国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2011年4月12日 財政金融委員会 2011年4月12日 財政金融委員会 がれきの被災者撤去分も国費でー財務大臣が回答
○大門実紀史君 大門でございます。
 日銀質問に入る前に、ちょっと財務大臣に被災地の緊急の問題で確認しておきたいと思いますが、私、先週、先日、岩手県の大船渡、宮城県の気仙沼、石巻、塩竈と、こう回ってきたんですけど、もう四週間たっていまだ瓦れきが散乱した状態です。なぜ全然手が着かないのかと現地の人たち、自治体に聞いたんですけれども、要するに、国の仕事なのか、国がやってくれるのか自治体がやるのかがまだはっきりしない状態があったり、どこが費用分担するのかとか、あるいは個人の事務所とか庭とかに船が突っ込んだり車が突っ込んだり大変な状態ですけれども、個人の敷地に入ったのは誰が、自己負担なのかどうかとか、もう大混乱の状態でした。
 帰ってきて、環境省にいろいろやってもらって、結局八日の日に、これは環境省の災害廃棄物処理事業、これでやれるということで、今言った自動車、船舶とかいろんな含まれる、QアンドAを八日の日に出してもらうということで、何となくどういう道筋なのかが今ごろになってやっと自治体も分かってきたというふうな、大変遅れた対応だったと思うんですけれども。
 それで、今日ちょっと取り上げたいのは、そういうことで、これは国が、一応、若干の自治体負担もあるんですが、最終的には国税措置もあるということで国が負担するという枠組みなんですが、それもはっきり伝わってなかったんですね、先週の段階で。だからあれだけ瓦れきが放置されていたという、これは大変な問題で、本来もっと早くいろんなことをお知らせして、周知徹底して撤去してあげないと復興のスタートができないわけですよね。
 そういう問題だったんですけれども、今日、それを踏まえた上で、昨日の時点でまだこんな話がございます。自治体がなかなか手を着けてくれないから先に自分で瓦れきを撤去した方々がおられます。そういう事業所とか個人がおられます。その費用はどうなるのかといって自治体に聞いたら、それはもう自己負担ですと言われちゃったり、あるいはもうある自治体、もう名前出しちゃいますけれども、仙台市なんかは、環境省は今言ったように災害産業廃棄物処理事業で後で、もう既に自分で処理したものも領収証とか災害時の写真とか取っておけば、後から出したいと環境省は思っているんだけれども、財務省がノーと言っているんだということを住民の方々に説明したりしております。
 私はちょっと違うと思っているんで、はっきりと財務省としてどうお考えか、大臣から言っていただきたいと思います。

○国務大臣(野田佳彦君) 御指摘ありがとうございます。
 現場を踏まえた御指摘を踏まえてきちっと対応していきたいと思いますけれども、財務省がこう言って駄目よということは、これはあり得ません。阪神・淡路の大震災のときも、御自身で業者さん選んで最初にもう自主的に撤去してと。事後的に対応したということあります。ありますので、これはあくまで災害廃棄物の処理をどうするかということを環境省決めていただければ、これもう廃棄物行政そのものでございますので、財政が問題で文句を言うということはあり得ませんので、そこは明確に申し上げておきたいと思います。

