国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年7月31日 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 消費税 転嫁対策実効性ない――大門議員 首相、具体策示せず
<赤旗記事>
質問する大門実紀史議員=31日、参院社会保障・税特別委
消費税 転嫁対策実効性ない
大門議員 首相、具体策示せず

 日本共産党の大門実紀史議員は31日の参院社会保障・税特別委員会で中小企業が消費税を価格に転嫁できない問題を取り上げ、実効性ある対策を取ることができるのかと追及しました。野田佳彦首相らは「検討している」と繰り返すだけで具体策を示せず、増税推進の前提としている「転嫁対策」はまやかしであることが浮き彫りとなりました。

 大門氏は、中小企業団体の調査で3〜5割の企業が消費税5%でも「価格に転嫁できていない」として増税への不安を訴えていることを突き付け、どうするのかと質問。首相は「具体策の検討を進める」と述べるだけでした。

 大門氏は政府が掲げる対策について、「広報・相談窓口」では転嫁が保証されるわけではないと指摘しました。「転嫁状況の調査」「監視・検査体制の強化」についても、いまでも多くの下請け中小企業が転嫁できていないのに、消費税分を払わない元請け企業に対する是正指導は10年でたった10件しか行われていない実態を紹介(表)。「検査官の人員を倍にしても、消費税の転嫁が進むという話ではない」と強調しました。

 岡田克也副総理は「法令違反は調査で上がってきていないということだ」などと開き直り、大門氏は「課税事業者は350万以上もあるのに、何をいっているのか」と厳しく批判しました。

 さらに大門氏は、「消費税の転嫁の拒否ができないような立法措置」が本当に可能かと追及。「経済活動を阻害することになり難しい」と財務省など各省庁の担当者が述べていることをあげ、法律の枠組みを具体的に示すよう求めました。副総理は「しっかり検討していきたい」と述べるだけで、何も具体策を示せませんでした。

 大門氏は「消費税だけ取り出して元請けに払わせることなど不可能だ」と強調。全国商工会連合会の石澤義文会長が公聴会で政府の転嫁対策について「いずれも抜本的な対策にはならないことは過去の結果からも明らか」と述べていることを示し、「経済の現場を知る人はだれも転嫁が進むとは思っていない」と批判。「このまま増税を進めるのか」と迫ると、首相は答弁に立てませんでした。

≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 今日は十分しかございませんので、簡潔な答弁をお願いいたします。
 最初に総理に伺いますけれども、中小企業団体の調査では、売上高によるんですけれども、大体全体の三割から五割の事業者が今の消費税五%でも価格に転嫁できないというふうに答えておられます。増税への不安も訴えておられるわけでございます。総理はこういう中小事業者の不安にどうこたえるおつもりでしょうか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 中小企業が転嫁しやすい環境を整備していくということは極めて重要な課題だと思います。
 今回の税率引上げが二段階にわたるものであることも踏まえまして、政府としては、独占禁止法や下請法の特例に係る必要な法制上の措置も含め、これまでの消費税の導入時、引上げ時を上回る十分な転嫁対策の実施に向け、具体策の検討を進めてまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 政府が掲げておられる対策のうち、転嫁に直接関係するものだけ項目をパネルにいたしました。(資料提示)
 一番上の「広報、相談窓口の設置」、これは周知徹底するのは当たり前のことでございますし、相談窓口も必要になるかと思いますけれども、ただ、この広報や相談で価格への転嫁が保証されるというものではございません。
 二段目、三段目なんですけれども、「調査の実施」あるいは「監視・検査体制の強化」でございます。ただ、今でも相当数の価格に転嫁できないという事態があるわけですけれども、元請に対する是正指導などはほとんど行われておりません。
 パネルの二枚目を出してください。
 公正取引委員会が調査や告発に基づいて元請に対して勧告、是正指導した件数でございます。
 右端が消費税に関する指導件数でございまして、つまり元請が消費税を払わない、それに対して是正指導した件数ですけれども、この十年間でたった十件、二〇一〇年度で見れば、二十一万の業者を書面調査を含めてやった結果として、たったの三件しか消費税において是正指導はなかったということでございます。
 対策本部の岡田副総理に伺いますけれども、一年間で相当の元請、下請の取引件数があって、膨大な数の転嫁できないという事態があるわけですけれども、公取が是正指導したのはたった三件と。これ、何でこんなに少ないとお考えですか。
○国務大臣(岡田克也君) この見方はいろいろあると思いますが、一方で、この指導件数全体は同じ十年間で二万七千六十一件もあるわけです。ですから、指導をしていないということではなくて、きちんと指導していると、その中で消費税に係る指導件数が十件しかなかったということであります。ということは、全体が少ないなら別ですが、二万七千やる中で十件しかなかったということは、消費税に係る法令違反、そういったことについては、事実としても調査で上がってきていないということだと思います。
○大門実紀史君 対策本部長がそんな認識じゃ困るんですけれども、なぜ少ないかというと、二万七千って全然多くないですよ。何言っているんですか。消費税でいえば課税業者は三百五十万いるんですよ。その何割もが転嫁できないと言っているんですよ。そもそも、全体としてこの公取の勧告とか指導が少ないというのはもう前から指摘されていることでございます。
 さらに、取引価格の中に消費税というのは込みで入ってしまいますから、この取引価格が下げられたということでの指導とか勧告はあるわけですけれども、消費税だけ取り出して指導するというのは、もう価格の中に込みですから非常に難しい、レアケースになっているということでございます。
 ですから、パネルちょっと戻してもらって、この調査とか検査で何か実態として消費税の転嫁が全体として進むというような話ではございません。今の二百人体制を仮に四百人にしたって、このさっきの端っこの数字が二桁になるかならないか程度でございまして、何かこれで転嫁が進むという話ではございません。
 それで、今回政府が出しておられるやつで、この一番下に書いてございますが、なかなかほかのことでやっても実効性がそれほど担保できないということであろうと思いますが、「独占禁止法・下請法の更なる対応」ということが書かれております。これは、書いてございますとおり、この消費税の転嫁の拒否ができないような立法措置、消費税を払わないということはできないような立法措置ということが書かれてございます。
 私は、これはこういう立法は可能なのかどうか、価格の中に消費税が含まれている取引の中でそんなことが可能なのかどうかですね。消費税だけ取り出してそれだけきっちり払われる、拒否できないということが立法として可能なのかどうかと。私は不可能ではないかというふうに思います。これは可能だというんだったら、どんな法律の枠組みになるんですか、お示しください。
○国務大臣(岡田克也君) 本来であれば、消費税の転嫁について、これを拒否するということになれば、不公正な取引方法ということに該当する可能性があるということであります。そのことをより類型化して、明確化して、法制化するということは、私は法律的には十分可能なことだというふうに思っております。
○大門実紀史君 私が聞いているのは、消費税の転嫁の拒否あるいは類する行為、これができないような立法措置ということです。そういう抽象的なことで、まさにこれができるのかと、転嫁の拒否をさせないような立法措置というのは可能なんですかとお聞きしているんですけれども。
○国務大臣(岡田克也君) 今申し上げたように、類型化して、それに何らかの罰則などを担保として付けるということであれば、それは罰則ということが付くわけですから、できなくなるということであります。
 いずれにしても、具体的な法制についてはこれから関係省庁で更なる検討を行うということにしているところであります。
○大門実紀史君 私、実は先週、これは関係省庁で検討するとなっておりますから、関係省庁はどこだと聞いたら、財務省と経済産業省と公正取引委員会ということですので、事務方の方々にどういう、立て付けも含めて、立法化の枠組みが可能なのかということを宿題を出させていただいて、一週間後に答えがあったんです。難しいということなんですよ。過度にそういうことをやると経済活動を阻害するということになって難しいということを事務方が。政治家が幾らやるやると言ったって、私も難しいと思いますよ。今のこの消費税の仕組みの中で、消費税だけ取り出してきっちり払われるというようなことは立法的に難しいというふうに思います。ネックになるのは、そういう経済活動を阻害するというふうなことの言い方で、なかなか実現できないと。
 例えばイオンもそうですよね。イオンは先週、先々週ですか、ビールを非常に低い価格で仕入れているというのが問題になって、公取がイオンに対して適正価格で仕入れるべきだと言ったときにイオンが何て言ったかというと、そういうことを言われたら自由活発な取引、経済活動を、経済行為を阻害すると。まさにそういうことなんですよ。現場というのはそういう世界なんですよ。
 どうやってこんなできもしないことを書いているんですか。
○国務大臣(岡田克也君) ここで問題になっておりますのは、消費税の転嫁ができないという場合の問題であって、一般的な商取引の問題ではないというふうに思います。
 先生から厳しく追及されれば事務方は消極的な物言いになるかもしれませんが、そういったことについてしっかり検討するということは、これは各省確認されていることでありますので、しっかり検討していきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 私、事務方、厳しく追及していませんよ。優しく、どうって言っただけでございますよ。非常に正直なんです、事務方は。できないことはできないとしか言えないんですよね、事務方というのは。
 申し上げたいのは、現場の方々はしっかり見抜いておられまして、衆議院の公聴会で全国商工会連合会の石澤会長がはっきり言われているんですけれども、政府によっていろいろ検討されているけれども、立場の弱い小規模企業者にとりましてはいずれも抜本的な対策にはならない、これは過去の結果からも明らかでございますと言われております。全く私、同感でございまして、現場の経済分かる人は、こんなことで転嫁が進むなんて誰も思っていないということでございます。
 総理、このまま進めるんですか、増税。総理、最後に総理に。
○国務大臣(岡田克也君) 今委員が御指摘になった商工会や商工会議所のアンケート調査の結果というのは、私も見ております。これは、やっぱりBツーBじゃなくてBツーC、つまり消費者に対するそういった転嫁が容易ではないと。
○委員長(高橋千秋君) おまとめください。
○国務大臣(岡田克也君) これは独禁法の問題では基本的にはないというふうに考えております。
○委員長(高橋千秋君) 大門実紀史君。時間が来ております。
○大門実紀史君 もう終わりますが、終わりますが、総理と言ったら総理が答えてもらわなきゃ困るんですよ。委員長にも申し上げておきます。

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