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○大門実紀史君 大門でございます。今日は税制について何点か質問をさせていただきますが、その本題に入る前に一点だけ確認をさせていただきます。 今年三月のこの委員会の質問で、私、国税庁の非常勤職員の問題を質問いたしました。つまり、異常な雇用契約、形態になっていると。ほかの省庁は一年とか半年とかいう契約なんですが、それそのものも問題なんですけれども、特に国税庁の場合は半年どころか一年どころか三か月ごとの雇用契約を繰り返し長年にわたって繰り返しているという点で、これはもうひどい事態じゃないかということで御指摘をさせていただきました。その後どうなっているか、御報告をお願いしたいと思います。 ○副大臣(櫻井充君) 大門委員にお答えさせていただきたいと思います。 まず、この問題にずっと熱心に取り組んでこられた委員の活動にまず敬意を表したいと、そう思います。 三月二十五日の当委員会で委員からそのような御指摘がありまして、当時の菅大臣の方からも検討すると御答弁させていただいたかと思っております。 人事院から、日々雇用に対して、今度は期間業務職員の創設が行われまして、十月の一日からこれが施行されております。これを受けまして、さらには組合の方の方々ともお話をさせていただき、さらには大門委員からこのような御指摘がございましたので、これまで国税庁において非常勤職員の任期について三か月以内としていた取扱いを変更して、業務の必要性に応じて会計年度内最長一年とするなど、所要の改正を行わさせていただきました。 以上でございます。 ○大門実紀史君 大門、大門って言っていただいてありがとうございます。 これは、現場の運動もございますし、むしろ当時の菅財務大臣が機敏に問題点とらまえていただいてすぐ対処してもらったというのが一番大きいと思っておりますので、この点はさすがは菅さんだなと思っております。是非お礼を申し上げたいと思いますのでお伝えください。 ただ、そうはいってもやっと一年、他省庁並みになった程度でございまして、民主党の政権公約としては、この非正規雇用の雇用改善というのは掲げられてきたわけでございますので、まず足下の問題といいますか、隗より始めよといいますか、さらにこの国税庁職員の特に非常勤職員、まだまだ大変な状況でございますので雇用改善に取り組んでほしいと思いますが、一言野田大臣からいただければと思います。 ○国務大臣(野田佳彦君) 引き続き改善に向けた不断の努力を行っていきたいと思います。 ○大門実紀史君 ありがとうございます。 じゃ、本題に入ります。 まず、この間、いろいろちょっと変化といいますか、議論が出てきております証券優遇税制の問題でございます。お手元に資料をお配りをいたしました。私、この証券優遇税制を早くもう廃止しろ、するべきだということをもう四年前から、自民党政権のときから申し上げてまいりました。二〇〇七年ぐらいですかね、自民党の尾身大臣のときには、いったんもうこれは延長しないといいますか、やめるんだというような方向まで行ったんですけれども、またずっと延長されてきたという問題でございます。 配りましたこのグラフも、これ政府税調の専門委員会で配られたということですけれども、この資料そのものがよくまあ政府税調で配られているというのは大変な大きな変化だなと思います。最初このグラフを作ったのは私でございます。なかなか財務省がこういうものを出しませんで、この委員会で配って、三年前、私が書いた本にちょうど同じものが載っております。出典はもう私の方にしてもらいたいぐらいでございますけれども。 何を表しているかというと、累進税が崩れているということなんですね。通常、累進税というんですから、所得が増えれば負担が増えるというのは当たり前なんですけれども、一億円の所得を超えると負担率が下がるという驚くべき現象になっているというのは、もうこれ三年前にこのグラフ出して指摘しているんですけれども、その理由は何かといいますと、もう一つのグラフにございますが、この所得に占める株式譲渡の占める割合、つまり、この証券優遇税制によって優遇されているから、株の譲渡のところでがあっとこう負担が下がって、こういうおかしな現象、高額所得者ほど負担率が下がるという現象になっているわけでございます。 それは非常にリアルなのは、百億円以上のところからまた負担率が上がっております。これは、逆に見ますと株式譲渡の占める割合も減っているわけですね。株式譲渡の所得が減ると負担率が上がるわけですから、明らかにこの証券優遇税制がこういうゆがんだ税制をもたらしているというのが明らかでございます。 野田大臣にお聞きする前に、せっかく櫻井さん来てもらっていますので、櫻井さん、私とずっとこの委員会あるいは予算委員会で小泉・竹中批判の急先鋒ということで一緒に追及した仲だというふうに思っております。