国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2013年5月30日 財政金融委員会 被災地の金融問題について

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、時間が短いんですけれども、被災地の金融問題について取り上げます。
 被災者の住宅ローンなどの債務、過去の債務ですね、減免するための私的整理ガイドラインが作られて一年九か月ぐらいになるわけですけれども、余りに利用者が少ないということが指摘されてまいりました。その原因の一つが、被災者の債務減免の申請をしにくくする、あるいは拒否するというような、いわゆる水際作戦のようなことが行われてきたということが分かってまいりました。この制度の趣旨に反する運用が行われてきたわけでございます。
 資料を配りましたけれども、先週の五月の二十二日に、この運用を担当しているのはガイドライン運営委員会というんですけれども、そのやり方に対して被災地の弁護士会から抗議の声明が出されました。仙台弁護士会でございます。
 御案内のとおり、東北最大の弁護士会でございまして、メンバーは被災者支援の最前線で奮闘されてきた方々ばかりでございます。金融庁もいろいろ知恵を借りてきた方々でございますし、私も信頼している方ばかりでございます。その仙台弁護士会がこのガイドラインの運営委員会について不当という強い言葉を使って抗議声明を出されております。尋常のことではございません。
 何を抗議しておられるのかということで、資料にございますけれど、簡単に申し上げますと、まず二番目のところですけれど、この部分は朝日新聞でも取り上げられましたが、要するに、被災者の方々があらかじめ一千万円とか月何万円とか返済の約束をしないと、相談に乗る弁護士さんを紹介してあげないと。つまり、最初の受付しないというようなことと同じなわけなんですけれども。
 債務整理というのは、一定額は返済して一定額免除してもらうと。その一定額を返済する部分を、この部分を先に確約させるというようなことが運営委員会の入口の段階で行われていて、通常は弁護士さんを紹介して、弁護士さんと一緒にいろいろ検討して、幾らなら返済できますというのが当たり前なんですけれども、先にこういう返済を確約させる念書を取っていたという問題でございます。
 これは本当に、生活保護の水際作戦、今問題になっておりますけれども、それに似た、入口でこんなことを求められたら、もうそれだけで気が萎えてしまうといいますか、そこでもう諦めちゃうわけですね。そんなことが行われてきたわけです。
 この問題、今週の初めに金融庁に調査を求めましたけれども、まずこの部分について、あらかじめこういうことをやるというのはこの趣旨そのものに反すると思いますし、まず事実かどうかということと、これは大変不適切なことだと思いますが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(細溝清史君) 個人版私的整理ガイドラインについてのお尋ねでございます。
 このガイドラインは債務整理に関します民間当事者間の自主的なルールでございまして、その運用の過程で生じる様々な課題につきましては、運営委員会において適切に御対応いただくべきものと考えております。
 金融庁といたしましては、こうした性格に鑑みまして、基本的に個々の案件には関与すべき立場ではないということと考えておりますが、この五月二十二日に仙台弁護士会からこういった声明が出てまいりましたので、運営委員会に対しまして事実関係の確認を行いました。
 運営委員会によりますと、一定金額の返済を約束する同意書を求めるケースはあると。例えば、債務者がその収入や現預金等の資産を相当保有しているという場合に、そのままではガイドラインの適用が難しいと考えられるような事例について、債務の一部を弁済し残額を免除するというガイドラインに基づく債務整理、これを行おうとする場合に同意書の提出をお願いしているということでございました。
 ただ、その時点につきましては、弁護士紹介前に提出を求めた事案もあれば紹介後に求めた事案もあるということでございました。それで、さらに紹介前の事案であっても、一部に債務者に同意書提出が条件であると受け止められるような説明をしてしまったものがあったというふうに報告を受けております。
