国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2013年3月28日 財政金融委員会 黒田日銀の「大胆な金融緩和」の危険を指摘。長期国債購入に関する「日銀券ルール」について。
<赤旗記事>
国債購入増は危険
参院委で大門議員 日銀総裁ただす

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質問する大門実紀史
議員=28日、参院
財政金融委

 日本共産党の大門実紀史議員は28日の参院財政金融委員会で、就任後、参院に初めて出席した日銀の黒田東彦総裁の姿勢をただしました。
 大門氏は、黒田氏が2%の物価目標達成まで無制限に何でもやるとのべたことに対し、「国債を300兆円でも(いくらでも)買うと、本気で考えているのか」と質問。黒田氏は「何でもやらなければ、使命を達成することは難しくなる」と答弁しました。
 大門氏は、黒田氏が、「銀行券ルール」(日銀が購入する長期国債の総額を日本銀行券の流通残高以下に収めるルール)を見直す考えを表明していることに言及。購入額の合計が、すでに日銀券流通額を10兆円も上回り、形骸化しているとただしました。
 黒田氏は「見直しの検討対象になる」とのべ、購入額が増大することは「間違いない」と答弁。大門氏は、黒田氏が、日銀が国債を買い取る財政ファイナンスをしないとのべていることにふれ、「しないという言葉だけでなく、きちんとものさしをつくるのか」と質問すると、黒田氏は「(財政ファイナンスしないことを)具体的にどういう形で示していくかは、政策委員会で議論したい」とのべました。
 大門氏はデフレ不況打開について、「賃金が上がらず物価だけ上がることはあってはならない」と強調。黒田氏は「物価と賃金は同時に上がる」とまともな根拠もない主張を繰り返しました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 黒田さん、良かったですね、今日は大体歓迎ムードで。私はちょっと違うんですけれども。
 この十年ですね、十年以上ですかね、速水さんのときから、もう御存じだと思いますけれど、リフレ派とは当時は言いませんでしたが、インフレターゲット派とか、こうあったんですけど、個々のいろんな議員の方が入れ替わり立ち替わり、日銀に対して国債買えとか株買えとかいろんな圧力を掛けて、私はそのときにいつも日銀を擁護して、圧力に屈しちゃいけないということを言ってきて、本当によく日銀擁護派といいますか、日銀派というふうに言われてきたんですけれど、黒田さんがなられてからは反日銀派で頑張ることになるかなと思っております。
 もちろん、リフレをおっしゃる議員の中には金子さんのように純粋な学者肌の真面目な方もいらっしゃるんですけれど、実は大した話じゃなかったんですよ。そういう質問をする議員とふだん話すと、いや、大門さん、物価よりも株だよと、株上げてほしいんだと、株上げなきゃもう、ちょっと駄目なんだと。で、自分も株主だったりしているわけで、落選しましたけれど、その人は。とか、あるいは、政治の無策、失政を日銀のせいにするという雰囲気もあったりして、余り健全な話じゃないなと思って見ていたものですから、そういう面もありました。
 それともう一つは、基本的な話なんですけど、やっぱり財政ファイナンスの問題とか、あるいは原因が金融政策もあったかも分かりませんが、金融政策だけではないのに、過度に金融政策でこれを解決しようとすると、ちょっと違う方向の、ちょっとバブルを引き起こしたり、あるいは国債の下落の懸念も出るとかいうことがあるんで、余りまともな話じゃないんじゃないかなと思って聞いてきて批判をしてきたんですけれど、安倍さんになって、急遽そのリフレの方が一気にその政策になって、で、黒田さんと、こうなっていると思うんですよね。
 今言った危惧はいまだ持っておりまして、実は日銀の皆さんとはずっといろんな議論をして、恐らくこの後ろに座っていらっしゃる方ほとんどは私とまだ同じ考えじゃないかと思うんですよね、実はですね、思うんです。まだまだそういう状況だと思うんで、非常に危惧しているところはあるんで、個人的に何の恨みもありませんけど、ちょっと厳しい質問をこれから、今日だけではなくてさせていただきたいと思っております。
