国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2012年3月27日(火) 消費者問題に関する特別委員会
<赤旗記事>
マルチ業界誌で対談 国民生活センター理事長も 大門議員指摘
写真
マルチ商法業者が集まる全国直販流通協会の宣伝誌『直販協マガジン』。
国民生活センター理事長と直販協理事長の対談を掲載しています

 多重債務者を生むなど社会問題となっているマルチ商法業者が集まる全国直販流通協会(直販協)の宣伝誌に、消費者を守るべき国民生活センターの野々山宏理事長が登場し、直販協の亀岡一郎理事長と対談していたことが27日、明らかになりました。参院消費者問題特別委員会で日本共産党の大門実紀史議員が取り上げました。
 直販協の宣伝誌には消費者庁の福嶋浩彦長官が登場し「広告塔」にされたことが、大門氏の追及で23日に明らかになっています。
 対談では、亀岡氏が「悪質なものが減っている」と述べたのに対し、野々山氏は「直販協に入っているところは…消費者対応もちゃんとやれている」と実感されれば「(消費者も)これを選択しますよね」などと期待を表明しています。
 質問に立った大門氏は、直販協は「会員企業なら安心」と宣伝する団体だと指摘し、「マルチ商法そのものが構造的問題をもっており、協会の会員なら安心というものではない」と指摘しました。野々山氏は「指摘は真摯(しんし)に受け止め、注意していきたい」と答えました。
 大門氏は、マルチ商法被害の啓発パンフの作製を打ち切るという国民生活センターの方針についても質問。「絶えず注意喚起が必要だ。パンフから手を引くのではなく、もっと力を入れるべきだ」と主張しました。
 野々山氏は「指摘を踏まえ(パンフ発行を)継続したい」と答弁。松原仁消費者担当相は「消費者庁としても注意喚起の紙媒体をつくる」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 マルチ商法シリーズの第二回目をやりますが、先週、福嶋長官がマルチ商法、ネットワークビジネス業界の広告宣伝誌に登場されて、全国直販流通協会でございますけれども、その理事長と対談をして、これがネットワークビジネス、マルチ商法業界の広告塔にされているという問題を指摘いたしました。福嶋長官からは反省の弁が述べられたわけでございますが、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、その一年後、去年の十一月号でございますが、今度は国民生活センターの野々山理事長が登場されて、同じようにこの直販協会の方と特別対談をされていると。去年の十一月といいますと、ちょうど山岡大臣のマルチ、ネットワークビジネス問題が国会で大議論になっていたときでございます。
 よりによってこういうときなんですけれども、私はちょっと本当に目を疑いました、野々山弁護士さん、野々山先生ともあろう方がどうしてこんなものに出られたのかというふうに大変びっくりしたんですけれども、どうしてこういうものに出られたんでしょうか。
○参考人(野々山宏君) 野々山でございます。
 いわゆるマルチ商法を始めとする直販業の問題につきましては、様々な問題が起こり得る商法であるというふうに認識しており、国民生活センターでも、手口公表をしたり、あるいはホームページでコーナーを設けて注意喚起等、情報提供等をしているところであります。ただ、この連鎖販売取引におきましても、特商法の中で、一応一定の要件の下で適法であるという形で規定をされているところであります。
 となると、私どもとしましては、一つは、法を守らせるということが一つ任務としてあります。それからもう一つは、消費者被害を出さないということがあります。そういう関係におきまして、企業啓発、そういう方向における企業啓発についても重要な課題として取り組むべきだというふうに考えているところであります。事業者団体に対しましても、しっかりとした法令遵守体制の構築を求めていくということが必要であるというふうに考えておりまして、全国直販流通協会にもそれを求める必要があるというふうに考えているところであります。
 したがいまして、今回の対談につきましては、連鎖販売取引業界において違法行為をなくしていくということを求めていくという観点から私は実施させていただきました。対談の中でもそうした指摘を行っております。お手元にお配りしているものの中が対談の中身でありますけれども、一つは、違法行為をしないことはもちろんでありますけれども、それよりかなりハードルの高いところで適法取引をしなければいずれ規制等で淘汰されていくということ、それから消費者市民社会というものが今目指されておりますけれども、そういう社会、目指している社会の中では、消費者自身がトラブルのあるものについては淘汰していくと、こういうものであるということ、それから三つ目には、不招請勧誘等の新たな規制というものの可能性ということについても言及いたしまして、そのことを述べたところであります。
 ただ、発行されたものを見ますと、お手元にあるわけでありますけれども、私の発言に関する引用のされ方というものがちょっと不本意な形で出てきている、特にリードの部分であります。一枚目、二枚目とか三枚目のところのリードの部分については、これは、前後の関係のところがあるわけですけれども、非常におっしゃるとおり宣伝的な形でリードがされているということは事実であります。
