国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2013年11月29日 消費者問題に関する特別委員会参考人質疑 集団訴訟法、濫訴など経済界の懸念はあたらない

≪議事録≫
○大門実紀史君 お忙しい中、ありがとうございます。大門です。
 この法案に異論を唱えておられるのは大体経済界の方なんですけれども、私もこの間、懇談をしてきましたが、ただ、土屋参考人、大の経団連が何かこの法案ごときでびくびくされるのがちょっと違和感あるんですよね。過剰反応じゃないかなと思います。
 しかも、この緊急提言にアメリカの商工会議所まで出てくるというのは本当に内政干渉だなと思いますし、自分の国はクラスアクションがありながら、日本にやるなと言うのは、よくこういうことをほかの国の国会に対して言うなというふうに思っております。例えばアメリカ商工会議所のリサ・リカードさんの論文を読みましたけど、やはり過剰反応じゃないかなと思うわけです。
 先日、私、この委員会でそういう経済界の方々のいろいろ出ている懸念について、消費者庁に対して、消費者庁に質問する形でかなり懸念を解いてもらったと思っているんですけれど、今日せっかくの機会でございますので、磯辺参考人も三木先生もいらっしゃいますので、直接、例えば先ほど土屋参考人の資料の中で法案の具体的懸念点と要望というのが出されておりますけれど、例えば一番目の、これ、磯辺参考人にお聞きしたいんですけれど、事業者が代金返還とか修理、交換などの自主的な対応をしているにもかかわらず、訴えを提起されることがあり得ると。事業者が自主的な対応をしている場合には、訴えが提起されないようにしてもらいたいというふうに要望が出されていますけれど、これは実際どういうふうにお考えになりますか。
○参考人(磯辺浩一君) リコールの結果、実際に返品、交換が着実に、返金も含めてですが、着実に進められていればその時点で消費者側には請求権がなくなるということになりますので、そういった事態になっている事案についてはそもそも訴えの対象にならないというふうに思っております。
 むしろ、特定適格消費者団体、多分数も体制も限られますので、そういうきちんと機能しているリコール窓口であれば、むしろそこを消費者の方から御相談があったときに紹介して被害回復を図っていただくということが簡易迅速に被害回復を図れることになるというふうに思います。
 ただ、一方、リコールとはいっても、それが形ばかりのもので、実際の返品、交換対応がきちんとされていないという場合もあり得るわけでして、そういう場合には訴訟の対象になり得るということで検討を進めるということですから、やはり消費者の側に請求権があるかないかということをきちんと判断してまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 本当に、当然そういうことだというふうに思います。
 三木先生に伺いたいのは、この土屋参考人の要望の、懸念点の二番目なんですけれど、これは実は新経済連盟からも、第一段階で授権が全くないのに訴訟が起こせるのは幾ら何でもおかしいんじゃないかという意見がありまして、この前、消費者庁には答えてもらって、そういう懸念はないんですけれども、また、経団連の土屋参考人から、一定数の対象となる消費者から授権を得るようにすべきだというふうな懸念といいますか要望が出ております。
 これは、三木先生、逆にこういうふうにしちゃうと、授権を受ける、一人であれ二人であれ受けることを条件にしちゃうとやっぱりデメリット、制度のデメリットが生じるんじゃないかと思いますが、三木先生の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(三木浩一君) 最初の一段階目から授権を受けろということになると、それは制度全体をオプトイン型にしろということになるわけです。オプトイン型というのは、既に我が国でも選定当事者という、余り使われておりませんけれども、制度があって、これが全く機能しないということで、専門調査会の段階でも純粋オプトイン型は取らないということがもう全員の合意で決まって、じゃ、二段階型を取るのかオプトアウト型を取るのか、何を取るのかという議論になったわけですから、完全な一段階目から授権を得ろという仕組みはちょっと現時点では考えられないというふうに思います。また、諸外国を見ても、純粋オプトイン型で成功している例はないと理解しております。
 それから、人数のことですけれども、相当多数というのは何人かというガイドラインを置けという御指摘で、そういうことをおっしゃる意味が分からないわけではないですけれども、それは実際には難しいことで、外国でもそういう議論がされることが過去に立法であったんですけれども、例えば三十という数を置いたときに、じゃ、二十九は駄目で三十はいいのかとか、そういう話にどうしてもなってしまいますので、やはり授権の規模とか、つまり人数は少なくても規模が大きいとか、様々な要素で判断すべきことがありますので、数値基準というのはなじまないというふうに考えます。
○大門実紀史君 三木先生の論文も読ませていただきましたけれども、外国に比べて今回の集団、日本のこの制度は、かなり対象者も対象事案も限定的なものだと思います。それにもかかわらず、これは新経済連盟からの、何といいますか、懸念、要望といいますか、出されて、これもこの前委員会では質問したんですけれども、三木先生の御意見を伺いたいと思いますが。
 つまり、この対象となる外延が不明確だと。具体的に言うと、法文の中にありました勧誘を助長する者というのはどこまで入るのかと。広げられちゃうといろんな関係者が入ってしまうという懸念が出されておりまして、この前委員会質問では、例えばテレビのCMですね、その商品を、後から欠陥があったと分かったと、しかし、そのCMを流したテレビ局あるいは広告宣伝会社が訴訟の対象になるかといったら、ならないと、一般論で基本的にはならないということですね。ネット販売ですね、特に楽天なんかが心配している、通販におけるああいう楽天市場みたいなところでかかわった場合、自分たちが対象にされるのかと。これも一般的にはないというふうなことは役所の方は言っておりますが、そういう点でいっても非常に限定的な制度だと思いますが、三木先生の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(三木浩一君) 外延が不明確ということですが、勧誘助長という概念にせよほかの概念にせよ、これ結局最終的には、訴えが起こせても、裁判に行って裁判所に権利が認められて勝たないと訴訟を起こす意味はないわけです。ですから、勧誘助長なら勧誘助長がどこまでかというのは、結局それで裁判を起こして権利として認められる程度の勧誘をしているかということで判断するということになろうかと思います。それについては、判例とか裁判例とかいろいろありますので、そういったものが一応の基準になりますから、完全な明確な線が引かれているわけではもちろんありませんけれども、言われるほど不明確かと言われると、そうではないというふうに思います。
 対象事案が制限されていることにつきましては、先ほどの答えと重複しますけれども、初めてこういう日本にはなかった制度をつくるわけですから、最初は事業者側の御懸念にもこたえて制限的につくったということで、それは一定の理解はできますけれども、将来的にこのままでいいのかということは、継続的にウオッチをしていって、場合によっては数年後に見直すと。場合によってはというか、数年後に見直しの機会を設けるということは元々盛り込まれていると思いますが、そこでまた判断をすべきことだと思っております。
○大門実紀史君 終わります。

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