国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年6月19日 財政金融委員会 高リスク誘導は問題、年金資産で政府追及
<赤旗記事>
高リスク誘導は問題 大門議員 年金資産で政府追及

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質問する大門実紀史議員=19日、参院財政金融委
 日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で、AIJ投資顧問による年金消失問題の背景に規制緩和があったと指摘し、問題後も政府側が公的年金の資産をリスクの高い金融商品へ誘導しようとしていることを追及しました。
 大門氏は、年金基金が行う投資運用について、一定割合を安全資産に投資することが必要だと強調しました。
 その上で、経産省の分科会で、年金の資産をリスクの高い商品先物での運用に振り向けるべきだとしていることにふれ、東京工業商品取引所が「先物商品市場活用の普及」を求めていることが背景にあると指摘。金融庁と経産省、農水省が金融商品と商品先物などを一括して扱う「総合取引所」を整備するために行っている議論でも、年金資産の商品先物への運用を促進することを検討していると指摘しました。
 松下忠洋金融相は「分科会での議論を検証する必要がある」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 先ほど西田さんが証券監視委員会委員長の話をされておりました。ちょっと聞いて私も思い出したことがあるので、通告はしておりませんけど、簡単なことなのでちょっとお聞きしたいと思いますが。
 二〇〇九年の「年金情報」ですね、さっきから出ていますが、「年金情報」という雑誌で日本版マドフという記事が出て、もう暗にAIJのことを言われているということで大騒ぎになったわけですね。そのとき浅川氏が複数の年金基金の人間に対して、AIJを調査するのかどうか確認をしたと、大丈夫だということを説明して、複数の二つ以上のところに説明して回っているんです。
 そのときに、私はその浅川氏がそういうことが尋ねられる、質問ができる金融庁にそういうルートがあるのかどうかということで私なりに調べてみましたら、通常はないですね、ああいう人ですからないんですが、野村証券、野村グループの関係で大変重要な方とのつながりがあるということが分かりました。これ、当時の証券監視委員会におられた熊野祥三さんですね。この方は野村証券の顧問まで務められて、その後、証券取引監視委員会の委員長補佐官をやられて、さらにその一年後に証券取引監視委員会の委員に昇格されております。証券監視委員会の委員というのは、ただの委員という肩書ですけれど、大変重い、最高幹部の一人ですね。この方がおられたんです、そのとき。直接、浅川氏がこの熊野さんに面談できる関係だったかどうかはちょっと分かりません。そこまで確認は取れておりませんが、第三者を介してでもそういうことを尋ねたり、あるいは様子を聞けたり聞いたりすることがあったのかどうかですね。
 言われていますとおり、これはもうみんな言っていますけれども、この野村出身者、野村グループの出身者がもうあちこちで不祥事を起こしているわけですね。そのときにこの証券取引監視委員会の重要ポストに野村の顧問を務めた人がいたということでございます。
 ちょうどそのころにいろんなことが起きたわけですけれども、この熊野さん、今民間に行かれておりますけれども、熊野さんに浅川さんとのつながり、あるいは野村のグループからこのAIJ問題で何かあったかどうか、そういうことはお尋ねになったことございますか、この熊野さんに対して。
○政府参考人(岳野万里夫君) 熊野委員は、一昨年十二月に監視委員会の委員を退任されておられます。ということもございまして、今、大門先生から御質問いただいたような事項につきまして熊野委員に確認した記憶はございません。
○大門実紀史君 民間の方なので難しいということは分かりますけれども、これだけの問題になっております。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 それで、今日ももう皆さん言っていますけれども、AIJがおかしいという話はつい最近出てきたんじゃなくて、二〇〇九年からあったわけですね。これは金融庁にもそういう情報が寄せられていて、私も決算委員会のときに取り上げましたけれども、詳しくやりましたが、金融庁は浅川氏にヒアリングまでやっているわけですよね。ヒアリングまでやっていて見抜けなかったというのはあるんですが、本当に私は、今日出ているように、金融庁あるいは監視委員会の情報管理の問題とか体制上の問題だけだったのかと、どうもちょっとしっくり来ないところがあるんです、この問題に関して言えば。