 こういった経緯も踏まえまして、運営委員会において、被災者の方に安心してガイドラインを御利用いただけるように、今後こういった同意書の提出をお願いするという必要がある場合には、その趣旨、目的を十分かつ丁寧に御説明するなど、運用の改善を図っていくというふうに聞いております。
○大門実紀史君 要するに、何を言っているのか分からないんだけどね。これは個々の問題じゃないですよ、運営の問題なんですよ。分かりますか。念書取ることはあり得ますよね、後からいろいろ返済のね。先に念書を出さないと弁護士を紹介しないという、これ、こういう運営を、運営に関しては金融庁は責任を持っておられるはずだから、最初からこのガイドラインを作るのに関与されているわけですよね。これに対してのことを聞いているわけで、その個々の問題のなんて前置きは要らないんですよ。これ不適切でしょう、こんなこと。やらせるんですか、これ以上。ちょっとまずそこをはっきりしてください。
○政府参考人(細溝清史君) このガイドライン自体は民間当事者間の実質的なルールでございまして、その中で生じた様々な課題は運営委員会において適切に対応していただくべきものでございます。
 そうした中で、金融庁といたしましては、今申し上げましたように、個々の案件には関与いたしませんが、仮に運用取扱いについて改善すべき点があるという場合には、運営委員会に問題提起をしてきたところでございます。
○大門実紀史君 さらに、仙台弁護士会がここまで言うというのはよほどのことで、ちゃんと裏付けを取ってこれだけの声明を出されているわけですね。私の方にも、資料を付けてありますけれども、現物資料ありますけれども。
 さらに、三番目のところ、四番目のところで何言っているかといいますと、声明がですね、弁護士さんが相談に乗って制度を利用できると判断したのに、運営委員会が取り下げさせると、拒絶すると。そもそも弁護士さんが相談に乗っても、要件が決められていますから何でもかんでもばんばん返済免除をしてもらえるわけではないんですよ。だから、弁護士さんだって慎重に検討した上で運営委員会にこの案件お願いしますと出すわけですけれども、それでも取り下げる例が相次いでおります。
 しかも、そのときに弁護士さんが異議を申し立てますと、この弁護士さんに委嘱するのは運営委員会でございますから、委嘱を撤回して東京の弁護士に委嘱し直して、その弁護士は、取り下げていいです、取り下げますと言わせると、こんなことまで行われているわけでございまして、そもそも、国会で大議論をした二重債務、二重ローンの減免、被災者の方々のためにいろんなことをやろうとあれだけ大議論して、いろんなこと、このガイドラインも作られてきたわけですけれども、金融庁も関与してこんなパンフレットまで作っているわけでしょう。にもかかわらず、現場でこんなことが行われているわけでございます。
 ちょっと聞きたいんですけれども、大体、この資料の最後に付けておきましたけれども、この運営委員会は、こんなことをやっているともう被災者の立場じゃなくて債務免除をしたくない金融機関の立場に立っていると思われても仕方がない事例が相次いでいるわけですね。ここに名簿がありますけれども、この中のこういう、日常的には誰がやっているのか分からないですけれども、この中のどの人間の判断でこういう指摘されているようなことが行われているんですか。
○政府参考人(細溝清史君) 日常的な事案の判断につきましては、被災地の弁護士である登録専門家、それからこの運営委員会の支部職員からの報告を基に、運営協議会の幹事等の弁護士、それから運営委員会が委嘱した弁護士が判断していると聞いております。
○大門実紀史君 細溝さん、そう言うけれども、私が聞いたら、これは、この議長、副議長、そして幹事の弁護士、そして事務局の山本さん、このところで日常的にはこういう判断をしていると、こういう、念書を取るとか個々の案件について一遍委嘱し直すとかやっているそうでございます。この事務局の方は全銀協から来ている人ですよね。これはもうどう見たって、銀行業界と一部弁護士と運営委員会ができるだけ債務免除をしたくない金融機関の側に立って癒着して、それで弁護士の委託替えも行うと。
 私は、本当にこれ、金融庁が本気でやらないなら徹底的に調べますよ。弁護士さんを替えると、委嘱された新しい弁護士と、この紹介は誰が行ったのかと、その報酬はどうなったのかと。銀行側の癒着という構図だってあるわけですよ。そこまで徹底的にやるべきですよ、本当は。
