国会質問

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■2012年3月27日 参議院財政金融委員会
<赤旗記事>
M&Aに3430億円融資−大門氏 “円高名目の大企業支援”
質問する大門実紀史議員=27日、参院財政金融委

 日本共産党の大門実紀史議員は27日の参院財政金融委員会で、政府の円高対策「円高ファシリティ」について、特定の大企業の海外投資を支援する補助金でしかなく、「円高対策にも逆行するものだ」と批判しました。
 円高ファシリティは外国為替特別会計から財務省所管の国際協力銀行(JBIC)を通じて、海外で合併・買収(M&A)を行う大企業にドル資金を融資するもの。大門氏が「わざわざドル資金を提供すれば企業は円売りをしなくなり、円高対策に逆行する」と批判すると、木下康司財務省国際局長はまともに答えられませんでした。
 大門氏は、ソニーと東芝によるM&Aに14・2億ドル(約1160億円)をはじめ3430億円も低利融資していることにふれ、「なぜ国の資金を使って個別企業のM&Aまで支援するのか」と追及。安住淳財務相が、産業競争力をつけ「国富につながる」と答えたのに対し、大門氏は「特定大企業への補助金だ。資金調達に困っている中小企業の支援にこそ使うべきだ」と強調しました。
 円高ファシリティに盛り込まれた中小企業への支援はまったく具体化していません。渡辺博史・日本政策金融公庫副総裁が「努力している」と答えたのに対し、大門氏は「『中小企業支援』というのはアリバイづくりにすぎない」と批判しました。(3月28日 しんぶん赤旗)

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。お疲れさまです。
 私の方も五十分ございますので今日はちょっと奥の深い問題を取り上げたいと、財務省とJBICの問題でございますけれども。
 元々JBICは、国際協力銀行は、財務省の天下りポストとか天下り団体ということで批判を受けてまいりましたが、二〇〇八年に統合されて、今日の時点でJBICは日本政策金融公庫の一部でございますが、四月の一日から分離独立してJBICとして独立すると、単独になるということでございます。これは財務省の強い思いといいますか、働きかけもあったんだろうと思いますが、今日はその政策金融公庫の副総裁の渡辺さんに来ていただきました。お久しぶりでございます。
 ただ、渡辺さん、何やってきたか知らない方が多いと思うんで、ちょっと自己紹介をしてもらえますか。
○参考人(日本政策公庫副総裁渡辺博史君) どこまで遡るかでございますけれども、今の日本政策金融公庫に参ります前は一橋大学の大学院の商学部教授をやっておりまして、その前は財務省に一九七二年から二〇〇七年まで奉職しておりました。最後、辞める直前には財務官という仕事を三年間させていただいたと。そんなことでよろしゅうございましょうか。
○大門実紀史君 これは財務省に質問いたしますけれども、昨日、財務省が、この四月一日から独立する設立委員会というんですか、これを開催されて、四月一日から独立分離するJBICの取締役候補四人を発表されて、その設立委員会で了承されたというふうに聞いておりますが、この四人の方はどなたですか。
○政府参考人(国際局長木下康司君) お答えいたします。
 御指摘のような報道があったことは承知しておりますが、四月一日に発足いたします株式会社国際協力銀行の役員人事については、現在まさに諸手続を進めているところでございまして、現時点でお答えすることができないことを御理解いただきたいと思います。
○大門実紀史君 ちょっとおかしいんですけど、私の方は聞いていますが、じゃ、こちらで言いますが、四人というのは渡辺さんと、星文雄さんですか、今の公庫の常務。原雅彦さん、公庫の常務。それと中西孝平さんという方ですけれども。このうち、星さんと原さんは元々財務省出身だと。つまり、四人、(発言する者あり)違うんですか、じゃ、ちょっと、ちゃんと答えてください。
○政府参考人(木下康司君) 今先生、お名前を挙げられました四名の方は、現在の株式会社日本政策金融公庫国際協力銀行担当役員の四名だと思いますが、その四名について申し上げれば、財務省出身者は二人でございまして、一人は副総裁の渡辺博史、もう一人は常務の原と承知しております。
○大門実紀史君 ちょっとこちらが聞いたのと違いますが、いずれにせよ、もう財務省出身者で取締役会を占めるという案が昨日了承されたということになっております。
 申し上げたいことは、結局、JBICのいろんな議論がありましたけれども、結局元の国際協力銀行、大変財務省の影響の強いところに戻るんだなということだと思います。
