国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2011年11月18日 東日本大震災復興特別委員会 二重ローン救済法案可決、支援機構設立早く、国と金融機関で「2次ロスシェアリング」の仕組みを活用し迅速な買い取りを要求。
 「二重ローン」救済へ幅広く債権の買い取りなどを行う東日本大震災事業者再生支援機構法案が参院復興特別委員会で18日、みんなの党を除く各党の賛成多数で可決されました。
 これに先立つ質疑で日本共産党の大門実紀史議員は、「一日も早く再生支援機構を設立して事業を開始させることが重要」だとのべ、そのためには法案成立後も国会が関与することが必要と主張。提案者の自民党の片山さつき議員も「設立が震災から1年を超えることは許されない。国会として注視していきたい」と答えました。
 大門氏は、買い取りを早く進めるためには、価格決定を早める必要があると指摘。今回の法案に盛り込まれた、後から国と金融機関で損失を分担する「2次ロスシェアリング」の仕組みを活用して、迅速な買い取りを進めるよう求めました。片山氏は「後から2次ロスシェアをするならやりやすい。促進措置として活用してほしい」と答えました。
(2011.11.19 しんぶん赤旗)

≪議事録≫
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 まず、今回の法案をまとめられた与野党の関係議員の方々に敬意を表しておきたいというふうに思います。御苦労さまでございました。特に、今もありましたが、与党の大変後ろ向きな意見をはね返しながら、骨抜きにさせないように努力された野党の先生方に、本当にその努力は十分理解しているところでございます。
 ただ、今もあったとおり、三党だけに知恵があるわけではございません。むしろ三党以外の方があるという場合もあるわけですから、本来なら全党でこういう問題ですから協議をした方がもっといい中身になったのではないかという点は申し上げておきたいと思います。
 そういう立場で、時間の関係もありますので幾つかに絞って、今日の議論も含めて、これから政省令あるいはいろんな指針を作るということがありますから、是非各党の意見をそこに反映してもらいたいという意味で具体的に質問いたしますけれども。
 問題は、一日も早くこの機構を設立して事業を開始させることでございます。私、政府の産業復興機構の方にはいろいろかかわらせてもらって、いろいろ意見も言って改善もしてきてもらって、結構中身も知っているんですが、先ほど指摘があったように、別にサボっているわけでもなくて、中小企業庁は本当に頑張って、担当職員は、本当、休みも取らずにやってきました。それでも時間が掛かっていると。間もなく第一号が発表されると思いますけど、買取り案件の、そういうふうに大変時間が掛かったわけでございます。今度の再生支援機構の方は、産業復興機構は少なくとも今までのいろいろなスキームがありましたけれど、無から有をつくる、しかも規模は大きいということで更に時間が掛かるというふうに思います。
 現実的なスケジュールとしては、この機構の設立をするには出資金を払い込まなきゃいけない、出資金を払い込むには予算措置をしなきゃいけないと。予備費から出すか、補正予算を組むかとありますが、これがやっぱりひとつ時間が掛かります。しかし、もっと時間が掛かるのは買取り価格の具体的な算定の指針を作る問題。国会では適正な時価とか言っていれば済みますけど、実際にはどうするかというところがやっぱり時間が掛かります。
 もう一つは人の問題で、恐らく五千億円規模の買取り機構となると専門家集団だけでも相当の人数を集めなければならないんではないか、何百人という規模の弁護士さんや金融マンが必要ではないかと思います。中小企業庁がやったのは人集めに相当時間が掛かっておりますので、何百人を集めるには相当大変だということもありますし、事務職員もどうするのかとありますけれども、少なくとも本店といいますか本部のところで数十人の事務職員が配置されなきゃいけないし、支店をつくるということになると、そこに数人ごと置くとすると、これも相当の職員配置、これをどこから持ってくるのかということもありますから、いずれにしても相当時間が掛かると思うんですよね。これ、しかし、掛けるわけにいかない、早くやらなきゃいけないというわけですね。
 私、この半年その中小企業庁の方にかかわってきて、経験なんですけれども、最大限急ぐとしても、一番大事なのは、ここで法案を通して国会としては、政治家としては、もう終わりじゃなくてスタートするまで、スタートするまで国会がかかわり続けて急がせないと、投げちゃうと財務省の意向がまた働いてきたりいろんなことが起きますので、私は、設立まで国会がきちっと責任を持つ、あるいはそういうメンバーも国会の中でつくって、ちゃんとウオッチング、チェックするということが必要だと思いますが、一生懸命頑張ってこられた片山さつきさん、いかがお考えでしょうか。

