国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2013年6月12日 消費者問題に関する特別委員会 「偽装質屋」で効果ある対策を急ぐべきだと求める
<赤旗記事>
「偽装質屋」対策急いで
参院委 大門氏が対処求める


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質問する大門実紀史議員=12日、参院消費者特別委
 日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院消費者問題特別委で、質屋をかたるヤミ金融「偽装質屋」問題をとりあげ「新しい被害が急速に広がっている。効果ある対策を急ぐべきだ」と求めました。

 大門氏は、ヤミ金融が、質屋にだけ認められた特例高金利に目をつけ、高齢者をおもなターゲットに被害を広げていることを指摘。警察庁に対処を求めました。

 警察庁長官官房の山下史雄審議官は、「実態把握、取り締まり、関係省庁との連携など強化する」と答えました。

 大門氏は、偽装質屋がその姿を表にあらわす二つの場面があるとして、(1)代金収納サービス業者を使った年金受給口座からの貸し金回収(2)公的な年金担保融資―のそれぞれの現場で、適切な対応をとるよう求めました。

 金融庁総務企画局の井内正敏参事官は「警察庁とも協議しつつ有効な対策を検討している」とし、厚生労働省大臣官房の蒲原基道審議官は「偽装質屋の事例をふまえて注意喚起する」と答えました。