 それを踏まえた上で、資料をお配りいたしましたけれど、そのJBICと財務省が去年からちょっとおかしなことをやり出したんではないかということで資料をお配りいたしました。
 まず、この円高対応緊急ファシリティーというのは何なのか、説明をしてください。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 円高対応緊急ファシリティーでございますが、これは円高を攻めの観点でとらえ、円高のメリットを最大限活用して、海外企業の買収や資源エネルギーの確保などの日本企業の海外事業展開の積極的な支援をすること、及び民間円資金の外貨への転換の誘発による為替相場の安定を企図したものでございます。
 具体的には、外為特会のドル資金を国際協力銀行を経由して活用いたしまして、一年間の時限措置として実施しておるものでございます。
○大門実紀史君 実は、これは去年の八月二十四日ですけれども、去年の十月に、お隣のみんなの党の中西先生は鋭い指摘をまだいろいろ始まる前にされております。私もそのときうさんくさいなと思っておりましたけど、もう半年近くたって、実際に中西先生や私が危惧した方向になってきておりますので、具体的に質問をしたいと思いますが、そもそも、これがなぜ円高対応なんでしょうか。これはなぜ円高対策に資することになるのか、もうちょっと具体的に説明してくれますか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 国際協力銀行、いわゆるJBICは、融資をいたしますときに民間と協調して融資を行いますことから、今回の円高対応緊急ファシリティーが呼び水となって、民間企業や民間金融機関等の幅広い主体による民間資金の円売り外貨買いを誘発し、為替への円高是正方向への効果を有するものと期待しております。
○大門実紀史君 ちょっと分からないんですけどね。もうちょっと具体的に言いましょうか。
 むしろ、私は円高に逆行するんじゃないかと、反対の、逆行する政策じゃないかと思います。要するに、円高対策というのは、円を売ってドルを買うということは円高対策の基本でございますけれども、この円高ファシリティーというのは、ファシリティーというのは何ですか、メニューですか、基金とかいろいろありますが、こういうことをやりますという意味ですよね。こういう難しい言葉使わない方がいいですよ。円高対策でいいと思うんですよね。(発言する者あり)分かんないですよね。
 これは、元々自分で、そもそも企業というのは元々何にも、ほうっておけば自分で円を売ってドルを買うつもりだった企業、そういう活動をしようと思っていた企業にわざわざ、余計なお世話だと思うんですが、わざわざ外為特会からJBICがお金を、融資受けてそれを提供すると、提供するということですね。
 じゃ、そもそもそれがなかったら、自分で円を売ってドルを買おうと、ドルに替えようと思った企業が、JBICからもうドルが来ちゃいますから円を売らないわけですよね。だから、円高対策にならない。円高対策になるはずだったものを打ち消しているわけですよね。だから、なぜこんなことが円高対策になるのかということがよく分かりません。むしろ逆行するんじゃないかと思いますが、今言った部分、そのとおりだと思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 今回の措置は、公的部門によるリスクマネーの供給や政策融資によりまして、日本企業による海外企業の買収や資源エネルギーの確保などを促進することによりまして、民間の外貨買いを誘発することを企図したものでございます。
 先生御指摘のようなケースに、その潜在的な、いわゆる潜在的な外貨買い需要を代替する効果が生じるとしても、それを上回る民間の外貨買いの誘発効果があり、全体としての外貨買い需要が拡大することを期待したものでございます。
○大門実紀史君 じゃ、その上回るという保証を言ってください。何で上回るんですか。
○政府参考人(木下康司君) このような政策によりまして民間の外貨買いを誘発することになれば、全体として外貨買い需要が拡大することが期待されるのではないかと考えたものでございます。
○大門実紀史君 こんなの素人だって分かりますよ。
 いわゆる呼び水効果とおっしゃいますけど、つまり、このファシリティーの外為特会からJBICに来た金利の安いお金でいろいろやればいろいろ促進されるとおっしゃいますけど、さっき言ったように、元々こんなものなくたっていろいろみんな自分たちの戦略でやるわけですよ、やるわけですよね。それを、このJBIC融資は、ドルをわざわざあげるから、さっき言ったように、円を売らなくなって、そこは逆行するわけですよね。ですから、そもそも、そもそもほっておけば円高対策になるのに、ドル資金を提供することによって円高から逆行すると。
