国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月28日 財政金融委員会A 税務署が一般の税務調査時に納税者を誘導して念書を書かせ、重加算税の乱発している事例を告発、財務相「十分に検証」
<赤旗記事>

重加算税の乱発告発−大門氏に 財務相「十分に検証」

 日本共産党の大門実紀史議員は3月28日の参院財政金融委員会で、税務署が一般の税務調査時に納税者を誘導して「すみません。反省しています」などの念書を書かせた上で、悪質な脱税だけに課される重加算税や7年もの遡及(そきゅう)課税を乱発している事例を告発しました。
 岩手県一関市の養鶏業者Aさんは、初めての税務調査で、重加算税と7年分の追徴を課されました。
 Aさんは税務署から「申述書」を書けば「税金が減額される」と言われ、「経費を過大に見積もった」と謝罪文を提出させられ、多額の追徴を強いられました。しかし、一関民主商工会や大門氏の働きかけによって税務署側に誤りを認めさせ課税額も大幅に減額させることができました。
 大門氏はAさんへの謝罪を税務署側に求めるとともに、人権無視のやり方をやめるよう主張。安住淳財務相は「事実であれば、聴取の仕方を十分検証し、(強権的なやり方は)改めるべきだ」と答弁しました。
 大門氏は、徴税に対して不服申し立てや訴訟が起こされた場合に備えて税務署が作成した「聴取書」に「法的根拠はない」と指摘。「税務調査は事実や証拠にもとづいて行い、重加算税の乱発が横行しないよう国税庁を指導すべきだ」と要求し、安住氏は「十分な証拠を持って対応させるよう努力する」と答えました。(4月2日 しんぶん赤旗)

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 各法案についてはもう既に議論もございましたし、繰り返しませんが、関税の方は問題ないと思いますけれども、銀行株式保有制限、保険業法なんですが、これはもう何年も前から議論をしてきているわけですけれども、それぞれの業界の責任について不明確、不十分であるという議論をしてきましたが、同じ議論になると思いますし、平行線だと思いますので繰り返しませんが、その点は指摘しておきたいというふうに思います。
 時間をいただいて、午前中、国税庁、税務署の話をいたしましたが、今は、いかに税務署、国税庁が信用できないかという話を、現場で切迫したこともございますので、ちょっと取り上げさせてもらいたいと思います。
 岩手県の一関税務署で起こった事案でございますが、一関市に在住しておられる養鶏業の方で、仮にAさんとしておきますが、この方は二〇〇一年に仕事を始めて、養鶏業を始めて、二〇一〇年の十二月に一関税務署から初めての税務調査を受けました。もう御案内のとおり、通常、税務調査というのは、調べに入って、間違っていれば修正申告をすると。大抵三年分ぐらいが普通でございますけれども、この方のケースはちょっと違いまして、税務署員が一部を調べただけで、あなたのところは経費が多いというふうにもう決め付けるようにして、で、何をしたかというと、このAさんに申述書、申し述べ書、申述書を書かせました。経費について過大に記載したというようなことと、済みませんでしたと謝罪をさせるというふうに書くように指示をして、書けば、言うとおりに書けば税金が減額される場合もあるからというようなことをほのめかして、とにかく書かせたわけでございます。書かせて判こを押させました。
 その念書といいますか申述書、とにかく書かせた後になって、税務署は何と、通常の任意調査であるにもかかわらず、七年分ですね、七年分というのはいわゆる悪質で脱税犯に該当するような場合、七年というのがありますが、通常はやりませんけれども、七年の遡って調査をして課税をすると。これが後で大変なことになるわけですけれども、売上げの六割前後だった経費を計上していたものを三割まで大幅に削った申告書を作成させて判こを押させました。
 このAさんというのは二〇〇一年に開業で初めての税務調査でしたから、よく分からずにそこまで来たわけですが、実際に七年分の追徴課税となると、しかも税務署の方が三割しか経費認めないというようなことでのなると相当の金額になりました。重加算税まで課せられたわけですね。悪質脱税犯扱いですね。
 幾ら何でもということで、金額多過ぎますので、納得できないで地元の一関の民商と一緒に税務署にこういうのを撤回してもらいたいということを働きかけを始められて、私の方にも相談がございまして、私の方で国税庁を呼んでちょっとこれどうなっているのかと、事実関係も調べてもらって、若干、若干というか相当やり過ぎじゃないかということを申し上げて是正を求めました。
 最終的にどうなったかというと、税務署は職権で減額の更正、つまり税務調査の誤りを認めて脱税犯というふうな扱いの処分を撤回いたしました。重加算税も撤回をして、課税額も修正申告並みの課税額に減額をしたわけでございます。
 まず、ちょっとこの個別案件的に申し上げたいのは、こういうふうに税務署は、一関の税務署はこういう指摘を受けて事実上誤りを認めたわけですね、職権で更正、減額の更正ですから。だったら、これ当然納税者に、この方に一言おわびぐらいすべきじゃないですか。何にも言わない。自分たちで勝手に減額しただけで、一切この重加算税を課した、つまり脱税犯扱いしたことに対して何のおわびもないと。こんなの普通は一言おわびするぐらいが社会的な常識じゃないんでしょうか、いかがですか。