そういう点では、この日本の格差拡大について櫻井さんも厳しく批判をされてこられました。まさにこの累進税、税で崩れているというのは格差が拡大している大きな原因でございますけれども、いかがこういうものを見てお考えか、コメントをもらえればと思います。 ○副大臣(櫻井充君) 済みません。急な御質問なので何とお答えしてよいのか分かりませんが。 委員と私は基本的に考え方が共有している部分は相当あると思っていまして、その所得に応じてある部分負担できる方々に御負担いただくという、そういうところに立ってもう一度考えていかなければいけないんではないのかと思っています。ただし、これは税の問題だけではなくて、社会保障も全部含めて、トータルとしてどうなのかということを全体としてまず考えなければいけないと思っています。 それからもう一つは、委員が常におっしゃっているその格差の拡大の問題については、これはやはり大きな問題だと思っているので、こういったところもなるべく是正できるような方向で検討していかなければいけないと、そう考えております。 ○大門実紀史君 ありがとうございます。 それで、具体的にこの証券優遇税制の問題ですけれども、政府税調の専門家委員会の方では、この証券優遇税制は廃止すべきという意見がほとんどということがこの間出てきております。具体的には政治家野田大臣がトップの政府税調でどうされるかということだと思うんですけれども、私はもうこの際、長年の申し上げてきたことですけれども廃止すべきだと。これは二〇一一年末が期限ですかね。ですから、そこで手を打たなければ自動的に二〇一二年から廃止になるわけだと思いますが、野田大臣、どういう方向でお考えか、聞かせてもらいたいと思います。 ○国務大臣(野田佳彦君) 現行の金融所得課税というのは、これは分離課税で基本的には二〇%の比例税率が適用されていますが、委員御指摘のとおり、上場株式等の配当、譲渡益に係る税率については現在一〇%に軽減をしているということです。そして、御指摘のとおり、これは時限的な措置であって、現行法上、平成二十四年分から二〇%、本則税率に戻すことになっています。 これを踏まえて、平成二十二年度の税制改正大綱においては、平成二十四年から実施されるこれを本則に戻すということに合わせていわゆる日本版ISAを導入することとされていますけれども、いずれにしてもこれ、証券税制の在り方について、今後、私は今会長をしていますけれども、政府の税制調査会においてしっかり議論をしていきたいというふうに思っております。 ○大門実紀史君 しっかり議論というのはもちろん当たり前だと思うんですけれども、専門家委員会がもう廃止でほとんど一致というのはかなり強い意見だと思いますが、神野先生は所得再分配をきちっとやるべきだという方でございますから正確な正しい方向の議論をされていると思いますけれども、尾身大臣のときはもう少し方向をはっきりこの委員会でもおっしゃっていただきましたけれども、税調で皆さんの意見があるかも分かりませんが、野田大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。 ○国務大臣(野田佳彦君) 専門家委員会からはこれまでの御議論の中間的な整理として御意見はお伺いをしていますが、それぞれの税制についてこれからもっと深掘りをしていただく段階であります。そういう専門家委員会の御意見なども参考にしながら税調でしっかり議論をしていくというのが基本的な私の姿勢であります。 ○大門実紀史君 分かりました。今日はもうこれ以上申し上げませんが、是非見直すきっかけ、廃止のきっかけでございますので、こんなものは何の、大体これが金融の活性化につながるなんて、つながらないですよ、こんな超高額の人たちだけやったって。ほかの理由ですよね、金融を活性化するとしたらですね。こんなこと、金融庁はいまだ要望しておりますけれども、もうきっぱりと廃止をすべきだということを申し上げておきたいと思います。 税の問題でもう一点お聞きしますが、所得税法五十六条の問題でございます。 これもこの委員会で何度も取り上げてきて一定の前進の方向を示していただいているわけですけれども、所得税法五十六条というのは要するに自営業者の家族従業員の給与を経費として日本は認めていない、諸外国では当たり前のことですけれども認めていると。ただし、日本は特例で、青色申告の場合だけ家族従業員の給与を認めてあげようというふうに長い間なってまいりました。 このことそのものが本来の納税者の権利というところからいくとおかしなことなんですが、仮に青色申告だったらなぜ認めるかというと記帳をしていると、帳面を付けているから家族に給与を払ってもごまかしはないだろうという前提で、記帳をしているから青色申告なら認めてあげようというふうになってきたわけでございます。 