<赤旗記事> |
東電賠償責任免れぬ
大門氏「3年時効後も」
参院復興特
大門実紀史議員は25日の参院東日本大震災復興特別委員会で、福島第1原発事故の損害賠償について取り上げ、民法上3年の時効にかかわらず、被災者の実情にそった対応が必要だと主張しました。
大門氏は、事故後3年までに請求手続きができないとのあきらめの声や、十分な賠償期間の保障を求める福島県の要望書を示し、東電はこの声にどうこたえるのかと問いました。
東電の内藤義博副社長は「時効によって賠償を受けられないことはあってはならない」とのべ、特別事業計画に基づいて、柔軟な対応をとっていく考えを示しました。
大門氏はチェルノブイリ原発事故で25年たっても健康被害が出ていることをあげ、時効が長期に過ぎた場合でも対応が求められると指摘。内藤氏は「晩発性の障害も、因果関係がはっきりすれば賠償する」と答えました。
大門氏は、多数の被災者が賠償申請をあきらめたりしていることをあげ、「被災者の現状を見て、必要があれば国が時効対策の立法措置を検討する必要がある」と主張。根本匠復興相は「被災者の事情を十分踏まえて対応する」と答えました。 |
≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
今回の法案は賛成でございますし、ただ、今、主濱さんからあったような点とか、運用にはいろいろ慎重に考えていく点があると思いますし、こういう住民の帰還がしやすい環境整備をやったからといって無理に帰還を求めるというふうなこともまた慎重に考えなきゃいけないという、いろいろな難しい問題ありますが、一応賛成でございます。
今日は関連して、原発の損害賠償の請求権の時効の問題について質問をいたします。
民法の七百二十四条によりますと、通常、被災者の損害賠償について言えば、損害を知ったときから三年間、損害賠償の請求しないと時効によって請求権は消滅するということがございます。東京電力の場合は、それはありますけれども、その三年間のスタートをどこで考えるかという点で、東京電力に請求をすることが事実上可能となった時点ということで、いわゆる三・一一発生のときからではなくて対応するということで、これは当たり前といえば当たり前でございます。
今、現場の声として出ているのは、じゃ、それはそれで細かいこと決まっているんですけれど、精神的賠償の場合はいつだとか、ちょっとずれてあるんですけれど、いずれにせよ、あと一、二年でおしまいなのかということとか、そもそも東京電力が加害者のくせに線を引くなと、東電が線を引くなとか、そういう怒りとか感情問題もありまして、これについてはかなり福島の中でいろんな要望が出ているところでございます。県の方も、特別の立法措置も含めて考えてほしいということで、この時効の問題はいろいろ意見が出ている、県の要望書が出ているところでございます。
東京電力は、こういう声にまずどういうふうにおこたえになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(内藤義博君) 東京電力の内藤でございます。
この委員会に弊社として初めて出させていただいた観点から、まずは冒頭におわびを申し上げたいと思います。
事故から二年以上たちますけれども、まだまだたくさんの方が避難されており、大変な御不自由あるいは御不便な生活を強いられているわけでして、私どもとして心からおわびを申し上げたいと思いますし、広く社会の皆様にも御心配、御迷惑をお掛けしております。改めておわびを申し上げたいと思います。
今の御質問にお答えいたします。
私どもとしては、時効の消滅、消滅時効によって被害を受けられた方たちが適切な賠償を受けられなくなるということはあってはならないと思っておりまして、これがこの時効に関する私どもの基本方針でございます。
福島県様からも要望をいただいております。時効の援用を取り下げるべきだというようなお話もいただいていますし、日弁連さんからもお話をいただいております。
できるだけ柔軟な対応をということで、今年の二月の四日に私どもの総合特別事業計画、改定をいたしましたけれども、その際に、先ほど大門先生がおっしゃったように、起算日をどうするか、あるいはほかの項目につきましても、より柔軟な方策を今考えておりまして、とにかく私どもとすると、時効の完成によって被害者の皆さんが賠償を受けられなくなるということはあってはならないと考えております。これが基本でございます。
○大門実紀史君 もちろん、最大限誠意を持って対応してもらうわけですけれども、当たり前のことなんですが、今の民法の体系というのがあることはありまして、損害賠償の時効というのは放棄できないと、放棄しては駄目という民法百四十六条があります。さらに、その三年じゃないケースというのは、もう専門的な、今日は時間がないのでやめますけれども、要するに、民法七百二十四条に基づいた場合は二十年後と。民法百六十七条に基づいた場合は、それが適用されたら十年後ということで、二十年、十年ということに法律の根拠として、そこに持っていくということもあり得るんですけれども、あのチェルノブイリの事故の報告書が出ましたけれど、あれ、もう二十五年たっても、いまだ健康被害といいますか、放射線被害が発生しております。
そうなると、この今の民法の体系でも、仮にその七百二十四条を適用しても二十年という制限あるわけですね。そうなりますと、この二十年を超えてとか、チェルノブイリのような被害の場合は、東京電力としてどういうふうに対応されるんでしょうか。
○参考人(内藤義博君) お答えいたします。