○委員以外の議員(片山さつき君、法案提出者) 大門委員には、震災が起きた直後からの予算委員会でこのような機構の必要性を指摘されてこられて、私どもも先生の御意見を立法する上で大変参考にさせていただいて今日に至っておりますが、スケジュールでございますが、この機構が法的に設立されるのが一年たった三月十一日を越えるということは、これは許されないことでございます。
 それ以前に、金融機関あるいはJA、JF等も含めた広い意味での金融機関がどう動くかがこの機構の実務が回っていくかのキーポイントになるんですが、ほとんど今、預金取扱機関は自己査定をしております。この自己査定の作業が十二月なんですよ。十二月までの自己査定にある程度織り込めるような形でもう法律は可及的速やかに成立して、できるだけ早くルール作りの話合いを始めて、どのぐらいの債権をじゃ自分たちがここへ持ち込もうという腹積もりの算段を十二月中には全関係金融機関にしていただくことですね。そして、三月末までに実際の移転を行うということになればかなりの件数の第一次案件が出てくると。そういうことでないと、先送りが行き過ぎてしまって、非常に日本の金融としても被災地の金融としても良くない状態になることは確実です。
 今、不良債権がこの状態で、ほとんどの金融機関において増やしていないんですよ。それは、我々もそれはある程度それでいいだろうというふうに三月から言ってきましたが、三月末が終わって九月末が終わって次の三月末もこれでは、日本は欧州の金融機関のことを言えなくなりますよ。
 ですから、十二月の自己査定に入れることが一つの最初のリミットですから、これをやらないと、さっき御指摘があったように、公的資金を数百億、三百億、三百億、六百億入れても、引き当てを積んだだけで全く動いていない。これは我々が住専問題から悪戦苦闘してきたことなんですよ。
 引き当てを積んで、公的資金も入れてもらって、そのままフリーズして実質処理が何にも進まないから債務者は苦しんだまま経済は復興しない。これを変えるために新会社をつくるんですから、ここを動かすような指導を政治と行政が一体となってやらなければいけない。そのためには、議員立法の趣旨を生かして我々がウオッチし続けることは不可欠と思っておりますので、頑張ってまいりましょう。

○大門実紀史君 今度室長になられた大森さん、なかなか優れた方でよく知っておりますけれども、本気だなと、政府の方も本気になってきたなというのは分かるんですけれども、やっぱり国会できちっと支えるという意味も含めて、引き続き何らかのそういう形を考えていく必要があるということを、今日はその点だけ申し上げておきます。
 もう一つは、次に最大のポイントは、早く買い取るということですね。この機構がスタートしても、買取りにもたもたもたもた掛かっていると進まないわけですね。そのポイントが、先ほども言いました買取りの具体的な算定の指針を作るというところですけれども、往々にして、さっきも申しましたけれども、国会では適正な時価とかいろんな言葉で幾ら言うのはもう勝手なんですけれども、実際には、買い取る、買い取らないは金融機関と機構のところで、そこは民民の判断みたいなところがあるわけですね。強制的に買い取るとかできないわけです。
 したがって、ここは非常に重要になるわけですけれども、これもこの半年間、産業復興機構の方にかかわってきた私の経験でございますが、産業復興機構が買取りの、まああれもいいのかどうかとあるんですが、少なくとも折り合いを付けるのに一、二か月掛かっております、金融機関とのですね。これまた同じようなことを繰り返していると相当時間が掛かるので、ここの最初の段階できちっとしたものを決める必要があると思うんですけれども、簡単に言いますと、一つ一つもめているような場合ではない、早く買い取らなきゃいけないということですね。
 今回、二次ロスシェアリングという考え方が入りました。これ、私、活用次第で使えるなと思っております。被災地の金融機関ほとんど回りました、地銀も信金もですね。いろんな意見交換したんですけれども、もちろんいろんな意見が出ました。できるだけ高い価格、簿価で買い取ってほしいとかいろいろありましたけれども、その中で、ちょっと名前は出しませんが、ある地銀の担当部長がそういう金融機関と国が買取り価格でもめているのをもういいかげんにすべきじゃないかという自分たちの判断として言ってくれたのが、まず一定のルール、これは先ほど近藤先生ちょっと誤解しておっしゃっていましたけれども、何か何割で買えみたいなそんな乱暴じゃなくて、幾つかの検討は必要ですけれども、そうはいっても、一定の何かのルールを作って早く買い取る、まず買い取ると。その後で被災者の再生の状況とか担保の状況とか、後で最終的に、免除額を最終的に決まったところでロスシェアリングをやる、国の負担、金融機関の負担と。そうすれば、例えば先ほど一定の割合で買っちゃうと金融機関に対する補助金になるなんて何も現場を知らない意見がありましたけれども、そうじゃなくて、最終的にロスシェアリングすればちゃんと金融機関にも負担させるわけですから、そういうことは起こらないわけですね。だから、早く買い取ってこの二次ロスのシェアリングという考え方を入れて、最終的にはきちっと金融機関にも負担してもらうという形を取れば早く買取りは進むということになります。
 私は、いろんな金融関係者の意見を聞いて、半年たって、これが一番被災した中小企業を早く救う方法だというふうに私は思っております。これ工夫次第ですので、これから算定指針を作るということになりますから、是非一つの考え方として、有力な考え方として検討すべきだと私は思うんですけれども、片山先生、いかがお考えですか。

