国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2021年1月28日 財政金融委員会 融資延長 柔軟対応を/コロナ対策で要求
<赤旗記事>

2021年2月2日(火)

融資延長 柔軟対応を
コロナ対策 大門議員が要求

大門実紀史議員

 日本共産党の大門実紀史議員は1月28日の参院財政金融委員会で、コロナの影響で売り上げが減少した事業者を対象にした実質無利子・無担保の「コロナ対策特別融資」について、返済据え置き期間の延長にむけて柔軟な対応を求めました。

 「特別融資」は返済の据え置き期間は最長5年ですが、実際は1年以内が5〜6割、3年以内で9割以上となっています。

 大門氏は、返済据え置き1年以内の事業者が今春から返済が始まるとして、感染拡大の第3波で返済が困難になる可能性を指摘。財務省の新川浩嗣総括審議官は、官民の金融機関に「融資審査の際、財務状況等のみで判断するのではなく、経営実態や特性を踏まえた対応を行う」「既往債務の据え置き期間の延長を含めた条件変更も最大限柔軟に対応する」と答弁しました。

 大門氏は、民間金融機関についても同様の対応を要請。金融庁の栗田照久監督局長は「期間延長など中小企業等の実情に応じた最大限柔軟な対応を行う」と回答しました。

 また大門氏は、コロナ禍のもとで30兆円超の融資がされ、中小企業が債務超過になる可能性があると指摘。債務軽減の検討を提案し、麻生太郎金融担当相は「いい提案をいただいた」と応じました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 コロナ対策、中小企業支援、予算委員会では主に給付金の話がございましたが、ここでは融資の問題について取り上げたいと思います。これから何が起きるかということも含めて取り上げたいというふうに思います。
 コロナ対策の特別融資、まさにこれこそ命綱ということで中小企業を助けてきているというふうに思います。資料をお配りしていただいておりますけれども、まず公庫のコロナ対策特別融資、数字的には約十二兆円ということで、大きな金額のコロナ特別融資がされております。
 このコロナ対策特別融資というのは、返済を最高五年先でいいですよというのがございます。この資料の一枚目の下の段ですけれども、実際には返済開始を据え置く期間は五年という方はほとんどなくて、三年以内で見ると、合計すると九六%、一年以内で六六%の人。つまり、一年後には返済始めるよという方が六六%おられたわけであります。
 ただ、この第三波が来て、例えば去年の五月にこのコロナ特別融資を借りて、今年の五月から返済が開始できる状況になるのかならないのかと。ならなかった場合なんですけれども、公庫の場合、まず、どういう対応されるのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。
 ただいまございましたように、既に返済が、最初の返済が始まる融資契約になっていらっしゃる事業者の方もいらっしゃいます。こうした方々に関しましては、官民の金融機関に対して、新型コロナウイルス感染症による影響拡大も踏まえまして、再度の借入れも含めて、融資審査の際には足下の財務状況等のみで判断するのではなく、事業者の経営実態や特性を十分に踏まえた対応を行うことと、それからまた、既往債務の据置期間の延長等を含めた条件変更につきましても最大限柔軟に対応することなどを累次にわたり促しているところでございます。
 引き続き、事業者の資金繰りに支障が生じることのないよう全力で取り組んでまいります。

○大門実紀史君 今の例でいきますと、五月に返済開始する予定の契約といいますか、仮になったけれども、まだ返済開始できなければ延長して対応するということですね。
 二枚目の資料は、民間銀行がこのコロナでどれぐらいの融資、全体で行ってきたかと、この一年ですね。これでいえば、全国銀行の貸出金の下の段を見ていただきますと、前年同期比で約二十七兆円の貸出しをやっております。これはまあコロナ特別だけじゃありませんが、これに信金信組を加えると三十兆円を超える融資。つまり、このコロナのときに、例年にはない、例年の二倍以上の貸出しがコロナ対応でされてきているということですね。
 三枚目がその民間金融機関のコロナ特別貸付けです。実質無利子無担保融資ですね。これが、十二月末で、都市銀、地銀、第二地銀、これ合計すると約十七兆円になります。これも巨額のコロナ特別貸付けが行われて、これによってたくさんの方が助けられているということだと思います。下の段が、民間金融機関でいいますと、五年返済開始を先延ばしできるんですけれども、三年以内にした人が九二%、一年以内の人が五六%、一年後には返済開始しますよという方が五六%ということであります。
 これも同じようにお聞きしますけれども、民間金融機関の場合ですが、先ほどの例でいいますと、五月に返済開始、返済を開始するという予定だった人ができないと、まだ無理だと、あと一年延ばしてほしいと言われた場合は、民間金融機関の場合はどういう対応になるんでしょうか。