○大門実紀史君 それを早くはっきりとメッセージとして言っていただくことが大事だったといいますか、要するに国が信用されてないですよね。本当に出してくれるのかなみたいなところで、だからもう被災地の住民の方困っているわけですから、もういろいろ言わないでやれと、後で面倒見るからという強いメッセージが、そういうものが必要だったんだと思います。
 大臣からはっきり言っていただいて、要するに自主的にやった場合もきちっとした、それが立証できれば後からちゃんと出るという仕組みに、環境省がきちっとそれを出せば財務省はちゃんと手当てができるということを確認させていただきましたんで、これで今日から、あしたから、QアンドAにもそれが確認できたら環境省も載せたいと言っておりましたので、進むかなと思っておりますので、ありがとうございます。
 もう一つは、日銀の方に質問に入りますけれども、今回日銀が発表した被災地の金融機関に対する支援の資金供給オペレーションなんですけれども、これはよく見てみますと、これはしばらくしてから、現地の企業がもうちょっと復興に、もう少し余力ができて復興に入ろうという段階のスキームではないかなという、この現地を見てきた実感では思います。
 つまり、借り手の企業が増えてきたと、これから復興に入りたいというときのスキームで、ですから日銀の貸付金利、これ〇・一%ですか、これも、それは地域金融機関が借りるわけですけれども、それは企業にそれ以上の金利で貸せる状況が生まれているから〇・一で、〇・一というのが低いのは分かっていますが、貸すという点からいくと、もう少し何といいますか、被害の若干少ないところの企業とか金融機関とか、あるいは今の申し上げたような三陸の町々でいきますと、もうちょっと後に役に立つスキームではないかと。
 これ自身を否定しているわけではございませんけれども、今どういう状況になっているかといいますと、私、信用金庫の理事長さんともお話をいたしましたけれども、まず借り手でいきますと、工場も店も津波で流された、もう破壊されてしまったと、全壊状態ですね。そうすると、新たにお金借りて何かやるどころか、もう今の借金をとにかくチャラにしてほしいと、それが一番の最大の要求と、こんな状況でございます。したがって、信用金庫などはどういう状況かというと、先ほどありましたけれども、やっとオンラインが回復したとか、この店舗は潰れたままだけれどもほかの店舗で営業始めたとか、そういうところはやっとお金が引き出せるようになってくると。そうすると、被災者の方々は生活資金が必要ですからお金を引き出し始めます。一方、貸したお金は返ってこないということで、そういう意味で、企業に貸すためにお金がないわけじゃなくて、その金融機関、地域金融機関そのものがお金が資金不足になってくるという状態が今現在の状態でございます。
 したがって、〇・一で貸してあげるなんて話はちょっと後だというふうなことがありますので、そういう点でこれを否定するわけじゃないんですが、今目の前にある危機ですね、このときに是非、日銀が地域金融機関のことをお考えになるということでしたら、今目の前にあるこの危機を救うためにこれと違うスキームを研究してほしいなと思いますが、いかがでしょうか。