○政府参考人(国税庁次長岡本榮一君) 個別案件については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論といたしましては、私どもは、法令の定めるところにより、適正な手続により税務行政に努めておるということでございます。
○大門実紀史君 いやいや、そうじゃなくて、個別案件じゃないですよ。個別案件の中身を私はしゃべっているわけですから。撤回したことに対しておわびぐらいさせるのが当たり前じゃないですかと申し上げているんですよ。それぐらい指導しなさい、あなた、何言っているの。
○政府参考人(岡本榮一君) 繰り返しになりますが、個別案件については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 安住大臣、午前中いろいろありましたけれども、これ、こういうことなんですよ。自分たちの誤りを一切認めないところが国税庁、税務署なんですよね。事実上撤回しておいて、事実経過では誤りを認めておいておわびをしないんです。悪いと言わないんです、この官庁は。そういうところでこれいいんですか。こういう国税庁の姿勢、もう今どき申し訳ないことは申し訳ないと言ったって何も損しないでしょう、実際撤回、撤回したんだから。それぐらいやるべきだと思うんですけれども、安住大臣、いかが思われますか。
○国務大臣(財務大臣安住淳君) 個別事案に答えられないということはあるとは思いますが、ただ先生の御指摘が事実であれば、聴取書をかなり強権的にやって、それで後になってそれを調べたらそうではない事実が判明して、結果的にはその税金を戻したか何かをしたという御指摘ですね。
 私としては、今聞いている範囲において、これ国税庁から私自身が克明に聞いたわけではございませんので、物事の善しあしの判断は別として、もし常識的な対応ということを先生が御指摘であるとすれば、その方からの聴き取り書の聴取の仕方について十分私どもとしても検証をして、そうしたことを改めるところがあれば、それは改めるべきであるというふうには思います。
 ただ、事実の関係がちょっと分からないので、これ以上のことはちょっと御勘弁いただきたいと思います。
○大門実紀史君 今大臣が言われたことを踏まえて、個別的には答えられないならば、具体的に指導してもらえれば結構でございます。
 もう一つは、これは一関税務署だけのことかと思ったら、どうもそうではないということで申し上げたいんですけれども、要するに、何があったかといいますと、優しい言葉でとにかく一筆書かせるんですよ、一筆書かせるんです。それで、済みませんという言葉を入れさせるわけですね。その念書を取った後で、念書を取った後で重加算税を課すわけです、七年遡るわけです。これはなぜそういうことをやるかというと、この後で申し上げますけれども、ちょっとまず確認したいんですけれども、これほかでもやっているでしょう、こういうやり方。どうですか。
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 税務調査は、その公益上の必要性と納税者の私的利益の保護との衡量において社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものでありまして、従来から与えられた権限の範囲内で適切に実施するよう指示しておるところでございます。
 なお、調査の過程におきまして、帳簿や原始記録など既存の書類の検査に加えまして、事実関係の正確性を期するため納税者の理解と協力を得て文書を作成していただくこともあります。その場合におきましても、もちろん税務調査の一環として与えられた権限の範囲内で適切に実施をし、強制的な、強権的な対応を行うことがないよう努めてまいりたいと思います。
○大門実紀史君 答えていない。答えさせてください。
○政府参考人(岡本榮一君) お尋ねの趣旨が、要するに聴き取り書の作成あるいは申述書の作成ということでありますれば、先ほど申し上げたように、帳簿や原始記録などの既存の書類の検査だけでは十分事実関係の解明ができないケースなどケース・バイ・ケースでございますけれども、事実関係の正確な把握のため納税者に申述書、聴き取り書などの書類を作成していただくことはございます。
○大門実紀史君 配付したのが今度は東京国税局の資料でございます。
 「証拠資料の収集と保全」ということで、要するに何を書いてあるかといいますと、税務調査などで更正決定と、税務署が一方的といいますか決定しちゃう場合があります。これは後で納税者から不服の申立てとか異議申立てが来る場合があります。
 そういうケースがあるので、更正決定をした場合は税務署が、書いてございますけれども、二ページ辺りにですね、税務署が立証責任を負うので、そういう場合は後で異議申立てのときは税務署が立証しなきゃいけないので、様々な証拠書類を収集して保全しなさいと。そこまでは別にいいかと思うんですよ。ところが、三ページのところにありますけれども、問題は、この納税者本人から聴き取って判こを押させる聴取書、聴き取り書なんですね。これも証拠化しておきなさいということが中段辺りに書かれております。
 まず、こんなものに判こを押させて何か法律的な根拠があるんですか、これ。
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 税務調査は、実定法上特段の定めのない実施細目につきましては、質問検査の必要があり、かつ、これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な程度にとどまる限り、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられているものと、そういう最高裁の判例がございます。
