<赤旗記事> |
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質問する大門実紀史議員=14日、参院財金委 |
なぜ海外M&A支援か
参院財金委 大門氏が批判
日本共産党の大門実紀史議員は14日の参院財政金融委員会で、特別会計改革法案の審議に関し、外国為替資金特別会計を活用した大企業支援策である「海外展開支援融資ファシリティ」を取り上げました。
同支援策は、外為特会資産を国際協力銀行を介して、大企業が進める海外企業の買収・合併(M&A)などに融資するもの(現在実績484億ドル)。
大門氏は、大企業のM&Aに優遇金利で国民の資金を使う問題点を指摘し、ソフトバンクのアメリカ大企業買収まで支援している事例を挙げ、「どういう公共的な意味があるのか」と追及。山崎達雄国際局長は「国際競争力が活発化する中でM&Aを通じて日本経済全体にも役立つ」として、「中堅・中小企業への支援も行っている」と答えました。
大門氏は、本来大企業が自己調達で進めるべきものだと指摘し、「中小企業支援は金額では全体の0・5%にすぎない」と批判しました。 |
≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
法案については、今回幾つかの特会について改正が行われておりますけれども、必要な改正もあるというふうに思いますが、衆議院で我が党の佐々木議員が指摘しましたけれど、外為特会の民間業者への委託運用については危惧が払拭できないということで、残念ながら法案には反対ということをせざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。もうその議論は繰り返しません。
その外為特会の関連で、資料をお配りしておりますけれども、海外展開融資ファシリティーというものがありますが、これについて質問したいと思います。この問題は、実は経過もありますので、今日は、事務方、当局中心に質問をいたします。大臣、少しお休みになっていただいて結構でございます。
まず、このファシリティーの海外展開支援融資の方ですね、配った表でいきますと右の方ですけれども、この目的と仕組み、またこのファシリティーという言葉の意味も含めて簡潔に説明をしてください。
○政府参考人(山崎達雄君) 国際協力銀行による海外展開支援融資ファシリティーは、二〇一三年の四月に、日本企業の海外展開支援を強化するために、さきに創設しました円高対応緊急ファシリティーの支援対象分野を拡充の上、改編したものでございます。
〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
このファシリティー、仕組みという意味でございますけれども、これは、JBICが、外為特会からの借入れ等を原資としまして、日本企業の海外における資源確保やMアンドA、あるいは中堅・中小企業を含めた日本企業の設備投資等に係る資金等をJBICの通常の金利よりも低利で融資するものでございます。
○大門実紀史君 これ、今おっしゃったように、一昨年ですね、円高対応ファシリティーというところから。で、ファシリティーの意味は、要するに何なんですか、これ。
○政府参考人(山崎達雄君) ファシリティーという、なかなかその言葉がないものですから、日本語に本来すべきところをファシリティーという言葉がぴったりということでこういうネーミングにしましたけれども、仕組みといいますか、機能といいますか、そういう意味ではないかというふうに考えております。
○大門実紀史君 何かよく分からないんですけど、融通という意味じゃないんですかね。要するに、融通してあげるというふうな意味じゃないかと思うんですけれども、御本人も国際局も分かっていないということであります。
いずれにしても、私思うんですけど、政府の政策で片仮名が出てくるとうさんくさいなと、いつも何かごまかし書いているなと思っております。
外為特会のドル資金を活用してJBIC経由で企業が海外で進めているMアンドAなんですよね。今までインフラとか資源はあるんですけれど、MアンドAに支援ということで、実は二〇一二年の三月のこの委員会で、当時、国際局長の、今は事務次官されていますね、木下さんと五十分にわたってこの問題、議論をいたしました。
木下さんは、事もあろうに、事務次官になると思っていませんでしたけれど、よく言ったなと思いますが、この事業が円安対策になると。つまり、企業がMアンドAをやるときは手持ちの円をドルに替えてドル資金で買収しますから円を売る、だから円安対策になるなんていうことまでおっしゃいまして、私はなるわけないんじゃないかと、企業が単独でやるならそうですけれども、JBICはわざわざ、最初からドル資金を融通するわけだから、円をドルに替える必要ないんだから、何でそれが円安対策になるのかというふうに指摘しましたけれど、まともにお答えできないまま質疑は終わりましたが、とにかくいろんな理由を付けて財務省はこの事業をやりたくて仕方がなかったわけですね。
当初、この円高対応ファシリティーというのは、木下さんも言われていましたけど、時限措置だと、一年だけだという話だったんですけれども、ところが、今度は、やることは同じなのに目的を企業の海外展開支援とか成長戦略というふうに変えて継続されようとしているわけですね。その一年前の議論もそうですけど、名目なんか何でもよくて、要するに財務省とJBICはこの事業をやり続けたいというふうにしか思えないわけなんですけれども、なぜそんなやり続けたいんですか、これ。
〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
○政府参考人(山崎達雄君) 円高対応緊急ファシリティーをスタートした際に、これは先ほど御指摘あったとおり、円高メリットによる国富の増加、それから民間による円から外貨への転換誘発による為替相場の安定というものを目的として、日本企業の海外における資源確保やMアンドA等を対象分野としたわけでございます。それが時限措置として期限が来た際に、これを更に発展的に改編した海外展開支援融資のファシリティーにしたわけでございますけれども、これは従来の対象分野に加えまして、日本企業の海外における設備投資と日本企業の海外展開に伴う事業全般を対象とすることによって、日本企業の海外展開を支援していくということを私どもは狙いとしておるわけでございます。