 金融庁はちゃんとそういうことを正さなきゃいけないと。場合によっちゃ、国会にこの高木議長ですか、新二郎さんですか、参考人で来てもらうことだってあり得るわけですよ。それぐらいの大問題ですよ、今、これは。分かっているんですか。金融庁として、それぐらいの意識を持たなきゃまず駄目ですよ。
 そもそも、そういうことをしたのに、金融庁は、これ、ここまでの問題が起きていることを今まで知らなかったんですか。
○政府参考人(細溝清史君) 五月二十二日の仙台弁護士会のこの指摘をもって私どもは正式にお伺いをしたということにはなりますが、事前にもいろいろな方から情報は寄せられていたことは事実でございます。ただ、その際に、いろいろ私どもも実態を調べなきゃいけませんので、その実態把握に時間が掛かっておったということでございます。
○大門実紀史君 私は、金融庁は全体として被災者の問題頑張ってこられたのはよく承知しております。今の畑中長官の下ですからね、いろんな部分で頑張ってこられたのを知っていますが、なぜその金融庁がオブザーバーでかかわっているのにこんなことが起きたのかと。率直に申し上げて、前の課長は何やっていたのかと。これを最初からつくって、このメンバーといろいろやってきた前の課長は一体何やってきたのかと。何も知らないわけないんですよね。そこまでやりましょうか、そこまで追及しましょうか、やるならば。もっときちっとした姿勢でこの問題徹底的に明らかにするとやらなきゃ駄目ですよ。
 麻生さん、金融庁がこんなパンフレットを作っているんですよ。このガイドライン、皆さん利用してくださいと。個人の住宅ローンなど減らしますからと。麻生さんの好きな漫画形式で、非常に分かりやすい、いいやつなんですよね。この中に書いてあることをやってくださいよ。これ、運営委員会の人もみんな善意の顔しているし、こんなことをやるような人じゃないでしょう、これ。ちゃんと支援弁護士さんと相談に乗って、被災者のために頑張るようになっているでしょう。このとおりやりなさいよ、このとおり。やらせなさいよ。これ金融庁のパンフレットでしょう。
 どうしてこんなことが金融庁の方オブザーバー入っていて起きているのかと。これ徹底的に国会で、今日は時間ありませんから、私も何回も取り上げますけれども、徹底的に調査をしてもらいたいというふうに思います。
 これはちょっと、局長もちょっとぼやっとしたことを言っていますので、大臣、これ、きちっとした指示をしてもらって徹底調査してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今般の仙台弁護士会からの話というのを私も今読ませていただきましたけれども、これは仙台弁護士会からの話でもありますので、これは事実確認をさせていただきました上できちんと対応させていただきます。
○大門実紀史君 ちょっと言っておきますと、この資料の三枚目、四枚目ですかね、現物の資料を付けておきました。さっきの、一千万円を払えと、先に払わないと弁護士を紹介しないぞという話ですね。これも、そして、異議があった場合、この運営委員会が、弁護士さんが、異議を申し立てた弁護士が、言うことを聞かない弁護士がいたらほかの弁護士に運営委員会が委嘱し直すと。
 これ、細溝さん、よく承知してほしいんですけれども、これは個々の、個別の現場の判断ではなくて、運営上の問題です、両方とも。運営上ですね、個々のケースでなくて。運営でそういうことを、同意書を取るとか簡単に委嘱をし直すとか、これ運営上の問題ですから、運営上の問題は、もちろんこれ民間の、民民の世界はあるんですけれども、このガイドラインをつくって、金融庁も入って被災者のためにガイドラインをつくるときには関与されて、後から意見があったときも金融庁が出席して指導されてガイドラインをつくったと、中身をいろいろ改善したという点があるわけですから、この運営上の問題としてきちっと意識して、こういう運営は二度とないように、引き続き調査等、また報告求めますけれども、調査してもらいたいと、大臣の指示どおりやってください。
 以上申し上げて、質問を終わります。

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