 もう一つは、呼び水効果とおっしゃいますけど、それはおっしゃっているのはこういうことじゃないかと思うんですよね。JBICからお金を安い金利で借りてやるけれども、そのときは民間の協調融資も入るだろうと、民間の協調融資も入るだろうと。それは入るかも分かりませんが、元々全部民間の資金であったら一番円高対策になったわけですよ。打ち消しちゃっているんですよ、余計なことをやったために。JBICがドル資金を提供することによって、全部民間だったらば円をドルに替えたはずが、ドルに替えなくなった分だけ打ち消しているわけですよ。呼び水効果というのは全然違って、逆にもっと大きかったであろう円高対策を小さくしちゃっているんですよね。分かんないですか、そういうことが。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 確かに先生がおっしゃるように、その融資を受ける企業が外貨を持っておりまして、外為特会の外貨資金がそのままJBICを経由して外貨のまま使用されるというケースであれば、その部分だけとらまえれば為替の影響は中立的であるということは言えようと思いますが、先ほど申し上げましたように、JBICが民間と協調して融資を行いますし、この措置が呼び水となって幅広い主体による外貨買いを誘発すれば、全体としては外貨買い需要が拡大することが期待されるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○大門実紀史君 簡単な足し算、引き算言っているんですよ。全体があって打ち消しているわけだから、残ったところだから少なくなるでしょうと、円高対策効果がね。当たり前のことをおっしゃっているわけで、それ以上に呼び水効果ありますなんて訳の分からない話しないでくださいよ。当たり前の話でしょう、私が言っているのは。誰だって分かる話でございます。
 それで、もう一つは、こんなことわざわざやらなくてもそういう多国籍の大企業というのは、こんなもうJBICがこんなところに出てこなくたって、独自で為替スワップとかいろいろやって、為替リスクを取って資金調達ぐらいできますよ。民間だって今お金余っていますから、民間金融機関だってね。こんな、わざわざ何のためにやっているのかと、訳の分からない政策でございます。
 もう一つは、このMアンドAというのは、なぜこんなものにこの公的な支援をするんですか。円高で困っている人たちを、たとえ大企業であろうと困っていれば支援してあげる、まだ分かりますよね。円高の強みを生かすわけですよ。だから有利なわけですよ。何でそんな、有利なことをやろうとしている、有利なときに、自分たちの戦略を貫徹しようと思っているところに、なぜわざわざこんな支援をしなきゃいけないんですか。MアンドAをなぜ支援するんですか、これ。おかしなことをやっているんじゃないですか。何の公共性があるんですか、これ。
○政府参考人(木下康司君) やはり円高の状況の中で、その円高を単に是正するという努力をすることだけではなくて、円高をむしろ活用して海外企業の買収あるいは資源、エネルギーの確保などを、日本企業の海外事業展開の積極的な支援をすることが日本の国富の増大にも資するというふうに考えたからでございます。
○大門実紀史君 いや、分かりません。全然分からないです。安住さん、もっと分かりやすく答えられるんだったら、どうぞ。
○国務大臣(財務大臣安住淳君) やっぱり為替で、先生、七十円台とかになったときのメリットとは何ぞやといえば、やっぱり海外での様々なものが安く入るということは言えると思うんです、相対的に。そういうときに、これを呼び水なり誘発という言葉を局長が使わせていただいたのは、やはり企業の買収、つまり日本企業の海外での言わば富の蓄積をしやすくなる、これがMアンドAだと思います。
 ですから、この円高をある意味で利用して海外での企業買収等を活発にするための資金供給を安い金利でやらせてもらうと、そういうことがこのスキームの私は一番の肝だと思います。現にそういうことによって海外での企業買収等は進んでいる案件が随分出てきておりますから。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 ただ、これは一方では、言わば市中の銀行との競合があったり様々な懸念もあるということは承知でございますが、しかし一方で、国内での生産拠点等で苦戦をしている企業にとってはやっぱり海外での言わば案件が安くなっている場合の買収にこの資金を使ってもらいたいと、これが、いわゆる国が富むと、国富と先ほど申し上げましたけれども、そういうことにつながるというスキームだと思います。
○大門実紀史君 ですから、私は、こういう円高メリットのあるときに個々の企業がMアンドAやることは、やればいいし、それはもう自由だし、なぜ公の資金を使って支援するのかと。