百歩譲って、国税庁、大蔵時代から財務省が言っている、記帳したら認めると言うならば、そういう理屈は私はそもそもおかしいと思っていますけれども、仮に記帳したらということならば、昭和五十九年に白色申告も記帳義務になっているわけですから、その時点で家族従業員の給与は経費に認めるべきだったと。 こういう論調でずっと申し上げてきたときに、始まりは去年の三月でございましょうか、自民党政権のときに与謝野大臣が、なるほどということでちょっと研究させてもらいたいと。当時の加藤主税局長も具体的に研究をさせてほしいということになって、そのころ民主党が野党として議員立法を出されておりまして答弁席におられましたので、峰崎さんと尾立さんにお聞きしたら、民主党の中でもきっちり検討していきたいということになって、さらに民主党政権に替わりまして、峰崎副大臣、藤井財務大臣のときにお聞きしたら、今度はきちんと検討していくと、税制の抜本改革の中で検討させてもらいますということになったわけでございますが、その後また大臣が替わって、内閣が替わって、選挙があって、また内閣が替わって大臣が替わって、担当副大臣が替わってということで、もう、ちょっと落ち着かないんですけれども、もうそろそろ落ち着きそうなんで改めてお聞きしたいと思います。 まず、経過をよく御存じの尾立政務官に、この流れはよく御存じだと思いますので、今後どういうふうにしていくのか、ちょっとスケジュール的なものを含めてお聞きしたいと思います。 ○大臣政務官(尾立源幸君) 大門委員にお答えいたします。 経緯については、大門委員おっしゃったとおりでございます。この所得税法第五十六条の見直しについては、問題意識を共有し、政府としても前向きに今検討しておるところでございます。 若干その検討状況を御案内をいたしますと、この五十六条の規定は、もう御説明いただいたとおり、個人事業者の記帳、帳簿保存義務の在り方と非常に密接に関連しております。まさに個人所得課税の在り方そのものだと思っておりますけれども、御指摘をいただきまして、政府税調では、昨年から専門家委員会小委員会の方でこの帳簿、記帳保存義務を含む納税環境整備という分野で議論をし、今論点を整理をしていただいておるところでございます。このテーマにつきましては、この議論、さらに論点整理、そして諸外国の例を参考にしながら、最終的には個人所得課税見直しの中で最終的には改革を行ってまいられるべきものと考えております。 それで、じゃ、いつなのかということなんですけれども、今政府では、経済成長、そして財政再建、社会保障の改革、この一体的な実現を目指して頑張っておるところでございますが、社会保障の全体像については、必要とされるサービスの水準、そして内容、様々な選択肢を国民の皆様方に分かりやすい形で御提示をし、そしてまたその財源をどう確保するか、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたいと考えております。そういう意味で、この税制の抜本改革の時期もこの議論の中で最終的には決定されていくものと考えております。 総理の所信の中の言葉をちょっと御紹介をさせていただきますと、「消費税を含め、税制全体の議論を進めたいと思います。結論を得て実施する際は、国民に信を問う。」と、こういうふうに考えておりますので、最速の場合は三年以内に到来する衆議院選挙のときに時期が決定されると思っております。 ○大門実紀史君 今おっしゃったのは、いわゆる消費税も含む大きな税制抜本改革で、それが三年というのもまたいろんな意見が出るかも分かりませんけれども、もっと早くやれと言う方々もいるわけですから、私たちは消費税は異論がありますけれども。 この話は、もちろん所得税全体の環境といえば環境なんですけれども、そもそも財務省の無策なんですよ。これからどうしましょうとか、何かを変えましょうじゃなくて、手を打ってこなかった無策が続いているということなんですね。 ですから、もちろん税制の全体の話が、来年まとめて考えるならその中に入るのは構わないんですけれども、その三年後、消費税を選挙で問うときに一緒に問うというのはちょっと種類が違うと思うんですよね。是非この問題を切り離してでも早くやってもらいたいと。これは全然種類が違うので、そのこといかがですかね。ちょっと、そういうふうに検討してもらわないと、三年後、消費税を問う選挙のときに一緒に問いますというのはちょっと全然話が違ってくるんじゃないかと思いますが、いかがですか。 じゃ、野田大臣、いかがですか。 ○国務大臣(野田佳彦君) 所得税法五十六条の見直しは、さっき政務官から御指摘がありましたとおり、専門家委員会、特に納税環境整備小委員会で議論は進めてきています、検討させていただいております。 