<赤旗記事> |
マルチ商法に規制を 大門議員 抜本策の検討を要求
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質問する大門実紀史議員=20日、参院消費者問題特別委員会 |
日本共産党の大門実紀史議員は20日の参院消費者問題特別委員会で、お年寄りなどをねらう「訪問購入」についてとりあげました。
大門氏は、登録で実態も分からない業者による犯罪的行為が多数発生し、警察との連携が必要だと指摘。松原仁消費者相は、「警察との連携は極めて重要だ。検討していきたい」と答弁しました。
大門氏は、マルチ商法について消費者庁が「被害にあわないための5つのポイント」を発表したが、単なる注意喚起にすぎず業界側からも「当然のことを言っているにすぎない」(日本流通産業新聞)といわれていると指摘。他国ではマルチ商法の連鎖取引そのものを規制していることをあげ、「抜本策を検討するべきだ」と要求しました。松原氏は「根本的な部分についてさらに研究を深めていきたい」と答えました。
同委では、訪問購入の規制対象をすべての物品とするなど規制強化を盛り込んだ特定商取引法改正案と消費者基本法案を全会一致で可決。消費者教育推進法はみんなの党以外の賛成多数で可決されました。 |
≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
私ももう聞きたいことはほとんど聞かれましたので、ちょっと違う角度で一点だけ確認をしたいと思いますけれども、この訪問買取りというのは通常の取引とか勧誘の世界にとどまらない問題があると。つまり、今も大臣から一言出ましたけれども、犯罪的な要素、犯罪的な世界をかなり含んでいると思います。
ターゲットが、今日も出ていましたけど、高齢者で、独り暮らしで、女性でと。とにかく最初は優しい顔をして買い取りますと。買い取ってあげるというのは、あなたに現金が行きますという話ですから、家に引き込みやすくなると。上がり込んだらこちらのもんだということで、態度が豹変して大変怖い思いをして言うがままに二束三文で買い取られてしまうということでございまして、訪問販売と違うのは、あなたに現金が渡りますということをインセンティブに上がりやすくなると、上がったらこちらのもんだと、ここのところですね。そういう世界でございますから、これが本当に取引とか勧誘の世界だけの規制で本当に一〇〇%被害がなくなるのかということをいつも考えておかないけない問題だと思っております。
もちろんこの法案も後の提案される修正案も重要なんですけれども、言ってみれば、通常の買取り業者のやり過ぎを規制するという点では大変役に立つと思いますが、今言ったように、また被害例を見ても、必ずしもそういう登録していたり業者として発注している連中がやっているとは限らないんですね。
被害例の中にもありますけれども、相手が誰だか分からないまま上がり込まれて、買い取られて、持って行かれちゃったというのが相当ありますし、一月に京都で事件が起きましたけれど、買取りを拒んだ六十八歳の女性が殺害されるということもありましたので、私は、犯罪集団としての側面もきちっと把握しておかなきゃいけないと思いますし、そういう連中にクーリングオフなんか通用するわけがないわけですね。だから、今日のこの世界は重要なんですが、もう一つの世界がある、ワールドがあるということをいつも見ておく必要があると思います。
その点で、私、警察庁にこの間いろいろ聞きましたら、警察庁はやっぱりそういう問題意識を持っておりまして、こういう警察庁独自の注意喚起のこういう宣伝物も出しております。こういうのは、警察庁が出す場合は、振り込め詐欺のようなかなり犯罪的な種類のものに出しているわけですね。ですから、そういう問題意識をやっぱり持つ必要があるし、警察庁は既に持っておりますし、東京都公安委員会は、これは古物商に対してですけれども、訪問買取り業者に対して誓約書を求めるということまで始めておりますから、こういう犯罪の世界ですね、なおかつ、こういう犯罪集団というのはいろんなところを渡り歩くというのがありますから、今これでもうかるとなれば、人はここに集中しちゃうわけですよね。そういう面もありますので、是非、松原大臣は国家公安委員長でもございますから、警察との連携ということと、これはどういう連中がやっているのかというのを後追い、フォローも含めて、あるいは古物営業法も関係すると思いますが、いろんな面で総合的にやっていく必要があるし、消費者庁とも連携しながら警察庁と一緒にやっていく必要があると思いますが、その点だけ一点確認させてもらいたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 今、警察庁との連携ということでございました。
特定商取引法に関する法執行担当者の会議での情報交換や、捜査に係る法解釈の問合せに対して丁寧に対応するなどにより、これまでも警察との執行体制の強化や連携を図ってきたところであります。また、改正特定商取引法における訪問購入においても、これまでと同様に連携を図りたいと考えているところであります。具体的には、今、大門委員指摘がありましたが、警察と協力してトラブル防止のための広報啓発を行う、悪質な事業者に関する情報の提供を行うなどによる警察と連携した悪質事業者に対する厳正な処置、対処等を図ってまいりたいと考えております。
今御指摘の点は極めて重要だと思っておりまして、結果的に、先ほど申し上げましたおれおれ詐欺にしても、そういった意味では極めて非合法集団のお金を稼ぐ場所になっていると。今回のこの押し買いと称されるものも、そういう非合法集団が扱う場合はなかなかこういったレベルだけではとどまらない、先ほどのその事例で殺害されたと、断った方が殺されたという事例の御紹介もありましたが、そういったことを含めると、やはりこの件も、警察との連携は極めて重要だと思っておりますし、今委員に御指摘の点も含め、私も、今日は消費者担当ということでありますが、別の立場でも、この問題、様々検討していきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 それでは、時間がちょっとありますので、この特商法にも関係いたしますけれども、マルチ商法のシリーズの三回目をやらせていただきたいと思いますが。