 今までやったことないですよね、JBIC法のときまではこういうこと、個別企業のMアンドAまで国が支援するというのはなかったですよね。なぜこんなことをやるのかということを聞いているわけです。こういう資金をもっともっと困っている人たちのためとか困っている中小企業のために使うべきですよ。
 MアンドAなんか、これはもうほっておいたって、今がチャンスだと思ってやるわけでしょう。なぜそれにさらに低利の融資をしてあげるような必要があるのかと、どこにこの公共性があるのかと今聞いているわけで、今の、民間がやるのはよく分かっておりますよ、公共性がどこにあるのかを聞いているんです。
○国務大臣(安住淳君) これ、しかし、国策としてこのJBICは新生JBICに四月になるわけです。昨年、法律改正をしていただきました。JBICそのものは輸出入銀行に派生をして、そうした言わば案件に対して日本の企業が進出をするときの資金供給というものを比較的やってきた伝統があります。
 ですから、先生、そういう点からいえば、やっぱり市中銀行から借りにくい言わば資金を使って、こうしたものをやっぱり使って積極的に海外に、言わばMアンドAで出ていっていただきたい、そういう趣旨でこのスキームを設けているわけであります。
 ですから、そういう意味では、外為特会を使って、比較的やっぱり円高対策として企業にとっても非常に助けになるのではないかと私どもは思っております。
○大門実紀史君 基本的に勘違いされていると思うんですけれども、実は私の兄貴も大企業でございますが、海外展開やっているから、何も共産党だからといって知らないわけじゃないんです。よく知っているんですよ。
 その上で申し上げますけれども、そもそも企業の、後で名前出てきますよ、うちの兄貴の会社も、実はこの中に出てきますけれども、この国の、たかがJBICのこの枠がなかったらやるとか、やらないとかじゃなくて、やるんです、こんなものはなくたって。そんな偉そうにJBICが引っ張ってあげようとか、財務省のこのファシリティーの枠組みで引っ張ってあげようなんて関係ないんですよ。関係ないですよ。こんなものなくたってやるんですよ、それぞれの企業は。
 だから、それに対してわざわざこちらからおせっかい出してやってあげる、やってあげるというほどの公共性は、ほかにも資金の必要なところはあるから、ないだろうということを申し上げたいわけでございますし、安住さん、これは余りかばわない方がいいですよ、これに関して言うと。ほかの政策全域のことは財務大臣だから仕方ないと思いますが、このJBICと財務省とのこの深いやみはカバーされない方がいいというふうに思います。
 去年の十月五日に経団連にわざわざこのスキームを説明に財務省から岡村課長さんが行っておられますね。何を説明に行ったんですか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 昨年八月、この措置を発表した後、この措置の活用促進に向けて、経団連でございますとか、日本商工会議所等の経済団体への周知を行ったところでございます。
 先生御指摘のその経団連への周知を行う際に、経団連側より、政府の円高対策の取組全般について、担当官、課長レベルでの実務的な説明を求められたことから、昨年十月五日、内閣府とともに経団連に担当者が往訪し、内閣府が政府の円高対策の取組全般を説明する中で、その取組の一つとして、財務省からも本措置について実務的な説明を行ったものでございます。
○大門実紀史君 私の方も資料を入手しておりますけれども、要するにこの外為、JBIC、このファシリティーの資金を使ってくれということをおっしゃって、金利がかなり低くなりますからというようなことも説明されて、むしろ質問が、私と同じ質問出ているんですよね。これ、何でこれ円高対策になるんですかと、間接的で余りなりませんみたいなことをおっしゃっているわけですよ、現場では。だから、そういう、現場ではよく分かっている、これは円高対策でも何でもないと。何か分からないけれども使ってもらいたいというようなスキームで説明が来ているという、説明に来られたということでございます。
 もう一つ聞きたいのは、このさっきの表の中には、別にそんな大きな、海外展開する中の大きな企業だけじゃなくて中小企業への支援も入っていますよね。これ、中小企業団体に使ってほしいと説明に行かれたんですか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 国際協力銀行は、中堅中小企業向けの海外事業展開支援は極めて重要と考えていると承知しておりまして、中堅中小企業向けセミナーや相談会等を各地で開催していると承知しております。
