国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■ 2010年3月16日  財政金融委員会(委嘱)
高リスクの金融商品販売のノルマ主義の実態を指摘、是正を迫る。亀井大臣「鋭意努力」を約束。
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は金融行政の方に絞って質問をさせていただきますので、亀井大臣と大塚副大臣にお願いしたいというふうに思います。
 先日、予算委員会で亀井大臣とは議論をさせていただきまして、あのときに大臣が、人間を大事にする経営、あるいはそういう社会が重要だと言われたのは大変感銘を受けたところでございますし、大臣はいろいろ言葉で言われるだけではなくて、実際にモラトリアム法案もそうだし、郵政の問題もそうですから、実際に施策として進めてこられた御努力に本当に敬意を表しているところでございます。
 今日、実は、郵政のことで私のところにメールが来たのでちょっと御紹介いたしますけれども。北海道の大樹町というところがございますが、大きな樹木の樹と書くんですけれども。これ、十勝の南の方の襟裳岬に向かう海沿いの方でございますけれども。そこの旭浜簡易郵便局というのが、例の郵政民営化の嵐の中で休止に追い込まれてしまったと。その旭浜というのは漁村集落で、五十戸ほどの住民が住んでおられるというところの簡易郵便局が廃止に追い込まれたわけですけれども、これが営業再開ということになったらしいんですね。郵便業務のほかに今度郵便貯金も取扱いができるようになったということで、大変住民の皆さん喜んでおられまして、廃止された後、十キロ以上離れた別の郵便局まで行かなきゃいけないことになっていて、この三年間大変な思いをされたそうでございますけれども。八十五歳になるおばあちゃんは、この三年間、遠い、石坂というところなんですけれども、そこの局まで行かなければならなかったと、それが今度再開されて、大変便利になって有り難いというふうに、ちょうどそういうメールも我が党の町会議員からですけれども、そういうふうに変わってきているということでありましたので、是非、先ほど言われた人間に温かいといいますか、そういうことを頑張っていっていただきたいと思いますけれども、一言ございましたら。

○国務大臣(亀井静香君) ユニバーサルサービスのネットをきちっと整備をいたして、これを活性化していきますが、その基本はそこに働いている方々が生き生きと希望を持って仕事をしていただくこと、また、その地域社会の方々から本当にある面では頼られて役に立つ、そうした存在であることを目指してこの改革を進めてまいります。

○大門実紀史君 本当に、この前取り上げた非正規雇用問題でもそういう観点で是非頑張っていただきたいと思いますけれども。
 亀井大臣、大学時代にマルクスを究められたという話を聞いたことがございますが、どの程度究められたのか、もし一言あれば。

○国務大臣(亀井静香君) 究められたなんておっしゃいますと、もう穴があったら入りたいわけでありまして、私は大学四年間、体育の時間は出ましたが、教場には入ったことがございませんで、極めて不勉強な男でございました。

○大門実紀史君 この間、私とはいろいろ共通するところがございますので、国共合作でやっていきたいと思っているところでございます。
 今日は、具体的な問題としては、この金融行政におけるリスクのある金融商品の販売、この前は契約社員問題を取り上げましたけれども、全体として過度なノルマ主義の問題をちょっと取り上げさしていただきたいと思いますけれども。
 私、この委員会では何度も取り上げてきているんですけれども、要するに、投資信託とかリスクの高い金融商品を過度のノルマで売らせるということは利用者保護にとっても大変危険なことであるということでございますけれども、まず今、金融庁の監督指針では、このノルマ主義、過度のノルマ主義について、金融商品販売に関して、どういうふうに規定されているのか、少し解説をお願いしたいと思います。

