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○大門実紀史君 大門でございます。 こういうときですから、円高、為替政策について議論したいところなんですけれども、被災地の二重債務の解消がちょっと一刻を争う局面に来ておりますので、この問題について、日銀含めて質問させていただきます。要するに、大震災以降多くの金融機関は被災事業者の震災前の借金については半年程度の返済猶予や条件変更を実施したりしてきてくれているわけですが、その半年の期限が間もなくやってくるということでございます。 この点では、参議院では二重債務解消のための買取り機構、野党案を賛成多数で可決をいたしました。我が党も独自案を提案してきましたけれども、小異を除けば野党案が一刻も早く実現することを願っているわけです。野党案が実現するのか、政府のスキームがこのまま進むのか、いずれにせよ被災地の中小事業者にとってはこの二、三か月が、廃業、倒産になるのか、あるいは再建に踏み出せるのかの分かれ目になるときでございまして、それはもう目の前に迫っているということでございます。 どのスキームであっても、目の前の被災事業者を一人でも多く早く救済支援できるように、日本銀行も金融庁も全面支援をお願いしたいという点で伺いたいと思います。 まず、日本銀行ですけれども、秋以降、この秋以降ですね、機構による債権買取りが進行していくとすると、その買取り価格が簿価以下の場合、金融機関がその分損失を引き受けるという形になります。なおかつ、政府のスキームも野党案も、金融機関にニューマネーを出せと、新規融資をしろということでございますので、全体として地域金融全体の資金繰りは厳しい方向には行っても楽になる方向ではございません。 その点で、日本銀行が四月に被災地地域金融機関支援のための資金供給オペというのを実施されました。私、大変いいことだと思っておりますけれども、これは一応十月末までが貸付受付期間ということでございますが、こういう状況になってまいりましたので、秋以降も必要に応じてこういう資金供給対策、あるいは場合によってはこういうものの拡充ということも日本銀行として考えていただきたいと思いますが、いかがですか。 ○参考人(白川方明君) お答えいたします。 議員御指摘のとおり、日本銀行では、震災後間もない本年四月に、被災地の金融機関の金融仲介機能を支援することを通じまして、被災地の復旧復興が円滑に進むことを目的としまして、期間一年の資金を金利〇・一%の低利で供給するオペレーションを導入しました。 この資金供給のオペレーションも大事でございますけど、あと、担保の面も大変大事でございます。担保の面でも、これは先生御案内のとおりでございますけれども、被災地の金融機関が日本銀行から資金調達を行う際の担保の要件基準を、これを緩和するという措置を行いました。 この間、その問題の被災地の金融機関の動向でございます。これは私どもとして丹念に見ております。今、足下の資金繰りの状況、これはもちろん個別の金融機関によって違っておりますけれども、全体としては被災関連の支援資金の流入もありまして、今資金繰りが懸念すべき状況にあるということではないというふうに認識しております。 ただ、先生御指摘のとおり、この秋以降を考えて日本銀行としてどのような対応があり得るのかということでございます。日本銀行としましては、かねてから申し上げていますけれども、被災地金融機関の資金繰りにつきましては、復興資金需要の状況等も踏まえながら適切に対応していきたいという方針を、これはいろんな場で明らかにしております。具体的にどういうふうな対応がいいのかということにつきましては、これは状況に即して考えていくということだというふうに思います。 ○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。 もう一つは、金融庁に是非今月中辺りに手を打ってもらいたいなと思うのは、先ほど申し上げましたとおり、秋、九月ごろまで取りあえず返済猶予とかで待ってあげていると、手形もちょっと待っているという状況があるんですけれども、既に私の部屋にも、もう九月以降金利だけでも払ってくれとか、いろいろ返済が迫られている事例が増えてきております。 政府のスキームとしては、今、岩手で九月から発足ということで、軌道に乗るのはやっぱり十月以降になると思うんですよね。ほかの県はこれからでございますから、仮に野党案が通っても二、三か月後になりますので、いずれにせよ、この二、三か月の間はそういう買取り機構がスタートしない状況が続きます。 