 今回のその措置、ファシリティーにつきましても、中堅中小企業による利用も対象としており、利用可能でございまして、本措置の活用促進に向けて、様々な機会を通じて中堅中小企業への周知にJBICが努めてきているものと承知しております。
○大門実紀史君 私が聞いたのは、この経団連は財務省が説明に行かれましたよね。中小企業団体に財務省が行ったり、説明会をされたんですか。こういうのができましたということで、利用してくださいというのは財務省としてやられましたかと聞いているんです。
○政府参考人(木下康司君) 中小企業団体そのものについて財務省自身が主催をしてやったということはございません。
○大門実紀史君 この中小企業の問題は後で取り上げますけれども、さっきの話に戻りますけれども、この外為特会の資金を使うとJBICが独自に調達した資金に比べて金利は、利息はどれぐらい安くなるんですか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 外為特会からJBICへの貸付金利とJBICの市場からのドルの調達金利を比較いたしますと、外為特会からの貸付けにより、JBICの調達金利は〇・三%から〇・六%程度安くなっております。
○大門実紀史君 これはあれですよね、巨額の資金だとこれは大変大きな差になりますね。この枠組み十兆円ですけれども、十兆円で、間の〇・四を掛けたら四百億ですか。〇・五を掛けて五百億ですから、相当の、何といいますか、政策的な手段になるわけでございます。
 この円高ファシリティーの今の進捗状況を、三枚目ですね、三枚目に資料を出してもらいましたけれども、何か直近でもう一つ増えたとかいうこともあるみたいですので、ちょっとこれ説明してくれますか、増えた分も含めて、今どうなっているか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 円高対応緊急ファシリティーの昨年八月末の発表から本日までの実績としては、ここでは九案件でございますが、今日までの実績としては十案件、総額四十一億四千万ドル、邦貨にいたしまして約三千四百三十億円の融資契約が調印済みでございます。
 最後、一つ付け加わっておりますのは、借入人が大阪ガス、中身は豪州におけるLNG開発事業ということで、三月二十三日に発表されております。JBICからの融資額は二億一千万ドルというふうに承知しております。
○大門実紀史君 MアンドAは、このお配りしたやつでいくと四番目と五番目がMアンドAということでよろしいですか、ちょっと確認で。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
○政府参考人(木下康司君) 結構でございます。
○大門実紀史君 全体、この表にオーストラリアのLNG、大阪ガスが加わったということですが、この案件を選んだ理由は何でしょうか。もしあれだったら、どうぞ。
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 今の議員御指摘のように全部で十件、うち資源案件が八件、それからMアンドAの案件が二件ということでございますけれども、資源につきましてはどうしても金額がある程度大きくなってくるという状況がございます。
 先ほどからの御議論の中で比較的日本の銀行は資金が豊かではないかというお話があったんですが、それは、おっしゃる意味は、割合短い円資金については非常に潤沢になって、これは日本銀行の政策も踏まえてなっているわけでありますけれども、資源あるいはMアンドAをやる場合にはどうしても外貨、主としてドルが多くなるわけでありますが、それをかつ長期にわたってファイナンスをするということは、実は残念ながら二〇〇八年のリーマン・ショック、それから最近のギリシャ関係の問題があって非常にタイトになっているというところがございます。
 したがって、そういうものの中で、資源についてはこれから長い目で見まして、日本が元々国内に資源がないものをある程度資源を確保するということから、そういうものについて民間が意欲があるときには、それを先ほど局長からもお話がありましたような形で、ある程度の金額をかつ低い金利で提供できるという形でサポートをするということが必要だということで選ばせていただいたものでございます。
 それから、MアンドAにつきましては、同様でございますけれども、日本の企業が出ていって現地で、そこで自ら工場を造る、あるいはその拠点を造ってということもございますけれども、やはりこれだけいろんな時代の流れが速くなっている中では、やはり現地にあります企業全体として取り込んでやっていくという方が早いという意味での速効効果もあるという中で、どういうものが必要かということで選ばせていただきました。
 必要があれば、それぞれについてどういうことかということについてはまた更に御説明をさせていただきます。
