国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2013年3月21日 財政金融委員会 東日本大震災で被災した中小事業者への金融支援を抜本的に強めるよう求める。
<赤旗記事>
共産党国会議員の質問
被災した中小事業者へ金融支援を強めて
参院財金委 大門議員

写真
大門実紀史議員=21日、参院財政金融委

 大門実紀史議員は21日の参院財政金融委員会で、東日本大震災で被災した中小事業者への金融支援を抜本的に強めるよう求めました。

 金融庁の細溝清史監督局長は、債務返済を一時停止している事業者は312件(2%)、条件変更し返済を開始している事業者は1万5229件(98%)と答弁。大門氏は、「二重ローン」を防ぐためにつくられた中小企業庁の産業復興機構と復興庁の再生支援機構による債権の買い取り決定が200件にとどまっていることを指摘。「政治も国会も何をしていたのかと責任が問われる」とのべました。

 大門氏がさらに、「平時の事業再生の発想から転換する必要がある」と強調。事業再生計画の作成費用が産業復興機構では機構が負担するのに対し、再生支援機構では本人負担となっていることをあげ、「不公平だ。速やかな改善が必要だ」とただすと、麻生太郎財務相は「早速、問い合わせて改善の話をすすめていく」と答えました。

 大門氏は、被災者支援を目的に金融機関に公的資金が注入されていることを指摘し、「金融機関が機構を活用するよう指導せよ」と主張。麻生財務相は「被災者の再生支援に貢献していくことが前提だ。履行を促していく」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。麻生大臣、これからまたよろしくお願いをいたします。
 先ほど、竹中さんと闘ったという話を聞いて大変親近感を抱きましたけれども、西田さんからもありましたが、当時私もデフレの議論をここで竹中さんとよくやったんですけれども、やっぱりあのサプライサイド論はデフレを深刻化させたなと。賃金を抑制して、価格破壊といってダンピング競争をあおるというようなこともありましたから、本当によくその辺から総括をしなければいけないと思っておりますが、今日は、実はそういう議論をしたいんですけれども、対応が急がれておりますちょっと被災地の金融の問題について質問をさせていただきますので、経済問題は次回にまた議論させていただきたいというふうに思います。
 まず、事務方の方で結構ですので状況を説明してほしいんですけれども、お手元に資料を配付いたしましたけれども、被災三県の被災者の債務の返済状況が今どうなっているのか、簡潔に少しこの資料に基づいて説明をしてください。
○政府参考人(細溝清史君) お手元の資料の一ページ目にございますが、これは被災三県、岩手県、宮城県、福島県に所在します金融機関へのヒアリング結果でございます。昨年十一月時点でございます。
 上にありますように、約定弁済を一時停止している債務者数は六百三十九先、債権で二百十億円、うち住宅ローンが三百二十七先でございますので、いわゆる事業者数としては三百十二先、債権額としては百六十四億円が約定弁済を一時停止しております。
 それから、その下の段にありますように、正式な条件変更の契約につきましては、これを締結した債務者数は二万二千九十一先、債権としては一兆六百九十七億円、うち住宅ローン六千八百六十二先を除くいわゆる事業者数は一万五千二百二十九先、債権額としては九千七百二十一億円となっております。
 ただ、事業者はいろんな複数の金融機関から借りていることがございますので、これは各金融機関のヒアリングの合計でございますので、重複計上があり得るということでございます。
 ということで、約定弁済を一時停止しているケースは債務者数、債権額共に減少しておりますが、正式な条件変更に移っているケースは、これは契約を締結した債務者数、債権額は増加しております。一般的に申し上げますと、大震災の影響で返済を一時停止されていた債務者が一部の事業再開や生活再建の進捗に応じて正式な条件変更契約を締結しているものと考えております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 これは、事業者という数字では引き算しなきゃいけないんですけれども、要するに、返済をいまだ返せない、停止している人は、六百三十九から三百二十七引いたものはほとんど事業者だと思いますので、三百十七ぐらいの事業者がいまだ返済ができていないと。三百ぐらいの事業者がそういうことだと思いますし、条件変更をして返済を取りあえずしているという事業者は、これも引き算しますと一万五千ぐらいの事業者というふうな数字になるかと思います。
