国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年3月16日 財政金融委員会 小企業も使いやすく/「劣後ローン活用へ」
<赤旗記事>

2021年3月22日(月)

小企業も使いやすく
大門氏「劣後ローン活用へ」

質問する大門実紀史議員
=16日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は16日の参院財政金融委員会で、コロナ禍で過剰債務に陥った中小企業への支援について「劣後ローン」の仕組みを民間金融機関でも行いやすくし、小規模企業も活用できるよう提案しました。

 劣後ローンは、企業のバランスシート上、負債でなく資本に計上されます。元本返済を先延ばしできることで新たな融資が受けられやすくなるなどのメリットがある一方、倒産時など返済順位が劣る(劣後する)ため、貸出利率が高くなります。

 大門氏は、政策金融公庫が行うコロナ対応の劣後ローンは、政府が利子を補填(ほてん)することで貸付金利を低く抑えていると指摘。信用金庫など「民間金融機関が小規模企業むけの劣後ローンを行った場合は、政府が利子分を支援してもいいのではないか」と提案しました。

 金融庁の栗田照久監督局長は金融機関が「企業の実情に即して金融支援を行う必要がある」とし、「その一つのツール(手段)として劣後ローンがある」と答弁。麻生太郎金融担当相も「引き続き、この厳しい状況を抜け出す支援が徹底されるように、われわれとしても支援していきたい」と応じました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 一月の当委員会、また先日の本会議で取り上げました中小企業の過剰債務問題について、コロナ禍で積み上がった中小企業の過剰債務問題について具体的に今日は質問していきたいと思います。
 最初に、麻生大臣に伺います。
 三月八日に金融庁は、全銀協の会長などの出席された中小企業の金融円滑化に関する意見交換会を開催されたというふうに報道されております。非公開ということでございますが、お話しいただける範囲で結構ですので、どういう議論がされたか、ちょっと教えてください。

