≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
大変初々しい質問が続いておりますけれども、大変勉強させていただきました。
今日は税の問題を中心に議論させていただきたいんですけれど、その前に被災地支援の予算要求、少しだけ聞かせていただきたいと思います。
被災地の事業所支援で中小企業グループ支援というのがあります。補助制度があります。これ大変喜ばれてまいりまして、復興の大きな力になってきておりますし、これは当初、中小企業庁がなかなかいい知恵を出してくれて、それが拡充してきてという中身でございます。
現在、来年度に向けた予算要求がされているわけですけれども、中小企業庁から財務省にと。ただ、今の時点では事項要求になっているんですね。事柄の要求だけで、項目だけで、金額はまだ入っておりません。これ、現場のニーズを集約して十二月ごろに金額がはっきりしてくるということでございますが、現地では大変喜ばれて、まだ引き続き期待のある制度ですので、まず来年度の予算ですね、しっかり予算措置をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 何でしょうね、共産党の大門先生と意見が全く一致していると、ちょっと私も何かを間違っているのかなと、いろんな反省をしなきゃいかぬことがあるのかなとは思いますって、そんな冗談ではなくて、これはいわゆるグループ補助金の話なんだと思いますが、これは中小企業庁の最近やった政策の中では私は最も当たっている政策の一つかなと、私はこれは極めて評価が高い、これは財務省の中においても評価が高いと思っております。
したがって、今後とも中小企業庁を通じましてこういう現場のニーズというのを十分に把握した上で、これまで以上、約年間一千四百とか三百とかいうのをずっとしてきていると思いますけれども、これまだ今の段階では事項要求の段階で、まだ金額まで入ってきてはおりませんけれども、きっちり予算編成の過程でしっかり検討してまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 これは、実は私もずっとかかわってきたんですけれども、被災地によっては、もう何もかも流された沿岸部の地域ですと、愛知さんよく御存じですけれども、これからかさ上げをして、その後そこに工場を建てるとかお店を建てるとなりますと、これから二年、三年、場合によっては五年近く先にならないとそこに事業所が出せないというところもたくさんあるんですね。そうしますと、恐らく来年度の、今予算をちゃんと確保していただいても、来年度中の申請にはできないと、まだ間に合わないと、間に合わないというか、その先になってしまうという事業所がかなり、被災地の事業所が出る見込みなんですね。
この間ずっと被災地の商工会議所等でも要望になっているのは、単年度単年度だと、自分たちはどう見ても三年後だと。そうすると、三年後、本当にこの制度がまだあって、なおかつ予算措置されるのかどうかという不安が非常にあるわけですよね。できれば基金制度といいますか、単年度単年度ではなくて基金にしてもらって、二年後でも三年後でも安心して使える制度にしてほしいという要望が実は強くあるんです。
これは私、何度も財務省とは話をしてきて、基金にすると、まあはっきり言って間延びしてしまうというか、いろいろ財務省の考えがあるわけですね。かといって、後々出さないとは財務省言っているわけじゃないんですけれども、それならばもうちょっとこの制度については、本当に被災地の状況を見ると中期的にしっかり見ていく制度であるということを、きっちりやっぱり大臣のお言葉で中期的にちゃんと措置していくような対象だということを明言していただければ被災地の人たちは随分安心してできると思うんですよね。かさ上げができないのは本人のせいじゃありませんので、町の計画の関係ですので。どうぞ一言。
○国務大臣(麻生太郎君) このいわゆるグループ補助金につきましては、平成二十三年度からスタートして今日まで約三千億円を超える予算の手当てがなされて、これは極めて順調に採択が進んでいると承知をいたしております。
これらの予算が、着実な執行をお願いしたいと考えておるんですが、いわゆる、おっしゃったように、事業の進捗が遅れている理由は個人の理由じゃ全くないところで起きておりますので、そういった意味では、被災地からの要望をいろいろ踏まえて、これ繰越しをやっていくに当たりましても、いわゆる事故の繰越しという、自分の自己じゃありません、事故繰越しや再予算化にかかわる予算というものにつきましては事務手続を、こんな紙が出てきて、もう簡単にせい、一回書いてあるものなんだからという話を何回も言って、いわゆる繰越明許とかいろんな役所用語がありますけれども、そういったものではなくもっと簡素化しろという話はしてあります。