○大門実紀史君 私が聞いたのは、もうちょっと、もうちょっと具体的に言いましょう。例えばMアンドAの二つですね。これはちょっと私変だなと思うんですけれども、これランディス・ギアとソニー・エリクソンですね。このどちらかの会社にうちの兄貴いるんですけれども、これは前から決まっていたんですよ。前からこのMアンドAはやる予定で準備をしてきたし、やってきたんですね。これは、別にJBICがかかわらなくても、そもそもやろうとしていたというんですよ、これをですね。それを何か、自分たちがさっき言った呼び水だとか、偉そうに、何か支援するんだとか、逆なんですよ、これはほっといたってソニーも東芝もやったんです。それに、低利の資金をわざわざ使ってくれというようなこと、それだけの話なんですよね。違いますか、これ。
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のように、そもそものきっかけというのが去年の八月以前に起こっていたということは全く事実でございまして、その方向でいろいろ考えていらっしゃったということはありますけれども、去年の夏以降のマーケットは、先ほど途中まで申し上げましたんですが、非常に長い外貨資金というのがタイトになっておりまして、どういう形で、短いもので転がしていくという形のファイナンスをある程度金利が確定するような長いものに乗り換えていくかということについては、実は両者ともそれなりに御苦労をされていたという事実があります。
 ですから、元々の意欲があったということについては全く異存はありませんけれども、ファイナンスとして最終的に収めるときにどういう形での資金手当てができるかということについては、やはり最近の国際環境非常に悪化している中で、非常に難しい問題があったということでございますんで、そういう中で、先ほど申し上げましたように、まとまった金額を低利で提供できるということによって最後の踏み切りができた、あるいは短期で転がしているものを長期化することによって将来の金利負担等の固定化ができたという面での効果があったというのが正確なお答えかと思っております。
○大門実紀史君 渡辺さんね、もう答弁慣れしてうまいんですけど、私はごまかせませんですよ。
 さっきから長期資金というのは、JBICの元々の、それは長期資金やればいいじゃないですかと。なぜ低利のやつをわざわざこういう仕組みをつくってこんなところに持ってくるのかという話をしているわけで、これがなければJBIC貸さないわけじゃないでしょう。長期資金というのは、元々JBICが貸すのを分かった上でなぜこれをここに持ってきたのかということを言っているんで、そんな何かごまかせないですよ、私、そんなことで。
 だからなぜ、なぜその長期資金はほかは、民間じゃなかなか難しいのがあって、だからJBICがやってきたんでしょう。そんなの分かってますよ、そんなことは。なぜこのスキームなのかということを申し上げているわけですよね。
 要するに、これはもう私はどう考えても、わざわざ何かこんなJBICが、このスキームね、このファシリティーというスキームを使ってやる必要のない、通常のJBICの融資でもよかったはずだというものをこうやってやったのは、何のこっちゃない、これは単なる補助金ですよ、これ、特定企業に対する。
 安住さん、そう思いませんか、普通に考えて。こんなのわざわざ、普通のJBIC資金で貸したっていいのにこんなスキームつくって、ちょっと補助金を与えたのと同じじゃないですか、特定の大企業に。違うんですか。
○国務大臣(安住淳君) だけど、これ、あれですよね、産業競争力と、やっぱり日本の企業の海外進出、もっと言えばやっぱり為替が非常に円高な状況の中でこうしたスキームをつくって、海外進出をしやすいために資金供給をしましょうと、これはこれで政策選択としてはあるとは思うんです。ただ、大門先生から見れば、元々大企業はそういうことはもうやらなくたって進出するし、貸すところもあるんじゃないかと、低利で金利を貸す分が補助金じゃないかということなんですが、なかなか、はいそうですとは私の方からは申し上げられないというか、こういう政策選択をやって結果的に企業がどんどんMアンドAに行っていただければ、このお金は決して焦げ付くものでもありませんし、私はむしろこの呼び水に本当になってくれればいいと思っておりますよ。
○大門実紀史君 ちょっとそれは違うんですよ。競争力という名前使ったら何やってもいいというわけじゃないでしょう。自己責任ってほかのところでは言うわけでしょう。だから、競争力で何やってもいいというわけじゃないですよ。