○国務大臣(麻生太郎君) 三月八日でしたか、梶山経済産業大臣と一緒にほかの当局者と官民の金融関係の方々出席していただいて、中小企業等の、年度末控えていますので、金融の円滑化に関する意見交換会を催させていただきました。
 私の方からは、金融関係の代表の方々に対して、とにかく貸し渋りとか貸し剥がし、最近余り聞かれなくなりましたけれども、こういった、行わないことは当然のことですけど、そういった誤解を招くようなことがないように、引き続き事業者の立場に立って最大限柔軟に対応してもらいたいということ。それから、実質無利子無担保融資というものの据置期間とか返済期間とかいうものにつきましては、これは、要請してくれる企業経営者側の方のニーズを十分に踏まえて長期の延長等々を積極的にこれ提案する、金融側がですよ、金融側が提案する等々、親身な対応、丁寧な対応をやってもらいたいということ。
 それから、例のここに書いてありますこれ劣後ローンの話で、これは金をどんどんどんどん、今、中小企業のおじさん聞いても、時々、あんた、それ返済せにゃいかぬとばいと言っていろいろ話をするんですけれども、金借りられているうちは大丈夫と言うから、そのうち、おまえ債務超過になったら金借りられなくなるんだぜという話をしなきゃ分からぬ人もおられますから、経営者の中には。そういったことを考えて、劣後ローン等々について、これ事業者側に対して丁寧に説明してやれと。金借りていられたらいいというもんじゃないぞと。政府が無利子だからどんどんどんどん借りていったら、間違いなくここに書いてありますように、負債が立ってきますと、これあれに立ちますので。
 そういった意味では、申請をサポートするためにはどうしなきゃいかぬかというので、劣後ローンの話とか、官民で一緒に提携して政府金融機関の方と民間の金融機関と組んで、一緒になって資金繰りの支援とかいうのをやった上に、要請文の書き方も余り正確じゃない方もおられますので、そういった方々に丁寧に要請文というのを出させていただくというようなこともやっていってもらったらどうですかといった形で、金融庁としても他の省庁と、他の省庁とは通産省の中小企業のあれがありますし、そういったものも含めまして、関係省庁と連絡をして引き続き金融機関の取組というものをしっかり推していきますんで、お力添え、御協力をお願いします。
 まあアバウトはそんなところです。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 本会議のときもちょっと数字申し上げましたけど、民間金融機関のコロナ特別融資の残高が一月末で十七・五兆、公庫のコロナ特別融資残高は十二兆、合わせて約三十兆円でございます。この三十兆円のコロナ債務が、まあ当面返済の据置きができるわけですけど、後々足かせになっていく、あるいはもうなっていると。つまり、新たな借入金が必要なのにできなくなりつつあるということですね。
 ただ、この三十兆円全てが焦げ付く、返済不能になるというわけではないと思います。リーマン・ショックのとき調べましたら、保証協会の代位弁済率というのは大体二割から三割でございました、製造業中心でしたけれども。今回は、製造業よりも小売サービス関係の中小企業が厳しいと。まあそれでもリーマンのときに二、三割が代位弁済でしたので、三割強が仮にほっておくと代位弁済になるとすると、約十兆円の債務がかなり中小企業は返済が苦しくなるんではないかというふうに、大体それぐらいのオーダーで見られると思います。
 で、どうするかということで、まあ父ちゃん母ちゃんでやっておられる家族経営の個人事業者は、やはり返済猶予などの政策的措置が継続が必要だと思います。中堅企業は既に様々な事業再生の仕組みが用意されておりまして、問題は、従業員三、四人から十人ぐらいの小規模企業、小法人ですね。小さいといっても、地域の経済の雇用を、雇用も含めて支えているのは大体この規模の小規模企業が多いわけでございます。
 東京商工リサーチによりますと、二月の倒産がコロナ関連が百十四件で、前年二月からの、昨年二月からの累計で一千件超えたそうですけど、資本金一千万未満が全体の、倒産全体の六五・六%を占めて、従業員十人未満の企業が倒産全体の八八%となっております。廃業もこの層が多いわけですね。したがって、当面の課題としても、この小規模企業の倒産をどう防ぐかということと、今後のコロナ後の地域経済を考えても、イメージとしては従業員十人未満の小規模企業を潰さないということが大変重要になってくるというふうに地域経済の再建からも思います。
 しかし、この小規模企業になりますと、返済猶予の延長だけではなかなか救済できないわけでありまして、一定の規模、雇用を守るために、新展開もありますから、仕入れ、運転資金などの一定の新たな資金が常に必要になってくるということになります。
 今日はそういう小規模企業への支援ということに絞って質問したいと思うんですけれども、その手段として劣後ローン、麻生大臣に紹介してもらいました劣後ローンが使えないかということをちょっと考えてみたいというふうに思いますけれども。
 劣後ローンについては、この間、長引くコロナ禍の下で事業者の間でも関心が大変高まっております。資料をお配りいたしましたけど、まず、そもそも劣後ローンとはどういう仕組み、何なのかということを簡潔に御説明をお願いできますか。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 御指摘の劣後ローンと申しますものは、金融機関が債務者の財務状況を評価する際に、十分な資本的な性格が認められるといたしまして、法的には債務でありますけれども、資本とみなしてこれを取り扱うというタイプのものでございます。
 この劣後ローンの資本性の有無につきましては、一般に償還条件、金利設定、劣後性といった観点から判断をいたします。具体的には、償還条件につきましては、契約時における償還期間が五年を超え、かつ期限一括償還又は同等に評価できる長期の据置期間が設定されていると、金利設定につきましては、資本に準じて配当可能な利益に応じた金利設定であること、すなわち、債務者が厳しい状況にある期間は金利負担が抑えられるような仕組みになっていること、劣後性につきましては、万が一法的破綻に至ったような場合におきましては他の債権に対して劣後するといった条件を確保しているローンということでございます。

○大門実紀史君 資料を用意いたしましたけれども、もう少し分かりやすく言いますと、通常の金融機関の融資というのは、バランスシートでいうと負債に計上されますから、借入金が増えてきますと、財務状況は悪化したとみなされて新たな借入金が難しくなってまいります。劣後ローンというのは、バランスシート上は資本に計上されますので、見かけの上では資本が増強されたと、財務が改善されたというふうに見かけ上はなります。したがって、新たな借入れもしやすくなるということと、通常の融資というのは返済計画を立ててそれに沿って借入れを返済してしていくわけですけれども、この劣後ローンというのは返済のタイミングを金融機関と相談して決められる、五年後とか十年後とかですね、それまでは利息だけ払って元本返済を先に延ばすことができます。その間に経営の再建ということができるわけですね。
 ただ、金融機関にとっていえば、元金返済は先延ばしになりますし、また、劣後という意味はもう御存じのとおりですね。いざ倒産したときに返済が、その際に返ってこない、順番が、返済順位が劣ると、下がるということでありますので、倒産したときに返ってこないリスクがあると。したがって、リスクが高いので貸付利率も高くなるということがございます。
 この劣後ローンは、東日本大震災のときも震災復興支援として打ち出されました。どういう制度だったかということと、そのときの実績を簡潔に説明をお願いします。

