<赤旗記事> |
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質問する大門実紀史議員=10日、参院消費者特委 |
訴訟法案の審議早く
参消費者特 大門氏「今国会成立を」
日本共産党の大門実紀史参院議員は10日の参院消費者問題特別委員会で、消費者裁判手続き特例法案の今国会での成立を求めました。
同法案は、多数の被害者に代わって特定の消費者団体が訴訟を起こすことができる制度。被害者の訴訟負担が軽減され、被害回復につながるものです。
大門氏は、経団連など日米欧の経済7団体が「経済活動にマイナスの影響がある」と反対の緊急提言を出したことをあげ、的外れの主張だと指摘。
消費者庁の松田敏明次長は、「4年以上をかけて今国会に提出した。本制度は米国とは大きく異なるものであり、日本版『クラス・アクション(集団訴訟)』の比ゆは当てはまらない」と答弁しました。
森雅子消費者担当相は「乱訴防止があり、米国のような懲罰的損賠規定がない。悪質業者を市場から退場させる、優良業者にとってはウエルカムの制度だ」とのべました。
大門氏は、IT企業大手・楽天の三木谷浩史社長が「健全な企業への乱訴が考えられる」と反対していることを指摘。「消費者団体をユスリやたかりのように見る議論で見識を疑う。制度は、経済にとってもプラスになる」とのべ、一刻も早い審議入りを求めました。
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≪議事録≫
○大門実紀史君 大門実紀史でございます。
先ほど民主党の斎藤議員からありましたが、私も消費者集団訴訟制度について質問をさせていただきます。
四月の十九日に閣議決定されて、今国会成立ぎりぎりで、ぎりぎりの日程で上程されておりますけれども、中身は先ほど斎藤議員からありましたので、重複しますので触れませんが、とにかくこの集団訴訟制度は、自民党、公明党、民主党、そして我が党もそうですが、この前の衆議院選挙の公約に掲げた制度でございます。したがって、一刻も早く、必ず今国会中に成立させる必要があるというものだと思っておりますが、ところが、配付いたしましたけれども、三月に経済団体からこういう緊急提言が出されまして、この法案が成立すると経済活動に支障を来すんじゃないかとか、訴訟が乱発されるんじゃないかとか懸念が示されて、それで、率直に言って与党の一部にも動揺が広がって、法案の中身も当初よりは若干後退するものになったんではないかと思っておりますけれども。
いずれにせよ、この中身でも早く、しかも、早くやっても三年後ですから、早く本当に成立させる必要があるというふうにつくづく思っておりますけれども、法案審議そのものはこれからとなると思いますので、今日は、早く審議入りをして早く成立させていただきたいという立場で、経済界から出ている疑心暗鬼といいますか、そういう疑問にやっぱり分かりやすく今の段階で答える必要があるだろうと思いますし、与党の皆さんの中にもまだよく御存じない段階でちょっと渋っておられる方もおられるかも分かりませんので、それほど何かこう、経済活動を縛るような、それほどの法案でもありませんので、正確な理解をしていただいて早期審議入りを進めてほしいという立場で幾つか質問をしたいというふうに思います。
まず、経済界が言っているのは、拙速な立法だと、急いでやっているというのがありますけれど、これは消費者問題に携わっている者にとっては違うと思いますが、若干経過を教えてもらえますか。
○政府参考人(松田敏明君) 本制度につきましては、適格消費者団体による差止め請求制度を導入いたしました七年前の平成十八年の消費者契約法改正法案の附帯決議におきまして、適格消費者団体が損害賠償等を請求する制度について、その必要性等を検討すること、これが国会から求められた、これが最初でございます。
それから次に、平成二十一年の消費者庁及び消費者委員会設置法の附則で、施行、二十一年九月から三年を目途として、被害者を救済するための制度について検討を加え、必要な措置を講ずるものとされているところでございます。