 そういう意味では、結果として対談の内容が宣伝活動に使われるということになったというのは御指摘のあったとおりだというふうに思っておりますので、この点については真摯に受け止めておりますし、今後はきちっと注意をしてやっていきたいというふうに思っております。
 以上であります。
○大門実紀史君 そういうことだと思います。そういう、何か宣伝に使ってもらおうと思って行かれたのじゃないというのは十分分かっておりますが、結果的にこういうことになります。
 これは一年前に、あれですかね、福嶋長官が、彼はもう本当にのうてんきな方なんですけれども、出ちゃっているから、それもあって出られたんですか。もう長官出ているから、ちょっと安心しちゃったんですか、これは。
○参考人(野々山宏君) 第一の趣旨は今申し上げたとおり企業啓発でありますけれども、福嶋長官等がお出になっていることは、もちろん一つ判断の要素としてはあったことは間違いありません。
○大門実紀史君 今後も気をつけてほしいんですけれどもね。やっぱりまずその団体がどういう団体なのか、本当なら野々山先生の方が私より知っているはずなんですけれどもね。
 ここはパンフレットを出しておりまして、「ネットワークビジネスってなあに」というのを出しているんですね。この中に、結局は、一番最後にあるんですけれども、この全国直販流通協会なら安心です、この協会に入っている企業なら安心ですというお墨付きを欲しいし、それを宣伝したい、それを宣伝するための団体と言っても過言ではございません。そういう目的もしっかり書いてあるわけですね。
 したがって、こういうふうに出ると、長官のときももちろんですし、国民生活センターの理事長が出てくれた方が安心感がある、安心させられるというふうに使われるということになりますのでね。
 若干ちょっと釈迦に説法かもわかりませんけれども、野々山弁護士さんに言うのもなんですけれども、若干ちょっと申し上げておきますと、前回も申し上げたんですけれども、このマルチというのは、連鎖販売取引というのは、それは野々山さんも指摘されていますが、構造的な問題があります。構造的な問題なんですよね、会員を増やしていく中で利益を生み出していくという構造的な問題なんですよね。いいマルチ、悪いマルチというのはむしろ特商法の話で、勧誘の仕方が悪ければそこで引っかけると、つまり構造じゃなくて手法で、外側の手法で引っかけるという仕組みが今、それしかないんですよね。そこで特商法に違反するような勧誘をやるかやらないかとか、そこでいいマルチ、悪いマルチみたいに言っているだけで、大本は、大本は何も手が付いてないわけでございまして、そういう点でいきますと、この野々山さんがおっしゃっている最後のところで、この直販協会に入っている企業がちゃんとやってくれればそれはそれでいいことじゃないですかということはちょっと当たらないと、構造的問題がございますからね。
 もう一つ言えば、こういう直販協会に入っている企業はみんな例の山岡さんのときに大問題になりましたけれど、山岡さんがステージに出てきて何千人と集まっているところでやっていましたよね。あれは実は洗脳行為なんですよ。あれでわあっとみんなをテンション上げて、何というんですか、洗脳しちゃうわけですよね。それは実はこの直販協会の企業はそれぞれやっておりますので、それだって社会的に問われることなんですね。今、違法かどうかということだけじゃなくて、仕組みの問題とか人を洗脳してマルチにはめていくとか、やっぱりそういういろいろな面を考えてとらえていただきたいということで、今後気を付けてもらえればというふうに思っております。
 もう一つは、国センが来てもらったので、もう一つの問題なんですけど、実は国センはマルチ商法に関しては今までいろんなこういう啓発のチラシを作ってこられたんですね。実はこれも歴史的な経過がございまして、民主党で、今もう議員に出られなくなったんですかね、前田雄吉さんという方がおられまして、ネットワークビジネス推進議員連盟の事務局長をやっていらしたんですね。その方が国会で国センの人を引っ張り出して、このネットワークビジネスという書き方は何だということで、こんなチラシはもう出すなと相当圧力を掛けたんです。その問題を後で私、国会で取り上げて、そんな圧力に屈するな、何が悪いんだということでいろいろあって、前田さんは立候補できなくなったというようなこともあるわけでございます。
 そういう経過のある、国会で議論されて守ってきたようなこのチラシを今回もうやめようと、国セン自身がやめようということになっているという話を聞いたんですけれど、なぜこういう大事なことをやめるんですか。
○参考人(野々山宏君) 現在、パンフレットは成人向け二種類、それから若者向け二種類を発行して自治体等に提供をさせていただいております。そのうち若者向けの一つにマルチ商法のことについての注意喚起というものが書いてあります。
 これらのパンフレットは毎年二種類ずつ作ってずっと更新をしてきたという経過があるわけでありますが、現在使われている四種類のものは、〇九年の分が二種類と、それから二〇一〇年に作成したものが二種類であります。二〇一一年はこの新たなバージョンは作成しておりません。現在はその〇九年作成、それから二〇一〇年作成のものをそのまま継続して提供していると、こういうことであります。この提供してきたものも一応現在の予定ではこの三月で中止をする、終了すると、こういうことであります。
