<赤旗記事> |
医療・介護賃上げ本腰を
参院財金委 大門議員が求める
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質問する大門実紀史 議員=27日、参院 財政金融委 |
日本共産党の大門実紀史議員は27日の参院財政金融委員会で、デフレ克服のため賃金引き上げに政府として本腰を入れ取り組むべきだとただしました。
大門氏は、2005年から07年の景気回復時も賃金全体が上がらず、内部留保が積み上がっただけだったと指摘し、「賃上げのために政府がやれることに踏み出すべきだ」と強調しました。
安倍晋三首相は「ここで終わってはいけない。実体経済をともなう形で成長の果実が多くの国民にゆきわたるよう努力していきたい」と答えました。
大門氏は、安倍首相がサービス分野の価格低下が賃金下落の要因だと答弁したことに言及。パート労働者の賃金は一般労働者の賃金に比べてサービス物価に連動していることを指摘。また、サービス分野のなかで正規もパートも賃金が下落したのは医療・福祉分野だけであることを政府資料で示し、その原因は政府が診療、介護報酬を引き下げたからだとして、「パート賃金に影響する最低賃金を引き上げること、医療、介護労働者の賃金引き上げに本腰を入れてとりくむべきだ」と求めました。
安倍首相は「最低賃金の引き上げは望ましいことだ。政府として何ができるか考えていきたい」と表明。医療、介護労働者の賃上げについても、離職者が多いのは賃金が低いからだとのべ、「待遇改善について実態を踏まえて検討していきたい」と答えました。
麻生太郎財務相も、処遇改善によって経験も能力もある看護師が復職したケースを紹介しながら、「検討していかねばならない重要な問題だ」とのべました。
大門氏は「最低賃金の引き上げに政府がやれることに今、踏み出していくこと」と求めました。 |
≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
総理、大変御苦労さまでございます。
まず、昨日も麻生元総理と議論をしたんですけれど、現状認識について若干伺いたいと思いますが。
今の円安株高をどう見るかですが、安倍総理は、テレビでは割と強気な、若干自画自賛的な発言もされておりますけれども、本当は謙虚な方ですので、この先どうなるかということは一人でもいろいろお考えじゃないかと思います。
実体経済が良くなって株が上がる、円高が是正される、これはいいことだと私も思うわけですけれども、この間は、そうではなくて、総理になられる前の安倍さんの大胆な金融緩和発言、宣言に、昨日も言ったんですけど、まず海外のヘッジファンドが飛び付いて誘導してくるという流れがあったわけでございます。非常にタイミングは、大変あのときは、何といいますか、絶妙なタイミングでやられたというのは間違いないと思います。
あのユーロ危機から、あるいはアメリカの財政の崖からいろんなリスクを取れなかったのが、これから取ろうというところで、世界的に同時株高になる流れ、あるいは今まで安全な円を買っていたのがこれからまたドルを買おうとかユーロを買おうとかいう、この流れのときにああいう宣言をされたんで、非常にヘッジファンドとかにとっては格好の材料になったという面もあってこちらにずっとお金が入ってきたんだと思います。それに一般投資家が後からくっついていって、これだけの円安株高になっているんだと思います。
これは、これだけで終わると大変なことでございまして、そういうヘッジファンドは、昨日も言ったんですが、必ずどこかで売り抜けをやります。利ざやを稼がなきゃなりませんから。後から付いていった一般投資家が売り抜け遅れて損をするというふうなことを今までも繰り返されているわけでございまして、下手すると、これだけで終わるとバブルで終わっちゃう可能性がある、危険性があるわけですね。
昨日も麻生大臣とお話ししたのは、やっぱり実体経済を良くしなきゃいけないし、賃金をどうしても上げるということが必要ではないかと、そこのところに踏み出す必要があるということで、その辺は一致するわけですけれども。
そこで、この間総理が言われている、一部の企業でも、一部の企業といいますか、企業の中にも賃金を引き上げる傾向が出てきているとおっしゃいましたけど、実は、総理はよく御存じですけど、二〇〇五年から二〇〇七年のときも、あのとき一応景気回復というのがあったんですが、大企業を含めて一部の企業ではボーナスを出したり賃金を上げたりしたんですよね。あのときも今のようなムードがあったんです。ところが、総賃金が上がらなかったんですね、全体として。したがって、内部留保だけ結果的に積み上がって、全体に回らなかったというのがあるわけですね。
そういう点でいきますと、いずれ上がるだろうと、賃金上がるだろうということではなくて、今回の政策の一環として、やっぱり政府がやれることは何でもやると。もちろん経済界にお願いしてもらうことは大事なことなんだと思います、我が党の志位委員長も経団連に要請したこともありますけれど、もっと政府が自身がやれることでもっと知恵を出して、幾つか直接やれることに、今踏み出せることには踏み出すべきだというふうなことを思ったりするわけですけれども、その辺いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、ここで終わってしまってはいけないわけでございますし、実体経済を伴う形において経済が成長し、そしてその果実が多くの国民に行き渡るようにしていくことは極めて重要であり我々の責任だろうと、このように考えているわけでございまして、その中において、例えば政府が多くの企業に対して賃金上げてくださいとお願いをするということは、これは今までにない出来事だったんだろうと思いますし、先般、米国のスティグリッツ教授と話をしたら、そんなことはアメリカでは絶対起こらないという話でございましたが、そうした努力もしていきたいと、こう思うわけでございまして、これから更に私たちができることに何があるか、これは限界もあるわけでございますが、最低賃金が上がっていくような状況をつくっていくことも必要でしょうし、何ができるかということについては様々な観点から検討していきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 それで、その賃金を上げる方策といいますか知恵は自民党よりも共産党の方があると思いますので、幾つか御提案を更にしたいと思いますけれど。二月の二十日の予算委員会のときに総理がなかなかいい答弁をされているんです。的確な答弁をされていまして、私の質問に対して、日本ではサービス価格が下落傾向にある、サービス分野は価格が人件費に直接影響を及ぼすのでデフレが賃金下落の大きな要因になった、日本の賃金の下落にも反映したというふうなことをおっしゃって、サービス価格のことをおっしゃっていまして、これはCPIの中で比重が多いですから、大変正確な御答弁をされているわけです。