○大門実紀史君 山崎さんも事務次官を目指しておられるんでしょうから、省益を守るというのは分からなくないですけれど、これは一年前にさんざん議論したんですけれど、要するに当時は、JBICが二〇〇八年に政策金融公庫に吸収されて、しかし、再び財務省の単独管轄下に置きたいということでJBICを独立させると、そういう議論のときだったんですね。したがって、この独立に際してJBICの存在意義を示すために目玉になる事業がやりたかったと。それがこのファシリティースキームだったんだと思っているんですね。名目はだから円高対応でも何だってよかったんですよ。今になったら成長戦略、何でもいいんですね。これを、この事業をやることでJBICの存在意義を示して独立を勝ち取りたかったというような背景があったわけですね。
ですから、このスキーム、最初に経済界に持っていったときは余り反応がなかったといいますか、良くなかったわけですね。その後、JBICの総裁に元経団連会長の奥田さんを据えて、是非これを使ってくれということでセールスをやっておられて、若干の実績が上がってきていると、そういう流れなわけでございまして、申し上げたいのは、海外インフラとか資源とか、ほかのことなら分かるんですよ、今までJBICやってきました。その個別の企業の、特に大企業のMアンドAになぜわざわざ優遇金利で国民の資金を使う必要があるのかと。
この前、ソフトバンクがアメリカのスプリント、通信事業会社ですかね、約一兆八千億円で買収いたしましたけれど、これはメガバンク三行が協調融資で、基本的に。それにJBICが加えてもらったという関係だと思っているんですね。こういうソフトバンクのMアンドAまで援助する公共的な意味というのがどこにあるのかというふうにあの案件も見ておりましたが、ほかにもそういう案件がずらっと並んでいるわけです。
民間に任せておけばいいのに、民業補完ということを掲げておられますけれども、補完しなくてもいい仕事をこれはこのMアンドAに関してはやっていると。しかも、組織の存続のためにやっているとしか、余計な仕事を、JBICの仕事を全部否定するわけじゃありませんけれど、この海外MアンドAまで乗り込むというのは、私はちょっと違うんではないかなと思うんですね。
このMアンドAについて、本当にそんな認識なんですか。なぜやる必要があるんですか、国民のお金を使って、個別企業の。MアンドAについて、ちょっと答えてくれますか。
○政府参考人(山崎達雄君) 始めた当初は、まさに円高メリットを活用して国富をより拡充しようということでございましたし、かつまた、今企業、あらゆる産業においてやはり国際的な競争が非常に活発になっている中で、MアンドAをお互いに有効にやることによって日本経済全体にもこれは裨益するという観点から、MアンドAを含めた海外展開支援というものを更に支援していこうということでございますし、確かにMアンドAは当初、大企業が多いわけでございますけれども、実はこれ中堅・中小企業も最近はアジア等への進出を含めてMアンドAの要請もございますので、このJBICもそういうものにきちんと対応できるように、例えば中小・中堅企業と関係の深い地方銀行であるとか、あるいは政策投資銀行なども通じてそういったものに融資できるようにするとか、そういう工夫を凝らして日本企業全体の底上げを図るような支援の体制を整えているところでございます。
○大門実紀史君 大企業の話はちょっとおいておいて、中小企業であってもMアンドAに国民の資金を使って支援するのはちょっと踏み込み過ぎじゃないかと、もう線を越えたんじゃないかと思っておりまして、ずっと指摘をしてきているわけでございます。
そのときの議論もそうですけど、いやいや、大企業のためだけではありませんとおっしゃるんですけれども、資料の二枚目に、当時は、一年前は相当、中小企業やりますとおっしゃっていましたけれど、資料をお配りしましたけれど、惨たんたるものでございまして、金額でいえば僅か〇・五%と。百歩譲って、さっきのソフトバンクじゃありませんけれど、大体そういう海外でMアンドAをやるような企業は、内部留保の資金もありますし、メガバンクも協調融資でやりますし、それほどJBICが乗り出していかなくても自力でどんどんやっているわけですね、そもそも、やっている世界なんですよね。
せめて百歩譲って、これやるならば、やっぱり中小企業が海外投資するときに、MアンドAはいかがなものかと思いますけれども、中小企業が海外投資するときにはやっぱり支援してくれる金融機関というのはそう簡単には出てこないですよね、物すごい精査されますよね。そういう点でいけば、そういうところにこそJBICのこの事業を重点化してこそ存在意義が上がるんじゃないかと、そう提言的にちょっと思うんですけれど、その辺はいかがなんですか。こんな数字でいいんですか。
○政府参考人(山崎達雄君) 御指摘のように、その中堅・中小企業を含めて、まさにJBICの民業補完というその目的から考えますと、なかなか民間でその資金の取りにくいところにより重点を置くというのは、まさに私どももそういう認識が重要だと思っておりまして、そこで、先ほども申し上げましたけれども、JBICがよりその中堅・中小企業からきちんと事業のニーズを吸い上げられるような体制を整えております。確かに、中堅・中小企業向けの融資はその性格上、金額はまだ小そうございますけれども、件数は着実に増えておりますので、これを更に進めるように努力してまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 時間が来ましたのでやめますけれども、要するに何が言いたいかというと、このファシリティーだけは、これは仕事のために組織があるんじゃなくて組織のために仕事をつくってきたとしか思えないそういう節があって、これこそ行政改革に逆行しているんじゃないかと。財務省、偉そうにほかの省庁のこと言えるのかというふうに思う事業でございます。
これは引き続き、このMアンドAも含めて国会でウオッチングされていると、特に共産党がウオッチングしているという意識はきちっと持ってもらって、正しい方向に行ってもらいたいなということを指摘して、質問を終わります。 |