○副大臣(大塚耕平君) 大門委員にお答え申し上げます。
 委員も今お配りをいただきました資料の冒頭のページに、主要行等向けの総合的な監督指針の該当部分を記載していただきました。また、アンダーラインまで引いていただいておりますけれども、そこに記載してありますとおり、例えば収益追求と法令等遵守を適切にバランスさせ、営業を牽制する十分な内部統制や経営管理態勢が導入されているか、また、営業部員や役職員の給与・賞与体系が短期的な収益獲得に過度に連動し、成果主義に偏重していないか等の指針を明確に定めております。
 また、毎年毎年の監督に当たっての重点事項を明確化するための今年度の方針においても、短絡的な利益追求などにより、ゆがんだインセンティブに動機付けられていないか、あるいは、リスク性の商品販売において、顧客の属性や経験に応じ適切かつ柔軟な説明が行われているか等を明確に定め、金融行政の運営にそれを盛り込んでいる次第でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 このAの方に書いてございますけれども、営業部員や役職員の給与・賞与体系がそういう過度にノルマに連動してはならないということが書かれているわけですけれども、これに給与、賞与どころか首を懸ける、解雇を懸けてきたということで、この間、契約社員問題、ゆうちょも含めて改善の方向にやってもらっているところでございます。
 二枚目の資料、まず全体の金融機関の前に、まだ日本郵政で行われているノルマ主義についてちょっと指摘したいと思うんですけれども、二枚目の資料ですね。
 これは、ある郵便局で配られた、事業活動方針及び営業目標額という冊子として配られた中にある参考資料でございます。何を意味しているかというと、参考資料で文言はないんですけれども、まず最初に、郵便局、郵便局員に対する信頼度ということを載せております。社会的に世の中で信頼されている人は職種的にはこう見られておりますよという調査の結果を載っけております。まず一番はお医者さんが信頼される、二番目に郵便局員だと、三番目警察官、ずっとこう来るわけですね。つまり、郵便局員というのは非常に信頼されているよというのがまず一つ目で言いたいことですね。
 左下です。左下は顧客IDを数多く保有する企業。これは何を言っているかというと、要するに顧客情報とかつながりとかをたくさん持っているのは、これも日本郵政が断トツだよと言っているわけです。ほかのNTTとかに比べて顧客とのつながりが非常にあるよと、預金者が多いよということですね、今までの。右側に行きますと、事業領域、成長市場ということで、ちょっと濃いコピーで申し訳ないんですけれども、金融のところは、個人金融資産が一千四百兆が二千兆までマーケットとしては拡大するよと言っているわけでございます。
 この三つの資料は何を言い表しているかというと、郵便局というのは信頼がある、お客さんが今までのつながりが多い、なおかつ金融市場はこれから発展をする、だから売れると、投資信託は売れる世界だと、こんなことを郵便局の中の資料で言っているわけでございます。
 次の資料ですけれども、三枚目は、投信の、個人名は消しておきましたけれども、だれが今販売トップテンかというのをずっとこうやって出しているわけでございます。
 ついでに言えば、四枚目ですね。この投信の個人実績というのは正社員の方でございますが、資料四番目は、この前予算委員会で指摘しましたけれども、契約社員、EP社員、エキスパート社員ですね、契約社員についてもこうやって、今日何人の方がこれだけ売上げを出したと。けしからぬのは、下の方に書いていますけれども、この前大臣も是正するとおっしゃっていただいた、規定額に満たないと継続契約ができない場合があると、首にするというようなことを、こんなことをこれはメールニュースみたいなことで各郵便局に、これは郵便局会社の方ですけれども、ゆうちょ担当から連日のようにこういうものを送って販売をあおっているわけでございます。
 私、この郵便局の投資信託の販売は、高齢者の方が預金者で多いので大変危険であると、なかなかリスク度とか理解しにくいわけですよね。そういう方々にこうやってノルマ、あおってあおって、売れ売れということをやるのは大変危険であるということで、もうこの委員会で二、三回指摘して、特に二〇〇六年のときはまだ郵政公社だったと思いますが、かなりその後是正をして、こういう、前は報奨金を出したり、あるいは郵便局に張り出したりやっていたんですけれども、しばらくそれが収まったんです。で、二〇〇八年のときにもちょっとまたこういうことが出てきたので指摘したんですけれども。
 要するに、西川社長になってですね、率直に申し上げて、西川社長になってひどくなったなと思っておりました。西川さんは三井住友で頭取のときに、三井住友は投資信託の販売で主要銀行でトップになったんですね。二兆円以上売ったと思いますけれども、それを指揮した方でございまして、こういう社員を追い立ててといいますか、おしりたたいて売らせるというのは経験済みでございましたから、その手法を入れた中で、この前大問題になっている契約社員をノルマ達成しないと首を切るということも、私は率直に言って西川さんのグループが考えついたことだというふうに思います。
 まず、こういう経営をしていいのかと、日本郵政、郵便局がですね。お年寄り相手に、もう半分以上お年寄りですから、もうこういうノルマ主義がまたはびこっていますので、特にお年寄りの被害がもう増えておりますから、こういうノルマ主義、過度のノルマ主義、やめさせてもらいたいと思うんですけれども、亀井大臣いかがですか。

○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のような状況は、私の個人事務所のファクスにもう何万と来ておりまして、二度パンクいたしました。もうその中身の中で、本当に大変な状況が私に対して直訴されておるわけでありまして、齋藤社長に対してこれもう抜本的にきっちりと見直すようにとお願いをし、現在もう精力的に取り組んでおられますので、きちっとやると私は確信をしております。

