国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月29日 参議院財政金融委員会
<赤旗記事>
増税でデフレ悪化―大門氏、計画撤回求めるー 参院委

 日本共産党の大門実紀史議員は29日の参院財政金融委員会で、消費税増税が現在のデフレの原因である賃金と物価下落の悪循環をさらに促進することになると述べ、野田佳彦首相に大増税計画の撤回を求めました。
 大門氏は、小泉「構造改革」・規制緩和路線のもとで、値下げ競争とコスト削減のための非正規雇用の増大と賃金引き下げが進んだが、買う力がどんどん小さくなってモノが売れなくなり、さらに物価が下がってまたコスト削減に走るという悪循環が続いてきたと指摘。「この悪循環をどこかで断ち切る必要がある。政府として最低賃金の引き上げなど行うべきだが、消費税増税が賃金にどういう影響を与えると考えているのか」と質問しました。
 野田首相は「今、賃金が伸びないなかで、負担が増えれば可処分所得が減ることにつながる」と述べる一方、消費税増税が「社会保障の不安をなくしていくので財布のヒモがゆるくなるのではないか」と答えました。
 大門氏は、政府がやろうとしているのは社会保障の切り捨てであり、「国民は社会保障の不安がなくなるとは誰も思っていない。だから反対世論が増えている」と批判。また消費税は付加価値(利益+人件費)にかかる税であり、増税で企業がさらに人件費を抑えるために派遣などを増やすことになり、「賃金の下落とデフレを悪化させる役割を果たす」と主張しました。
 「デフレ脱却の対策を講じる」などと釈明する野田首相に対し、大門氏は大増税をやめ、国民の消費購買力を高めることこそ必要だと述べました。(3月30日 しんぶん赤旗)