マルチ商法については、三月の委員会で松原大臣にいろいろ御指摘もして、さすがだなと思いましたのは、大臣の御指示もあって、対策を考えるようにということで、資料を配付いたしましたけれど、資料の、これは新聞ですが、左の上にありますけれども、四月の十七日にマルチ取引の被害に遭わないための五つのポイントというものを消費者庁として出されました。これ、松田次長で結構ですから、この中身について簡潔にちょっと説明してくれますか。
○政府参考人(松田敏明君) 消費者庁といたしまして、PIO―NETに寄せられた相談を分析を実施しまして、その結果を踏まえまして、いわゆるマルチ取引の被害に遭わないための五つのポイントというものをこの四月十七日に注意喚起を行ったところでございます。
ポイントは五つでございまして、契約する意思がない場合は毅然と断る、契約のために甘い見通しで借金しないこと、それから投資の勧誘を安易に信じないで十分注意すること、それから家族や友人などの方から見てトラブルを抱えている身近な人を救う努力をしましょう、それから遠慮せず消費生活センターへ相談すること、以上五点を注意喚起したところでございます。
○大門実紀史君 本当にめったに褒められることのない消費者庁でございますけれど、ちょっとは褒めてあげたいなと思いますが、この前まではマルチ商法の定義すらできない事務方でございましたし、やっと被害を生む取引だという認定をしただけでも前進かな、やっと以前の経済産業省レベルに近づいたかなというぐらいまでは思います。
ただし、この新聞を見ていただきたいんですよ。これは日本流通経済新聞なんですけれども、これは通信販売とか訪問販売とかマルチも含めた、そういう業界の業界紙と見ていただいていいと思いますが、この流通産業新聞で何と書いているかと。消費者庁が一生懸命出したこの五つのポイントについて何と言っているかというと、こんなものは当然のことを言っているにすぎない、新たな法改正につながるかと思ったら、そういう懸念はなくなったと。要するに、心配していたわけですよ。このマルチ商法問題が国会でも話題になったので、何らかの次の法改正がされるんじゃないかと心配していたところ、当たり前のことを言っているようなものが出ただけで心配なくなったと、安心したというようなことですね。肩透かしの感があるというまで書かれちゃっているわけですね。相当この業界になめられるようなものをわざわざまとめて出しちゃったということになるわけですね。
もう委員会でマルチ商法の仕組みから何から御指摘してきましたけれども、ちょっと松田さんに聞きたいんですけれども、なぜこんなわざわざなめられるようなものを出したんでしょうか。
○政府参考人(松田敏明君) これは私ども、昨年来、このマルチ取引につきましてのいろんな御指摘を踏まえまして、私どもとしてまず何ができるかということで、海外の調査も含め、限られた時間の中で何ができるかということの取りまとめた結果、このマルチ取引のトラブルのポイントというものを取りまとめたところでございます。
御指摘のとおり、そんな大したこと書いてないじゃないかという御指摘につきまして、それを、まずこれが基本となるということで私どもこれを、ポイントを指摘させていただいたわけでございまして、これを基に具体的にもうちょっとどういうことで気を付けようといったようなパンフレットもまた夏に予定をいたしておりますし、また、じゃ、このマルチ取引に特有の、どういうところがもっと気を付けなきゃいかぬのかということは、私ども更にいろんな形で検討し、これでポイントを示したから終わりということでなく、まだまだ、褒められるようにということはなかなか難しいと思いますが、私ども努力は継続してまいりたいと思いますので、取りあえず今ここまで来たと、更に努力はしていくということで御理解をいただきたいと存じます。
○大門実紀史君 努力してもらうのは結構なんですけれども、要するにこの五つのポイントは何かというと、毅然と断りなさいと、安易にサインしちゃ駄目よと、信じちゃ駄目よと、あと相談に行きましょうですか、いうようなことで、要するにマルチ商法に近づかないようにしましょうと言っているだけなんですよね。マルチ商法そのものについてメスを入れるわけでもなければ何でもないわけです。だからなめられているということなんですね。むしろ、マルチの業界は、私も明日から何も営業停止掛けろなんて言っているわけじゃありませんよ、この仕組みをやっぱりきちっと正していくべきだと、ソフトランディングも含めてやればいいという姿勢ですけれど、業界の方はそういうふうに入ってくるかなと思っていたわけですよ。それが、ただの外回りだけの、注意しなさいと、だまされないようにしなさい程度のものなのでそうなっているわけでございます。
今、松田さんが言われたとおり、これが出発点と思って結構ですから。
さらに、外国は、何度も申し上げているように、連鎖販売、連鎖取引が、その連鎖の仕組みが次々と被害を生むというところにメスを入れて外国では規制しているわけですね、ヨーロッパなんかでは。だから、そういうところにどう踏み込んでいくかと、方向としてはそういうところしかないと思いますので、まあ、これが第一歩ということだったらば、これから研究を更に深めて検討してもらいたいと、これは大臣に一言お伺いしたいと思います。
○国務大臣(松原仁君) 委員御指摘の点をよく頭に入れて、今回は、消費者庁として、従来のことをもう一回喚起をし、とにかくマルチ商法取引による消費者トラブルが、消費者被害が少なくなるようなということでこういったことを広報したわけでありますが、根本的な部分というものに関しても、今委員御指摘のところがありました。更に研究を深めていきたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。
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