 それで、二枚目にこの推移が、今までの状況の変化をグラフにしてもらったのが二枚目ですが、これ、簡単に私の方から説明いたしますと、平成二十三年の五月の時点では、震災が起きた年の五月では、一時返済をストップしていた人が、全体が一万九千五十八件中一万四千八十三の人たちが返済をストップしておりましたけれども、去年の十一月でいきますと、それが先ほどあったように六百三十九に減っていると。もうほとんど条件変更をして返済をしているという状況に今はなっているわけでございます。
 国が、後で触れますが、借金を減らす仕組みをつくったわけですけれども、借金を減らさないで返しているという人たちがもうほとんどになってきているという状況です。ところが、度々触れられていますとおり、被災地の状況は、復興はまだまだこれからでございまして、事業が正常化している人というのはほんの一握りであります。にもかかわらず、これだけの人たちが返済している状況と。これは金融庁として、事務方で結構ですけれども、どういうふうに把握されておりますか。
○政府参考人(細溝清史君) この条件変更の具体的内容は、元本返済猶予というのが多いのではないかと聞いております。
 金融機関で個別にヒアリングしましたところ、条件変更契約を締結して返済している事業者、例えば仮設店舗等で営業を再開しているものの本格再開に至っていないため、当面の間、震災前の債務の返済負担軽減のための条件変更をしている、あるいは、グループ補助金等により事業再開のめどが立っているものの震災前債務の返済負担の軽減のため条件変更をしているケース等々、様々なケースがあると聞いております。
○大門実紀史君 私も何度も被災地の金融調査行っていますけれども、いろんな理由があるのは確かでございます。
 この取りあえず返している中もいろいろございまして、元本据置きで利息だけ払っている人もいれば、条件変更ですから、返済額をちょっと減らしてもらって返済している人もいれば、今までどおり返済しているという方もいるわけでございます。
 まず、この一時停止してまだ一円も返せない人と、今申し上げた、元本据置きで利息だけ払っている人、返済額を減らしてもらって返している人、この方々はやっぱり震災の被害を受けた方々で、通常どおり返している人はもう被害が非常に少なかった方だというふうに、そういうようなことになると思います。その被害を受けた、取りあえず利息だけ返しているとか、返済額を減らしている人とか、全然返せないという人は、恐らく一万人以上まだいらっしゃるというカウントになるんじゃないかと思います。
 そういう方々がどういう方向になるかというのは、これも私、自分で調査して、大体分かれるのが、もう事業の再開を断念した人、もう年齢の関係とかいろいろあって、それと政府の対応も遅かったということも起因していると思いますが、とにかく廃業をしてもう整理に入るという人と、あとは、先ほどありましたが、中小企業のグループ補助を受けて、これで再開の準備に入っている人、自力で、補助は受けていないけど自力で再開の準備をしている人と、あとは、町の復興計画がまだ決まっていないと、かさ上げもこれからと、どこで自分の工場を建てるとか事業所を出すとか決まっていないという、この町の復興計画待ちになっている人というような方々がいるわけですけれども、事業再開の意思のある人々全てを支援しようというのが国会でのこの二年間の議論でございました。
 その手段が二つございまして、一つが先ほどあった中小企業グループ補助制度で、これはもう既に約四千億円で、八千数百の企業が認定されておりますので、大変喜ばれている制度でございます。
 問題は、その二つ目の債権買取り機構の方なんですけれども、これも資料を御用意しておりますけれども、結論だけ申し上げますと、債権買取り機構は、御案内のとおり、新たに事業を再開するときには借金をしなきゃいけない、二重ローンになりますから、過去の借金を減らしてあげようという、買い取ってあげようという機構でございますけれども、これが二つありまして、中小企業庁の復興機構、これは元々あったといいますか、あったんですね。それでもう一つ、この国会の議論で特に自民党の方々から、この中小企業庁の復興機構は駄目だと、こんなものは大きいところしか救わないから駄目だということで、新たにつくらなきゃいけないということでできたのが事業者再生支援機構というものでございます。これは私たちも賛成いたしましたが、野党の議員立法でできたものでございます。
 ただ、私自身は、この中小企業庁の産業復興機構に最初からかかわっておりましたんで、中小企業庁の機構を広げてやれるんではないかというふうに考えておりましたけれども、復興庁が管轄する支援機構がもう一つできることはできたわけでございます。