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 野田総理は大変お疲れさまでございます。
 実は、今日午後、自民党の西田さんと安住大臣の間で大変高度な経済論戦が戦われました。馬がどうしたとか牛がどうしたとか、ちょっと高度過ぎて分からないところもありましたけれども、それに触発されて私も若干、ちょっと経済の問題で、ちょっと通告したのと若干違いますけれども、議論させてもらいたいと思いますが、短い時間ですので、よろしくお願いします。
 今日も議論あったんですけれども、今のデフレの原因の一つとして、私、賃金の下落というのがやはり大きな要因の一つだと思いますが、まず総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には、需給のギャップが存在をしているということが大きな原因だというふうに思いますが、残念ながら、雇用形態の在り方も含めて賃金の動向を見ると、厳しい状況にあるということも一つの要因ではあるというふうに思います。
○大門実紀史君 実は、私、もうこれは十年ぐらい前ですかね、竹中平蔵さんがおられたころですから、そのころからデフレの問題は議論になっておりまして、簡単に言いますと、やっぱり今のデフレはどうなっているかというと、賃金の下落と物価の下落が悪循環を繰り返してずっといっていると。
 あのころは失われた十年というのがございまして、物が売れない、不況だと。物を売るためには物の値段を下げりゃいいんじゃないかと。価格破壊とかが、言葉がはやって値下げ競争が行われると。同時に、値下げするにはコストダウンしなきゃいけませんから、どこでコストダウンするかというと、一番削りやすいのは賃金だと。同時に、そのころに小泉さん、竹中さんの構造改革論が出てきて、規制緩和をやって非正規雇用を増やして、自己責任だというようなことで重なっていったわけですね。
 物の値段は下げられましたけれども、取りあえずはそれで物が売れたかも分かりませんが、逆にさっき言った構造改革等々で、物を買う力がどんどん小さくなったと。そうすると、また物は売れなくなるわけですね。それでまた物の値段を下げると、今度はユニクロが出てきたり、またやり始めて、つまり賃金の下落と物価の下落は悪循環をずっと繰り返していると。
 どこかでこの連鎖を断ち切る必要があるんではないかということで、菅総理のときにそういう議論をさせてもらって、予算委員会でしたか、まず政府としてやれるのは最低賃金を引き上げることだと、中小企業を支援しながらだという議論もさせてもらって、当時菅さんは、その前段の議論も含めてそういう方向で努力したいというふうなことをおっしゃったりしていたわけでございます。
 そういう認識があるかと思うんですけれども、一方で消費税増税ということでございます。総理は、消費税増税が賃金にどういう影響を与えるか、どのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もちろん、今余り給料の伸び、賃金の伸びがない中で、消費税が増える、負担が増えるということになると、一つには可処分所得が減るということにつながるという御懸念のお話だというふうに思います。それは確かに、それはその面があるかと思います。
 一方で、逆に言うと、今回の国民の皆様の負担のお願いというのは、一番心配をされている社会保障の不安をなくしていくということでございますので、その将来の不安がなくなる分、それは財布のひもが少し緩くなる部分もあるかもしれません。そのことによって消費が喚起され、経済活性化につながるという面もあるのではないかというふうに思います。
○大門実紀史君 今回の提案は社会保障の不安などなくなりません。むしろ広がりますね。今の改革案、あんなもので何が、将来不安なくなるなんて誰も思っていません。だから、反対がずっと増えているわけですね。
 もっと直接的な原因でお考えいただきたいのは、消費税というのは、外国では消費税という言い方しませんね、欧米では、付加価値税ですよね。付加価値税というのは何かというと、付加価値に掛かる税金だから付加価値税と言うんですね。付加価値は何かというと、もう平たく言えば粗利益です。利益プラス人件費ですよね。
 この付加価値税というのは結局、事業者が納税義務者ですから、事業者に対して、おたく、あの売上げでもらった五%、今だったらですね、五%、それから仕入れに払ったであろう五%引いて納めなさいということをただ事業者に課しているだけなんですよ。その事業者が実際問題、五%もらえようが、あるいは仕入れで本当に五%払おうが、関係ないんです。その事業者に払えというだけのことが決められているというか、そういう仕組みなんですよね。そうすると、つまりその事業者によっては付加価値に掛かるような税金になるわけです。
 したがって、どういうことが働くかというと、その人件費を減らすためには、かといって人を減らすわけにいきませんから、給与よりも外注費にすると、経費にすると。したがって、派遣にするとか請負にするということが間接的にこの間、非正規雇用を増やすのにこの消費税というのが役割を果たしてきたと。これは共産党が言うだけじゃなくて、いろんな学者の方もそういう指摘をされているところでございます。
 したがって、考えていただきたいのは、このデフレのときにこの消費税増税を本当にやるのかということですね。総理が先ほど言われたように、消費が落ち込むという意味で、また物の値下げ競争を促進してしまう。
 もう一つは、今言ったように人件費そのものを抑える方向に、間接的かも分かりませんけど、そういう作用を働かす。したがって、デフレの、さっき言った、賃金下落がデフレの大変大きな理由の一つを占めるとしたら、更にこのデフレを悪化させる役割を消費税増税というのは果たすと思うんですけれど、総理、いかがお考えですか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今御指摘の中で、消費税を引き上げることが非正規を増やしたというお話がございましたが、その相関はちょっと必ずしも、一致するかどうかといったら、私は分からないというふうに思いますが。
 一方で、我々は昨年六月に新成長戦略と財政運営戦略をまとめているわけです。その両立を図るというのが基本的な命題でございますので、当然デフレから脱却するための新成長戦略の加速であるとかという、そういう対策もしっかりと講じながら、一方で、将来に対する社会保障の不安をなくすために安定財源として消費税の引上げをお願いをするということで、経済の対策を全く何もやらないので今回の消費税の引上げをお願いするということではないということは是非御理解をいただきたいと思います。
○大門実紀史君 あしたの予算委員会もありますから今日はこれぐらいにしておきますけれど、申し上げたいのは、先ほどおっしゃいましたけど、今、ちょっと今日、資料持ってきておりませんが、後で提出、お渡ししてもいいですけど、消費税が増税されたら企業の経営者は何をするかというと、やっぱり給与所得者を派遣に切り替えていくと、これも一つの方策ということは十分もう経営者が分かっているぐらいに認識していることでございますので、相関関係はあるんです。
 ただし、直接という意味ではないですよ。そういう呼び水効果といいますかインセンティブになってきたということはしっかりとやっぱり押さえておかれるべきだと思いますし、社会保障の、何度もおっしゃいますけど、社会保障、不安がなくなるなんて誰も思っていないですよ、今回の一体改革。だって、ことごとく、個別のメニューでいきますと良くなりませんから、誰もそんなこと思っていないですから。
 逆に言うと、将来不安なんかなくならないと、その上で増税されるということでじわじわじわじわこの反対が増えてきているということだというふうに申し上げたいと思います。
 時間が来たので、あした予算委員会でまた引き続きやりたいと思います。ありがとうございました。

○大門実紀史君 中小企業金融円滑化法改正案に賛成、企業再生支援機構法改正案に反対の立場から討論をいたします。
 中小企業金融円滑化の延長は、現下の厳しい中小企業の経営環境等から当然の措置であります。
 次に、企業再生支援機構法改正案です。
 企業再生支援機構は、今までほとんど大企業だけを支援してまいりました。支援対象は地域経済の再建に資する産業であるとされていますが、本機構から出資を受けた企業は大企業が九八・七%を占め、融資額も大企業が九九・八%を占めております。
 また、企業再生支援機構の出資金が毀損した場合、国民の税金で負担させられる仕組みも何ら改善されておりません。
 昨年十月に支援申込みの受付を終了したにもかかわらず、今回、金融円滑化法の延長に乗じ、わざわざ延長する本当の目的は、単なる組織の存続、また、中小企業救済などではなく、特定の大企業の救済のためであるとの疑念は払拭できません。
 なお、衆議院で大規模な事業者を除く修正が行われましたが、例外規定を設けるなど限界もあり、本改正案の本質を変えるものではありません。
 よって、本改正案に反対をいたします。

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