○大門実紀史君 法的根拠、何もないんですよね。こういうものを取るというものは何もないんですよ。
 それで、この資料の三ページ目ですね、これ黒塗りになっていますね。こういうものしか出しませんが、この黒塗りのところ、何が書いてあるんですか。
○政府参考人(岡本榮一君) 御指摘の文書につきましては、国税局が税務署に対し、証拠資料の収集、保全の必要性やその方法などを示しているものであると承知しております。
 資料のうち、黒塗りされている部分には、実際の調査における証拠資料の収集方法や証拠資料の作成に当たっての留意事項等が記載しております。一般的に、公にすることにより、これらを知った一部の納税者が税務調査への対応策や妨害策を講ずるなど、国税当局の税務調査における事実の把握を困難にするおそれがある場合には、情報公開法五条六号該当として開示していないところであります。
 したがいまして、この場においての答弁も、内容についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○大門実紀史君 これ黒塗りになっていますけれども、私には見えるんです。
 何て書いてあるかといいますと、ところで不服申立て又はその後の訴訟段階になって原処分にかかわる調査の際に関係者等から提出させた申述書、確認書の記載内容について争われる場合が少なくないと。具体的には、申述書等の記載を調査担当者から強要されたなどの主張をされることが多いが、このような場合は、この申述書、確認書の証拠能力、具体的には後述する形式的証拠能力や実質的証拠力に欠けることになるだけじゃなく、調査手続上の問題にも及ぶ可能性がある云々。したがって、強制したと思われないように気を付けなさいということが書いてあるわけで、何もそんな納税者にとって困ることでも妨害する話でも何でもないですよ。こういうことを、何でこんなところを黒塗りにするんですか。やっぱりそういう強制されたという事例がいっぱい出てるから、思われないように気を付けろと書いてあるわけでしょう。別にこんなの黒塗りにすることないじゃないですか。強制されるしちゃいけないということを堂々とオープンにしたっていいわけでしょう。そういうことなんですよ。
 要するに、税務調査というのはあくまで事実証拠、資料に基づいてやるべきでありまして、何か誘導的に、これ書いたら、済みませんと一言書けば税金安くなるかもしれないよなんて言って、書かせておいて、書かせておいて、何か自白、自白を取っておいて、もう自白に基づいて有罪にしちゃうような、そんなことに使われていたわけでございます、一関の場合はですね。こんなことが横行したら大変でございまして、七年遡られて重加算税なんていったらもう大変な話でございますから。
 最近、その重加算税が乱発されております。物すごい増えております。若い税務署員は何を考えているのか、重加算税を取ってくることが自分たちの成績になると張り切っちゃっているんですね。どんな教育しているのかと思いますけれども。悪質な人を本当に摘発するならそれはいいことでございますけれども、こういうちょっとグレーゾーンというか、ちょっとこれは引っかけられるかなみたいなところに念書書かせて重加算税と、これがやられたら大変なことになるわけでございます。一関の場合は現場の運動と、私もかかわらせてもらって是正することができましたけれど、全国的にこんなことやられたら大変なことになるわけでございます。
 最後に、財務大臣に伺いますけど、申告の間違いは正さなきゃいけませんし、修正申告をやって納税するというのは当たり前のことでございます。私が言っているのは、そういう普通の間違いの場合も、済みませんとか反省しましたという言葉を書かせたら、もうこれは後で争いになっても勝てると、本人がそう認めたんだということでこの重加算税とか七年遡ると、こんなことをやられたら大変なことになると思いますから、こういうことが横行しないように、ちょっと財務大臣から国税庁をちょっとちゃんと指導してもらいたいなと思いますけど、いかがですか。
○委員長(尾立源幸君) 岡本次長、まず先に。
○政府参考人(岡本榮一君) 重加算税の賦課についてのお尋ねでございますが、個々の調査事案の実情に即して、事実関係の正確性を期するために、納税者等の協力と理解を得てできる限りの証拠収集を行って、もちろん納税者から提出された文書のみならず調査の過程で収集した資料を総合的に判断して、仮装又は隠蔽の事実について適切に賦課しているところでございます。
○国務大臣(安住淳君) やっぱり、納税者の皆さんから納得をして納税をしていただくというのが基本だと思います。ですから、そうした原点を忘れないでやります。やってもらうように私の方からも申し上げたいと思いますし、事実を立証して、それを、十分な証拠を持って対応しなさいということだと思うんですね。その努力を、研さんを積み重ねていくと。できるだけ御指摘のような減額処理をこちらがしないといけないような事例をなくしていくということを、私の方からも国税庁の方に申し上げたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。

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