○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 据置期間が終わりまして元金返済が始まる事業者に対する支援というのは非常に重要であると考えておりまして、こうした観点から、民間金融機関に対しましては、返済期間、据置期間が到来する貸出しを含めた既往債務の条件変更について、これらの期間の延長など中小企業等の実情に応じた最大限柔軟な対応を行うこと、さらには資金繰り支援に加えて経営改善などの本業支援についても積極的に対応を行うことなどを累次にわたって要請しているところでございまして、引き続き事業者の資金繰りに支障が生じることがないように取り組んでまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 この第三波は予想されなかった部分もありますので、恐らく一年後には先ほどの例のように返済できると、コロナはまあ一年で収まるだろうと、仕事戻るだろうと思った方が戻らないということでそういう要望が現場ではたくさん出ると思うので、そういう対応をしていただきたいと思います。
 以上のことを踏まえて、今から考えておかなければいけないことがあるんではないかということで、今日はちょっと、ちょっと先の話になるかも分かりませんが、問題提起をしておきたいと思うんですけど。
 先ほど二枚目の資料で、全国銀行ベースでいきますと、信金信組合わせると約三十兆円ぐらい、三十兆円を超える融資を増やしております。これは巨額の融資が行われたということなんですが、裏を返しますとといいますか、個々の企業にとって、あるいは特に中小企業にとっては、これはどういう意味を持つかなんですけれども、通常のない借金をしたということで、過剰債務、企業によっては債務超過のようになってきているし、もうなっているところもあるんじゃないかというふうに思うわけですね。
 しかも、この借金というのは平時のときの借金とは違いまして、コロナ禍の下での赤字補填といいますか、損失補填の穴埋めに使われたような借金でありますので、仮にこれをコロナ債務という言い方をしておきます。いずれコロナは収束いたしますので、そうなってもらわなきゃ困りますけれども、収束していたときに、だんだん経済が元に戻ってきて仕事が動くと、仕事が始まると、そのときに、中小企業にとっては当然仕入れが先にということがありますから、運転資金、つなぎ資金が必要になります。あるときは設備資金が必要になります。これは前向きな借金ですよね。仕事が始まったということに対応する前向きな借金ですね。
 ところが、今申し上げたように、コロナのときのコロナ債務が残っていると。で、仕事が出てきて、そのためにつなぎも運転も設備も含めて前向きな借金が必要になってくると。つまり、ダブルローン状態になってくる、もうなりつつあるわけですけれども。
 そのときにどう考えるかなんですけど、コロナ債務で実質的に債務超過になっていたとすると、その新たな借金を金融機関として債務超過の中小企業に貸せるだろうかと、本当に貸していけるだろうかと。これはなかなか難しいところありまして、債務超過のところに貸すと貸倒積立金を積まなきゃいけないということがありますので、ちゅうちょするということになります。そうすると、これから仕事が、やろうというときの資金が借金ができない、だから仕事が事業展開できないということになる状況が想定されるわけであります。
 そういうときにどうするかということを、今のところは先ほどありました返済据置きで実質無利子無担保の期限がまだ一、二年は続けられることはありますけれど、いずれ今言った問題に直面すると思うんですよね。そのときにどうするかということは課題になってくると思いますし、今から考える必要があると思うんですね。
 同時に、この問題は何かといいますと、特にコロナですから、宿泊とか飲食とか、サービス業ですから、特に地域金融機関が対応しているんですよね、これに、そういう債務に対して。つまり、この問題というのは、コロナ債務というのは、中小事業者だけではなくて、地域金融機関にとっても大きな問題になってくるというふうに思われます。
 金融庁としてそういう認識を今から持っておられるかどうか、まず栗田さん、お聞きしたいと思いますが。

