国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■ 2010年3月23日  消費者問題特別委員会 原因究明・再発防止の事故調査機関が必要。マルチ商法の規制を検討。福島大臣が答弁。
○大門実紀史君 大門でございます。
 ちょっと通告はしていないんですけれども、今日はエレベーター事故で息子さんを亡くされました赤とんぼの会の市川さんがちょうど傍聴に来られておりますので、ちょっと通告しておりませんけれどもお聞きしておきたいなと、私も取り組んできた問題ですので。
 消費者庁をつくるときの議論で、消費者庁の中に、消費者庁ができたら消費者庁の中に、権限のある、強い権限を持った事故対策委員会、何かあったときに対処できる、そういうのをつくってほしいという議論があのときございました。これは今大臣としてどういうふうにお考えか、まず聞いておきたいと思います。

○国務大臣(福島みずほ君) 事故を究明するためのそういう組織は絶対に必要です。とりわけ、いろんな、政官業癒着がなくというか、いろんなところのしがらみがなく、独立したところで、そして多分とてつもなく優秀な科学者たちを常に集めておくことは経費上もできませんから、問題が起きたときに、もう本当に極めて優秀なトップクラスの皆さんをその時点で集めて事故の調査に関してきちっと取り組む、しかもそれがインディペンデント、独立している、基本的に行政とのしがらみがないところでそういうものが行われることが私自身は望ましいというふうに思っております。
 捜査は、警察は物すごく強大な権限を持ち、強制処分もできますし、大きな権限があるわけですが、捜査で刑事事件になるかという問題と事故の究明は、御存じ、レベルがちょっと違うわけですから、刑事事件になるという問題と事故原因の究明、再発防止というのは別のファクターがありますから、やはり捜査とは別に事故の究明をしっかりやる機関は必要だと思っております。
 今、消費者庁はそのことを消費者基本計画の中に、例えば今すぐ、じゃ来年度できるかというと、予算の点などありまして、ただ、消費者基本計画の中にそのことについても盛り込みたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 方向は結構なんですけれども、いつ事故が起きるか分からないということでございまして、権限の問題ですね、捜査とは別とはいいながら権限をどれだけ持つかということも重要になっておりますので、急いで、ただ方向を決めるだけじゃなくて、具体化してもらいたいなということだけ申し上げておきます。
 今日は、私も、消費者庁ができて何をやってきたのかなというのは、現場からもそういう批判の声が出ているのは事実でございまして、私もつくるときに努力さしてもらった一人として若干厳しい、この間の対応については思っているところでございます。
 その点で、具体的に被害が起きていることをどう早く救うかということなんですけど、マルチ商法が広い意味での、あるいは狭い意味かも分かりませんが、マルチ商法による被害がこの間大変増えておりますけれども、まずその辺の実態どのように把握されているのか、ちょっと説明してください。

○国務大臣(福島みずほ君) その前に一言、消費者基本計画の中に、消費者庁が消費者事故の独立した公正かつ網羅的な調査機関の在り方について検討をしたいと、平成二十二年度に検討を開始し、平成二十三年度のなるべく早い時期に結論を得たいと考えております。まだこの基本計画は発表しておりませんが、消費者庁としては、この点については前向きにきちっと検討をしていきたいと考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、国土交通省でも考えていらっしゃるようで、それはまた消費者庁としてもこういう形でしっかりやっていきたいということを付け加えて発言させてください。
 今、マルチ商法についての大門委員からの発言がありました。
 マルチ取引に関する件数というのは増えておりますし、それからPIO―NETにおける相談件数は、マルチ取引に関する件数の全体に占める割合は大体二・〇%なんですが、コンスタントに必ずやはり被害があるということは大変認識をしております。
 今、実は未公開株などに関して、これは検討をしまして、未公開株や貴金属などについてのいわゆる新手の詐欺商法についての見解と対応をまとめました。変えたところがあります。今まではPIO―NETにマルチ商法なども、今までPIO―NETに登録されるまでちょっと正直時間が掛かっていたんですね、きちっと決裁をするとか。これを極めて短い期間、まあ今日ということは、できれば二、三日中とか、極めて相談を受けてできるだけ早い段階でPIO―NETに登録をする。それから、PIO―NETに登録をするときに、やはり個別の事案がはっきり分かるようにいろんな個別の名称もきちっと入れていくと。そうしますとすぐ、いや、今東北地方のどこどこでこういう未公開株の被害が起きているという相談が増えているとか、いや、近畿のどこどこにおいて今こういうマルチ商法についての被害がどうも電話勧誘を含めて増えているというふうな状況を大体瞬時に把握することができるわけです。
 今回、消費者庁におきまして、未公開株などの新たな詐欺商法についての取組等を検討し、対応について発表いたしましたので、今、大門委員がマルチ商法についていただきましたが、広範な、詐欺商法とマルチ商法は違うものですが、重なる部分もありますから、しっかりPIO―NETの対応、それからこういう被害の一元化、情報の集約、それから早い発信、これをやっていきます。