 大門氏は、新しいヤミ金融の被害の背景に低年金、低収入の人たちが増えていることがあることをあげ、「低所得者向けの公的融資の拡充をはかるべきだ」と求めました。

 森まさこ消費者担当相は、「セーフティネット融資を含め政府全体で検討していく」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 この間、マスコミでも連日のように取り上げられるようになってまいりました偽装質屋の問題を取り上げさせていただきます。
 実態は質屋さんを装ったやみ金融でございます。消費者庁も六月三日にこの問題での対応方針を、当面の対応方針を出されたところでございまして、各省庁でも取組が始まっているという段階だと思います。
 まず、この偽装質屋というのはどういうものなのか、何が違法なのか、その手口も含めて警察庁の方からちょっと簡潔に分かりやすく説明してほしいというふうに思います。
○政府参考人(山下史雄君) お答えを申し上げます。
 お尋ねのいわゆる偽装質屋とは、実態はやみ金融でありますけれども、貸金業法の規制を免れるため、形式的には質屋営業を装っているものであります。通常の質屋であれば担保価値のあるものを質に取るところ、偽装質屋は担保価値のないものを質に取った上で金銭を貸し付け、質物による弁済を認めずに高額な金利を請求するものでございまして、検挙例に見られる手口といたしましては、公的給付口座の自動引き落とし設定を行っているものもございます。
 これらは、無登録で貸金業を営んでいることや高金利で貸付け等を行っていることから、貸金業法や出資法に違反することとなるものでございます。
○大門実紀史君 なぜ質屋さんの営業許可取るかというと、貸金業法で利息が二〇%となっておりますので、ところが質屋さんは特例がありまして一〇九・五%という金利を取れるということがありますので、質屋さんの営業許可だけ取って実際にはやみ金が高利で貸し付けて、しかも高齢者の方々をターゲットにしているということでございます。
 お手元に資料を配らせていただきましたけれども、まだ全容が把握されているわけではないようでございますが、把握されているものだけでありますので、この何倍もの被害が更にほかの県も含めて現在進行中ではないかというふうに思います。貸付額も、この把握されている例えば九十八億ですと、これに一〇〇パー、二〇〇パーという暴利を取るわけですから、被害額としては把握したものの何倍にもなるということだと思います。関東にも今広がって、九州方面から関東にも広がってきているということだと思います。
 我が党も、これについては独自で調査をして取材をしてしんぶん赤旗で告発をずっとしてきているわけですけれども、例えば具体的な事例で申し上げますと、埼玉県で、七十四歳の女性ですけれども、親戚のお葬式があったんでちょっとお金が必要になったと、その何万円がなかなか工面できなかったんで、この小口貸付、質屋という看板に引かれてそこに電話をしてみたと。そうしたら、その質屋、偽装質屋なんですけれども、やみ金なんですけれども、年金は受給していますかと。していますと言ったら、じゃあ、いらっしゃいと。一応質ぐさというのを持ってきてくれと。もう何だっていいんだと。場合によっちゃ百円ショップで買ってきたものでも何でもいいから持ってきてくれと。一緒に通帳と判こも持ってきなさいと。で、行くわけですね。
 で、まず四万円借りて、そうすると、僅か一か月半ぐらいで一万八千円の利息が付くわけですね、これは年利にすると二〇〇パーぐらいだと思いますけれども。そのときに口座引き落としの書類も書かせるんですね。次の年金の引き落としのときに、利息を合わせて、四万円借りて一万八千円ですから五万八千円引き落とすわけですね。年金生活の方でただでさえお金がない人が年金から引かれちゃいますと、また生活資金が足りなくなる、またそれじゃ貸してあげるよと、どんどんどんどん深みにはまっていって、この方の場合ではもうそれは何倍にもなって年金がもう搾り取られると、こういう仕組みになっているわけでございます。
 これは、正体はやみ金犯罪集団でありますから、一義的には警察庁に、警察が取り締まっていただかなきゃいけないわけですけれども、今のところどういう対策を取られているか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(山下史雄君) お答えを申し上げます。
 警察では、昨年の二月以降、これまでに五県において質屋を仮装したやみ金融事犯を検挙してきたところでございますが、このような情勢を踏まえまして、実態把握及び取締りの強化、また、先生今御指摘の被害者の多くが高齢者であることを踏まえた広報啓発活動、また、関係省庁、団体との連携等の諸対策の強化に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、こうした新たな手口によるやみ金融事犯の早期把握、取締りの強化を進めまして、高齢者等の安全、安心の確保に向け積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○大門実紀史君 もう警察の場合は、やはり被害が発生して、それを調べて、犯罪として立証して摘発、逮捕となるわけですね、これはまあ仕方がないと思います。問題は、できるだけ被害を防止するとか拡大させないという対策が重要で、その点では広報啓発も大事なんですけれども、各省庁でホームページで、あるいは国民生活センターでホームページでお知らせするというのは大事なんですけれども、そういうお年寄りがインターネットのホームページ見るだろうかということもあるわけですね。そうすると、更に踏み込んだやっぱり対策が必要かなと思いますので、幾つか提案も含めてお話をしたいと思うんですけれども。