また、基金につきましては、今、大門先生御指摘になりましたように、これは資金の方が、むしろ基金化しちゃうとこれはいわゆる運用する段階になってこれはむしろ非効率になるという可能性が極めて高い分野でもありますので、私どもとしては、いずれにしても、これやむを得ない事情というのは、これは少なくともこの事故はちょっと、今回の事故は普通のところとは少し全然意味が違っていると思っておりますので、是非そういった事業の進捗が遅れているようなときの事務手続の簡素化なんかはきちんとやるということなどを考えて、私どもは今後この事業は継続をしてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。よろしくお願いします。
では、本題の税の問題ですが、まず、恐らく結論は、先ほど大臣が言われたように、ほとんど認識は一致すると思うんですけれども、まず今の与党税制大綱でも、また安倍総理の会見でも、法人税の実効税率の引下げというのが打ち出されております。理由は企業の国際競争力の強化ということなんですけれども、私、この分野、長くやらせていただいていて、いつもちょっと気になるのは、この法人税の実効税率で国際競争力、つまり国際比較をするというのが本当に正確なことなのか、正確な資料なのかということなんですけれども、配付資料の一枚目に、これは財務省の資料です。
これを見ると、確かに日本は実効税率は高いとなります。ただ、先ほど言いましたように、企業負担の国際比較のデータとしてこの実効税率の比較というのは正確なのかということなんですね。この表の下にもいろんな注釈が八項目、本当は実際にはもっとあるんですけれども、注釈が付いております。
いろいろ、国際統計というのは元々難しいんですけれども、そもそも国によっていろいろ違うことをある資料で寄せ集めて作るというものになるわけですね。そもそも法人税実効税率の基本的な考えですけれども、課税上の所得がベースになりますけれども、じゃ課税上の所得はみんなどこの国も同じように統一した基準があるのかというと必ずしもそうなっていないんですよね。だから、まずベースの課税上の所得も違うと。これはやっぱり、国際的に共通の会計上の利益とか、何か基準をやっぱりきちっとしてこういう統計は出す必要があるのかなというのと、標準税率を使っておりますけれども、研究開発減税、日本でいえばですね、そういうものとか、各国に割と大きな租税特別措置があるんですね。そういうものがまたここには加味されないというふうになります。
まあ国際統計の限界かも分かりませんけれども、これだけをもって実効税率は日本は高いんだと言い切るのはどうかと、参考資料程度でいいんじゃないかと思うんですよね。ちょっと、まず資料の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもうおっしゃるとおりなんであって、法人の所得課税の負担の国際比較ということにつきましては、これは昔から客観的に国際比較が可能な指標なんだとして、地方と国の法人課税の中の税率を組み合わせたいわゆる表面税率と称するものの水準が、通常、実効税率とよく言われているのを使った議論がこれまでもなされてきております。
しかし一方、法人所得課税の負担というのを考えましたときに、税率と租税の特別措置の負担というのを踏まえたものを考えたものでやらないと、課税ベースを掛け合わせたものと両方でやらないと、これは国際比較を行う場合では、税率と課税ベースというものの双方について検討をしていかないと、きちんとした答えは出てこないんだと思います。
そういう点で、この課税ベースは、今研究税制ということを言われましたけれども、そのほか国によっていろいろ特別な、適用除外みたいなものが国によって全然違いますので、そういった租税特別措置の制度が設けられているというのを、それら全てを織り込んで客観的にかつ定量的なものをつくろうというのはこれはちょっと容易ではないという点をよくよく留意しておかないと、私どもとしては、単純に実効税率だけでいうと、これはちょっと公平性を欠いている若しくは公正性を欠いているというように思っております。
いずれにしても、こういったものをやる立場の方からいいますと、国際競争力強化に向けて議論を行うときの一つの指標にはなろうとは思いますけれども、実質的な法人所得課税の負担の比較というものをきちんと踏まえて検討していかないと、今言われたように、ちょっと国によって違うじゃないかという話が出てくるということも十分に勘案して検討していかねばならぬところだと、私どももそう思っております。