 じゃ、この中小企業に何やってきたのかですよ。これだって、中小企業だって大事な枠組み入れているでしょう。今の、どうなっているんですか、この中小企業。ファンドつくって支援するというのは、今はどうなっていますか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 今回の措置では、中堅、中小企業の輸出等を支援するために、JBICと民間金融機関との共同出資によってファンドを創設することにしておりまして、現在JBICが複数の民間金融機関と協議中と承知しております。
○大門実紀史君 じゃ、渡辺さん、具体的に聞きますけれども、今どうなっているんですか、どこまで行っているんですか。
○参考人(渡辺博史君) 今局長の方からお答えがございましたように、ファンドに対する支援をするやり方が二つありまして、ファンドを新規に銀行と一緒になってつくって、それを中小企業、中堅企業に流すというやり方、それから、既にあるものについて、それのいわゆる資本増強の形で増額をするという形の出資をするという両方があるわけですが、たまたま今この両方を、それぞれについて話を進めているところでございます。
 後ほどお話があるかもしれませんけれども、期限が限られておりますので、そこをにらんで、なるべく早く終わらせようということで今作業を進めていると、そういう状況でございます。
○大門実紀史君 この表にもございますけれども、このファシリティーは一年間なんですね、一年間の時限措置なわけです。さっき一覧表にあったとおり、特定の大企業の、私から言えばそれは補助金でございますけれども、これだけでぼんぼんぼんぼん、もう十件も、十案件も決めたと。しかも、クレジットラインですね、下の方の、書いていますが、メガバンク三行とのクレジットラインも結んだと。
 こちらはここまで進んでいて、今何月ですか、もう四月になりますよ。この時点でファンド一つできていないわけでしょう。これ、中小企業の海外の、中小企業の輸出拡大のために支援してあげるわけでしょう。それ、JBICと日本の民間銀行が共同出資でファンドをつくって支援してあげるという枠組みですよね。ファンドをつくった後に出資契約とか融資契約とかするわけですよね。もう四月ですよ。だから、これ、八月末ですよね、期限が。八月末までに、まだファンドもできていないのにどうやって支援するんですか。ファンドできた後、さらに個々の審査に入るわけでしょう、そこを支援するかどうか、出資するかどうか。大抵一か月、二か月、最低でも二か月ぐらい掛かりますよ。こんなのもうやれっこないじゃないですか。今ここまで来て一つもファンドさえできていないんでしょう。
 これ、何やっていたんですか、この中小企業というのは。これ、アリバイづくりでやっただけじゃないの。私のように、これ大企業を支援しただけだとか言われるから、言われるから、中小企業もやりますという、最初にこうやってメニューに載っけただけで何もやっていないじゃないか、これ。何やっているんだよ。
○参考人(渡辺博史君) 御指摘のように、今日現在できていないということについては事実として認めておりますけれども、先ほど申し上げましたように、これから五か月の間になるべく早く立ち上げて、また個別の実際の出資あるいは支援につながるようにしていきたいということで鋭意努力をしております。
○大門実紀史君 渡辺さん、よく考えてみてくださいよ。例えば、ファンドを仮に四月何日につくったとしますね。さっき言ったように、そんな大きなファンドができるわけじゃなくて、要するに、これは、銀行に相談をして、JBICが相談して、銀行を中心につくってくれませんかという、JBICが音頭を取って銀行を集めてつくると、そんな積極的なものじゃないですよね。そうすると、できるかどうかはまだ分からないと、銀行次第だと。
 仮にできたところで、これが、さっき言ったように審査が二か月ぐらい掛かりますよ、個別案件に支援となると、出資するとなると。そうしたら、八月末時点で、例えばこの中小企業部分で、非常に小さな、中堅ですよね、そんな大きなところないですよね、中堅クラスでしょう。中堅クラス二件ぐらいだけこのスキームで支援することになったなんて結果になったら、逆に何だったのかとなって、したがって、結局ここまで来て何もないということは、具体的な支援案件を出せないような状況に政治的にはなっちゃいますよ。
 何でそことここだけ、この中堅企業のこことここだけ支援したんだと、何だったんだ、このスキームはと言われるから、それだったらばもうやらないことにしようと、政治的にはそういうふうになっちゃいますよ、ここまで来てできていないと。そういうことぐらいお分かりでしょう、渡辺さん。
○参考人(渡辺博史君) 今の議員の御指摘については重々承知をしております。