したがって、今返済猶予、待ってもらっている方々が、その買取り機構、政府案にしろ野党案にしろ、発足、実施がされる前に返済迫られて倒産、廃業に追い込まれるともう元も子もないわけですので、是非、金融機関に、そういう買取りスキームが発足するということを踏まえて、返済猶予を柔軟にやってもらうようにやっぱり特別の要請を金融庁としてこの段階で出されるべきであると思うんですが、いかがですか。 ○大臣政務官(和田隆志君) 大門委員にお答えします。 先ほど荒木委員の御質疑でもちょっとお答えしたんですが、金融円滑化法の趣旨にのっとっていろんな条件変更に応じていただくことは、先ほど委員御指摘の買取り機構ができるできないにかかわらず、そのときそのときの債務企業の実情に応じて本当に金融機関として真摯に寄り添って考えてほしいという趣旨で設けておりますので、そこは先ほど申し上げた九月の期限というのが確かに私どもも非常に大事なメルクマールになっているんだろうというふうに思いますので、再度金融庁として金融機関の方に要請することを含めて検討していきたいなというふうに思っています。 あとは、買取り機構ができるまでの間というふうにおっしゃられたかと思うんですが、私どもとしては、債務企業と金融機関との間というのは、あくまでいろんなその解決方法のツールを用意した上で、当事者間の話合いで何がベストかを考えていただける環境を整えておくということが使命だと思っておりますので、できるまでの間ではなく、できてから後もしっかりとそういった要請は続けていきたいと考えています。 ○大門実紀史君 その点は、もうおっしゃるとおりでございます。 もう一つは、金融検査マニュアルの問題も、この買取り機構で支援、本当にできるのかにかかわる重要な問題でございまして、要するに、買取り機構が金融機関から買い取ると。当然、被災事業者ですから、ほとんどは破綻懸念先か実質破綻先に区分されているだろうと思われます。その買い取った後、引き続きその金融機関はその被災事業者に追加融資、新規融資をしろというのが野党案でも政府案でもそうなっておりますから、引き続き融資をしなきゃいけないわけですね。 その融資をするときに、その被災事業者、債権は機構が買い取ったとしても凍結しているとしても、その被災事業者を金融検査マニュアル上どこに区分するかによって新規融資ができるのかできないかの分かれ目になります。つまり、破綻懸念先あるいは実質破綻先のままですと、そこに新規融資というのはしちゃいけないといいますか、できないことになっておりますので、お金が貸せないわけですね。そうすると、せっかく買い取ってもらっても再建に踏み出せないということになるわけでございまして。 申し上げたいことは、機構が買い取った場合はその被災事業者の金融検査マニュアル上の債務者区分はランクアップして当然だし、そうしなければこの機構に買い取ってもらおうというインセンティブも働きませんから、このスキーム全体が失敗してしまうことになると思います。そういう点で、金融検査マニュアルというのは、実務的な話かも分かりませんが、この買取り機構の最大のポイントの一つだと思います。 金融庁として、この機構との関係で、検査マニュアル、今言った点どうお考えか、教えてください。 ○大臣政務官(和田隆志君) 簡潔にお答えしたいと思うんですが、まず一つ、重要な前提として、委員がおっしゃっていた御認識と我々とが少し違うのかなと思いますので、ここの部分を最初に御説明します。 金融検査マニュアルの運用につきましては、震災の発生とその影響については本当にそこを真摯に考えなきゃいけないと思っておりますので、実は、今おっしゃっておられました延滞になっているからといって必ず債務者区分がランクダウンしているものではございませんで、一過性のものだと…… ○大門実紀史君 被災事業者。 ○大臣政務官(和田隆志君) 被災事業者ですね。その被災事業者の債務者区分というのがランクダウンしていることが前提であれば、委員のおっしゃったところの御議論はあろうかと思うんですが、その震災の影響を一過性のものと見ている場合には債務者区分をランクダウンしておりませんので…… ○大門実紀史君 それは前の話です。それは前のマニュアル。前の指針でしょう。そんな話はしておりません。 ○大臣政務官(和田隆志君) それを、今そのように、債務者区分は債務企業の総合的な資金力、そして収益性、そして債務償還性、そういったものを判断しながら決めておりますので、一義的にそれが必ずランクダウンするものでもなくランクアップするものでもないことは御理解いただければと思います。 ○大門実紀史君 それは和田さん、もう二、三か月前の議論ですよ。それは最初の段階で出された指針について言われて、私が言っているのは、もう繰り返しませんけど、何度も議論をしているから、要するに、もう実質破綻とか破綻懸念先になっているところの話をしているわけです、それがほとんど多いわけですから。