国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月28日 財政金融委員会 がれき撤去の労賃、給与控除の対象に、65万円の給与所得控除並みの控除を認めさせる。
東電の原発損害賠償金について、非課税の検討を要求

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日、午後も含めて、今ちょっと話題になりましたけれども、国税庁、税務署の問題を取り上げたいと思います。いい話と悪い話の二つがあるんですけれども、午前中、先にいい話の方をしたいと思いますが。
 確定申告が終わりました。被災地では様々な問題がございました。その中で、被災地の魚を捕る漁場に瓦れきが散乱していたわけですが、この瓦れきの撤去事業の際、撤去事業に携わった方々の収入について実際には労賃として払われたと、日当として払われたんですけれども、被災地の税務署は、当初は、これには国の助成金が含まれているというようなこともございまして、事業所得、雑収入とみなすというふうにしておりました。それを、実際に現場では漁協の指示を受けて、漁協がまとめてやっていましたので、漁協の指示を受けて、今日はあそこへ行ってくれ、ここへ行ってくれと、事実上日当で働いていたのになぜ事業所得になるのかということで強い疑念といいますか怒りの声が出てまいりまして、事業所得にされますと、経費なんか引くものないのにそのまま課税されてしまうということで、税金が増えるということもありました。
 おかしいんじゃないかということで、二月の終わりに私は岩手の商工団体連合会の皆さんと一緒に国税庁に行って、国税庁を呼んで来てもらって、これは給与所得にするのが実態としても普通じゃないかというお願いを要請をしました。これが大変、めったにないことだと思うんですけれども、国税庁は一週間もたたないうちに大変機敏な判断をして対応するということにしてくれました。
 これは大事な中身ですので、どういう対応をしてもらったか、ちょっと説明してくれますか。
○政府参考人(国税庁次長岡本榮一君) お答え申し上げます。
 瓦れき等の撤去作業に関し、水産庁が所管いたします漁場生産力回復支援事業について申し上げます。
 当該事業に従事した漁業者等の方が県から日当の名目で受領した助成金については、所得税の課税上、事業所得又は雑所得の収入金額として取り扱っております。事業所得等の金額は、一年間の総収入金額から必要経費を差し引いて計算することとされております。
 なお、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行う者については、事業所得及び雑所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき金額の合計額が六十五万円に満たないときは、最高六十五万円までの金額を必要とする特例があります。漁場生産力回復支援事業に従事した漁業者などの方々につきましても、特定の者、この場合は漁協でございますが、に対しまして継続的に人的役務の提供を行う者と認められる場合にはこの特例の対象となります。
 また、既にこの特例を適用しないで確定申告書を提出した納税者の方につきましては、更正の請求により納め過ぎた税金の還付などを請求することができます。
 このような税務上の取扱いにつきましては、この事業が行われている地域を所轄する国税局、税務署に周知を行うとともに、所轄国税局等を通じまして関係地方公共団体や関係漁協に対しても周知を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、被災者の方々の実情を的確に把握し、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし適正に取り扱うよう努めているところでございます。
○大門実紀史君 要するに、三月一日に国税庁から、仙台、関東、東京の国税局に今おっしゃった内容の連絡文書を出していただいたと。簡単に言えば、給与所得ということではないけれども、六十五万円、給与所得控除並みに引くことを決定されたということでございます。
 私は本当に、もう確定申告が始まっていた時期なんですよね。通常、何といいますか、霞が関というのは、事が進行している途中でこういう判断というのはなかなかしないもので、よく途中で、確定申告の真っ最中にもかかわらずこういう判断を出されたと。最大限徹底する努力をされたということで、本当に大変よく頑張ってもらったなと思っております。
 安住大臣、ちょっと一言褒めてあげてほしいなと思いますけど。
○国務大臣(財務大臣安住淳君) これは実は、私も感謝をしないといけないのは、先生から御指摘をいただきまして、六十五万円の控除ですね、これは租特の二十七条の適用ということでやりました。ですから、仮に百万円もらえば、六十五万円を更に控除して、それでお金を、残ったお金、これ十五万も引いて、そこに、またそこから控除がありますから、事実上これであれば、課税対象額、ほとんどもうゼロに近くなるんではないかと思います。
 実は、大変私も、大門先生にも随分地元にも入っていただいて、漁協や商工会議所の話を本当、私以上に聞いていただいて、漁師の皆さんは本当に収入がないときに、この瓦れき処理で一日日当一万二、三千円ほど支給を始めました。これの取扱いは、税制上、どうしてもこのシーズンに来たわけですけれども、そういう点では、国税庁もこうした地元の訴えを機敏に反応してやはりやってくれたと。それは結果的には、漁師の皆さんにとっては非常にやっぱり負担が軽くなったと思うんですね。