 資料の二枚目に、こういうものをこの偽装質屋は堂々と配っているんですね。「ちょいかり」、「ちょいかり」というような名前ですね。これは黒で消してありますけれども、もう警察庁は、警視庁は把握されていると思いますが、堂々とこういうものを配って、「何でも質入できる ちょいかり質屋」と。もう見ただけで通常の質屋さんとは違うというのは分かりますし、小口貸付けですね。これもう明らかに、これが偽装質屋でございまして、こういうものを堂々と配ってやっているわけでございます。実際には、通常の町の質屋さんみたいなのれんがあって、ああいうところじゃなくて、雑居ビルの何階かに借りて、元やみ金もそうでしたけれども、大体そんなところでやっているわけですね。
 例えば、こういう、堂々とこれまいていて高齢者を食い物にしているわけですけれども、こういうものは、例えばここはあれですか、もう摘発されたんですかね、会社名、企業名は御存じだと思いますけれども。
○政府参考人(山下史雄君) 私ども都道府県警察におきましては様々な方法での情報収集活動、取締りを強化してございますが、先生今お尋ねの個別の件についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 こう言っておけばすぐ逮捕されると思いますけれども、こういう、もう公然とやっているようなところは早く摘発してもらわないと、その分、これだけ宣伝してやっている分だけ相当被害者が出ているということを見ていっていただきたいと思います。
 こういう、まだチラシをまいている、ばらまいているところは監視がしやすいわけですね。ああ、ここはもうそういうところだと。恐らく警視庁もこうやって見られていると思うんですけれども、問題は、余り、こういう公然と宣伝をしないで口コミでどんどんどんどんお年寄りを引き寄せて食い物にしている、そういう方が多いかも分からないと思うんですよね。そういう場合どうすれば、ほとんど水面下に潜っておりますのでなかなか警察も取り締まろうと思ってもつかみ切れない部分だと思うんですね。そういう偽装質屋、やみ金が、ふだん水面下に潜っていても表面上に出てくるときが、場面が二つあると思うんです。
 一つが、三枚目の資料でお配りしましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、彼らはお年寄りによく分からないうちに書類書かせるわけですね。それがこの口座振替依頼書でございまして、何か分からないけれども書いてくれと、さっき言った通帳と判こを持ってこさせて書かせるわけですね。一遍書かせますと、これを取りますと、金額は後から偽装質屋が自分で依頼した分だけ引き落とせるというふうなものなんですね。これが手口として使われております。これがどこに回るかというと、代金収納会社に回って金融機関に回ると。今言ったように、好きな金額を言えばすぐ引き落とせると、年金の口座から、こうなるわけでございます。
 実は、こういう、何というか、収納業者といいますかが口座引き落としをこういうもの、紙一枚でやっていけるというのは、規制緩和でこうなったんですけれども、金融庁の審議会で、これを規制緩和すると、実際にもう起きちゃっているわけですが、こういう不適切な資金移動とかこういうものに使われるんじゃないかという危惧が実はもう出されていたんですね。それが今回実際にもうこれが悪用されているということなんですね。
 したがって、ちょっと金融庁に伺いたいんですけれども、この口座振替サービスの悪用についてやはり対策を取っていく必要があると思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(井内正敏君) お答えいたします。
 いわゆる偽装質屋等の無登録業者が取立てのために年金口座からの引き落としを求める行為は貸金業法第二十条の二で禁止されております。金融庁としては、被害拡大防止の観点から、国民生活センターと協力し、このような行為が違法であることについて、去る六月三日に消費者に広く注意喚起を行ったところであります。
 また、本件につきましては、問題事案への対応に関する警察庁からの要請を受けまして、全国銀行協会等は各金融機関に対し注意喚起を行うとともに、警察庁とも協議しつつ有効な方策を現在検討中と承知しております。
 いずれにいたしましても、金融庁としては、引き続き関係省庁や業界団体等と緊密に連携して、いわゆる偽装質屋等による被害防止のための取組を進めていくということにしております。
○大門実紀史君 それはもう頑張ってもらいたいと思いますが。
 二つ目に、これ表面に出てくるのは、年金担保融資を借りさせるという手口なんですね。これ、どういうことかといいますと、年金を担保に融資するということは年金保険法で禁止されているわけですね。唯一の例外が厚労省所管の独立行政法人の福祉医療機構ですね。ここが唯一、年金の受給権を担保に融資を行うことができるとなっているわけですね。この唯一行える、公的機関が行える、これをやみ金は利用しているわけですね。
 どういうことかといいますと、例えば群馬県の高崎市で、これは七十二歳の年金で独り暮らしをしている方の例なんですけれども、さっき言った仕組みで、偽装質屋にちょっと借りたのがだんだん膨らんで、この方は二か月で三十万円弱の年金が入っていたんですけれど、これほとんど全部やみ金への、偽装質屋への返済金で取られてしまって、もう口座が空っぽの状態と。
 そのときに偽装質屋の方から持ちかけるわけですね。おじいちゃん、年金を担保にお金が借りられるところがあるよということを言って、そこで借りてきなさいということで、借りに行かせるわけですね、この機構に。そこで、この方の場合ですと八十万円を申し込んで、それでその偽装質屋にたまった元利を返すわけですね。
 ところが、またどんどんどんどんやられていきますから、その八十万円も返せなくなって、それは年金から引き落とされますので、年金が手取りがなくなるわけですね。そうすると、また生活が苦しいから同じように借りると。
 そうすると、この偽装質屋は何をやるかといいますと、おじいちゃん、その八十万円を一遍返しなさいと、うちがお金貸してあげるから返しなさいと。それで、一遍返して、今度は百五十万円借りさせたんですね。その八十万円のお金はその偽装質屋が出してあげると、その代わり百五十万返させると。