○政府参考人(栗田照久君) 新型コロナウイルスの影響が足下でまだ続いておりまして、事業者に深刻な影響を与えているということで、まずは資金繰り支援を徹底していくということだと考えておりますが、その上で、今委員御指摘のように、事業者がコロナ禍において増大した債務が原因で将来的に必要な資金の確保に支障を来すというようなことがないように今から十分に配慮していく必要があると考えております。
 このような観点から、金融機関におかれましては、足下の資金繰り支援を継続しつつ、事業者の資金、事業の状況について継続的、積極的に把握して、事業者の状況に合わせて経営改善、事業再生などの本業支援を進めていくことが重要であるというふうに考えておりまして、この点は再三にわたって民間金融機関にお願いしているところでございます。
 さらに、政府といたしましても、資金繰りにとどまらない様々な課題に直面する事業者に対しまして、例えば日本政策金融公庫等による資本性劣後ローン制度の整備、あるいは中小企業基盤整備機構によるファンドを活用した出資等の強化、さらにREVICによるファンド等を活用した地域企業への事業再生支援といった取組を進めておりまして、こうした様々な施策を活用して、関係者が協力して各地域で実効的な事業者支援が行われるように金融機関を始めとする関係者と現在いろいろ議論させていただいておりますし、今後ともそういうことを進めていきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 私はこう思うんですけどね。
 大量の中小企業がそれに、今申し上げたようなところに直面する可能性が高いというふうに思っておりまして、個々の、個別の対応というのはもちろん大事なんですけど、個々の金融機関と事業者任せでといいますか、個々に解決してくれということで問題が解決するのかなということを危惧しておりまして、何といいますかね、これ政治あるいは金融行政全体で、システムとして捉えるべき問題ではないかというふうに思うんですね。劣後ローンとか資本注入って話がありますが、それは一定規模以上のところになると思うんですよね。大量の中小企業、資本注入受けられないような規模の、中小企業の中の中以下とか中小事業者の場合の話ですね、そこは大量に対象になるんじゃないかと思うんですね。
 政府の一部の委員の方とかある学者は、もうそんなこと気にしなくていいと、もう潰しちゃえばいいんだと、もう新陳代謝だというようなとんでもないことを言う方いると思うんですけど、いるんですけど、私はやっぱり、この頑張る中小企業を支援するのが国の役割だし、政府の役割だと思うんです。
 その意味でこのコロナ債務どうするかですけど、リーマン・ショックありましたね。私が国会来たときは不良債権処理が大変な問題でしたけど、その後リーマン・ショックがあって、東日本大震災があって、時々やっぱりこういう中小企業全体が置かれた問題を全体として政府でいろんな対応をしてこられたわけでありまして、そのときの経過とか議論を思い出しますと、大きな筋で二つあるんじゃないかと思っているんですけど。
 一つは、これはちょっとマクロ的な話かも分かりませんが、仕事が出てきたときというのは売り掛けが発生しますよね、入ってくるお金がですね。それは、そのお金を当てにして借金をするのか、あるいはそれを一つの債権扱いにして、立替金として、金融機関がですね、融資といいますか、事実上の立替金的な融資のこの発想ですよね。これは、実は中小企業庁でその時々いろいろやってきたことがあるんですね。今だと、名前変わりましたけど、流動資産担保融資というのがあるんですよね。なかなか、がちがちの制度で使われないんだけれども、いずれにせよ仕事が出てきたときに売り掛けを、だから密着した金融機関がやるべきだと思うんですけど、変なファクタリングじゃなくてね、密着した金融機関が売り掛け入るならそのつなぎ融資資金はすぐ融通しましょうというようなですね。その手数料が掛かるなら、それを公的支援するような売り掛け、仕事が出てきたならば、借金を増やすんじゃなくて支援をするという形ですよね。いい、良質なファクタリングといいますか、そういう発想が一つですね。
 もう一つは、債務超過ですとなりますと、これはもう債務調整するしかないわけですね。整理するしかないわけですよね。これは、東日本大震災のときに片山さつきさんなんかとも一緒に議論してみんなでつくったあの債権買取り機構とかありますよね、最初動かなかったけど、後々、後で動いてきましたけれど。あるいは、中小企業再編支援スキームもありますよね。あの私的整理ガイドラインも、いい使い方で使えば事業再生に役立つわけですね。
 だから、こういうふうなスキームが、これだけの大、大借金の事態が生まれているわけですから対応が必要になってくると思うんですけど、これは、これについて今答えてもらわなくて結構なんですが、こんなことも含めてこういうことの一つの、ちょっと念頭に置いたりして、ちょっと今から、この世界、こういうことに直面するであろうということを少なくとも研究して、栗田さん言われた個別のことも大事なんだけど、ちょっと全体として何ができるのかということも研究、検討する必要があると思うんですけど、最後に麻生大臣のお考えを聞きたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 自民党の提案かと思ったら共産党の提案だったので、たまげた話だと思って聞きましたよ、正直なこと言いますけど。いい提案ですよ、率直にそう思っております。
 資金繰りの話で今みんな追われておられるんですけど、これはフローの話じゃなくてストックの話になりますから、いずれ。債務超過になりますと、これはフローも使えなくなりますので。そういった意味では、今回、この種の話をやっていくときには、やっぱり時間の問題として、今後、債務超過になるところまで行っちゃうのかちょっと、今予想しているように、コロナが終わればぼおんという可能性がありますので、そのときにも、今度それを、いい意味でのファクタリングと言われましたけど、それをやるのかどうなのかという、ちょっとこれは銀行によっても違うでしょうし、銀行の体力もありますので、それもありますから、政府とどうやってやっていくかと。
 ちょっとこれはいろんなことが考えられると思いますけれども、そういった、長期的でもないな、中期的ぐらいの話ですけれども、中期的なところで今回いろいろ、今後とも検討していかねばならぬと。金融庁も既にいろいろ考えちゃおるんですけれども、そういった話を御意見として拝聴させていただきまして、ありがとうございました。

○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。

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