やっぱり解決の方向性を見出すのは、やっぱり税制の抜本改革、今社会保障とセットでやっていますが、そういう議論で最終的には集約をしていきたいと思っていますけれども、ある意味落ち着いた議論を是非していきたいと思っていますが、税制の抜本改革全体まとめて国民に信を問うと。これはまあ、もうどうなるかというのはまだこれからの議論の話でありますが、打ち出すものとその前から決定したら実施するものと、いろいろと違いは出てくるだろうとは思います。 ○大門実紀史君 多分その抜本改革ということとは別に私はこれはなってくると思いますけれども、いずれにせよ早期に決着、結論を、重ねて申し上げますが、財務省の無策、ほったらかし、放置してきたことの早くきちっとするという話でございますので、これからどうするという抜本改革、税制とはちょっと種類が違うので、その点、御検討をいただいて早く結果を出してほしいと思います。 もう一点、税の問題で最後にお聞きをいたします。 円高にしろ、前回御指摘させてもらったように実質金利の問題とか構造的要因とかいろいろあるわけですけれども、同時に、急激な円高、乱高下するとか、そういうもののときには必ず投機マネー、利ざやを稼ぐだけで動き回る巨額の投機マネーの存在が指摘をされております。これは原油高でもサブプライムローンでもいろんなところで指摘されているわけでございます。 よく、今日も委員会の場で市場、市場と言い方が出てまいります。市場って一体何なのかと。竹中さんはよくマーケットに聞け、マーケットに聞けと言いました。私はよく聞きました、マーケットって何ですかと。マーケットというのは、実体経済が必ずしもマーケットに反映するわけじゃない、市場に反映するわけじゃない。いろんな投機的ないろんな思いでお金が動くわけでございます。それがこの間、実体経済にも被害を与えてきたという教訓をやっぱりリーマン・ショックで厳しくみんなとらえなきゃいけないということを思います。 そういう点で、この投機マネーの動きについて、EUはとうとう金融取引税、つまり、トービン税につながる、こういう金融の投機的な動きを規制していこうというような方向を打ち出して提案をしてきております。私、大変正しいことだと思っておりますけれども、日本はその点、このトービン税構想、金融取引税構想には今までは消極的だったのは分かっておりますけれども、民主党政権になっていかがでしょうか。もうこういう投機マネー規制というのは本当にやらないとみんなが被害を被るという点から必要ではないかと思いますが、野田大臣、いかがお考えでしょうか。 ○国務大臣(野田佳彦君) 為替変動の背景には本当に様々な要因があるというふうに思います。それも含めて、先ほど来申し上げているとおり、過度な変動あるいは無秩序な動き、これは経済や金融の安定に悪影響を及ぼすと、その意味ではしっかり重大な関心を持って注目をしていくと、その対象となるマーケットであります。投機も私はその一つの、変動要因の一つだと思っておりますが、いわゆる先物市場の動向もよく注視をしていくという姿勢が必要だろうと思います。 加えて、トービン税のお話がございました。投機を抑制をするという手段として税が有効かどうかというそもそもの議論もあると思います。そこからまずスタートしなければいけないと思いますし、トービン税の御指摘をいただきましたけれども、じゃ、グローバルに果たして把握できるのかどうかという実効性の問題もあると思います。もっと大事なことは投機の動きと投機じゃない動きをどう区別するのかとか、いろいろと慎重に検討をしなければならない課題だと思いますけれども、金融取引の課税の在り方というのは、公平性、中立性を含めてしっかりとした理念の下にいろいろと具体的な事例も踏まえながら検討をしていくことが大事ではないかと思います。 ○大門実紀史君 国際連帯税の一つがトービン税構想でございます。国際連帯税について言えば、超党派で、私も入らせてもらっていますが、議員連盟をつくって、まず航空税の方からというのがありますけれども。 技術的に何が可能かというのは確かにあります。トービン税がその収益で世界の貧困をなくすというのはありますけれども、本当に規制ができるのかどうかとか、いろいろ研究しなきゃいけない点はありますけれども、やっぱり投機マネーをどう、好き勝手に利ざや稼いで、稼いで逃げていってもう被害だけもたらすということをどうみんなで規制していかなきゃいけないかというのはもう世界的な課題になっておりますので、その一つとしてそういうトービン税につながる金融取引の投機マネー規制の税制について、日本政府もせっかく政権交代したわけですから積極的に研究をしてもらいたいというふうに思います。 このことを申し上げて、私の質問を終わります。 |
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