国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月29日 財政金融委員会
<赤旗記事>
住宅ローン利下げ指導を―大門参院議員が要求

 日本共産党の大門実紀史議員は3月29日の参院財政金融委員会で、金融円滑化法の趣旨に反して金融機関が住宅ローンの金利引き下げに応じていない実態を示し、金融機関を指導するよう求めました。
 大門氏は、住宅ローンの条件変更の実施率が77・7%にとどまっていると指摘。金融機関が0・048%の低利で調達しながら、貸し付けは2・475%で行っているとして、「引き下げる余裕は十分にある」と強調しました。
 りそな銀行が、早期退職したSさんの住宅ローンの利下げ申請に対し、「円滑化法には金利引き下げが項目として入っていない。社内規定で判断する」と事実をねじまげ、拒否した事例を紹介。実態調査と指導を要求したのに対し、大串博志内閣府政務官は「円滑化法に沿って業務を行うべきであり、きちんと対処していきたい」と答弁しました。
 大門氏は、三菱東京UFJ銀行なども「円滑化法の項目に利下げは入っていない」と説明している事例をあげ、「円滑化法を1年延長するなら、住宅ローンの金利引き下げが具体的に進むように、金融機関を指導するべきだ」と主張。自見庄三郎金融相は「貸付条件の変更の努力義務を守るように注視していきたい」と答えました。(4月3日 しんぶん赤旗)

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 円滑化法について質問をいたしますが、延長は賛成でございますが、中身を充実させてほしいという立場で質問をいたしますけれども、まず住宅ローン関係で質問をいたします。
 資料を配付していただいておりますけれども、不況でリストラに遭ったとか、失業したとか、早期退職に応じたとか、ボーナスが出なくなったとか、様々な困難な方々を支援する立場で、この金融円滑化法の住宅ローンについての条件変更の措置をというふうな趣旨があるわけでございます。
 この表なんですけれども、まず、ちょっと普通にないんで質問をしますけど、実行率一と実行率二というのがございます。これはどういう違いがあるのか、その意味合いを、わざわざ二つ作ったのはどういう意味なんでしょうか、説明してください。
○政府参考人(金融庁監督局長細溝清史君) これは、審査中の案件ないし取下げのものを勘案するかしないかというところでございまして、実行したものと謝絶したものをベースにしたものと、それから、全体として申込みに対して実行したもの、そういったものでございます。
○大門実紀史君 そういう意味で、意味というか解説はあるんですけれども、別にこれは実行率二だけで通常はいいんだなと思っておりますので、ちょっと数字が高めに見させるために実行率一の方があるのかなと思います。やっぱりリアルな数字で物を考える必要があると思いますので、今ちょっとお聞きしたわけですけど。
 ちなみに、お配りしておりませんが、中小企業者の場合の実行率二のところですけど、これは九一%になっております。ところが、この住宅ローンの場合は実行率が七七・七と。なぜ住宅ローンの方がこの条件変更進んでいないのか、その原因はどこにありますか。
○政府参考人(細溝清史君) 実は、この表を作るという際の謝絶の概念をどうしようかといったときに、ずっと審査中である場合、謝絶に入ってこないことになりますので、三か月以上対応していない場合は、みなし謝絶ということで謝絶のところに入れてございます。
 それで、実態を金融機関に聞きましたところ、金融機関は住宅ローンの債務者の収支状況を日常的には把握していない。中小企業の場合は日常的に把握することを努めておりますが、サラリーマンの方ですから、日常的なそういった把握はしていない。そうすると、債務者の協力を得て審査に必要な書類を整えるというのには時間が掛かる。あるいは、この住宅ローンの債務者というのはサラリーマンが多いと思いますが、そういった方々は平日は仕事でございまして留守にされておるといったことで、そういった方と長期にわたり連絡が取れなくなるケースが多いといった事情があるものと考えておりまして、そういった意味で、この実行率というところが、住宅ローンの場合は、一旦はみなし謝絶で謝絶になってしまう場合は謝絶が一、それから、実行した場合は実行と、実行が一ということになるわけでございまして、中小企業のように、日ごろから付き合っていて三か月以内に何らかのことができるという場合とは若干事情が異なっているというふうに聞いております。
○大門実紀史君 申し訳ないけど、政府参考人は一応座らせてほしいと言われたから座ってもらっているだけで、答弁は基本的に大串さんに求めておりますので、以降はちょっと政治家同士で話をしたいんですけどね。
 今いろいろ言われましたけど、若干、若干というか、相当現場のことをつかんでいないなと思います。
 先に確認をしないといけないと思うんですけど、この住宅ローンの場合の貸付条件の変更というのはいろいろあると思うんですけどね。借換えに応じたり、金利を下げてあげたり、あるいは返済回数を増やすというか期間を延ばす、毎月の返済額を抑えるとか、種々あると思うんですよ、円滑化法に基づいた努力というのは。
 確認なんですけど、金利を下げるというのも、この円滑化法で求めている努力の一つでこれは間違いないですね。
○内閣府大臣政務官(大串博志君) 今お話がありましたように、条件の変更という中には金利を下げるということも一応入っております。
