろんな対応があったと思うんですけれど、予算が通って、参議院は参議院の民意が反映しているからということがあって、それはただ本当に政争の具にしようと思えばできるというのはあるかも分かりませんけれど、そういうことばかり想定するんじゃなくて、やっぱり与野党できちっとした議論をすればああいう状況にもならなかった可能性もあると思うんですよね。
 大事なことは、やっぱり今のこの膨大な国債をどうするか、これからどれだけ発行を抑えてどうやってやりくりをするかという真摯な議論を与野党でやることが大事で、何かもう政争の具にされるからといってもう警戒して何年だ何年だというのは、ちょっとそれ、そういう、国会そのものがばかにされる国会で、国会のチェック機能も失われるし、審議権も失われるということになりますので、ちょっとそもそも問題の立て方が違うのかなと思ったりいたします。
 最後の資料に、私と中西、当時の、中西さんの議事録が載せてありますが、私は二〇一二年の十一月十五日、こういうことを申し上げました。
 私は、一回こういうことをやると、延長しちゃおうと、それからだんだん恒久法的になってくるという懸念を強く指摘しておきたいというふうに思いますと。まさに今日の事態を予測した発言をさせてもらったと思っておりますけど、しかし、あのとき最も鋭い質問をされたのは中西さんだったんですね。
 中西さん、もうすごいですよね、プライマリーバランスが半減化するという根拠があるというようだけれどもと、更に詰めて、もしそれが途中でうまくいかなかったら、この四年間の発行を認める措置を見直すこともあるのかと、よくここまで詰められたなと思いますけど。こういう、こういう議論だったんですよ、あのときは。こういう議論だったんですね。
 そういうものがざっと何か曖昧になって、ばくっとした話になっているんですけど、まあ、もうあえて、やっぱり一言聞きますかね。
 あのときの議論はいかがですか。

○副大臣(中西健治君) 鋭いと言っていただきまして、どうもありがとうございます。大門委員にそのように言っていただき、大変有り難いというふうに思います。
 その上で、先ほど牧山先生の質問のときにも申し上げたんですけれども、何らかの財政健全化の数値目標と公債の発行というのをリンクするということはあり得べしだというふうに私は個人的に思っております。それが今までの特例公債だと努力義務という形でプライマリーバランスと結び付けていたということでありますけれども、更にもっと厳格化するということもあり得るだろうと私は個人的に思っています。
 ただ、厳格化すれば柔軟性とのトレードオフが起きるということだろうというふうに思います。どちらを重視するかということではないかと思います。
 以上です。

○大門実紀史君 まあ今や特例公債発行なしに財政運営が立ち行かないのはみんな分かっていると。その上で、だからこそ、やっぱり議論をすべきだと、議論から逃げると言ったらなんですけれども、議論しないんじゃなくて、だからこそ議論して、与野党で議論して、やるのが国会の役割だと。やっぱり国会のチェック機能とか審議権のこと考えますと、やっぱりこういうやり方は違うのではないかということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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