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○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 いわゆる二重債務、二重ローンの問題について取り上げます。 この間、被災地の商工会議所、漁協、あるいは中小企業の方々とお会いして、異口同音に強い要望として出されるのが、既にある借金を何とかしてもらいたいという問題でございます。地震や津波で店や工場、あるいは機械まで失った被災者の中小業者の方々が新たに借金をして再出発しようとしても、既にある借金がありますからもう借りるに借りられないと、再スタートが切れないという問題でございます。いわゆる二重債務の問題でございますけれども、この解決が緊急に求められております。 まず、菅総理の御認識伺いますが、これから地域の復興のために頑張ろうという方が、マイナスからのスタートではなく、せめてゼロからのスタートにしてもらいたいと、そういう御要望は私、大変もっともで、当たり前の、当然の要望だというふうに思いますが、政治はそれに対して真っすぐに今こたえるべきだということも思います。総理のお考えをお聞きしたいと思います。 ○内閣総理大臣(菅直人君) 全てをなくされた方にとって、残っているのが借金だけという状況から立ち上がるのは大変厳しい状況であると、それに対して政府として、あるいは社会としても何とかしなければならない、そういう大変重要な課題であると、こう認識しております。 どういう形があり得るのか、いろいろと皆さんからも御提案をいただき、また政府の中でも検討を今しているところであります。 ![]() ○大門実紀史君 また、これは個人の問題にはとどまりません。何百、何千という被災地の中小業者、中小企業が再スタートできないと、その町全体の復興ができません。地域経済全体の復興にかかわる大変重要な問題でございます。 そこで、まず必要なのは緊急避難措置であります。 一つは、金融機関が債務の返済をまず凍結するということです。この点では金融庁に、金融機関の判断で三年程度の元利含めた返済の凍結はできるということと、その際、不良債権扱いにしない柔軟な対応を取ることもできるということを、これは既に私の当該委員会で確認をして、現在、東北管内の金融機関に徹底をしてもらっている最中でございます。 二つ目は、一旦凍結をして新たな資金を借りる問題ですけれども、この点では政府の復興特別貸付、この返済期間と利息がこの間ネックになっておりました。この特別貸付は返済期間が十年ということでございましたが、一時的に以前の借金を凍結してもらっても、新たに借りる場合、その過去の借金と新しい借金をこれ一緒に返済と計画を立てさせられますから、ダブルでは到底十年では返せないということになるわけでございます。 そこで、先月、質問の中で、中小企業庁に対して、返済期間を最大二十年に延ばす必要があるということと、特に店や工場、事業所などを丸ごと失った方々には無利子にすべきだということを求めてまいりました。 この点どうなったか、海江田大臣からお答えをいただきたいと思います。 ○国務大臣(海江田万里君) お答えいたします。 今既にもう大門委員からお答えがございましたけれども、大門委員、それからそのほかの党の皆様方からも大変強い要望がございました。今は残念ながらこれまでのローンを全く消してしまうというわけにはまいりませんが、私どもは中小企業庁からこれは政府系の金融機関に、それから金融庁は民間の金融機関に対して、それぞれ大幅なリスケジュールですね、しかも当面は返済なしという形でやるようにという指導を行いました。 それから、今お話のありました東日本大震災復興特別貸付、これは実はそれぞれの自治体がかまなければいけません。福島県がここにかんでくれまして、実質的にこれは無利子化ができました。それから、これまでの災害復旧貸付は最長十年でございましたが、これも最長二十年にすることができました。 本当にこれはこの予算委員会を始めとした国会の皆様方の後押しのおかげだと深く感謝をしております。 ○大門実紀史君 ありがとうございます。 この機会に、機敏な対応を取られました中小企業庁金融課の事務方の皆さんの努力を評価しておきたいということを申し上げておきます。ただ、これらの措置はあくまで緊急避難措置でございまして、二重ローンを薄く引き伸ばしただけということにすぎないわけでございます。 それで、さっき言った何もかも失った被災者の中小業者、漁業の方もそうですけれども、こういう方々を救うにはやっぱり従来の枠組みを超えた思い切ったスキームがどうしても必要だというふうに思います。この間、被災地の商工会議所含めて漁協の皆さん、あるいは経済団体からも金融機関からも出ておりますけれども、債務そのものを買い取る仕組みをつくってほしいという要望が強く出されております。 例えば、パネルにいたしましたけれども、(資料提示)そういう現場の声を仮に一つのスキームとして、枠組みとして提案をしたいと思いますが、二重債務・解消スキームという名前を仮に付けました。要するに、新たな公的機関として、これも例えばですけど、仮称ですけれども、地域経済復興機構のようなものを立ち上げると。まず、被災した中小業者の過去の借金は、その返済を凍結をすると。その後、新たにつくった機構は地域金融機関からその借金、債権を買い取ると。地域金融機関は買い取ってもらった資金でそれを中小業者に新規融資を行うということでございます。ニューマネーが回り出すわけですね。その後、機構は買い取った債権を、現地の要望ではいろいろございますが、少なくとも十年から二十年、長期間にわたって凍結をする、塩漬けをすると。さらに、被災の状況に応じて債権を減額あるいは免除も検討していくということが必要だと思います。 こういう買取りのための資金や減額の補填は政府が資金援助するということでやるべきだと思いますし、こういうふうにしますと中小業者は金融機関から借りたお金で再スタートができますし、将来事業が軌道に乗った段階で機構に残った債務の返済を行うということになるわけでございます。つまり、金融機関も事業者も両方とも今ある借金と債務から解放して、復興に全面的にスタートしてもらうということができるわけでございます。 ちなみに、今日新聞にも出ておりましたけど、金融庁が被災地の金融機関に公的資金を入れるというのが出ておりますけれども、それはあくまで借り手の中小業者を不良債権で処理しちゃうと。処理することを前提にして、処理したときの損失が生まれますから、そのときに地域金融機関を助けてあげるというスキームでございまして、この被災された事業者を助けることにはつながりません。 今政治に求められているのは、そういう人間を、不良債権とかいって処理するんではなくて、生かすことだと思うんですよね。頑張って生きていってもらうことだというふうに思います。そういう点でいいますと、中小業者を整理、破綻処理するために公的資金で一兆円、二兆円使うぐらいだったらば、こういう生かすスキームに政府の資金を出すべきだというふうに私は思います。 総理、今被災地の方々が何より求められておられるのは、もう国が責任を持つから前を向いて頑張ってくれという強いメッセージだというふうに思うんですね。それを、こういう例えばこの二重債務についても国がもう責任持つからまず前を向いて頑張ってくれと、それで復興を成し遂げたら税金も入ってくるわけですよね。そういうふうにいい循環が始まるわけでございます。 是非、被災地の全面復興のためにはこういう思い切ったスキームこそ今検討すべきだと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。 ○内閣総理大臣(菅直人君) かつて不動産の問題で債権処理をした時期がありまして、そのときはどちらかといえば金融機関の破綻を防ぐ要素もありました。しかし、今、大門委員からは、そうではなくて、二重ローンに苦しむ事業者に二重ローンにならないようなスキームとしての提案だと受け止めました。大変ある意味検討に値するスキームだと思いますので、しっかりと検討させていただきたいと思います。 ○大門実紀史君 そういういい答弁していただくと時間が余ってしまうんですけれども。是非、具体化をしていただきたいというふうに思います。 当面、金融機関に返済を待っていただいても、いずれ始まってしまって二重ローンの問題は解決しないわけでございますので、是非こういうスキームを使って、いろいろ知恵も私も出しますので、その中で二重債務、一緒に解決したいということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。 | |||||
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