○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。
 震災復興支援資本性ローンでございますが、東日本大震災で直接、間接被害を受けた事業者、それから風評被害等による一時的な業況悪化によって資金繰りに支障を来している事業者等を対象としたものでございまして、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫等において措置したものでございます。
 具体的には、東日本大震災復興特別貸付けとは別枠で最大七・二億円まで融資ができることとされておりまして、貸付期間は十年、期限一括償還でございます。金利につきましては、貸付け後一年ごとに、直近決算の成功度合いに応じまして〇・四%、それから三・六%の二区分の利率が適用されてございます。
 それから、実績でございますが、この日本公庫による資本性ローンでございますが、これまでの貸付実績は二百五十五件、約二百二十三億円という貸付実績でございます。

○大門実紀史君 この二枚目の資料の概要で、一番頭に書いてございますけれども、東日本大震災復興特別貸付けの利用対象に当てはまる中小企業者と書いてございます。この中小企業者というのは何か範囲とか定義があるんでしょうか。

○政府参考人(新川浩嗣君) これは中小企業基本法等に定められる中小企業者ということでございます。

○大門実紀史君 したがって、先ほど申し上げました従業員十人以下のような小規模企業も対象に、使えると、使えるはずだということですね。

○政府参考人(新川浩嗣君) この復興支援のこの劣後ローンでございますが、日本公庫の分類で申し上げますと旧中小公庫分ということになりますので、いわゆる零細企業を扱っております旧国民公庫とは別のものでございますので、いわゆる零細企業というのは対象になってございません。

○大門実紀史君 私、零細とは言っていませんが、じゃ、従業員十人以下のような小規模企業、まあ零細と考えて、対象になっていないということですか。はい、分かりました。
 その実績は、もう一枚、三枚目の資料に書かれてございます。公庫の方を見ますと、今おっしゃっていただいたように、二百五十五件、二百二十三億円ですね。東日本大震災のときは二重ローン問題、過剰債務が今と同じように大問題になりまして、債権買取機構とか私的整理ガイドラインとか様々な対策が打ち出されました。
 そのことから考えると、仮に零細企業は、まあ零細という企業は言い方はちょっとあれなんですが、小規模企業は除外したとしても件数が少な過ぎるんではないかと、金額もですね、思います。
 また、平均すると、一件当たりの金額は八千万円、八千七百万ぐらいですかね。この資本の勘定に入れるローンを、劣後ローンを八千万繰り入れるということは、当然その企業は資本金は八千万以上、一億以上はあるんではないかと想定されるわけでありまして、したがって、中小企業者といっても、実態は、何といいますか、まあ製造業の中小企業定義というのは資本金三億円以下、従業員が三百人以下とかありますから、要するに、これは中堅企業の利用がほとんどだったのではないかというふうに思われますが、いかがですか。

○政府参考人(新川浩嗣君) 詳しい実績はちょっと手元にございませんが、恐らくそうした実態にあるというふうに考えております。

○大門実紀史君 私は、もちろん中堅企業も、被災地回りましたけど、雇用者たくさん抱えておられるんで、支援することは大変重要だと思っております。
 ただ、大きなところしか利用できないものなのかと、今後のことを考えるとそういう仕組みのままでいいのかということはやはり今考えなければいけないんではと思うんですけれども。
 今回、コロナ対応で打ち出した劣後ローン、資料四枚目に用意しましたが、これについて概要を説明してください。