 一つは、今日もありましたけれど、これから二%になるまで無制限に幾らでもやると、何でもやると、これどういうことなんですかね。例えば二%に、今、大体百兆国債保有になってきていますけれど、百五十兆購入してもならなかった、二百兆になってもならなかったと。じゃ、もう本当に、それでもならないんなら、二%達成していないから、三百兆でも買っていくと。こういうことを本気でお考えになっているんですか。いかがですかね。
○参考人(黒田東彦君) 二%の物価安定目標を達成するというのが日本銀行としての最大の使命であるというふうに認識しておりまして、それをできるだけ早期に実現するためにできることは何でもやるということでございます。具体的にどういった質的、量的な緩和を行うかということは政策委員会で十分審議して決めるということでございます。
 無制限という言い方をよくECBのドラギ総裁とかあるいはFRBのバーナンキ議長が言われているわけでございます。ドラギ総裁が記者会見でよく言われますのは、エクスアンテには無制限と、もちろんエクスポストに無制限になるはずがないわけでございます。ただ、目的を達成するまでやれることは何でもやるという姿勢でいかないと、物価安定という目標が達成できなければ最大の使命が達成できないということになってしまいますので、中央銀行としては最大の使命が物価の安定、もちろん金融システムの安定ということも非常に重要な使命でございますが、この二つはどこの中央銀行でも最大の使命として、その達成のためにその時々で必要なことは何でもやると、できることは何でもやるという方向でやってきているし、やってこないと、困難な状況でその使命を達成するということがむしろ難しくなってしまうというふうに思っております。
○大門実紀史君 何といいますか、決意を示すとか、精神論的なものならば、さっき言ったようなコミットメントの関係で分からなくはないんですよ、立場は違いますけれども。本気でやっちゃったら、本当に麻生さんも安倍さんもやめてくれと止めるんじゃないかと、私、思いますよ、本当に、そんな異常なことをやり始めると。そういうものだということをやっぱりきちっと把握しておかないと、無制限にやることは賛成ですみたいな、ちょっと変な話にやっぱりなりかねないなと思っております。
 財政ファイナンスの問題というのも決していいかげんにしていい問題ではないと、それは多分黒田さんも、総裁もお感じだと思います。黒田総裁は、この間、財政ファイナンスはしないんだと、つまり国の財政赤字を日銀が補填するようなことはしないんだということははっきりと明言されております。
 ただ、大事なのは、財政ファイナンスというのは、大体、中央銀行の総裁が財政ファイナンスしませんと言うのは当たり前の話でございまして、しますって言ったら大変なことになるわけですね。だから、当たり前のことをおっしゃっているだけなんですけれども、問題は、この財政ファイナンスになっているかどうかというのは、総裁のお言葉じゃなくて、これは世界が、あるいはマーケットが判断するんですよね。
 そういう点でいきますと、例のあの銀行券ルールというのがありました。これはここで何度も議論して、銀行券ルールの範囲内でということはずっと、その枠内でということをおっしゃっていたんですよね。これは一つの物差しとしてそれなりの理屈があったなと思ってきているし、ずっとそれを一生懸命日銀は説明してきたんですよね。ところが、もう既に実際問題として十兆円ほど超えちゃっています。銀行券ルールはもう形骸化しているわけですね。しかし、これが一つの今までの、財政ファイナンスしておりませんと、しませんという一つの物差しで、世間には一つの物差しとして見られてきたことなんですね、もう超えちゃってはいますけれども。
 この銀行券ルールについて、黒田総裁はもう要らないと、廃止するというか、見直すとか、どうお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) この点につきましてはいろいろな機会に申し上げておりますけれども、当然検討対象になると、見直しの検討の対象になると思いますけれども、あくまでも全体としての質的、量的金融緩和というものを進める中で、政策委員会で議論しながら決めていくことであるというふうに思っております。
 財政ファイナンスをしないというのはどこの中央銀行でもそうでありまして、日本銀行としても財政ファイナンスをする気は全くございません。
○大門実紀史君 そうすると、こう考えてよろしいですか。そういう財政ファイナンスなんてしないということは当たり前のことですから、しかし世の中がちゃんとそれを分かるようにする何らかの新しい物差しを、この銀行券ルールを変えるということも含めてお考えで、何もないということで、これから言葉だけでやりません、やりませんで続けるんじゃなくて、何らかの物差しは、今までと違うものかも分かりませんが、示す物差しをお考えになるということですか。