○大門実紀史君 申し訳ないですけど、そんな対応では防げません。それはあくまで情報の問題で、もうこの間起きているのはそんなレベルじゃないんですよ。
 もう本当に検討しなきゃいけない段階にあると思うんだけど、例えば今法の枠組みもどうなっているか、御存じかどうか。要するに、このマルチを今取り締まれるのは、特商法で勧誘の仕方のところで引っかけるか、あるいはもう今言ったような情報で気を付けてもらう、あるいは消費者教育と、こんなレベルしかないんですね。それはやらないよりはましなんですけれども、この間、もう一々申しませんが、かなり悪質な手口がいろいろ出ている。エビの養殖、円天、東山倶楽部、もうみんなそうですね。これはもう仕組みからいってみんなマルチでございます。
 このマルチの仕組みそのものに手を付けないと被害は防げないということで、これは私、前の委員会で何度も取り上げてきている問題でございますけど、是非検討し、もう時間ないんで、今日は時間短いんで提案だけしておきますけど、このマルチ問題というのは長い歴史がございまして、昭和五十三年か四年ですね、一九七四年、ごめんなさい、昭和四十九年ぐらいですかね、とにかく一九七四年に国民生活審議会で、マルチ販売の仕組みそのものを禁止しようと、すべきだという提言が出ました。七五年の三月には、産業構造審議会の流通部会では、これも同じようにマルチ商法そのものを、この仕組みそのものを規制しようという答申が実は出たんです。ところが、いろんな政治家の動き、政治的なものもありまして、結局、一九七八年にはネズミ講だけ、お金に関するものだけ禁止して、ちょっとその前の七六年にはこの特商法の、特定商品取引法の前の訪問販売法で勧誘の仕方だけ規制しようと、こうなったんですね。それがずっと来て、これだけ幾らたっても被害がなくならないわけでございます。
 私は、七四年、七五年の国民生活審議会あるいは産業構造審議会の提案に戻るべきだと、このマルチの仕組みそのものに規制を掛けないとなくならないと、被害はですね。この新聞ざたになっているのはもう相当の被害出てからですよね。もっと早く被害が防げるようにしなければいけないという点では、この七四年、七五年の、これは審議会がそういう提案をしたわけですから、当時ですね、みんなで合意して提案したわけですから、そのマルチ商法の仕組みそのものにメスを入れていくというところにも踏み出さないといけないというふうに思うわけです。
 この間、ちょっと呼んで役所の方来てもらったけど、同じように今までの枠でしか物事考えていないわけでございまして、せっかく消費者庁ができたんだから、今おっしゃられたことだったら経産省のときだってやっていたんですよ。消費者庁ができたからって何も変わってないんですよね。やっぱり消費者庁ができたならば、消費者の視点からいくと、このマルチの仕組みそのものを規制するということの、少なくともその研究ぐらい始めるべきだと思うんだけど、その辺、いかがですか。

○国務大臣(福島みずほ君) 特定商取引法の規制に違反する悪質な連鎖販売取引については、消費者庁創設後、六件の行政処分を行っています。今後とも悪質な事案に対しては厳正に対処してまいります。
 マルチ商法がおっしゃるとおり問題があり、被害が非常に拡大をしていくということは御指摘のとおりです。最後は倒産して、みんな本当にパアになると言うと言葉が変ですが、もう本当に重大な被害を受けることで全体が壊れていくということはおっしゃるとおりです。
 マルチ商法について消費者庁としてできて、マルチ商法に対する規制が変わったなと言われるよう検討してまいりたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 終わります。
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