 これは大変鳴り物入りでできたものでございまして、さっき言った中小企業庁の復興機構をたたきにたたいて、おまえらは駄目なんだということでつくった機構でございまして、規模も五千億の買取り規模というような、打ち出しもすごかったんですけれども、それをやったわけですね。
 ところが、それだけ鳴り物入りでつくっておいて今どうなっているかというと、まだ買取り件数が僅か百五件でございます。中小企業庁の復興機構は九十五件なんですが、向こうが駄目だと言っていて新たにつくってわざわざつくったのが百五件なんですね。
 これは、ちょっと本当に、あのときの議論を聞いておられた議員の方もいると思いますけれども、何のためにつくったのかと、二つもですね、が問われる事態に今なりかけてきていると思います。五千億の規模と言って、少なくとも二千件ぐらいの買取りをと言ったのがまだこんな数でございますから、これ、政治的にも問題になるんじゃないかと、国会は何やっているのかというふうになりかねない問題だと思います。
 これは、金融庁として、この買取り機構の買取りが進まない理由をどのように把握されているか、ちょっと簡潔にお願いしたいと思います。
○政府参考人(細溝清史君) 議員御指摘のとおり、この三月十八日時点で、この機構による買取り決定は百五件、支援決定になりますと百三十三件、それから、支援に向けて具体的な協議や最終調整をしている先は二百三十四件あるというふうに承知しております。
 今後、復興計画が進展しまして被災者が本格的な事業を再開する場合に新規融資が必要となるということから、今後これまで以上に機構の活用が進むんではないかと考えております。
○大門実紀史君 もちろん、町の復興計画を待っている方々がこれからこの買取りを要請するというのは、先ほど私も申し上げたとおり、あると思いますが、それにしたって、余りにも少な過ぎると思います。
 この中にはいろいろ理由がありまして、中小企業グループ補助を受けて、もう一段落して、これ以上国の面倒見てもらっていいのかという、皆さん真面目ですから、そういう方々もいるのは事実でございますが、これはグループ補助を受けてもこの買取り機構を使えるというふうになっておりまして、それは一応宣伝もしているわけですね。ところが、ほとんどそれは、両方使うということをやられておりません。
 これはやっぱり、きちっとタイアップしてもらって、といいますのは、グループ補助は、四分の三出ますけれども、四分の一は自己負担です。この自己負担といっても、被災地は今、資材とか建築費が高騰しておりまして、四分の一自己負担できると思ったのができなくなってきたということが来ておりますし、その借入れも中小企業庁がやったりしてくれているんですけれども、非常に負担になっておりますから、やはり過去の借金を減らすということで、この機構を活用して、是非宣伝してほしいといいますか、タイアップを進めてほしいと思います。
 もう一つは、機構そのものの問題でございまして、これはこの議論のときに絶えず指摘してきたんですけれども、この買取り機構というのは平時の事業再生機構と違うんだと、被災地の、自己責任ではない、この震災被害の方々を支援するものなんだということを繰り返し指摘してきたんですけれども、どうしてもこのかかわる人たちが、経済合理性とか、事業再生のいろんな平時の物差しを持ってきて、そこがハードルを高くしてなかなか買取りまでいかないというのがこの間進んできております。
 これは、民主党政権の平野復興担当大臣のときにも御意見を申し上げて、じゃ、どうしましょうかということになって、少なくとも保証協会の保証が付いたものについてはもうスピードアップして先に買い取りましょうというような、いろんな改善はしてもらってきているんですけれども、いまだこのかかわる方々の、みんな頑張っているんですけれども、どうも意識が、平時の事業再生にとらわれちゃって支援の手が先に伸びないというふうになっているわけでございますので、これは引き続き私も指摘させてもらいますけれども、この買取りの物差しについては十分もっともっと柔軟化していくということを金融庁からも指導してほしいというふうに思います。
 その中で今日ちょっと取り上げたかったのは、被災者の方々から大変な怒りの声が上がっている問題でございます。
 今申し上げた平時の事業再生の発想からくる問題なんですけれども、この買取り機構で買い取ってもらうというか相談をするときに、これは二つの機構、両方ともそうなんですけれども、被災者の方々は、相談に行くと機構の方から、デューデリジェンスといいますけれども、要するに事業再建計画を作ってみてくださいと、こう言われるわけですね。ところが、かなり難しい計画作りになりますので、専門家に頼まなければできない人が多いわけでございます。規模が大きくなると会計監査法人に頼んで百万円以上払うというようなことになるわけですけれども、その専門家に頼むときの費用を中小企業庁の復興機構は機構が負担してあげているんです。これは当たり前だと思います、被災者が相手ですからね。ところが、復興庁の事業再生支援機構の方は本人に負担してくださいと言うわけですね。