 やっぱりそういう疑念が払拭できませんので、この熊野さんの動きがなかったか、やっぱりきちっと確認ぐらいはされるべきだと。国会に来いと言っているわけじゃないので、お尋ねされるべきだと思いますし、西田さんからあったこの佐渡さんですか、今の委員長ですね、この佐渡さんが委員長になったときに熊野さんは更迭されたといいますか、辞めたわけですね。その後、オリンパスとか……(発言する者あり)そうでしょう、まあ、更迭かどうか知りません。とにかく今の委員長になってから熊野さんは辞められていますよね、それは確かですよね、時間的に言えば。(発言する者あり)ちょっと後で、ここでやり合ってもちょっとあれですから。
 いずれにせよ、今の委員長になられてからオリンパスとかAIJが発覚してきていると。熊野さんの時代には表に出てこなかったという点があるわけでございます。私は、この経過をやっぱり今の委員長に大事な問題ですので直接聞いてみたいと思いますので、西田さんと同じように、参考人として呼んでいただきたいと委員長にお願いしたいと思います。
○理事(大久保勉君) 後日理事会で審議したいと思います。
○大門実紀史君 それで、関連でいえば、先ほど自民党の若林健太さんの質疑を聞いていても、岳野さんの答弁ちょっと変だなと思ったのは、通常の調査では金融商品の中まで調べませんと、そのとおりだと思いますよ。証券会社へ行って全ての金融商品まで検査のときに調べていたらもう膨大な時間が掛かりますから。ただ、このときは、AIJに対するやっぱり疑惑とかうわさとかいろんな情報とかがいろいろ飛び交った時期ですよね。このときにアイティーエムに入ってAIJとの関連が分からないわけありませんから、当然やっぱり、全部の検査で金融商品全て調べなさいなんてちょっと無理なことを言っているわけじゃないんです、このときはやっぱり金融商品を調べるべきではなかったのかと。先ほど若林さんの質問に対して一個一個調べていられませんとおっしゃいましたけれども、これは違うんじゃないかと思うんですよね。そこはやっぱりきちっとしておいた方がいいんじゃないかと思いますし。
 もう一つは、仮にさっき言った熊野さんとか、いろいろその変な工作がなかったとしても、いかにもこの監視委員会がぼけていたというのはありますし、何といいますか、むしろ厚労省の方がいろんな情報というかうわさ聞いたのか分かりませんけれども、余りにもちょっと金融庁、証券監視委員会が、このときの情報がいろいろ飛び交っているのに無関心、何といいますか、情報網がなかったといいますか、そこは問題だと思いますよ。
 もう一つは、仮にそういうことがなかったとしても、もう一つ監視委員会の検査なり金融庁の検査に欠けているものは私はあったと思うんですよ、欠けているものは。これは何か分かりますか。
○政府参考人(岳野万里夫君) 先ほど申し上げましたように、私どもなりに反省をいたしておりまして、私どもなりに欠けていたかなと思っていることはございますが、大門先生が何を私どもに欠けていると思っておられるかは存じません。
○大門実紀史君 結局、申し上げたいのは、やっぱり年金基金だったということですね。つまり、私的な資金を勝手にいろいろ運用して、損しても自己責任と言われても仕方がない部分もありますが、年金基金でございますから、現場で働いている人たちの年金、もちろん委託関係があるから法律的に問題なんてないと言っちゃうかも分かりませんけれども、そうじゃなくて、そういう方々のお金が運用されている証券会社とかそういう投資顧問会社だという認識をやっぱり金融庁は持って、通常の検査と違って、やっぱり公共的性格の強いものを扱っているところならば検査の在り方ももっと多面的にやるとか、そういうことが重要ではないかと思うわけですね。今後にやっぱり生かしてもらいたいのは、こういう公的なお金を扱うところについては通常の検査以上のものをきちっとやってもらいたいというふうに、これは指摘だけしておきたいと思います。
 もう一つは、このAIJ事件というのは詐欺、犯罪行為なんですけれども、その背景に、これも今日指摘がありましたが、数々の規制緩和の背景があるわけですね。今言ったような公共的性格の強い年金基金まで結局ギャンブル、マネーゲームの方に、リスクの高い金融商品に投資されていったという実態が明らかになったわけでございます。
 私もこの間、このAIJ問題で調べて分かったんですけれども、こういう年金基金と証券会社と投資顧問会社との間で、幾らここで議論しても、全然そんなものが形骸化されるような実態があると。つまり、箱貸しというやり方が横行されているというのが分かりました。箱貸しというのは金融庁は把握されておりますか。
○政府参考人(細溝清史君) 本来、投資一任業者は、投資一任契約に基づきまして、自分が自ら投資判断を行って顧客資産の運用を行うべきものだと考えております。