○参考人(黒田東彦君) 御承知のように、FRBもイングランド銀行も中央銀行券ルールのようなものはもう実際上ないわけでして、それを超えて大幅な金融緩和をしているわけでございます。したがいまして、当然、質的、量的に大幅な金融緩和を続けるということになれば、既にもう日銀券ルールは上回った緩和をしているわけですから、今後それを更に上回るということになることは間違いないと思います。
 そういった中で、財政ファイナンスをしないということの決意というか意義というものは何かといいますと、何といいましても、中央銀行というのは言わば金利ゼロの通貨、これは日銀券もありますし、日銀への当座預金もあると思いますけれども、金利ゼロで、特に日銀券につきましては言わば定義により金利ゼロでございますので、そういった日銀券が金利ゼロで発行されるというものが、言わばそういう権限を背景にして財政のファイナンスを助けるということになると、財政の規律の問題も出てくる。まあ、財政の規律は基本的には政府と国会の責任でございますけれども、他方で中央銀行のクレディビリティーにも影響してくるということから、財政ファイナンスしないということになっているわけでございますが、具体的にどういう形でそれを示すかということについては、十分政策委員会において議論をしていきたいと思っております。
○大門実紀史君 指摘したような言葉だけの問題ではないと、これは。きちっと枠を、枠といいますか物差しをお作りになるべきだと。立場は違ってもこれは当たり前のことだというふうに申し上げておきたいし、今、黒田さんちょっと言っちゃいけないことを言われたんじゃないかなと思うんですけれども、今、銀行券ルールを超えて既にファイナンスしていると。ちょっとこれは後で訂正された方がいいと思いますし、やっぱりファイナンスしているというふうになっちゃいますからね、今、今自身ですね、と思います。
 もう時間がありませんので、もう一点だけ別の話をお聞きしますが、政策審議委員の佐藤さんがなかなかいい、地方で講演をされているんですけれども、その中で、物価二%上がるときには賃金はやはり四%ぐらい上がるような経済的な土台がなきゃいけないということ、私も全くそのとおりだと思うんですけれども。
 先ほど、結果責任として日本銀行の責任があったという言い方で、だから、デフレ克服できなかった責任は日銀の責任が大きいということをおっしゃりながら、デフレになった原因にはいろいろありますということもまたおっしゃっているわけですね。そうすると、やっぱり、金融政策だけじゃなくて、昨日も麻生さんとか安倍さんと議論しましたけれども、やっぱり先ほどもあった実体経済の中で賃金を上げるべきだと、政策もぴしっとやるべきだと思いますけれども、物価と賃金との関係でいくと、やっぱり、さっきもありましたが、賃金上がらないで物価だけ上がるというのは、一時あり得るかも分かりませんが、あってはいけないことでもあります。
 そういう賃金について、もうちょっと踏み込んで、どうお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 先ほども申し上げたとおり、賃金と物価の関係につきましては、私どもの調査によりますと、賃金が上がるときには物価も上がる、物価の上がるときは賃金も上がるということで、比較的シンクロナイズしているようでございます。
 そこで、賃金上昇と物価上昇の程度ですが、今言われた数字は、恐らくマクロ的に見て物価が二%上がって成長が二%、実質成長が、実質所得が二%上がるとすれば、賃金その他の名目的な報酬も四%上がるというお話ではないかと思いますけれども、もちろん、当然、賃金、物価がシンクロナイズして上がっていくということになれば、物価の上昇率よりも実質所得が上がる分だけ賃金の上昇率が高くても別におかしくないと思いますが、その具体的な程度とかその在り方というのはその時々で少しずつ違うかもしれません。ただ、大まかに見れば、賃金と物価というのはほとんどシンクロナイズして動いているということでございます。
○大門実紀史君 それじゃ、今日はこれぐらいにしておきます。
 ありがとうございました。

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