 それはなぜなのかといいますと、一つは、近年、消費者問題の中核的な実施機関として当センターに求められている役割、業務は非常に拡大をしております。一方で、人件費を含む予算につきましては、独立行政法人改革などの組織、業務の見直しの中で、他の独立行政法人と横並びで削減傾向にあるということであります。こうした限られた予算と人員の中で地方支援やあるいは新たな業務がいろいろ増えてきておりまして、そういうものを拡大しておりまして、この当センターに対する期待にこたえていく、新たな期待にこたえていくためには選択と集中というものをしなくてはいけないというふうに考えて取り組んでいるところであります。
 消費者啓発用のパンフレットにつきましては、地方自治体や消費者団体がかなりいいものを作成しております。消費者団体もそのものを自治体に提供したりしているわけであります。そういう現状がありまして、やはり地方の、民間の活力を生かせる部分は生かしていくという観点が一点ございます。
 それからもう一つは、当センターでは高齢者への悪質商法等をいち早く伝えますメールマガジンで見守り新鮮情報というのを出しております。それはもう月二回程度でありまして、それから青少年が巻き込まれることの多いトラブルに関するメールマガジンで、子どもサポート情報というのを月一回出しております。
 その際に、その配信に合わせて、イラスト入りのA4判のリーフレットを作成して、当センターのホームページから誰でも自由にダウンロードできるようにしております。例えばこういう形でございます。こういう形でございまして、これは一番最新のもので、いわゆる布団の次々販売のもので、これはマルチのものでございます。マルチのものでこういうものを発行しておるわけであります。これが現在、見守り新鮮情報、高齢者向けでは百三十二種、それから青少年の……
○大門実紀史君 もういいよ、短くていいよ。
○参考人(野々山宏君) はい、分かりました。
 そういうことで、できるようになっております。こういうことから、このパンフレットにつきましては、こちらの方にシフトしていくということで今回は作成しないという判断をいたしました。
 ただ、電子媒体のリーフレットの作成、提供については今後も引き続き行っていきますし、いわゆるマルチ商法ほか消費者被害の状況を踏まえまして、議員の御指摘も踏まえまして、現在のこのパンフレットも、この三月でやめるのではなく継続することも含めて検討をして、更にこのパンフレットの提供も行っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○大門実紀史君 いろいろありましたけど、結論は継続するということですか、やめないということなんですか。はっきりしてください。
○参考人(野々山宏君) 一応、やめないことで進めていこうというふうに思っております。
○大門実紀史君 それならそれだけでいいですから、いろいろ言わなくてもね。
 是非気を付けてもらいたいのは、これもう絶対縮小しちゃ駄目なんですよ。それで、地方は、地方でマルチのことをやってくれといったって無理ですから、やっぱり国センの中で、そこで作って提供するということは必要だと思います。
 もう一つは、どうも御理解されていないみたいなんですけど、その被害件数がちょっと減っていますよね。ところが、そもそもマルチの被害というのは、潜在的に被害は埋もれてしまうんです。なぜならば、まず会員として広げるのは知人であり友人であり親戚でありと、その中でみんなが眠っちゃうわけですよね、被害というものが。この前も言いましたように、会員を増やした途端、自分も加害者になってしまうという関係で裁判マターにもなりにくいと。ですから、よほど注意喚起をしないといけない。特に悪質商法のほかと違うんです。そんなに見えてこないんですよね。
 しかし、大変な数の被害があるというのは国センの担当者の方はよく御存じですので聞いてもらいたいと思いますけれど、そういうことでございますので、最後に大臣にお聞きしたいんですけど、この問題は、本当に手を引いたり少々の予算削るために撤退するんじゃなくて、本当に更に予算的にも含めて、力の入れ方も含めてやってほしいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(松原仁君) 今パンフレットの話がありましたが、私どもの方も、消費者庁においてもマルチ商法に対する注意喚起の紙媒体を作るように、私、指示をしたところであります。というのは、幾つかの議論がありますが、今ダウンロードという話がありましたが、これも昨日の消費者団体の方々との議論で出てきましたが、やっぱりお年寄りの方にはITとか使えないんですよ。ダウンロードといったってできないんですよ。
 私は、そういった意味では、やっぱり紙媒体というのはどこまで行っても絶対にゼロにすることはよろしくないということで、この間、国センに行ったときにも、例の国センのペーパーありますよね、冊子、これも続けてくれと。全部コンピューターでやるから、ネットワークでやるからというのはやめてもらって、やっぱり紙を、紙のこの感触を味わいながら自分の思索を巡らせるという方は御高齢の方に多いわけでありますから、そういったことをやっぱり大事にするということは私も指摘をしているところでありまして、委員の御指摘は極めて重要だろうというふうに認識をいたしております。
○大門実紀史君 終わります。

戻る▲