<赤旗記事> |
秘密保護法案
人権抑圧法 廃案に
さいたまで公聴会 弁護士が意見陳述
秘密保護法案についての参院国家安全保障特別委員会の地方公聴会が4日、さいたま市内で開かれ、公述人3人が意見を陳述しました。
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さいたま地方公聴会に出席した日本共産党の大門実紀史議員=4日、さいたま市 |
このうち、埼玉弁護士会元副会長の山崎徹弁護士は、行政の長が隠したい情報を「特定秘密」として自由に隠蔽(いんぺい)できるほか、「特定秘密」の指定範囲がきわめて広範で、市民のデモも「政治上その他の主義主張を強要すること」だとして「テロ行為」にされかねないと指摘。「独立共謀罪」や「教唆」「扇動」など刑罰の構成要件も不明確で、公安警察による監視社会ができる懸念を示し、「国民の知る権利を根こそぎ奪う人権抑圧法の秘密保護法案は廃案にすべきだ」と主張しました。
日本共産党の大門実紀史議員は、今回の地方公聴会開催を強引に決めた委員会運営に厳重に抗議。「国民の8割は反対か慎重審議を求めているが、国民の意見を聞く機会があまりにも少ない。この機会をボイコットすべきではないと判断した」と表明しました。
大門氏が「国民の知る権利は、権力の暴走を許さないため大変重要なものだ」と述べ見解をただしたのに対し、山崎氏は「憲法の体系上、人権は国政のうえで最大の尊重を求められている」と述べ、憲法が保障する国民の知る権利は「最大限保障されなければならない」と主張しました。 |
≪議事録≫
○大門実紀史君 お忙しい中ありがとうございます。日本共産党の大門実紀史でございます。
まず一言申し上げたいのは、今回のこの地方公聴会の開催、その強引な決め方に厳重に抗議をしておきたいというふうに思います。ただし、この重大な法案に対して、先ほどございましたけれども、国民の八割は反対か慎重審議というふうになっているにもかかわらず、国民の皆さんの意見を聞く機会が余りにも少ないという点がありますので、この機会をボイコットすべきではないという判断から、ここに出席して質問をさせていただきます。
山崎公述人に伺いますけれども、私は、この議論を、私は法律の専門家ではありませんけれども、ずっと聞いていて、何か基本的な勘違いがあるのではないかなと思っているんです。
本法案、先ほどもありましたけれど、一応、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分配慮しなければならないというような、配慮しなきゃいけないというようなことがあるわけですね。しかし、この知る権利とか取材の自由、今日もマスコミたくさん来られていますけれど、こういうものは、権力の暴走を許さない、コントロールするための大変重要な、大変基本的な重要なことであって、それを配慮の対象というふうに何かこういう訓示規定で済ますようなところそのものが何か大きく勘違いしているんじゃないかと。そういう軽いものではないというふうに思っておりますし、これは憲法二十一条との関係、あるいは今までの判例の関係からいって、こういう報道又は取材の自由、知る権利というのはかなり重いものではないかと。
まずそこのところをきちっと押さえた上で、国の必要な機密をどうするかという議論にならなければいけないのに、逆さまになっているんじゃないかと私思うんですけれども、山崎公述人の御意見をお聞きしたいと思います。
○公述人(山崎徹君) 人権保障やそれに対する制約についてどういうアプローチをするかということなんですけれども、憲法の体系上、人権は国政の上で最大の尊重を求められているわけですから、基本的に、憲法二十一条で知る権利が保障されている、その知る権利は最大限保障されなければならない。だけれども、一方で、あの秘密保護の必要性があるから、どこまで知る権利がぎりぎり制約されていいのかという、こういうアプローチが本当は必要なんだけれども、それが逆転していて、まず安全保障、秘密ありき、知る権利には配慮しますよと、こういう思考回路になると、やっぱり発想が逆転、憲法の立場とは逆転してしまっているのではないかなという考えを持っています。