 そうすると、本人の方は、事業計画作って支援が受けられるかどうか分からないのに何十万とか百万円以上とか負担させられるというところだけでもうやめようということで引く人とか、負担したけれども結局支援を受けられなかったとか、もう大変な問題になっておりまして、これを私、聞いて、同じ国の機構で、片や本人負担なし、片や本人負担というのは余りにもひどい、余りにもおかしい、不公平だということを言いまして、改善の方向だとは思うんですけれども、ちょっと検討させてくれということにはなっているんですね。ただ、いまだ返事が来ません。
 これはやっぱり政治家が判断すべき問題だと私は思っておりまして、是非、麻生大臣、これはもう速やかに改善して、機構が負担をする、被災者の方々に負担を掛けない、同じ基準でやるということに麻生大臣からも指導してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、ちょっと今日、追加質問を先ほどいただいたので、私、この話をお聞きするまでちょっと二つ別々になっているということは知りませんでしたので、ちょっと今の話を聞いて、この種の話は一方的に聞いても駄目なので、両方から聞かないかぬところなんですけれども、いずれにいたしましても、これは早速問い合わせてみます。向こうは検討中と言っておりますので、検討させるといったって、今の方向というのは基本的な方向として片っ方はやっておるわけですから、そういった意味では、今言われた方向で話を進めさせていただきたいと存じます。
○大門実紀史君 これはもう個々に現れる平時の事業再生、そういうのは自己責任だというか自覚を持ってもらうために負担してもらった方がいいみたいなとんでもないことが持ち込まれているわけでございまして、決して悪気があってやっておるわけじゃないと思うんですけれども、その発想が分かっていない方がまだいらっしゃるんで注意をしてもらいたいと、多分改善の方向になると思いますけれども。
 最後に、これは衆議院で我が党の佐々木憲昭議員が取り上げましたけれども、もう一つは金融機関側の問題があります。金融機関がなかなか買取り機構に持ち込まないと。買取り機構に持ち込みますと債権カットを要請されますので損失が出るということで、できればということで抱え込んだままになっているわけですね。これはやっぱり被災者を支援するためにも、とにかくおまとめローンで新規融資もまとめて返させるんじゃなくて、過去の借金は減らすと、国の制度があるわけですから、そういうふうに機構を活用させるように金融機関を支援してほしいと思います。これは金融庁、割と頑張って指導をしてくれているのは存じております。
 資料を用意したのは、特に公的資金を受けたところは、例の公的資金の入れるときの法案の審議で、被災金融機関だけではなくて被災した企業のためにもこの公的資金、必要だということで我が党も珍しく賛成をしたわけです。だから、そういう趣旨もありますので、公的資金を受けた金融機関ほどきちっと被災中小事業者を支援してほしいと。この資料がありますけれども、まだ産業機構の活用が公的資金を受けたところの割には大変少ないわけですね。積極的に、あなたたちのためだけに公的資金を入れたんじゃないということを指導してもらって、進むように、これ、もう最後ですので、麻生大臣から一言いただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これ、御存じのように、銀行、信用金庫、信用組合、十二行、この対象になっているところがあるんですが、その中にありまして、震災支援機構など、いわゆる積極的な活用を含めて、被災者のいわゆる再生支援というものに貢献していくことがこれ大前提でさせていただいておりますので、具体的には、このようなこの十二の金融機関につきましては、経営強化計画におきまして、被災者の再生支援の一つとして積極的に活用をやってもらいますよというのがこの計画の中に盛り込まれておるというのは御存じのとおりでありますので、この履行状況のフォローアップというものが一番大事なところなんだと思いますので、私どもといたしましては、この十二の金融機関がきちんとそれを履行するように引き続きしっかりと促してまいりたいと、そのように考えております。
○大門実紀史君 終わります。

戻る▲