○政府参考人(新川浩嗣君) 日本政策金融公庫等の新型コロナ対策資本性劣後ローンでございますが、こちらの対象は、小規模事業者も含めた中小企業等というのが対象になってございます。それで、新型コロナウイルス感染症の影響によりキャッシュフローが不足するスタートアップ企業、あるいは一時的に財務状況が悪化したものの持続可能な中小企業・小規模事業者を対象としてございます。
 商品性でございますが、具体的には償還期限は三つに分かれておりまして、五年一か月、十年又は二十年の期限一括償還、それから、いろいろ御利用いただいております実質無利子無担保融資とは別枠で最大七・二億円まで、もうこちらは中堅企業が対象になりますが、融資できることとなってございます。
 金利につきましてでございますが、日本公庫の中小企業事業あるいは商工中金の場合でございますが、当初三年間は〇・五%、それから国民事業のときは一・〇五%、それから十年、五年一か月と十年の金利でございますが、中小事業二・六%、国民事業では三・四%、二十年の場合は二・九五%、国民の場合は四・八%と、このようになってございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 この今回のコロナ対応の実績ですけれど、五枚目の資料に決定件数、金額がありますが、これは、この数字で動いていないということで、確認ですが、よろしいですか。

○政府参考人(新川浩嗣君) このお配りいただいた資料のとおりでございます。

○大門実紀史君 決定件数が二千百六十九件で金額が約四千億円ということで、先ほど申し上げましたとおり、中小企業の間で劣後ローン、大変関心が高まっている中で、数としては使われ始めているなというふうに思います。
 ただ、先ほど小零細にもという言い方をされましたけれども、一件当たりで割り出しますと一億八千四百万のローンになっております。したがって、これは東日本大震災のとき以上の金額よりも大きい金額になっておりますので、平均するとですね。したがって、先ほどの話ですけれども、小規模事業者は対象になっているといいながら、やはり一億、平均で一億八千万の劣後ローンを受けるということは、資本に該当するものを受けるということは、少なくともそれ以上の資本金のところではないかと。
 つまり、やはり今も、小規模事業者にも使えますということは始まったんだけれども、やはり東日本大震災と同じ、ときと同じように、使えるとはいっても、事実上、資本金が二億、三億以上の比較的大きい中堅企業だけが今のところ使っているということがこの数字から読み取れるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがですか。

○政府参考人(新川浩嗣君) これも、具体的な数字、今、申し訳ございません、手元にございませんけれども、一件当たりの融資件数、融資実績から判断いたしますと、それなりの規模の企業ということではあろうかと思います。
 したがいまして、恐らく今の現状でいきますと、小規模事業者の皆様方、多くの方々はその無利子無担保の融資の方を資金繰りとしてお使いになっておられるということもございますが、劣後ローンというものに関して必ずしもなじみが日常的にはない事業者の方が多いと思われますので、制度の周知を図りまして、親切に窓口で対応いたしまして、御利用をいただける場合には積極的に御利用いただくような、そうした対応を促してまいりたいと思います。

○大門実紀史君 もちろん周知図ってもらって、使えるところには使っていただきたいと。
 ただ、なぜかこの劣後ローンというのは、十人とか十五人ぐらいの社長さんともお話をしましたけど、制度は知っているけれども、なかなか使いづらい、なじみにくいという話が出たりしております。
 民間ベースでいきますと、信用金庫レベルでもこの劣後ローンを始めたところが生まれております、東京のある信金ですけれども。全国の信金、また地銀が、その地域の一番数の多い、一番頑張ってくれている従業員十人以下、十人前後クラスの小規模企業にも使いやすい劣後ローン、これを始めてくれれば、コロナ後の地域経済再生に大きな力になってくるんではないかと、この公庫の制度だけではなくてですね。その点では、第一に、金融機関が劣後ローンのリスクに対してどう対応するかが問われているんではないかと思うわけです。
 この点について言いますと、「金融財政事情」の一月二十五日に、栗田局長が劣後ローンのことを問われて、これは小規模という意味ではないんですけれど、劣後ローン一般ではありますけれど、金融機関の劣後ローンにどう対応していくかというその姿勢について大変いいことをおっしゃっておりますので、ちょっとこの意味を、栗田さん、説明してくれますかね。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融機関の経営におきましては、このリスクを取って金融仲介機能を発揮していくということと、そのリスクを適切に管理して金融機関自身の健全性を維持すると、このバランスを取ることが重要だと考えております。特に、資本性の劣後ローンに関しましては、長期の償還期間ですとか法的破綻時の劣後性といった特性があることから、通常の融資とは異なるリスクが金融機関に生じるということが考えられます。
 このため、金融機関におきましては、まず顧客企業の経営実態を深く理解し、事業性を適切に評価することが重要になってくるというふうに考えております。これによりまして、経営改善に対する助言ですとか本業支援を行うことが可能になってくると。そうすれば、リスク管理もやりやすくなるというふうに考えている次第でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 金融庁として、この、もう信用金庫もこういう小規模企業向けの劣後ローンを始めてくれておりますけれど、小規模、余り小さい話じゃないんですよ、一定の雇用を担ってもらっている、地域ではたくさんおられるような、小の方の、小規模の方の企業なんですが、こういう方々に劣後ローンの仕組みを、やり方はいろいろあると思うんですけど、信金がいろんな形をつくると思うんですけど、地銀もですね、いずれにせよ、この仕組みをきちっと使ってもらうことは今後重要だと思うんですけれど、小規模企業にとって。金融庁としてどう捉えておられますか。栗田さん、ちょっと。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおり、これは各企業の状況がまちまちでございますので、その企業の実情に即して金融支援を行う必要があると。その中の一つのツールとしてこの資本性劣後ローンがあって、それが有効に活用できるような企業に対しては是非民間金融機関も積極的に活用いただきたいというふうに考えている次第でございます。