 一般論として申し上げれば、議員御指摘の箱貸しというのは、投資一任業者が自ら投資判断を行わずに顧客資産を運用しているということであろうかと思っております。そうした場合には、当然、金融商品取引法に規定する忠実義務又は善管注意義務に違反する場合があり得ると考えております。
○大門実紀史君 私もびっくりしたんですけれども、実態は、年金基金というのは、一部の自家運用を認められているところもあるんですけれども、そういう基金を除いて基本的に直接証券会社と取引ができないんですよね。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 実態はどうなっているかといいますと、証券会社の方が、今回もアイティーエムがそうですけれども、証券会社が、自分たちが組成した仕組み債とかあるいは優先出資証券とかあるいはファンドの投資信託とか、そういう商品を証券会社が直接年金基金のところに行って、今回行われておりましたけれども、営業を掛けると、説明をすると。それで、話がまとまった後で投資顧問会社に入ってもらうと、運用を委託すると。つまり、直接やっちゃいけないようなことをやって、形だけ投資顧問会社が運用を委託される。
 今回、まさにAIJとアイティーエムがそうでございましたけれども、こういう形はほかでもかなりやられておりまして、これは投資顧問会社に言わせますと、忠実義務とか最良執行義務があるわけですから、本来、商品のリスクは投資顧問会社が評価して、価格も妥当か評価するというのは当たり前なんですが、もう当事者同士でやったものを投資顧問会社が運用委託だけ受けるだけと。
 もっとひどい例は、びっくりしたんですけれども、こんな例もあるそうですね。年金基金の理事長の知り合いの会社がこれから株式を上場すると。こういうものにその年金基金が投資するために逆に投資顧問会社を活用するというような例もあるそうでございます。つまり、投資顧問会社というものを箱として、その箱を貸すということから箱貸しと言われているんですけれども、こんなことが行われていれば、幾らきちっとしようと議論をしても、結局形骸化されて効果はなくなるというふうに思うわけでございます。
 これ、厚労省、こういうやり方が横行しているという事実、まず御存じでしたか。
○大臣政務官(藤田一枝君) 今回のAIJの問題がいろいろと表に上がってきた過程で、そういうようなこともあったやに話としては聞いておりました。
○大門実紀史君 是非、そういう点も含めて今検討されているでしょうけれども、きちっとした、法にのっとった、当たり前ですけれども、法にのっとってやるように指導してもらいたいと思います。
 もう一つ、規制緩和の中で、登録制、許可制もあるんですけれども、私は、この流れの中で一番気を付けなきゃいけないのは、いわゆる五・三・三・二規制、これを取っ払うときの議論ですね、いいかげんな議論でしたね、もうとにかく金融緩和、規制緩和と、何でもありみたいな議論で、それがいろんなツケを今ごろ回してきたんだというふうに思います。
 今回も、五月十六日の会議では、この厚労省の有識者会議で、この五・三・三・二規制のような資産配分規制には戻さないということを決められております。五・三・三・二というのは、五があれですよね、安全資産で、三が株で、あと三が外貨準備預金でしたかね、二が不動産ですよね。だから、もうそもそもデリバティブみたいなものは入っていないわけですけど、というようなことには戻さないということで、その戻さないというのは手取り足取り配分決めろということを言っているわけではありませんが、そもそもの考え方として、私は分散投資というのは必ずやってもらわなきゃいけないと。みんな分散投資というのを勘違いをしておりまして、危ない商品でもそれを複数に分ければ分散投資だと思い込んでいる人がいるわけですね。これ、分散投資じゃないんですね。特に、年金基金なんかの考え方で言えば、この昔の五・三・三・二の考え方が全部死んでいるわけではありませんから、違って、安全なものと、若干リスクはあっても利ざやが稼げるものと、この分散が本当の分散投資だと思うんですよね。
 これは厚労省、そういう認識されておりますか。
○大臣政務官(藤田一枝君) ただいま委員が御指摘になられましたように、分散投資はリスク度合いに応じて投資額を配分することでございますけれども、具体的には基金全体として許容できるリスクを考えながら、個別の資産の持っているリスク、収益の振れ幅であるとかそれぞれの資産の相関関係、違う動きをするようなものを組み入れていく、こうしたことを踏まえて資産を配分することであると、このように認識をいたしております。