○参考人(白川方明君) まず、被災地の状況でございますけれども、私どもの仙台支店、福島支店、それから盛岡事務所を通じまして金融機関の状況を聞いてございます。まさに議員御指摘のとおり、今のその被災地の状況は、復旧復興を言うまだその前の段階だというふうに、そこは私ども十分認識しております。
 現在、被災地の金融機関は金繰りという面からしますと、今預金が流出しているわけではございません。それから、資金需要が今大きく盛り上がっているというわけでもございません。ただ、そういう時期ではありますけれども、しかしやっぱり一方で、被災地の金融機関は先々の、例えば風評リスクということもございますし、万が一その預金が流出したらという、そういうやっぱり不安感はございますし、それからいずれ復興資金需要が出てくるということも見えています。
 そういう意味で、日本銀行としては、今はまだそういう段階でないことはもちろん承知しておりますけれども、しかしその初期の段階でまだ本格的に他の、例えば政府にしてもあるいは地方公共団体にしてもいろんなまだ準備ができていない段階で、少なくとも資金面で日本銀行ができることをやっておくことが、これはやっぱり意味があるというふうに思いました。日本銀行はその仕事の性格上、最終的な借り手である企業なり個人に直接お金を貸すということができませんけれども、あくまでも間接的な金融機関支援ということにならざるを得ないという点は是非御理解をいただきたいというふうに。ただ、そう申し上げた上で、我々として何か知恵の絞りようはないのかということだというふうに思います。
 今回、検討の指示ということで、この四月末に検討いたします一つの項目は、担保要件の緩和でございます。被災地の金融機関は、じゃどういう担保を、どういう資産を担保として持っているのか、そういう担保の実態を見ながら、もちろん一方で日本銀行の財務の健全性もございます。しかし、その両者のバランスを考えながらどういう担保要件の緩和があるのか、これは今日本銀行が発表することによって、やはりそうはいっても金融機関を何がしか支えていく力があるというふうに信じてそうした検討を行っております。いずれにせよ、また今後とも知恵を絞っていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 是非、もう非常事態ですので、あらゆる手段として日銀としてもいろいろお考えいただきたいと思います。
 先ほど、今白川さんから預金は流出していないというのは、これは全体の資金量でございまして、私が申し上げている、余り名前出すと風評被害になっちゃいますので、幾つかの三陸で、そこで根を張っている信用金庫というところは事実流出しております。そこのところのことを今申し上げているわけですので、これに関連して自見大臣に、先ほどからもう話が出ておりますので伺いますが、地域金融機関ですね、そういうところに資本の強化というのは、もちろん重要なことだと思います。
 ですから、そういう信用金庫が体力を付けて、いろいろ柔軟な対応ができるようにするのはいいんですけれども、今申し上げたような家も工場もなくなったような方々でいえば、これはもう今の借金返せません。返す見込みありません。新たな借金もできません。そうするとおのずと不良債権化していきます、放置しておくと。そうすると、その不良債権化したものを処理する損、処理損ですね、これに堪え得る体力を付けてあげることはできても、助けてあげなきゃいけないわけですね、借り手の方をですね、そういうもう返せない状態の人たちを。これを今考えなきゃいけないですよね。金融機関に資本注入して体力付けるのは、金融機関は助けられますけれども、借り手の方は不良債権化していくわけです。その処理損をするときの貸倒れの引当金、引き当て損に関して、体力付けてあげるから金融機関は助かるかも分かりませんが、あくまで借り手の方は助かりません、金融機関に資本注入するだけでは。この借り手の問題、自見大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(自見庄三郎君) 大門議員にお答えをいたします。
 今さっき私が申し上げましたように、主に私は民間金融機関を主管をさせていただいておりまして、主にみんなが預金を、民間金融機関、もうお分かりのように預金を集めさせていただいてそれを融資に回すということが原則でございまして、当然民間金融機関、この中小企業金融円滑化法案あるいは金融機能強化に対する法律、自己資本を注入するというような法律でございますが、当然それはそれなりに、いよいよもう全く、一定の当然限界がございます。そのために私が今さっきから申し上げておりますように、やはり本当に必要なところは財政出動ですね、予算を全部もう出してしまう、あるいは補助金を出すと、あるいはそれは国が全部持つとか、そういった非常のときはそういうことも当然考える。
 それから、私が今さっき言った政策金融ですね。これはもう普通の民間金融機関ではできませんけれども、やっぱり十年、二十年、長期の超低金利、あるいは場合によっては無利子貸付け、そういったこともできるわけですから。それから、今さっきも言いましたように、金融機関も貸すときは、これは経済産業省でございますが、この金融機関に対しての保証ですね、貸した、中小企業に。
 そんなことを多彩にやはりきちっと私は使い分けて、やっぱりきちっと総合的に政策を推し進めていく必要があるというふうに思っております。

○大門実紀史君 私が申し上げているのは、返せなくなった借り手がこのまま行くと、もうたくさんおられるんですよね、もう借りられないし、それで、返す手だても、店も何もないわけですよ。手段がないわけですね。その方々を救うには、この前、和田政務官とは議論したんですけれども、私はやっぱり何らかの新しいスキームを考えて、今までもいろんな企業の債権放棄とかスキームを考えて救済をしてきたわけですね。これだけの被害ですし、しかも、そこの産業を支えている方々でございますから、その人たちを救わないと産業全体が面で復興できない状況なんですよね。それで行くとやっぱり何らかの買取りスキーム、スキームをつくって、そこで凍結をして、マイナスからじゃなくてゼロからスタートしてもらって、頑張ってもらって、その後、その債務について返せるなら返してもらうとか、ちょっと一遍引き取ってあげないと、金融機関も大変だし、御本人も大変だと、面の復興もできないというふうに思うので、そういうスキームが必要だと思いますけれども、ちょっといかがですか。