○大門実紀史君 地域のそういう小規模の企業にとって使いやすい劣後ローンとは何だろうということを話を聞いたりして考えるわけですけれども、一番は、先ほど申し上げました金融機関、リスクを取るということがありますので、貸出利率が高くなるということですね。ところが、今回のコロナ対応のやつは、政府が利子の補填をしますので、貸付金利が低く抑えているということがあります。したがって、周知徹底されれば、使いやすく、使いやすいなと今までよりは思う方がいらっしゃると思いますし、これを説明すると、今までよりも貸付利率が低いんですねということはよく、いいですねという声は上がっております。
 民間の場合、先ほど信金とか地銀がこれを始めてくれる場合、やはりリスクを考えると高めの利率を設定する可能性があります。金融機関にとってはリスク取るわけですから、ある面無理もないわけですね。
 そうすると、民間金融機関が、公庫も政府が利子の補給をやっていると、支援しているということならば、民間金融機関がこういう小規模事業者に、企業に対する支援を劣後ローンで行った場合も、やはり政府が利子を応援するということがあってもいいんではないかと思いますが、これはちょっと政治判断ありますので今すぐやってくれというんじゃなくて、そういう方向検討すべきではないかと思うんですね。
 政府対応、コロナ対応で公庫はやっているということであれば民間も検討すべきではないかと思うんですが、これは、麻生大臣、方向性としてどうでしょう。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、先ほど申し上げましたとおり、八日の日に私の方から官民の金融団体の代表者等々に対して、借りている側の企業経営者の方の立場に立って最大限柔軟な対応をというお願いをさせていただいたところなんですが。
 加えて、政府として、今、コロナのおかげで予定外に金を借りたことで債務が急激に増えて将来的な事業経営に破綻を来す、これで言えば、この場合には普通の融資ですとこれ負債になりますので、そういったものは、いわゆる劣後ローン等々組めば負債ではなくて資本に計上されるわけですから、ここのところが分かっておられぬ方いっぱいいらっしゃいますので、そういった意味では、いわゆる、例えば政策金融公庫とかそういったところが劣後ローンというのはこんなものだよという話を説明をしたりすることが必要なんだと思いますけれども、これ意外と民間の金融機関もこの劣後ローンの話余りお詳しくありませんものね、正直なところ。
 そういった意味では、公的機関、政策金融公庫なんかで一緒になってこれやるというようなことに関しては、リスクは起きますので、そのリスクをある程度折半するとか共有するとかいろんな形で、民間の金融機関も、おっしゃるように、資本性劣後ローン等々余り詳しくなかったところもちょっと勉強してもらわないかぬところなんだとは思いますけれども。
 そういった意味で、中小企業、零細事業者の支援に関して積極的に取り組む、そのためにはこういうやり方があるんですよというような話をさせていただく等々、ちょっと資本性劣後ローンというものを少々勉強してもらいながら、引き続き、この厳しい状況というのを抜け出す、そういった支援が徹底されるように我々としても支援をしていきたいと思っております。