○大門実紀史君 私は、被災地福島には何度も行っているんですけれども、今先生からあった福島の問題で、損害賠償の裁判の弁護団もやられているということで、様々なことをあの原発事故についてお考えかと思いますけれども、私はこの問題一番懸念したのは、原発事故情報が特定秘密というふうにされたときに何が起こるんだろうと。これまで公表したものは公表するなんということを言っていますけれども、今までも全部公表してきたわけじゃないんですよね、事故情報というのは。そういう、ある原発でアクシデントが起きたと。それを公表するとテロの対象に、ターゲットにされやすいと、ウイークポイントだと、知られるとテロのターゲットにされると、だから公表しないと、秘密にするというようなことが平気で行われたら、その安全がいつまでもなおざりになるということもあるわけですし、そういう点でいくと、まだ今収束もしておりませんけれども、この原発事故を考えると、これが起きた経過を考えると、この秘密保護法は私は本当に廃案にすべきだと思いますけれども、先生のお考え、山崎公述人のお考えを聞きたいと思います。
○公述人(山崎徹君) 原発事故情報に関して、森担当大臣は、それは特定秘密の対象とならないというふうに答弁しています。ただ一方で、警備に関するものについては、原発の施設について対象となる余地があるというような言い方をしているんですけれども、ちょっとそこの線引きがはっきりしないという、要するに原発関係の問題がテロと関連があるということであれば、それがちょっとどこまで広がっていくのかが分からない。法律が一旦できれば、その法律を解釈し適用するのは森担当大臣ではありませんから、法律に携わる行政機関の長がその法文の読み方としてどういう読み方ができるのか、ここが重要なんだろうと思います。
そういう意味では、今の法案の条文では原発情報もそこに含まれる可能性がありますし、既に公表しているものについては特定秘密にしないとはいうものの、じゃ公開していないものについてはどうなんだ。先ほど私が述べた原発訴訟の中では、原発事故の津波のシミュレーション、それから津波に対する安全評価状況、これは、今まで公表していなくて、しかも裁判でも、裁判所が出してくださいと言うのに出さないと言っている、じゃこれはどうなんだろうと、様々、問題があるわけです。
そういう点で、森大臣の一応の答弁はありましたけれども、それだけではどうも納得ができない状況なのではないかなというふうに思っています。
○大門実紀史君 次に、適性評価の問題で川上公述人に伺いたいと思うんですけれども、実は先日、我が党の仁比聡平議員が国会でこのことを具体的に聞いたんです。そしたら、特定秘密を扱う者は行政も民間も区別なく、銀行あるいは病院、そういう情報も、全ての団体にプライバシーが照会をされて、それに答える義務があるということまで明らかになってきているんですけれども、これは、ここまで来ると、さすが、まあ自衛隊員の中にもいろいろいらっしゃると思いますけれども、その周辺の人にまで、秘密にかかわると、ここまでプライバシーを全部照会して把握されるというのは、いかがお考えでしょうか。
○公述人(川上幸則君) 先生の質問にまた正面からお答えになっているかどうか分からないんですけれども、これはまた先生に釈迦に説法だと思いますが、日本の自衛隊というか安全保障の組織の中では、例えば旧軍は造兵廠というものを持っておりました。ところが今は、防衛関係の企業が、一般の企業が入札という形で防衛装備品を納入をして、それが戦力になっております。
それを考えたときに、防衛装備品を開発をしていくその人たちは一般の企業人なわけですね。そういう方たちが、例えば今、私が先ほどから申し上げているようなNBCに関する防護の装備品に関して、全く、じゃ、何の枠組みというか網も掛からずに、自由に企業のために、企業の利益のためにそういうものを扱っていけるかというと、多分そこはかなり違うんだろうなと思います。そういうことからこういう枠組みというものもやはり必要なんではないかなというふうに、先生の御指摘の質問とはちょっと外れてしまったのかもしれませんけれども、そのように考える次第でございます。