今、チェルノブイリの事例がお話ありましたけれども、この晩発性の障害ということかと思いますけれども、私どもといたしましては、当社の事故に伴ってそうした放射線障害が後から出てきた場合ということにつきましても、個別にしっかり事情をお伺いして、事故との相当因果関係がはっきりするものについては、後々出た障害についても賠償をしていきたいと考えております。
○大門実紀史君 したがって、今の段階では民法上の三年とか十年とか二十年とかありますけれど、結論から言いますと、この中間指針にも入っていますけれど、今は分からないですけれども随分先の晩発性の場合でもこれに基づいて対応すると、中間指針に基づいて対応するということは確認していただいたわけでございます。
その上で、今回、法案が閣議決定された、この損害賠償の時効に関する法案、法律ですけれども、義家政務官に来ていただきました。ちょっと簡潔にこの法案、説明していただけますか。
○大臣政務官(義家弘介君) 御説明いたします。
文部科学省では、原子力賠償紛争審査会において、今後の原子力事故の被害者と東京電力との損害賠償にかかわる和解仲介を実施しているところであります。
現在、和解仲介の申立てが多数に上っている等の事情があることから、被害者が和解仲介の途中で時効期間が経過すること等懸念してその利用をちゅうちょする可能性がある。
そのため、本法案によりまして、ほかの法律に基づく裁判外紛争解決手続と同様に、申し立てた被害者が和解仲介の打切り後一か月以内に裁判所に訴えを提起すれば、和解仲介の途中で時効期間が経過した場合でも裁判で争うことができるようにする措置を講じることで、被害者にとって利点のある和解仲介制度の活動を促進してまいりたい、そういう概要でございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。これは大変重要な法案だというふうに思います。
ただ、義家政務官も現場へ行かれてお分かりかと思います。私もずっとこの損害賠償、いろいろお話も聞いていますし、かかわってまいりましたけれども、いわゆる紛争解決センターに持ち込まれている件数といいますと、今、東京電力は、解決といいますか賠償、本賠償したのが三十二万件ぐらいですけれども、この紛争解決センターに申立てとして持ち込まれたのは六千件でございます。
つまり、これは、私、消費者問題もやっているんですけれども、一般の消費者問題のADRについても同じことが言えるんですが、ADRまで、申立てまで持ってくる人というのは全体の被害のほんの僅かなんですね。これは、東京電力の今の本賠償三十二万件、で、この紛争センター六千件しか申立てがないというのは、そういうこともあるわけですね。どういうことかというと、この紛争解決センターでいろいろ相談に乗ってくれたりやってくれるということをまだ知らない人がやっぱりまだたくさんいらっしゃるということですね。
もう一つは、大体一件当たり六か月とか、長い場合はもう八か月とか掛かりますので、相当時間掛かったという話を聞くと、持ち込んで頑張る意欲とか気力とかの問題があって最初から諦めてしまう方、こういう方がおられますので、このADRに、紛争解決センターに来て、もちろんその来た方は時効の延長等やっていただくのは重要なことなんですけれども、来れない方のこともやっぱり考える必要があると思うんですね。これだけの被害で、御本人たちの責任ではありませんので、その点でいきますと、今回の文科省のこの法案は大変重要な法案です。
お願いは、引き続き、これで終わりということではなくて、この損害賠償、被害者、被災者の状況をずっとちょっと引き続き見てもらって、必要があればまた何らかの、県が求めているような立法措置も含めて検討していっていただきたいということを思うわけですけれども、義家さん、いかがでしょうか。
○大臣政務官(義家弘介君) まず、文科省としましても、東京電力に対しまして、よりきめ細やかな対応をするよう要請していたところでありますが、先ほど東電からもお話があったとおり、総合特別事業計画を改定いたしまして、事故発生時ではなく、東電が請求受付を開始したときから三年間請求を受け付ける、被害者が請求書類又はダイレクトメールを受領した時点から三年間請求を受け付けることを表明したと承知しております。
さらに、文部科学省としましては、東京電力に対して、損害賠償をしていない被害者をよりきめ細やかに把握することに努めるなど丁寧な対応を求めているところであります。
今後とも、被害者の方たちが時効の問題で不利益を被ることのないよう、東電の対応と賠償全体の状況を見極めた上で、関係省庁とも連携し、必要な対応を検討してまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 最後に、復興大臣、この原発の損害賠償というのは通常の民事上の損害賠償とはもう性格も時間軸も違いますので、是非復興庁としても、この損害賠償の時効問題、非常に現場では今もう焦点になっておりますので、引き続きウオッチングしてもらって、必要な対応をしていただきたいと思います。
一言いただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) 被災者の方々の生活再建に当たって、東電による損害賠償、極めて重要であると認識をしております。
時効に関しては、今いろいろお話がありました。それは特例法案も通していただいて、成立させていただいて、被災者の不安を取り除く、これも大事ですし、もう東京電力においても、まだ請求を行っていない方々に、要は後方でサポートをしっかりしてもらう。それらを含めて、被災者の方々の事情を十分踏まえた対応が私も必要だと思います。
これからも被災者の不安を取り除くように、迅速かつ適正な賠償金支払が進むように、関係省庁とともに東京電力を指導していきたいと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。 |