○国務大臣(自見庄三郎君) そんなことを含めてしっかり、今政府の方でも菅総理を中心に対策本部をつくっておりますので、きちっと、いかにしていろいろな政策を駆使して、この被害に遭われた方々、あるいは、今さっき言いましたように、全国の九九・七%は中小企業でございます。四人に一人は中小企業で働いておられるわけでございまして、また農業、水産業も、水産加工業を始め大変壊滅的状況にあるわけでございますから、そういったことで、しっかり各省各省、本当に力を合わせてやっていきたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 大臣おっしゃったように、そういうスキームを含めて、ちょっと発想の転換をして対応してもらいたいなというふうに思います。
 復興財源の問題でございますけれども、また後でひょっとしたら日銀に国債を買えという話があるかも分かりませんけれども、私はもう反対でございます。
 国民新党亀井さん、面白いことをおっしゃっていますよね、無利子国債発行して、大企業とかお金のあるところに引き受けてもらえばいいんだと。ちょっとうちとは違うんですけれども、同じように復興国債ということを提案をしております。
 ちょっと一言申し上げれば、国民新党の無利子国債というのは以前から提案されていて、税制面で優遇をするということをインセンティブに買ってもらおうと。それそのものは否定いたしませんが、私は、やっぱり今回はもう国難ですから、日本国民全体で引き受けると、みんなで助けるという発想で、何かその無利子国債だと相続税のときに優遇してあげると、何かお金持ちの欲望を引き込むようなところがありますけど、そうではなくて、やっぱり今はみんなで助けるという発想が必要じゃないかなと思っておりまして、復興国債というのを我が党は提案しておりますけれども、まあ簡単に言いますと、個人向けの例えば少額の国債を出して、そんなそれぐらいの金額なら私も貯金の代わりにそちらに出そう出そうと、国民がたくさんみんなで支え合おうと、今そういう気分がありますので、そういう国債。なおかつ、その上で、国民新党もおっしゃっているように、内部留保とか負担能力のあるところには大口で引き受けてもらうと。大企業とか大金持ちとかですね。そういう発想でございます。
 先ほど白川さんがおっしゃいましたので、ちょっと関連して聞きたいんですけれども、日本は借金が多いのにこれだけ長期金利が安定しているのは二つあると。一つは企業部門と個人の貯蓄の部分が多いからだということと、財政規律を守ってきたからだという二つ、そのとおりだと思います。今申し上げた復興国債という発想でいきますと、その企業あるいは個人の貯蓄が多い、この貯蓄の、何といいますか、振り替えというふうなことにもなりますし、なおかつ国内の市中で消化するという点からいきますと、財政規律も、まあ借金は増えますけれども、中央銀行としての財政規律にはノータッチということで規律は守られると思うんです。
 そういう点で、そういう国債、何も我が党の言ったことをやれという意味ではありませんが、そういういろんな国債の在り方を考えるべきだと思いますが、先ほどちょっと白川さんがおっしゃいましたので、ちょっと感想をといいますか、いかがでしょうか。

○参考人(白川方明君) 国債を発行する当事者がこれは国でございますので、日本銀行総裁という立場でどういう国債発行のやり方がいいのかという、その具体論についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、どういうふうな国債を発行するにしても、これは、この国債については、最終的にはこれは税でもって元本それから利息を返済していくものであります。そういう意味で、長い目、今は経済に大きなショックが加わっているけれども、しかし最終的にしっかり経済の底力を上げて財政バランスを回復していくという意思の下に制度が設計し、そしてそれに対し投資家が応じていくというのが望ましいというふうに思っておりますし、日本銀行はそうした状況が維持できるように金融政策面でしっかりと信認を保つということを通じて貢献をしていきたいというふうに思っています。
 非常に抽象的なお答えで申し訳ございませんけれども、そういうふうに思っております。

○大門実紀史君 最後に野田大臣に伺いますけど、まだ国債、どういう形でというのはまだ言及しにくいと思いますが、規模からいって、いずれにせよ税のやりくりだけでは難しいなというのが大体の常識的になっておりますが、その際、是非国債の発行は、単に今までの赤字国債の延長で考えるとか、まあ部分的には建設国債になる部分もあると思いますけれども、ちょっと従来の枠の国債ではなくて、いろんな、今に合った、しかも財政的にいろいろ規律を失わない、信用も失わないというようないろんな知恵を集めて、その国債の在り方、発行する国債の在り方を考えていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおりだと思います。
 やっぱり国民の連帯による負担の分かち合いという考え方は全く同じです。加えて、まあこれ財源どうするか、国債の在り方はこれから具体的に与野党の御協議も踏まえながら対応していきたいと思いますが、やっぱり財政規律を守りながらマーケットにきちっと信認されるメッセージを出しながらということが基本だと思います。

○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
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