○大門実紀史君 提案の二枚目、三枚目には、社会保険料負担を含めたデータを用意しておきましたけれど、日本の個別企業で実際に見てみますと、もう一〇%、一一%しか負担をしていない大企業も実際にあるわけですよね。ですから、こういう資料だけで議論するのは危険だなと思いますし、それならばやっぱり社会保険料負担を含めないと企業負担というのは分からないというふうに思います。
二枚目が経産省が作成したものでございまして、これは割と経産省頑張って実態に近いものを作ってくれております。これは、欧米とアジアの大企業のうち上場企業の財務資料を基に作って、それを実際の納税額、実際の社会保険料負担を集計して、それで会計上の利益を一〇〇とした場合の割合ということで、割とできるだけ頑張って実態に近いものということです。これを見ると、日本はフランス、スウェーデンよりも低くてドイツ並み、アメリカよりも高いということになります。
ただし、これでもまだ不十分で、三枚目を見てもらって、アメリカよりも先ほどの経産省のやつだと日本の方が高いんですけれども、アメリカは、実は社会保険料負担というのが民間の医療保険が中心でございます。企業に雇われた場合は、その民間の医療保険の一定部分を企業が負担をする、それを非課税措置にするということで、そういう意味で、民間の医療保険負担を公的な扱いにしているということでいくと、アメリカの場合はやっぱり社会保険料負担を加味しなければいけないと思います。それが三枚目に作った資料でございまして、これによりますと、これはGDP対比なんですけれど、逆にアメリカの方が日本よりも高い企業負担と、こうなるわけですね。
ですから、申し上げたいことは、こういう国際統計というのはできるだけ厳密にやっていかなきゃいけませんが、どの国とどの国と比べるときはよほど厳密にやらないと不正確な議論になってしまうというふうに思いますので、是非参考にしてもらいたいと思います。
その上で、先ほど大臣からありました課税ベースの問題なんですけれども、与党の大綱の中には、表面税率を引き下げる場合には、財政の健全化を勘案し、ヨーロッパ諸国で行われたように政策減税の大幅な見直しなどによる課税ベースの拡大や、他税目での増収策による財源確保を図る必要があると。つまり、表面税率を下げるならば課税ベースを拡大して税収減にならないようにする必要があるというのが与党の大綱の中に書かれております。
この議論はずっと民主党政権のときもあって、民主党政権のときも、法人税下げるんだけど、課税ベースを拡大してプラス・マイナス・ゼロにするということを打ち出したんですね。ところが、実際にはやっぱり経団連含めてかなり要求といいますか圧力があって、五%減税して課税ベースの拡大では二%しか増税できなくて差引き減税となったわけですね。
今回、この与党の大綱には、税率を下げるときには課税ベースを拡大して財源はちゃんと確保するとなっておりますけれども、大臣としては税率は下げて、しかし課税ベースは拡大していくというようなお考えはございますか。ごめんなさい、これは通告していないかも分かりませんが、聞かせてもらえればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、大門先生、もう長い長い議論で、毎回法人税に関するときには課税ベースを広げるという話と法人税率を下げるという話はセットで常に出てくる話なんだと存じますので、これは今後ともいろいろ、今から年末に向けていろいろ各党議論がなされるところだと思いますので、私どもとしてはその議論を見守った上で結論出していきたいと考えております。
○大門実紀史君 通常、ヨーロッパは基本的にはそういう考え方で対応しておりますし、先進国の中では基本的にそういう対応をすべきだと思っております。
次に、こういう、何といいますか、税の引下げ競争といいますか、みんなで税の引下げ競争をやり始めますと、これ合成の誤謬に私なると思うんですよね。それぞれの国が企業を誘致したいとか逃げていってもらっちゃ困るからって、みんなで税の引下げをやると、限りなく法人税がゼロに近づいてくると。そうなると何が起こるかといいますと、当然国の収入が減るわけですから、ほかの税目で税収を確保しようとすると、勤労所得に対する税が増えるとか消費税を増やすとか、こういうことになってしまって、ゆがんだ税構造になるし国の収入も減ってしまうというようなことがあって、これはもう議論されてきていることでございますけれども。
私も、前の麻生政権のときの、与謝野さんですかね、財務大臣、あのときは、与謝野さんのとき、民主党政権のときでいえば菅さんが財務大臣のとき、このことで提案をしたことがあるんですけれど、引下げ競争をずっとやってどうするんだと、そろそろ方向転換しないともう世界中の国々がみんな大変なことになるぞと思って、折に触れて提案をしているわけですけれども。