 それでまた元利で膨大に膨らんで、百四十三万円全部返させて、その方に残ったのは僅か数万円と。こういうことで、この年金担保融資を利用しながらもう最後まで搾り取るといいますか、こういうことをやるわけでございます。
 したがって、これが彼らの一番のうまみになっておりますので、この年金担保融資、ここのところで発見をして、彼らの手口を発見して食い止めるというのが今非常に具体的に大事だというふうに思うわけでございます。
 厚労省も来ていただいておりますけれども、この年金担保融資というのは、大体、低年金で生活の苦しい方が多いですから、繰り返し借換えするリピーターといいますか、そういう方が多いのは確かなんですけれども、そうはいっても、こういう繰り返し借りる人について、偽装質屋、おじいちゃん、おばあちゃんですから、偽装質屋みたいなところと関係があるかないかとかいろいろ聞いてあげるということと、本人は隠す場合もあると思います。
 その場合は、この偽装質屋がバックにいる場合の年金担保融資の借り方というのは一定のパターンがあるんですよね、パターンがあるんです。さっき申し上げたように、一遍借りさせて、一遍全部返させるんですね。次にもう最大の限度額までまた借りさせて取っちゃうというふうなパターンがありますので、ただ生活が大変で借りていくというパターンじゃなくて、やみ金はもうがばっと二回目で全部搾り取ろうとなりますので、そういうパターンを見るといろいろ分析もしていけると思うんですよね。
 そういう点で、窓口で、非常に、そこでチェックしてあげないともう最後まで搾り取られますので、是非その機構の方で、年金担保融資の相談があったときに高齢者の、まあ年金生活は皆さん高齢者ですけれど、きちっとした、ちょっと相談も含めて見てあげてほしいなと思うんですが、非常にそこが今ポイントになっていると思うんですけれど、いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 今お話ございましたとおり、悪質な貸金業者によります年金担保貸付利用者の被害防止につきまして、これまでも話がございました福祉医療機構、この年金担保貸付融資を実施しております福祉医療機構におきまして、そのホームページでいろんな悪質業者の手口あるいは被害の実例といったものを掲載いたしまして、被害に遭わないための注意喚起、啓発活動というのを行っているところでございます。
 今回、偽装質屋という形での悪質な事例が問題になっているということを踏まえまして、今後、こういった具体的な偽装質屋の事例もきちっと広報、注意喚起の中に入れ込んで、その上で、従来以上に利用者に対する効果的な注意喚起ができるようにしていきたいというふうに思っております。
 こうしたことも含めまして、よく関係省庁と相談しながらきちっと対応できるように対応してまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 この犯罪というのは急速に広がっていますけれども、皆さんも対策をこれから立て始めたばかりですので、急いで、効果のある対策として先ほど言ったことも含めて考えていただけたらと思います。
 最後に森大臣に伺いたいんですけれども、そもそもこの根底にあるのは、年金の額が少ないとか収入が少ない、生活がすぐ逼迫して、何かあるとどこかから借りなきゃいけないと。それに対して、公的な融資制度とかがやっぱり余りにも少な過ぎて、森大臣も頑張られた貸金業法の改正のときに、前川さんとか私たちも頑張りましたけれども、あのときに、やっぱり公的な小口の融資制度をちゃんとしなきゃいけないという議論があったんですよね。社会福祉協議会の生活貸付けも一定改善されましたけれども、なかなか現場のニーズに合ったものにまで改善されていないと思うんですよね。是非、こういう方々がこういうところに引っ張られないで、ちゃんと公的なところで取りあえず葬式代とか何だとかぐらいは貸してあげられるような公的な融資制度を、やっぱり抜本的な改善を図るべきだというふうに思います。
 これは、消費者庁の取組はさっきも私の方から紹介しましたように、頑張り始められたのは知っておりますので、大本の生活、小口融資について、一緒に貸金業法改正のときに頑張った同志として、是非、こういうものを踏まえると余計必要になってきていると思うんですけれども、お考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 消費者庁としては先ほどの取組をいたしまして、私からも記者会見を通じて消費者に同様のメッセージを出したところですけれども、今、委員の御質問を通じて、各省庁で連携をして取り組んでいかなければならないなという思いを強くいたしましたので、警察庁、金融庁、厚労省それぞれとよく連絡をして取り組んでいきたいと。厚労省の方の年金融資に関する注意喚起等、そこで発見された場合にまた警察庁と連携する、国民生活センターと連携するなどの取組についても一層進めてまいりたいと思います。
 また、この偽装質屋というのはいわゆるやみ金であるという委員の御指摘がございました。金融庁からもこれは貸金業法の違反であるというお話がございました。
 貸金業法については、四月十一日の本委員会で大門議員から御質問いただいたところでございますけれども、この際、私からその補足もかねて御答弁を申し上げたいと思いますが、この貸金業法の規定については、上限金利規制を含めたことについて、平成二十三年六月の改正貸金業フォローアップチームにおいて、特定の制度の見直しが必要な実態は把握されていないとの結論を既に得ているということを御報告をさせていただいた上で、こういう種々の問題が生じることの背景を、今の大門委員の御指摘を踏まえて、しっかりと政府全体で根本から解決をしていかなければならないというふうに改めて思った次第でございますので、今のセーフティーネットの御提案も含めまして、政府全体で検討してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。

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