このようなことを受けまして、平成二十年十二月に内閣府におきまして具体的な検討を開始して以来、約三年の間に、内閣府、消費者庁、消費者委員会などの場で事業者を含めた幅広い立場の有識者や関係団体の委員に検討がなされました。さらに、平成二十三年八月に、消費者委員会集団的消費者被害救済制度専門調査会、これにおきまして制度の骨格について合意を見たところでございます。
これを受けまして、更に消費者庁におきまして検討を進め、事業者団体等との関係団体との意見交換を進めますとともに、平成二十三年十二月、二十四年八月の二度にわたって検討中の制度の内容の詳細を公表いたしまして意見募集、パブリックコメントを実施するなど、法律案の策定過程としては特段に慎重な検討を行った上で、四年以上の年月を掛け、今国会に法律案を提出するに至ったものでございます。
○大門実紀史君 私も知っておりますけれど、相当時間掛けて議論して出てきたということでございます。
もう一つは、新聞報道なんかでも大きな勘違いがあるようなんですけれども、いわゆるアメリカのクラスアクションを持ってきて、もう大変訴訟が乱発するとか、何かそういう、本当にこれ疑心暗鬼だと思うんですけれども、アメリカのクラスアクションみたいになったら困るというのが、何か情報だけが先行しておりますけれども、随分違う制度だと思いますが、ちょっと簡潔に説明してくれますか。
○政府参考人(松田敏明君) 相違点は大きくまず三点ございます。
まず、本制度、あくまで手続に加入した対象消費者のみに判決の効力が及ぶいわゆるオプトイン型であるのに対しまして、米国の制度では除外の申出をした者以外は全被害者に判決の効力が及ぶいわゆるオプトアウト型というのが基本的に相違点の一点目でございます。
二点目、本制度は原告になることができる者を適格消費者団体の中から新たに内閣総理大臣が認定した特定適格消費者団体に限る、今十一団体ありますものを更に絞る、こういった団体に限るのに対しまして、米国の制度では所定の要件を満たす被害者であれば誰でも訴えを提起することができるということが二点目でございます。
それから三点目、本制度は対象となる請求を消費者契約に関するものに限定いたしておりまして、損害賠償請求につきましては、拡大損害、それから逸失利益、それから個人差のございます人身損害、それから慰謝料、これを除外しておりまして、一定のものに絞っておりますのに対し、アメリカの制度では対象事案が限定されておりません。
この三点に加えまして、日本にはいわゆるアメリカにおけますような陪審制や懲罰的賠償などの制度がないということでございます。
以上のように、本制度は大きく米国の制度とは異なるものでございまして、例えば日本版クラスアクションというような比喩は全く当てはまらないものと考えております。
○大門実紀史君 私も、新聞報道が日本版クラスアクションと言った途端に、いろんな企業、今グローバル化の中でアメリカのことも知っておりますから、そういう疑心暗鬼といいますか懸念がわっと広がったんだと思います。クラスアクションと全然違うということでございます。
もう一つは、この経済団体の中にも書かれておりますけれども、経済にマイナスの影響を及ぼすおそれがあると。これも全然根拠が分からないんですけれども、経済同友会なんかは現政権の掲げるインフレターゲットの達成を阻害しかねないと。インフレターゲットと何の関係があるのかと思いますけれども、これは大臣、閣僚の一員でございますから、今のアベノミクスを進められておられますけれども、これ何か経済的な阻害要因になりますか。
○国務大臣(森まさこ君) 阻害要因にはならないと考えております。
本制度は、今、次長から説明があったとおり、原告がまず限定している。それから、乱訴防止規定を設け、これに違反した場合は行政監督をされる。改善命令、認定の取消しの対象ともなります。そして、団体が受け取ることができる報酬、費用の定めを消費者の利益の擁護の見地から不当なものでないというふうに記述し、そして対象となる請求も先ほどのように限定した上、アメリカのように二倍、三倍取られるような懲罰的損害賠償という制度が元々ありませんので、損害賠償、拡大損害も除外をしておりますので、乱訴といったことも起きませんし、訴訟で企業が想定外の大きな損害を受けるということがないわけです。