それをお聞きして、私、総理の御答弁に沿ってちょっと調べてみたんですけれども、資料をお配りいたしましたが、時間の関係で結論だけ申し上げますと、一枚目の資料は、いわゆるサービス物価とサービス業の賃金の関係で、調べてみて分かったのは、サービス価格の下落、賃金が先か価格の下落が先かというのはあるんですが、両方との悪循環になっていると思うんですが、いずれにせよ申し上げたいことは、サービス価格が下落していると、これを上げない限り物価は二%も行かないと。それには、連動しているのがサービス業のパートタイマー、アルバイトとかパートタイマーの賃金が連動しているというのが分かりました。つまり、サービス業はやっぱり非正規雇用がずっと増えておりまして、このアルバイト、パートの部分の賃金上がらないとサービス価格も上がらないと、ここが抑え付けられますと上がらないと、こういう関係になるわけですね。
したがって、ここの部分は、この前提案したように、最低賃金を上げていくというのは非常に関係する部分でございますので、やっぱり最低賃金の本格的な引上げですね、これは何度も提案しておりますけれど、大胆に大きくやることが必要だというふうに思います。
もう一つ、これもサービス物価を調べて分かったのが、二枚目の資料なんですけれども、これもちょっと結論だけ申し上げますと、サービスというのは業種にすればいろいろあるわけです。それぞれの時間当たりの賃金の動向を調べてみましたら、いろいろ変化はあるんですけれど、要するに、正規も、パート、非正規も両方とも賃金が下落したのは医療、福祉関係なんですね。これは、私、先ほど申し上げました政府がすぐやれることという意味で提案しているわけですけれども、この医療、介護の労働者の賃金が下がったのは、言うまでもなく政府の診療報酬、介護報酬の関係が非常に影響を与えているわけでございます。
民主党政権のときにこの介護労働者の賃金を四万円上げるということを公約したんですけれども、ほとんど何も実現されなかったと。ただし、問題意識はやっぱりそこにあったわけですよね。
この部分の引上げというのは民間の世界だけではありませんので、むしろ政府が主導できる部分でございますので、最低賃金を上げる努力、これから本当にいろいろなことを考えるというのと、医療・介護労働者の賃金引上げ、これは課題にもなっていると思うんですけれども、これに本腰で取り組むということが総理の問題意識と沿うんじゃないかと、サービス価格を上げていく、サービス関係の賃金を上げていくということに沿うんじゃないかと思うわけでございます。
最低賃金の引上げと医療・介護労働者の処遇改善について取り組んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最低賃金の引上げについては、これが、この最低賃金が順調に上がっていくということが一番望ましいわけでございますが、その中で政府として最低賃金の上昇に向けて何ができるかということについてはよく考えていきたいと、こう思っております。
また、医療従事者についてでございますが、今までも、特に介護分野においては、なかなか介護分野の若い方々が一年、二年で離職をしてしまうということは大変多かったわけでございます。これは、なかなか介護分野においての給料が低い、賃金が低いということと、だんだん自分のキャリアが上がっていくという世界になっていないという二つの課題も指摘をされていたところでございまして、その中において、これは麻生政権の最後の段階において介護従事者に対する待遇の改善を図ったところでございますが、今後とも、御指摘の点も踏まえて、医療従事者の処遇の改善については、その実態もよく踏まえながら検討をしていきたいと、このように思っております。
○大門実紀史君 今、麻生元総理のときの話が出ましたので、これはやっぱり財務省と厚労省の予算の関係とかあると思うんですけれど、やっぱり医療、介護、特に介護労働者ですね、大変な状況で働いていますけど、是非、麻生元総理、財務大臣、この分野はやっぱり改善の方向で考えていただきたいと思いますが、ちょっと一言いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは介護に特に焦点が当たっておりますけど、看護婦含めましてこれは極めて条件としては三K職場と言われるほど厳しい状況になっておるというのが実態なんだと思います。
したがって、看護師でも結婚して退職した人たちで数年してもう一回働けるという状況にある人が実はいっぱいおりまして、いい病院へ行ったら大体子供を預かる施設を病院に持っていると思いますね。そういったところには古手の看護婦が戻ってくる。その看護婦は極めて有能。経験もありますし、特に自分で出産しておりますので助産含めて極めて、そういった急患等々に対する対応も極めて適切という、評価は極めて高いにもかかわらず、一回退職していると何となく給料の扱いが別になっていたり、なかなか難しい問題等々もあるのは事実でもありますので、そういったところを含めて、この点は今後検討しなければならぬ大きな課題だと思っております。
○大門実紀史君 もう時間が余りありませんので次の質問はいたしませんが、とにかく今すぐ賃金で政府がやれることに踏み出していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。 |