○委員以外の議員(片山さつき君) 金融機関側にとっては全部査定があるわけですよね。それを後で金融庁が確認しているわけですが、正常債権のままだと、もう正常債権のままにフリーズしておけではなくて、正直に査定しろと言ってもまだ正常債権のままだというならば、その債務者になぜ事業再建資金が貸せないのかは、彼らは理由がないわけですよ。ですから、もうこの十二月からもうそのフリーズは終わりで、それでもまだ正常債権だというところにはもう貸してくれと、お金は十分あると全ての金融機関が言っていますよ。で、預金に至ってはもう増えていますよ。
 ですから、正常債権のままだと言い続けるのならそうであり、まあ実質的にはやはり要管理あるいは危険債権であるというのならば、今までは担保カバーされていない分の要管理債権は二、三割の引き当てを積んでいます。つまり、それだけ減価しているということです。これがもう破綻懸念だ、もうかなりの債務超過だと。全部担保が水没している、あるいはもう原発二十キロ以内だということだったら、それは五割から六割の引き当てを積んでいるから、まあ半分以下の査定額だということです。それに更に担保価値がありまして、先ほど山田委員がおっしゃったように、もう復興をするんだという方針が立っていると、この地域の農地あるいはこの地域の工業団地については、十五年あるんだから復興の見通しを入れろということで二十三条があるわけですね。
 ですから、担保カバー分についてはそのルール、アンカバー分については金融機関と金融庁、そして準備室が真摯に話し合って引き当てをどうするのかを考えて、それと一致させるという作業を早急にすればいいんで、それができない限り金融監督なんかできないですよ。金融監督は何やっていたんだということになります。まあそれを私は八か月言い続けましたが。
 それとともに、今回はもう商工会とかJA、JFといった、もう倒れるんだ、何とかしてくれという窓口、そこに事実上の支店を全部我々は置きたいということでやっていて、それは大門先生も同じ気持ちで、遠くまで行けないですよ、県庁所在地とか。それは余り意味がない。
 また、大きいものしか見ていない中小診断士を五百人集めても意味ないと、中小企業診断士自身が私に言っていました、呼ばれて東北の零細地域に行って私何するんでしょうと。ですから、ふだんその人たちの相談に乗って見ている人たち、そしてその人たちにお金を貸していてどうすればいいか分からなくなっていらっしゃる担当者、これを全部一堂にそろう形をつくっていくことで、いたずらに人件費の高い人を何百人も集める必要はなくなるし、実務的にもなる、スピードアップもできるというふうに思っております。

○大門実紀史君 いや、いろいろお聞きした、それは勉強になっていいんですけど、その買取りのところでこの二次ロスシェアリングという考え方を用いて、もう少し早く、早く移す、その工夫は十分この法案の中でできると思うんですけど、その点いかがですかね。

○委員以外の議員(片山さつき君) 産業復興機構がなかなか進まない理由はたくさんあるんですけれども、大門委員もおっしゃっているように、投資ファンドのマネージングがあるということを考えると、収益還元、難しいキャッシュフローの計算をせざるを得ないですから、それがほとんど回らない世界にこの戦時状態ではなっているということが一つあるのと、初めに出資させるということを前提とすると、その出資が絶対に正常債権に分類されるような出資にならないと金融機関は出さないんですよ。だから、日本の不良債権処理は進まないんで、それを言ってちゃ駄目だよと我々は政府にずっと言ったわけですが、後から二次ロスシェアをするのであれば初めに暫定価格を決めて後から精算ですから、日本の金融機関のビヘイビアとしてやりやすいんですね。
 これは、金融というのは一種の慣行ですから、それは確かに二次ロスシェアリングはそういう促進措置として使える部分があると思っていますし、条文に入った以上はそういう形で活用していただきたいと思っております。

○大門実紀史君 もう一分なので次の質問はやめますが、一番大事なその算定指針を作るところにやっぱり国会議員がかかわって、変な経済合理性とか通常の判断ではなくて、これは救済のスキームですから、そういうところにも国会議員がかかわっていい指針を作るという点でお互い努力していきたいということを申し上げて、質問を終わります。
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