○大門実紀史君 ですから、少なくとも公共的なお金を預かっている年金基金でございますので、今回の教訓からいくと、安全資産に一定割合はちゃんと預けておくようにと、運用するようにということぐらいを、昔の細かい手取り足取り、五・三・三・二とかそこまでは申し上げませんけど、一定割合はちゃんと元本が今回みたいに全部なくなっちゃうようなことがないようにということは、今度のこの有識者会議の、あと厚労省もこれからの方針の中できちっと検討してもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、もちろんこのAIJ事件が起きたのは規制緩和が背景にあったということの流れでいきますと、五月の二十四日ですから、AIJ事件が起きた後でつい最近なんですけれども、経産省の産業構造審議会の商品先物取引分科会、資料をお配りいたしましたけれども、そこで、何を考えているのかというような方向が出されております。
 この資料の左下と右下に書いてございますが、左下の方は何を言っているかというと、年金基金はこれから商品先物に誘導しようということでございます。右の下はもっとひどくて、公的年金まで、厚生年金や国民年金まで商品先物に誘導していこうという、要するにこういうことを書いているわけですね。
 これは、何が背景にこんなこと書いてあるかというと、二枚目にあります、東京工業品取引所がそういう要望を、これは一番下に書いてございますけれども、そういう方向を要望しているからと、こういう取引所の要望に基づいて、産業構造審議会で、年金をこれからはもっとリスクの高い商品先物に誘導しようというふうなことを、よりによってこのAIJ事件が起きた後にでもこんなものを出しているわけでございます。
 金融庁は、こういう方向を承知しているんでしょうか。
○国務大臣(松下忠洋君) 適切な分散投資を行うということは、これは運用全体で見た場合のリスクの抑制に資するものだと、そう考えています。このような考え方も踏まえて、産業構造審議会の商品先物取引分科会の資料においては御指摘の記述が行われたと考えられます。安全かつ効率的な運用が求められる年金基金の運用方針の策定に当たっては、それぞれの事情に応じて適切な分散投資に資するか、過度なリスクテークを行っていないかなどを十分に検証することが求められるというふうに考えています。
○大門実紀史君 ちょっとよく分からないんですけれども。
 じゃ、もうちょっと金融庁の姿勢としてお聞きしますけど、これは産構審の資料で、方向でございますけれども、実は金融庁がこういうことに無関係で来たわけではないんですよね。
 金融庁は今回、金融商品取引法、これから審議に入りますけれども、その柱の一つが総合取引所の整備ということになっております。これは金融商品とこの商品先物とデリバティブなどを一括して扱う取引所をつくるということでございますが、この総合取引所の設立構想を練り上げる段階で、金融庁だけではなくて経済産業省、そして農水省の三者でこういう取引所について検討して、チームをつくってやってこられました。
 その三者の中間整理というのがあるんですけれども、三者でやってきた、チームでやってきたものと、さらに今後は、これはあれですね、今度は商品先物取引活性化協議会というんですか、というところで、三省で引き続き協議するということになっておりますが、これは今回のAIJの前ですけれども、二〇一〇年の十二月にまとめた中間整理で、更なる規制緩和として言っているのがこれと同じことでございます。年金のお金を商品先物取引に運用してもらうと、こういうことに誘導していくということが検討されているわけですね。
 経産省の方は、昨日もちょっとレク受けましたけど、ちょっとぼけてますので、全然分かっていませんので、これからちょっと謙虚に考えてみると言っていましたけれど、少なくとも金融庁は、この間、AIJのことをやってきて、いろんな実態を見てきて、こういう商品先物に年金基金を誘導しようということを、まさかと思いますけれども、金融庁は今の時点でいかがお考えですか。
○国務大臣(松下忠洋君) 今までの三省でのいろいろな議論の経過はあったと思います。また、新しい事態も起こってきていますから、どういう形で運用していくのがいいのか、またもう一度みんなの知恵は借りる必要があると、そう思っています。
 結論がどうなるかは、これはここで予断を持ちませんけれども、そういうことが必要かなと思っていますが、この構造審議会の先物取引分科会でどういう議論が行われたのかきちっと検証する必要があると、そう思っています。
○大門実紀史君 今日は、大臣、新しく就任されたばかりでございますし、この話は初めて聞かれたと思いますので、是非、大臣のイニシアで、そう簡単に、軽々に年金基金、これだけの被害を起こして、どれだけの人がこれからの老後の生活困るかと、ここまで起こした事態を踏まえて、こんな軽々しく商品先物、危ないですよ、商品先物は、リスク高いですよ、そこに年金基金を誘導しようなんてことを金融庁が口に出すべきではないということを踏まえて、慎重な検討を大臣にお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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