この法人税を含む税の引下げ競争というのは、実はOECDの租税委員会では九〇年代からかなり活発に議論がされておりまして、その後はちょっと議論が下火になったりしたんですね、グローバル化の影響があって。リーマン・ショックでやっぱりタックスヘイブンの問題が、私もこの委員会で何回も取り上げましたけれど議論になって、それでまたこの税の引下げの競争ですね、いかがなものかというのがまた議論が活発になって、今年九月のG20の首脳会議でも、これはタックスヘイブンのことが中心かも分かりませんが、こういう国際課税の在り方について改めて租税委員会が注目されている状況だというふうに思います。
今、世界もアジアもますますこういうふうに企業の税の負担の引下げ競争をずっとやって、先ほど言いましたように勤労所得とか消費課税とかあるいは資産課税、ほかのところで税を掛けようということで、みんなどこの国もかなりそれがゆがみを生じてきているというふうになってきておると思います。つまり、移動できない所得に掛けちゃおうと。移動できるのはどんどんどんどん安くなっているんですね。移動できない所得に掛かってくるということになってきているわけですね。
こういう傾向が大変強まっているんですけれども、麻生大臣の認識はいかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは全く御指摘のとおりで、今、国際の、何というのかしら、国際金融の世界ではこれは通称BEPSとよく使うんですけど、ベース・エロージョン・プロフィット・シフティングで、略して税源浸食、利益移動と、直訳するとそういうことになろうと思いますけど、これを通称BEPSというんですけれども。
これは、OECDの租税委員長が今、日本人です。しかも、これは選挙で選ばれていますから、これ財務省のがここへ行っておるんですけれども。ここで、この間のOECDの前のG20で、少なくとも多くの人々が、今、税を払わないで社会資本をやたら使っている人たちが俺たちの国にもいるが、物が間違いなくディストリビューションができている、配送ができているのは俺たちが道路を造って何しているせいじゃないかと。それの税金は一切払わない、利用だけするという人たちが俺たちの国にもいっぱいいるけれども、外国から来てですよ、そういうのに対して外国の方も税金取らなければこちらの方でも取れていない。しかも、これは非合法でやっているのか、脱税かといったら、これは合法だと、節税をしているだけだと言われた場合に対しては、これを対抗できないというのは明らかに我々財務大臣が手抜きなんだ、このG7の財務大臣が駄目なんだからこういうことになっておるんだというのが我々の提案だったんですけど。
ほとんど、もうG7、最後の話題はこれだけになりまして、この問題をやるということでOECDに振り、OECDは下に下ろして、今言ったのでやっておりますので、今言われたように、今後、これをやっていかない限度に来ているかなと思っておりますので、基本的にこれは日本がリードする形で今スタートさせておりますので、その方向ではいい方向に行っているんだと思うんですが、現実問題でもう抜き差しならなくなってきている国も実はございまして、例えばお隣の韓国でもこれは法人税を上げましたもんね、上げざるを得ないほどきつくなってきているんだとは思いますけれども。
この種の話はやっぱり今後とも、これは一国でできる話ではありませんので、これみんなでやっていかないとどうにもならぬと思っていますので、私どもとしては、これは他国との連携、特に財務大臣の話になりますので、財務大臣会合等々ではこの問題は今後ともということで、今、実質問題、プロジェクトとしてスタートをさせております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
今、韓国とか中国とかアジアの関係の話もございましたけれども、経団連が言っているのは、最終的にはアジア近隣諸国並みの二五%まで実効税率を引き下げてほしいという要望が出されております。この実効税率二五%というのは、少なくとも三年ぐらい前までは、例の日本がタックスヘイブンの国を認定する際の基準になったような低い税率ですよね、今二〇%でございますけれども。そういうことまで経団連の皆さんは要望しているわけですけれども、私は、もうそういう方向というのはちょっとほかの国にも悪い影響を与えるんじゃないかなと思っているんですよね。
例えば、今、韓国、中国と比べて高いから下げてくれというふうに経済界は要望しているんですけれども、国際競争力のためとかいろいろ要望を書いてありますけれども、今、中国と韓国で何が起きているかといいますと、大臣ちょっと触れられたように、韓国はやっぱりいろんなことを下げ過ぎたと。今、サムスンが独り勝ちで富が集中していて、やっぱり大企業優遇というのをかなり見直す方向になっていて、韓国は最小限納めるべき最低税率という制度があるんです。その最低税率を今年度の改正で一四%から一六%に引き上げるとか、最低これだけは納めろというのがあるわけですけど、そういうことにもう方向転換をちょっと始めているわけですよね。