 そういう点じゃ、やっぱり社会保険庁なんかとは全然違う、スピード感は持っているなというふうに思いますので、こうしたことをいい方に生かしていただきたいと思います。
○大門実紀史君 もう一つは、今ちょっと説明があったんですけど、ただ、三月一日に出たものですから、もう既に申告しちゃっている人がかなりいるようでございます。
 今説明があったとおり、更正の請求すれば戻ってくるということでございますが、この点、ちょっと力を入れてもらって、限定された地域でもありますから、是非お知らせをしてほしいのと、漁協とか、漁協がまとめている例が多いわけですから、そういうところにもちょっと周知徹底を、更正の請求すれば税金戻ってくるよということも知らせてほしいんですけれど、お願いしたいと思います。いかがですか。
○政府参考人(岡本榮一君) 担当の国税局あるいは税務署の方から関係地方公共団体あるいは関係漁協に対しまして説明を行っておるところでございますけれども、個々の納税者に対しましてどのような周知が可能か、そういった関係団体等とも今後とも協議していきたいと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。
 いい話はこれだけでございまして、午後、国税庁もとんでもないことやっているという話をしたいと思いますので、それほど信頼がある組織ではないと私は思っております。
 少しだけ、最後は時間も短いのでお願いだけしておきますけど、過日、予算委員会でもう一つの配慮をお願いした問題がございます。原発損害賠償金に税金を掛けないでもらいたいという声が福島、これはもうオール福島の声で、県からの要望も出ている問題でございます。そのときに、安住大臣は、何ができるか考えてみたいということをおっしゃっていただいて、まだお考え中だと思いますので、ちょっと私の意見だけ申し上げさせてもらって、検討してもらえればと思います。
 これはお金の問題じゃなくて、福島の人たちにとっては、原発事故、これは国の責任もあると。にもかかわらず、国がその賠償金に対して税金を掛けると。この気分、感情がまず一番にあるということをよく御理解をいただきたいと思います。お金の問題ではございません。
 もう一つは、そうはいっても、今回の確定申告は去年の秋以降に支払われた分ですから、金額的に言えばそんなに大きくない範囲がまだありますが、今年支払われ続けますと相当な金額になります。これは来年の確定申告のときには、まさにお金の問題として、実額が、損害賠償の額が減らされるという実際の痛みの問題として怒りが起きるだろうと思われます。したがって、そういう問題として来年の確定申告に間に合うように考えればいいわけですから、若干の時間がありますので、検討してもらいたいということですね。
 どう検討するかなんですけれど、これは所得税法の立て付けがありまして、九条とか九十四条がありまして、平時の損害賠償金はこれこれこう考えると。逸失利益、事業上の損失補填については収入にみなしますと。平時の立て付けがあるんですよね。それを、何かなくせとかいじれとかいうとかなりハードルが高いと。時間も掛かると思います。それよりも、要するに、租税特別措置みたいなものですぱっと原発損害賠償金については非課税にするということを例外的に決めると。九十四条の例外的に決める方法。あるいは議員立法でもうすぱっと原発損害賠償金は非課税とすると、この二つですね。
 もう一つは、東京電力自身が、今回の事業上の損失の補填についても慰謝料的な側面があると。慰謝料は非課税でございますので、そういうことを東京電力がはっきり何らかの形で示すというようなことが考えられるわけでございます。政府がやれることとしては、最初に申し上げた租税特別措置ですぱっとやってしまうと、非課税にすると。その根拠として、東電に慰謝料的な側面があるということをきちっと明示させるという方法がありますので、まだ時間がありますので、政府ができることとして、そういうことも一つのやり方だということで検討してもらいたいと。
 議員立法でやるという方法も残っておりますので、その点はやっぱり民主党の議員の皆さんも、政府がやらなければ議員立法でということも考えていただきたいというふうに思います。
 いずれにせよ、ちょっと時間ができましたので、次の確定申告に間に合うようにすればいい。つまり、夏ぐらいまでに考えればいい、練ればいいとなりましたので、是非、そういうこともお考えいただきたいと。これは特に、何か一言ありますか。(発言する者あり)じゃ、一言だけ、一言だけ。
○国務大臣(安住淳君) 先般、御質問いただいて、私としてはかなり控除額をいろんな意味で積んで、かなり残った部分への課税だということを申し上げましたけれども、先生からは、いや、その残った部分の所得割合が意外と高いのでよく勉強しなさいという御指摘でした。
 今いろんな御提案いただきましたので、可能なのかどうかも含めて、いろいろ検討させていただきたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。

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