○大門実紀史君 これはちょっと分からなければ細溝さんでも結構なんですけど、この実行された中に、この金利の引下げに応じたというのはちゃんと把握されていますか。
○政府参考人(細溝清史君) 申し訳ございませんが、なかなか詳細な数字を把握してございませんが、金利引下げも、ごく少数かもしれませんが、入っておるというふうに思っております。
○大門実紀史君 大臣、よろしいですか、お聞きになっていますか。
 基本的にこれが延長されるなら、やっぱり中身を充実してもらい、自見大臣、よろしいですか。中身を充実してほしいわけでございまして、今までは実行の中で金利の引下げは把握してないということなんですが、問題、後で申し上げますが、非常にこの部分が分かれ目になっておりますので、是非こういう数値を取るとき、速報ばっかりじゃなくても結構なんですが、きちっとした数字として、金利の引下げとか、どういう形で応じたかと。やっぱり七割というのは少ないと思いますので、七割台というのはですね。その項目できちっと今後は把握するようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(金融担当大臣自見庄三郎君) 今の大門実紀史議員の御質問でございますが、できるだけ先生の御意向に沿うようにやっていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 と言いますのは、貸付条件の変更、住宅ローンの場合ですけど、事業者の場合はいろいろ借換えの仕方がいろいろありますのでいろんなことができるんですけれども、住宅ローンというのはもう、借換えするか、金利を下げて借換えするか延ばすか、もう手法が幾つもないわけですね。その中で、貸付条件の変更といっても、単に返済期間を延ばす、回数を増やして毎月の返済額を抑えると、これは、実質的には支払利息の合計が増えたりして、銀行は実は痛くもかゆくもないんです。後で利息でちゃんと取ればですね。
 それでも一応このカウントの中で、何といいますか、貸付条件の変更に応じたということで、恐らくもう十分カウントされているはずなんです、これだけの数だとですね。
 本当は個人の方々も、今不況で苦しいときに、そのための法案ですから、金利の引下げに応じることが、実はこの円滑化法を受けた銀行、金融機関があるべき姿勢だと。そこが実はメルクマールだと私は思いますし、当たり前のことだと思うんですね。通常じゃないことをきちっとやってあげてほしいという趣旨でございますから。
 そもそも、銀行の調達金利は、金融機関の調達金利はどんどん今低くなってきております。今日も議論があったとおり、もう量的緩和、じゃぶじゃぶにお金を流していますのでね。調達金利、今、最新の数字でいきますと、〇・〇四八、〇・〇四八ですね。貸出し、住宅ローンの貸出しが今二・四七五が大体ベースでございますので、相当な開きがあるわけでございまして、十分金利を引き下げる余裕は銀行にありますし、特に大きな銀行は今相当の業績、利益を上げていますから、十分に応じる条件があるわけです。
 もちろん、この実行の中には、信用金庫、地銀とかで金利を下げてくれたということで大変喜んで、この円滑化法のおかげで下げてもらったということで、そういう反応も大変たくさん来ているところでございますが、ところが逆に、金利の引下げには絶対応じてくれないというふうな苦情も私のところにもかなりの数来ております。特に、メガバンク、大銀行が多いですね。
 一回でも、例えばこういう例があるんですけれども、一回でも延滞をしたから、しているから、金利の引下げに新たには応じられないというようなことを言っているメガバンクがあるんですね。これは変な話でございまして、一回ぐらい延滞しちゃったというのは、苦しいからですよね。その月に引き落としのお金を入れる余裕がなかったからですよね。そういう方向けにこの円滑化法というのは、だからきちっと条件変更をのんであげてほしいと、相談に乗ってあげてほしいという趣旨でしょう。
 一回延滞したからおたくは駄目ですというのは、逆にそういう人を除外する話になるわけですね。全然この円滑化法の趣旨と違うというふうに私は思います。もちろん悪質な、何か分かっていてもずっと延滞を続けている人とか、これは別ですよ、こういうのは別ですけれども。話、聞けば分かるわけですから。一回でも延滞した人はこの円滑化法にのっとって金利を引下げをしないなんていうのは、ちょっと趣旨と違うと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(大串博志君) 元々の円滑化法の趣旨は、債務者の皆さんの状況に応じて、その状況を勘案し、条件の変更を含めて対応するべしということが趣旨でございます。ですので、あくまでも債務者の方々の状況に応じてでございますので、今お話のありましたように、何がしかの機械的な条件をもって云々という話ではないわけでございます。
 さらに、預金等取扱機関に関して、私どもは、債務者の皆さんとの関係において、説明体制、すなわち、どういう理由で例えばいろんな条件変更ができるのかできないのか、これは融資をする際しない際もそうですけれども、十分に意思疎通、説明責任を果たして理解をしていただいた上での業務を行うというのが銀行の本義として私たちの監督指針などにも定めております。
 ですから、法の精神及び銀行の元々の業務のあるべき姿として定められているものからして、今お話のありましたように、きちんと債務者の皆さんの状況に応じた対応をするというのが本義であろうというふうに思います。