何より、そもそも消費者を大事にする良心的な経済活動を行っている企業であれば、例えば今御指摘のあった経済同友会に加盟しているような企業さんであれば、このような訴訟の対象となることがないわけでございますので、そういう意味では全く経済活動に対して萎縮効果がないものであり、更に言えば、悪質な業者が市場から退出するということも併せ考えますと、良質な業者にとっては更にウエルカムの法案であるというふうに考えております。
○大門実紀史君 もう一つは、よく出てくる話なんですけれども、この緊急提言の中にもあるんですけれども、提言の中の真ん中辺りですけれども、訴えを提起する団体の背景に少額被害を被った相当多数の対象消費者の授権がないまま訴訟が提起される可能性があると、私はこれはないと思うんですけれども、これどうですか。
○政府参考人(松田敏明君) 授権なくして、この制度の詳しい制度設計の話はまた法案審議のときになろうかと思いますけれども、本制度は、消費者が手続に加入しやすくする観点から、まず特定適格消費者団体が対象消費者からの授権なくして共通義務の確認を求めて一段階目の手続に入る訴えを提起して、勝訴判決が確定した後開始される二段階目の手続に至って消費者が加入するということにいたしております。
ただ、だからといって、まず団体はその対象消費者が相当多数存在することを立証する必要がありますので、一段階目に当たりましてこれが認められない場合は訴えが却下されるということがございます。
それから、授権しないことによって何か乱訴を招くんじゃないかということでございますけれども、授権を消費者から得ることをしないことによって、団体は一段階目の手続で着手金等を受け取る機会が全くございません。一切の費用を負担することになるということで、負ければもちろん全部団体の負担でございますので、そういった意味で安易に訴訟を提起することは考えられないということでございます。なお、先ほど来出ておりますように、乱訴防止規定を設けておりまして、これに違反した場合は、改善命令、認定の取消しといったような行政監督の対象としておるところでございます。
こうした趣旨をよく説明し、理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 楽天の三木谷さんが自民党の調査会に出された要望書の中に、健全な事業者に対する乱訴が考えられると。何もやっていない、ちゃんと営業している事業者に対して訴訟をばんばんやることがあると日本経済に大きな打撃を及ぼすということとか書かれているんですけれども、普通、健全な事業者の場合はこんな乱訴がたくさん起きるわけがないわけですよね。万一あるとすれば、万一あるとしたらそれはどんなことかといいますと、訴訟を起こせる適格消費者団体が、よほど意図的に悪質に、何もやっていない企業に対して何か意図的に、あり得ないんだけれども、そういうことがあるんじゃないかというようなことを真面目な文章であの三木谷さんともあろう方が心配されているわけですね。
よほど、何といいますか、御存じないのかといいますか、消費者団体とか消費者運動ということそのものを余り御存じないのかなというちょっと気がいたしますけれども、この三木谷さんは更に、適格消費者団体は低額の訴訟費用を払うだけで訴訟は可能だと、勝訴すれば費用回収に加え報酬を得ることができると、敗訴しても不利益はほとんどないと。何か消費者とか消費者団体が、たかりとかゆすりとかそういう類いの同列に見ておられるのではないかと。大変見識を疑うわけですよね、こういうことというのはですね。よほど理解が浅いのか、それとも意図的にこういうことを、意図的に踏み込んだ言い方、後でこれ公になると恥ずかしいと思いますけれども、言って、何としても阻止したいのか。大臣言われたように阻止する理由は何もないわけですね、楽天のようなきちっとやっているところは何も心配することないわけですけれども、こんなことが言われております。
そういう点で、今ちょっと松田さんからありましたけれども、適格消費者団体が仮に、万が一変なことをやった場合、どうなるんですか。