中国も外国企業優遇税制が次々今撤廃されてきております。中国の特別区などで優遇税制の廃止が続いておりますし、これは二年前ですかね、二〇一一年かと思いますが、社会保険法というのが施行されて、これは外国人、邦人にも社会保険加入を義務付けるというものでございます。中国も格差が広がって、大変な貧富の差が広がっているので、外資にも負担を求めて財源にしようということで、北京などもう二十を超える都市で導入をされてきております。
つまり、韓国でも中国でも、今までは企業誘致とかいろいろやっていましたけど、ちょっともうその方向じゃ、さっき言った自国の税収からいろいろなことがゆがんでしまうということで、方向転換を始めているわけですね。そういうときに日本が韓国や中国との競争だといって、こちらが下げる下げる競争をやっちゃいますと、国も目先のことだけを考えてやっちゃいますと、結局、お互いみんなで足を引っ張り合うという結果になるんじゃないかと思うんですよね。長い目で見れば、どの国にとってもいいことではないと。
したがって、特にアジアの中で一番今までいろんなリーダーシップを取ってきた日本が、そんな目先のことで中国、韓国を相手にして下げろ下げろなんて、何か情けないことに走るべきじゃないと私は思うんですけれど、アジアとの関係で一言ございましたら。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、先ほどちょっと触れましたように、韓国を例に引きますと、二〇一〇年の法人税の最高税率というのをいわゆる二二から二〇に下げる予定だったやつをやめる、やめるというより下げないということにしております。また、いろいろな意味で最高税率というものをそのまま維持したんです、維持しているんですけれども、最低限の税額も引き上げるということにしたりしていて、これは韓国はかなり税収がきつくなってきているということを意味しているように思いますけれども。
いずれにしても、法人実効税率の在り方というものを今後日本で検討をするときには、これはやっぱりヨーロッパでも皆やっているように、政策減税の大幅な見直しというのを課税、いわゆる課税ベースの見直しによる拡大、また他税、他の税目での増収というものによります財源確保を図る観点からの検討というものが重要なんだと、私どもはそう考えているんですが。
いずれにいたしましても、かつて企業は労働分配率というか、いわゆる労働者の賃金が低いからというんで多く中国に行った国が、今どんどんどんどん中国出てベトナムに行ったりミャンマーに行ったりラオスに行ったり、いろいろ今多くの企業がしておられるのは最近よく耳にする話ですけれども、そういった形で事情が大きく変わってきた。当然、経済が成長してきたからそうなっているんだと思いますので、私どもとしては、日本にいる企業が海外に出やすいことを考えるんじゃなくて、少なくとも日本にいる企業が日本にとどまって海外と戦えるようにしないと、労働者の雇用の確保はなかなか難しいんだと、私はそう思っております。
したがいまして、企業というものが国内で戦えるようにしていくということを考えるときに、何がいいのかといったときに、みんなと一緒に何となくたらたら税の競争をしても意味がないので、私どもとしては私どもの強いところを維持するということを考えていった方が、より経済の上から見た場合は、少なくとも五年、十年で見たら、そちらの方がよっぽど、何というか、実質経済というか実体経済に即している考え方なんだと、私自身はそう思っておりますんで、今おっしゃいましたように、安易に法人税率を引き下げるということは結果としていい結果を招かないし、余り効果も少ない。むしろ、所得税の減税とか、減価償却の即時償却を認めるとか、そういったものの方がよほど、短期的にもうそちらの方が実効性が高い、実質性が高いと、そう思っております。
○大門実紀史君 先ほどOECDの租税委員会の議長に初めて日本人の方が就任されまして、浅川雅嗣さんですね。浅川さんは、麻生内閣で首相秘書官を務められた方ですよね。
浅川さんは、この前、日経新聞のインタビューで、OECDの中で行き過ぎた法人税引下げは有害だという認識は共通しているというふうに述べておられます。これ大変重要な発言をされていると思いますので、麻生大臣も国際会議の場で、もう税の引下げ競争をいいかげん考え直そうということを是非これからも発信していっていただきたいというふうに思います。
随分気が合いましたので、これで質問は終わりたいというふうに思います。 |