○大門実紀史君 それで結構だと思うんです。
 具体的に、ちょっと余りにひどいんで、個別の銀行名になりますけど一つだけ出しますが、りそな銀行上野支店であった事例でございます。
 相談されたのは、早期退職に応じたこれはイニシャルでSさんとしておきますけれども、金利を下げてもらいたいと。自分の知り合いは金利下げてもらった事例もあるんで、りそなさんも下げてほしいと言ったら、りそなの営業マネジャーは、社内規程でできないと。返済額減らすだけ、さっき言ったような、期間を延ばして、それには応じますよと。つまり、りそなは痛くもかゆくもない話なら応じますけど、金利を下げると、りそなだって今もう大変な業績を出しているわけですから、もうさっき言った調達金利の差でいくと下げたって全然構わないわけですけれども、一歩も譲らないと言っているんですね。
 このときに、私、ちょっと問題だなと思ったのは、これ全部メモが、対応メモがあって、言ったことが全てメモになっているんですけれど、問題だと思ったのは、こういう説明をしているんです、御本人に。円滑化法の中には金利引下げについては項目として入っていないと、したがって社内規程で、りそなの社内規程で判断させてもらいますと言っているわけですね。これはもう国会でこういうやり取りずっとあって、金利の引下げについても対応するものだとなってきているにもかかわらず、りそなは、本人知らないのをいいことなのか、りそな自身が知らないのかは知りませんが、円滑化法には金利引下げは項目として入っていないと、だから社内規程で判断すると金利の引下げには応じられないと。
 りそなというのはもう国会の御用達のそういう銀行でございまして、足下の銀行ですよね。これは、この国会で決まったことに対して、意図的かどうかは知りませんが、こういう説明をしているということなんですよ。これはちょっと個別案件とはいえ大事な問題なのできちっと調べてほしいなと思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(大串博志君) 個別の機関の個別の事案にはコメントをなかなか国会ではしにくいところはございますが、そもそも先ほど申しましたようにこの円滑化法の中には、金利の引下げも含めて債務者の状況に応じて条件変更に応じるということが入っております。ですので、各銀行はこの法に沿って業務を行うべきでありますし、そのようなことが行われるように私たちとしてもきちんと対処していきたいというふうに思います。
○大門実紀史君 このりそなの場合は、はっきりとしたやり取りのものがあるからこうやってはっきり申し上げるんですけれども、相談だけで言えば、東京三菱UFJでも円滑化法では金利の引下げは入っていないと同じこと言っていますし、中央三井信託、こちらも金利引下げは指導の項目ではありませんのでやれませんと言っていますので、これは意図的にみんな勘違いしているのか、知らない債務者にそういう言い方をしているのか分かりませんが。
 再度、金利引下げはこの円滑化法の重要な一つの項目だと、これが実はこの七割の原因なんですよ。実行されたのもほとんどは期間延ばしてあげるとか、銀行は何の痛みもない方法ばっかりやっていてこの数字になっていて、金利のところが、引下げのところは取下げとか謝絶とか、こういうところになっているわけでございまして、ちゃんとこれがこの一年延ばした後はやっぱり九割台に、実行が九割となるためには、この金利引下げ問題、これをきちっと対応するようにと、十分余力はあるわけですから、そういう指導をしてもらわないとそういう数字にはならないと思いますので、延長するならばそういう努力をきちっとしてもらいたいというふうに思います。
 特に、この謝絶のところは本当に、どういう理由で謝絶なのかというところはきちっと把握してほしいと思うんですね。これは逆にちょっと、細溝さん、きちっと監督局長としてやってほしいなと思いますが、いかがですか。中身を把握してもらいたい。
○政府参考人(細溝清史君) 円滑化法に基づく貸付条件の謝絶につきましては、どういう事由で謝絶に至ったかということは金融機関から報告を求めております。その中で、例えば、みなし謝絶であるとか債務者の協力が得られないとか貸付条件の変更を行ったとしても債務弁済のめどが立たないといったような報告を受けております。
○大門実紀史君 最後に、じゃ、自見大臣に、特にこの住宅ローンの円滑化法の、これ努力義務と報告義務の問題ではありますけれども、きちっと円滑化法が浸透するように住宅ローン問題頑張ってもらいたいと思いますが、大臣のお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(自見庄三郎君) 先生、今もう先生が言われましたように、金融円滑化法案では住宅ローンの債務者からの貸付条件の変更等の申込みがあった場合は、当該債務者の財産及び収入の状況等を勘案してできる限り貸付条件の変更の措置をとるように努力義務が課してあるわけでございますから、こういったことをしっかり守っていただいて、徹底していただいて、本当にこの法律を作った趣旨に反しないようにきちっと注視していきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。

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