実際に、店が流された、工場が潰れた場合はほとんどそういうふうになる場合が多いわけですからね、その話をしているんで、その次の話をしているわけですね。 簡単に言います。 要するに、申し上げたいのは、じゃ、もう限定して、いろんなことを言われるので限定します。破綻懸念先、実質破綻先だとします、今ですね。そういうケースといたします、ほとんど多いですから。そういう方々の債権が、機構が買い取った場合、買い取って再生支援するわけですね。政府のスキームはどうなっているかというと、御存じのとおり、最初に金融機関に一定の債務免除をというか、買取り金額を減額することで一定減らさせて、出ていくときにもう債権放棄をして、国会で答弁があったように、再出発、出口のところでは本人が返済可能な額で考えて、それで出してあげると。つまり、本人の再生できるスキームなんですね、このスキームそのものが。いいですか。 ですから、破綻懸念先、実質破綻先でもそこのスキームを通っていくことによって再生可能になってくるわけですね。再建していける、そのためのスキームなわけですよ。 そうしますと、それが同じように、今までの金融検査マニュアルの厳しい物の見方で、いろんな資本性が不十分だとかいろんなことを言って、そのままだということはあり得ないわけですよね。だって、破綻懸念先というのは、破綻するであろう可能性が大のところを破綻懸念先としてランク付けるわけですよ、このスキームで買い取られて出ていくのは破綻懸念がないようにするスキームですから。分かりますよね。ですから、簡単に言えば、最低、このスキームに乗っかって出ていくときは最低でも要注意先になるだろうと、そういう簡単な話をしているんですよ。 しかしそれを今金融庁が何らかのところで、そんなぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃさっきみたいに言わないで、はっきりとメッセージとして出しておかないと、金融機関の方はマニュアル上どう扱われるか分からないみたいなことをぐちゃぐちゃ言い出しておりますので、そういうメッセージが必要だという意味で政治的な話をしておるんですが、いかがですか。 ○大臣政務官(和田隆志君) 今もう一度委員のお話をお聞きしてみましたが、やはり、前提として先ほど委員はもうこの場合に限定するとおっしゃっておられましたのでその部分についてのみお答えいたしたいと思いますが、金融機関が債務者区分として引き下げていることが前提で、これから先、この買取り機構などの仕組みの際に、もう一回事業再生を図っていくことをいろんな関係当事者間で話し合っていくその過程の中で再生が可能だと判断するがゆえに買い取られるのであり、また、その買い取るときには新しく事業を始めるための事業性資金が必要であると思うからこそ新規融資が必要になってくるわけでございますので、そういったトータルの像を関係当事者間、しかも金融機関が入った状態で考えていく以上は、そこから先、債務者区分はおのずとまともな方に向かっていく方が普通だろうというように考えます。 つまり、金融機関もその中に入って考えている中で、債務者区分が破綻懸念先のようなところにとどまっているその解釈を維持しつつ、だけれども新規融資を行うということはおよそ考えようがないわけでございまして、債権を買い取り、新規融資を行うという決断を関係当事者間で行っていく際には債務者区分をそのまま維持していたのでは、逆に概念矛盾が起こるということだろうと思いますが。 ○大門実紀史君 どうも分からない人だな。そうじゃないんですよ。専門家でしょう。普通、破綻懸念先の債権が買い取られたからといって、すぐはならないんです、すぐそういうふうに。おっしゃったように、その後の再生のいろいろなことがあってランクアップしていくわけですよね。だから、しかし、すぐ新規融資はさせられるわけですよ。分かります。 だから、おっしゃっているのは一般的論理で僕が言っているのと何も変わらないですよね、それはみんなが助けたら破綻懸念先じゃなくなるでしょうということでしょう。そうじゃないでしょう。買い取るときの、そのときに金融庁は、もう時間ないからあれですけど、マニュアル上、資本性があるかないかとか細かいことをぐだぐだ言うから、そういうのはおやめなさいということを言っているだけのことなんですよ。和田さんが言ったとおりのことをやってもらえばいいことなんだけれども、マニュアルというのはそんな簡単なものじゃないでしょう。また議論しましょうね。 ありがとうございました。 | |||||
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