 ただ、今回の場合には、まずつくって、そこに案件をはめていくというよりは、どちらかというと、まず案件として何があるかということを銀行がまず集めていきますので、できた後の手続についてはもう少し私は時間が掛からないものだというふうに思っておりまして、そういう前提で、先ほど申し上げましたように、八月の三十日ということを念頭に置きながら進めていこうということで努力していると、そういう状況でございます。
○大門実紀史君 いや、違うんですよ。これは、ファンドをつくって、ファンドをつくってから支援するということを事務方に何度も確認しておりますので、そうならないです。銀行を集めたやつにね。だから、銀行を集めたやつに直接融資の支援するというスキームならばおっしゃったようなことは可能ですけれども、ファンドをつくってファンドでやるという形なんですよ、これは。だから、そうならないですよ、今の説明のようにですね。
 申し上げたいのは、もう要するに、これ何なのかということなんですけど、去年は外為特会の活用の問題がかなり国会でも議論になっておりました。復興資金に使うべきだということとか、国民生活にもっと使うべきだと、大きな議論があったわけですよね。それを財務省が、簡単に言うと、身内のJBICに活用させようというふうに考えたスキーム以外に考えられないですよね、これ、考えてみると。何の公共性もありませんし、これ私物化ですよ。財務省がこの外為特会を自分たちの特別会計だと思い込んで、それをしかも自分たちの傘下のJBICに使わせようと、こういうことを考えた、もう非常に浅知恵で、こんなの見え見えですよね。そんなスキームですよね。
 だから、しかも、ですから無理、無理に、向こうは別に頼んでもいないのに、こちらから低利融資の金使ってくれということをやって、それは特定のほっといたって自分でもやっていたところに補助金を与えたことにもなります。非常にずさんな、大変ずさんなスキームだと思いますけれども、安住さん、いかがお考えですか。
○国務大臣(安住淳君) 先生のような御指摘の視点での見方もあるかもしれませんが、私としては、できるだけやっぱり円高対策の中で企業のMアンドA等をやっぱり促進をして、日本企業が海外で強みを発揮してもらうための一助になればということでつくったスキームだと思います。
 いずれ、先生、これ、だけど、一年の時限措置でこのファシリティーはやりましたですよね。ですから、いろんな意味で、一年たてば結果は出てきますから、その時点でまた様々な対応を考えたいと思います。
○大門実紀史君 いや、だから、なぜ一年だったのかも考えてほしいんですよね。JBICは独立、分離独立するんですよ。昔のJBICと違いまして、今、海外も、昔だったら海外の企業進出に伴うインフラ整備とか、そういう案件がたくさんあったんですよね。そのときに、JBICはいろいろな、いろんな意味もありますけど、活躍もしたわけですよ。今はもうそういう案件は少なくなってきて、JBICを分離独立させたところでそんなに昔ほど仕事はないんですよ、やるべき仕事が。
 そこで、この個別企業のMアンドAまでかかわると、そういうところで仕事を増やそうというふうな、何かもう逆転していて、発想が、JBICの生き残りのためにMアンドAまで手伝ってあげますというような仕事までつくると。この円高というふうなことに、ちょうど円高が大騒ぎになったということでかこつけてこういうスキームまでつくって、ちょうどこの四月一日から分離独立するJBICの、いろんな、何といいますか、存在価値を高めるというか、仕事も増やしてあげるというか、取りあえずの仕事を見付けてあげるというか、何かもうそういうことでやられたとしか思えないスキームだと思います。
 安住さん、今日急にこういう指摘受けてだと思いますけれど、ちょっと、やっぱり政治主導でこういうものが更に野放しになっていかないようにきちっと点検してもらわないと困ると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(安住淳君) もちろん、公的支援を受けないで市中の中で頑張っている銀行等もあります。ですから、ある意味で、やっぱりJBICがやるべきこと、JBICに課せられた責務、そういうものをしっかりとこなしていってもらうと。決して何か民業圧迫とかそういうことにならないように、十分言わば案件というものを見定めて、私は、新生JBICが、ある意味で先生のそうした批判に十分、逆に言えば、こたえられるような活躍をしていってもらいたいというふうに思います。
○大門実紀史君 もうお聞きすることもなくなったんで終わりますけれども、こういうことが進行しているわけです。だから、もう大きな逆行ですし、こんなことをやりながら何が消費税の増税だということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。 終わります。

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