○大門実紀史君 山崎公述人に伺いますけれども、前提として何が秘密かを行政の長が、政府が決めてしまうということの前提でいくと、こういう適性評価でプライバシーがどんどん把握されてしまうというのは大変これ基本的人権からも大問題だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○公述人(山崎徹君) 適性評価の調査対象事項が極めてプライバシーにかかわる部分が含まれていまして、それに対して国家が調査するということ自体がプライバシー侵害ということになります。
プライバシー侵害が全て違法になるわけではありませんけれども、プライバシーの権利を基本に据えると、そのプライバシーが制約されていい理由があるのかどうか、これを厳しく問わなければなりません。その厳しく問うところでこの法案でプライバシーを制約する理由があるのかどうかというふうに考えれば、それは私はないというふうに考えています。
○大門実紀史君 山崎公述人の最後のところ、ちょっと時間が少なくてお話が若干できなかったのかも分かりませんけど、今の関連もあるんですけれども、刑罰の構成要件が大変不明確だというのがありますよね。例えば、この法律に抵触したということで起訴されたと、山崎先生が弁護されると。弁護しようにも、刑罰の構成要件ですか、これがもう勝手に向こうが決めていて向こうがやっていると。これ、弁護のしようがないような事態に陥るんじゃないでしょうか。
○公述人(山崎徹君) 刑罰の構成要件が普通の犯罪と若干違う部分がありまして、普通の犯罪は、まず実行行為があって、それに対して共謀であるとか教唆であるとか扇動であるとかいう形で処罰ができているんですけれども、この法案については、実行行為がなくても独立して共謀、教唆、扇動が処罰できると、こういう立て付けになっているわけです。そうすると、共謀とか教唆とか扇動とかというのは、これは基本的に会話ですから、どういう会話がなされたら犯罪は成立するのかという、これは全く漠とした曖昧な構成要件になっているわけです。
罪刑法定主義というのは、国民に刑罰を科す際には、何が犯罪で何が犯罪でないのか、これが明確でなければならないという、この要請にこの法案はこたえられていないんではないかなという、そういうふうに考えています。
○大門実紀史君 最後に伊東公述人に伺います。
様々御意見がある議論が続いてまいりましたけれども、国会でも、この法案に修正したり協力してきた政党まで、もう今ここまで来ると、もういかにもちょっと、実はあした採決みたいな話があるんですけれども、ちょっと幾ら何でも、まだ理解も、いろいろな不明な点もあると、もっと慎重審議をすべきというのが大きな意見になってきています。国民世論でも八割は、伊東さんの会社はちょっと知りませんけど、国民全体はやっぱり八割ぐらいが世論調査でも出てくるわけですね。
私はやっぱり意見がいろいろまだ違うところはあっても更に慎重審議をすべきだと、あした採決とかあさって採決というような問題ではないだろうと思いますけれども、そのもっと慎重にやるべきではないかと、徹底的にもうちょっときちっと議論すべきではないかという点はいかがお考えでしょうか。
○公述人(伊東寛君) 大枠そういう考えもあるんですけれども、一番最初に言ったように、私はもう遅過ぎているんじゃないかというのが一番根っこにあるために、遅過ぎるんじゃないか、だから、この法律に関して言えば、懸念はあるんですけれども、早く遅過ぎたあれを取り戻して、そして更にもっともっと大事なところ、例えば別の法律で定めるとかやっていただいて埋めていく、それをやっていただければいいんではないかと思っています。
だから、今足りないのは、国民に対する説明がなくて不安をあおられているから調査だと八割に見えますが、それは私の勘では、反対しているんじゃなくて、不安、懸念、よく知りませんということじゃないでしょうか。だから、そこをクリアにしていただいて、それはちゃんとこれから決めますというのがあれば変わるんではないかというのが、済みませんが私の意見であります。
○大門実紀史君 時間になりました。
そういう懸念があるからこそ、あした、あさってとかいうことをやるべきじゃないと思っているわけでございます。
ありがとうございました。 |