○大門実紀史君 恐らく今年の秋以降、いろんな、私が言っているのではなくて、いろんな専門家の方がおっしゃっていますが、秋以降、やっぱり小規模企業を中心とした倒産が増える可能性があると。頑張るところをやっぱり救わないと地域経済が駄目になりますので、その手段として劣後ローンをできるだけ使いやすく使ってもらうと。
 そのためには、どう政府が支援するかと。公庫だけではなくて、その民間金融機関がリスクを取って、東京のある信金は、わざわざリスクを取ってやろうとしてくれているわけですね。そういうことに対してやっぱり政府の支援というのはしていくべきではないかと。是非、検討をお願いしたいというふうに思います。
 もう一つは、このリスクというのは、利息を高くするのは、これ、栗田局長が言われた金融機関の取引先に対する事業評価とか、ふだんどれだけきちっと寄り添ってやっているかとか、そういうことによってまた評価が変わってきて、評価が変わりますと金利が下がる可能性もあるわけですね、民間同士の話で考えても。そういうことが一番大事でございますし、一方、この小規模企業の社長さんたちの話を聞きますと、なかなか、仕組みはもう分かっていると、だけど劣後ローンは使いたくないんだという抵抗感の一つとして、これを使いますと、金融機関が出資者になりますから、事業計画の提出を今まで以上に求めたりウオッチングしなければなりませんから、うるさいと、金融機関が口を出し過ぎる、うるさくなると、嫌だというような、小規模のところはいいも悪いもワンマン社長さんがいて、俺のやり方でやるんだというような方々は抵抗感があるというようなことを具体的にお聞きしました。
 で、逆に言うと、今地域の中小企業が倒産する理由で一番多いのは、実は資金繰りの行き詰まりなんですね。赤字が原因じゃないんですよね。赤字ではなかなか倒産しないんですけど、資金繰りの行き詰まりで倒産するわけですね。これはやっぱり、いいも悪いもワンマン社長が経営のこと自分で決めて、そういうふうに突っ走るところで起きることが多いと。これは、倒産は経営者任せにするから起きるんだということをおっしゃる方も、中小企業をふだん支援している方からも声が出るということがあります。
 私は、この劣後ローン通じて、いい意味で小規模企業の経営者と金融機関の更に深い連帯感が生まれて、日常的に意識改革とか経営改善とか、金融機関は決して敵じゃなくて一緒のパートナーとして考えていくというふうなことでこの劣後ローンが打ち出されていけば、そういう小規模企業側からの抵抗感も少なくなっていくんではないかというふうに思ったりいたします。
 いずれにせよ、この劣後ローンの仕組み、これが普及していけば倒産も防げるし、何といいますか、焦げ付き、保証協会の焦げ付き、代位弁済、こういうものも少なくなるという点では積極的な施策として、政府がどうせお金出すならこういうところに支援していくということも含めて考えていっていただきたいというふうに思います。
 先ほどお答えいただきましたけど、劣後ローンそのものを含めて、この過剰債務問題、引き続き金融庁としてきちっと取り組んでいただきたいと思いますが、もう一度、麻生大臣のお話を聞いて終わりたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、この劣後ローンを組むことによって、そうですね、経営やったこともないような金貸しが来てうるせえというのは、よくおっさん言いますよ。私らもそういった話はよく聞かされましたんで、そういった気持ちは分からぬわけではありませんけれども。
 これ、二代目の方になるとそこが少し違ったりなんかして、二代目と話をしてよくいろいろ取りまとめたりなんかしたことも、昔、そういったものに資本参加したためにえらい目に遭ったこともありますけれども、よく話し合わないと、やっぱり五十年、六十年ずっとやってきた社長にしてみりゃ、とてもじゃないけどそんなというような、ホワイトカラー要らねえよなんてよく言われたもんでしたけれども、そういうようなことも二代目になると意外と話ができたりして、よくよく、時間掛かりますけど、話をしてやっていく。そういった手間も、ちょっと公的金融機関の方も、今まではそんなこと余りそこまで丁寧にやることはありませんでしたけれども、民間金融と組んで一緒にやるというようなことで、その種の話は民間金融の人の方が話がうまいと思いますんで、そういったものを組んで一緒にやっていくというようなことをやって、少なくともこれが、少なくとも融資を借り続けていくと最後は債務超過になって金は借りられなくなるんですよという現実をよく頭に入れてもらうためには劣後ローンというのは一つのいい方法なんだと、私はそう思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。

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