○政府参考人(松田敏明君) これは、この特例法の中の監督規定、特定適格消費者団体に関するこの規定の中で、今申し上げましたように乱訴の防止規定というのがありまして、その並びに監督規定というのがございまして、違反した場合は改善命令や認定の取消しということが私どもに求められているということで、また、乱訴のそうしたことがあれば、私ども消費者庁自身にそうしたことを助長しているということを言われるということが、役所としては非常に不名誉なことを言われかねないということを意味することになりますので、そういうことはないというふうに申し上げておきたいと思います。
○大門実紀史君 あと、もうそうなると残っているのは、この緊急提言の中で、遡及適用すべきではないというのがこの三月二十五日の経済団体の要望ですけれども、これは遡及しないということになったわけですね。私は別にこんな、この要望にこたえる必要はなかったと思いますけれども、これはやっぱりこの経済団体の要望を入れて遡及しないということにしたんですか、率直に言って。
○政府参考人(松田敏明君) 本法案におきましては、今御指摘のございました施行前の事案への適用を行わない旨の経過措置を設けるということにいたしております。これは、一時期にまとまった金銭の支払を求められることになる、つまり、時効に掛かっていないものを一挙に請求なり得るといったようなこと、事業者においてあらかじめその準備がなされていない場合もあって、ひいては、事業者の経営破綻などによって逆に被害者の被害回復が図られないおそれもあるといったようなことを総合的に勘案いたしまして、今回この適用制限を行うという考え方を取ったところでございます。
では、どうなるかということでございますけれども、本制度によって救済を受けられない施行前の事案の被害者につきましては、特に事案が施行日をもうまたがるような、そういったようなことが想定されるわけでございますけれども、本制度の一段階目の勝訴判決の内容等を関係機関に周知しつつ、ADR、国民生活センターによるADRを通じた和解、仲裁、あるいは消費生活センターのあっせんなどにおきまして、一段階目の訴訟結果等の事実上の効果を利用いたしまして被害救済を図るということで考えてまいりたいと思っておりまして、これらの対応策を通じまして、施行前の事案につきましても可能な限り被害回復が図られるよう適切に取り組むといったようなことで考えておるところでございます。
○大門実紀史君 つまり、経済界の要望にも十分配慮してこうなってきているわけでございます。
消費者団体の方々も、いろいろ言えばあるけれども、ここまで来たら早く成立させてほしいということが一番で、一昨日もそういう集会をやられているわけですよね。国会の運営上のこともありますけれども、是非大臣の御決意を聞きたいんですけれども、よく理解していただくと、与党の皆さんも別にそんなにどうかなと思うほどでもないし、どっちかといったらこれ前進的な、経済にもプラスの法案でございますから、是非今国会で成立ということを私は与党の皆さんにも理解してもらって、早く審議入りしてきちっと審議して今国会必ず通すとやってほしいと思いますが、大臣の決意といいますか、お気持ちを聞きたいと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 与党の中ではしっかり経済界とも意見交換をした上で、自民党においては総務会まで了承いただき、公明党においても了承をいただいております。そして、その後、経済団体に私の方で、先ほどの三月二十五日の緊急提言を踏まえ、よく法案の中身を説明をして、理解をいただけたものと理解をしております。
大事な点は、消費者が、先ほどのような格差でたくさんの消費者が泣いているんですが、こうした消費者に安心を与え、市場への信頼を高めるということは、消費が拡大し、ひいては経済成長にもつながることであり、安倍内閣の経済の成長戦略と消費者政策は車の両輪として同時に推進していくべきものと考えておりますので、この法案の早期成立に向けて全力で尽くしてまいります。
○大門実紀史君 最後に、そうはいってももう会期末近いところで、心配もあります。是非、最後に委員長にお願いですけれども、早く審議入りできるように委員長としても御努力をお願いして、私の質問を終わりたいというふうに思います。
終わります。
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