○大門実紀史君 是非、被害者が増えない、更に広がらないうちにきちっとしてほしいと思います。
 こういう現状の情報は私のところには絶えず来ますので、また改善がなければ御指摘をしたいと思いますので、至急お願いしたいと思います。
 もう一つは、民間銀行の方なんですけれども、実はこれは去年の六月に、民間銀行レベルでいきますと、あおぞら銀行問題を私この委員会で取り上げて、あおぞら銀行では金融商品販売のノルマを達成しない契約社員を解雇するというようなことをやっておりまして、そのちょうど解雇通告を受けた方について、なおかつそういう規定について是正を求めたところ、解雇はストップになって継続されて、なおかつその契約もそういうノルマ主義は見直すということで見直していただきました。
 ただ、実はその去年の六月に私取り上げたときに、五枚目に資料を配りましたけど、これと同じものをその委員会で配りました。つまり、住友信託銀行、これも同じことをやっていますよということでこの場で指摘をして、あおぞら銀行、住友信託銀行両方について是正をさせるべきだという質問をして、当時は与謝野大臣でしたけど、それはやっぱりおかしいということと、あるいは三國谷局長でしたけど、適切な対処をしますということになって、実は、聞きましたら、金融庁としては、あおぞらだけではなくて、この住友信託にもきちっと、今回こういう国会で取り上げられて、大臣もこういうことを言われて、局長もこういうことなのでということで、両方に対してきちっと金融庁は当時指導されたらしいです。
 ところが、今現在も、あおぞら銀行は直しましたけど、住友信託の方は同じことをやっております。これは何でなんでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 金融庁の指導監督、検査がうまくいっていないということだと思いますので、鋭意努力をいたします。

○大門実紀史君 これは、それで全体、大臣としての御答弁、結構です。
 大塚さんに、ちょっと実務的になりますので、大臣がこう言われたらもう間違いなくすぐ是正されると思うんですけどね。
 どういう経過かと申し上げますと、金融庁も、当時の金融庁ですね、当時の金融庁の担当もちょっと生ぬるいなと思うのは、両方に一応指導したんです。その後、人事の入替えとか、担当者が替わったとかで、どうなったかということをちゃんと受けていなかったんですよ。住友信託の方は、分かりましたと、それだけではないほかのことも含めて雇用については判断をしますみたいな、口頭で金融庁に返したんですね。なめられたわけです、金融庁としては。
 それで、この契約書はそのままでやっているということなので、つまり金融庁として国会質疑で大臣も答弁された内容についてフォローしていなかったということなんですね。フォローしていれば、これを見て、これはもう駄目なんだよとなったと思うんですけどね。
 そういうことがありますので、実務的な面も、国会で取り上げられたことはちゃんと大臣の答弁どおり徹底されるように、事務局、役人のフォローのこともやってもらいたいと思いますし、もう一つお願いしたいのは、これは一応先ほどもありましたけど、主要行向けの監督指針には明確になっております。もちろん、第二地銀も信金、信組もそれに準ずるというようなことになっているんですけど、この間、金融庁に調べてもらったら、主要行でこういう契約社員をノルマで切るというのをやっているのは、もう残っているのは住友、今残っているとしたら住友信託以外はありませんということで、それは信用いたします。
 ただ、第二地銀あるいは信金、信組の中で、こういう国会でまだ取り上げていませんし、徹底されていませんし、国会質疑を全部みんな聞いているわけではありませんので、やられている可能性があるわけです。このことは、もう日本郵政も正す、あおぞらでも正した、そういう経過で、もう住友も今日正されると思いますので、もしも第二地銀とか信金、信組でやられていることが、可能性がありますので、ちょっとその辺、何らか連絡文書か何かで改めて徹底してほしいと思うんですけど、実務的なことなので大塚さんの方でお願いいたします。

○副大臣(大塚耕平君) どのような手段によって各業態に徹底するか、しっかり内部で検討いたしまして、大臣も御答弁されたわけでございますので、その趣旨に従って適切に対処させていただきます。

○大門実紀史君 よろしくお願いします。
 それでは、もうそのことはきちっとやっていただけるということで、若干時間残っておりますので、別の問題で大臣に御質問いたします。
 去年の十一月の二十六日だったと思うんですけど、私、この委員会で不良債権という呼び方について、変えたらどうかというお話をさせていただきました。これはもう御存じのとおり、竹中路線の中で不良債権処理ということで、不良が付くともう早く処理しなさいと、こういうことで処理する対象として進んできて、この間は再生支援する対象として見ていこうということですね、あのモラトリアム法案もそうですけれどもね。いい方向になっているなと思うので、不良債権という言葉を変えたらどうですかということを提案をして、大臣も、言葉は大事だからと、例えば何かいいものがあれば提案してほしいということもございましたので、私は金融の関係者に、不良債権に代わるものとして、言い方として何かないですかということを私なりに募集したといいますか、聞いてまいりますと、再生支援債権とか別枠債権とか見守り債権とか、スランプ債権というのもございましたけれども、いろんな名称が来ております。昔は分類債権という言葉でやったんですね。不良なんて言わないで、分類すべき債権と。正常債権か分類すべき債権かとやってきた時代もございます。
 いずれにせよ、名前はこちらから提案をするものではないと思うので、いろんな意見を聞きながらですけれども、再生支援する対象だというふうな、そういうふうなことが分かるような名前に改めてきちっと検討してもらいたいと思います。金融庁の役所の方は余り積極的ではありません。法令の中に九つ不良という言葉が出てくるらしいですね。そういうのが面倒なのかどうか分かりませんけれども、やっぱりこれ大きな問題だと思うので、是非名称のことは検討してもらいたいと、引き続き検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) おっしゃるように、名称というのは極めてイメージとしても大変大事だと思いますので、これはいろんな呼び方等検討をいたしまして、これは変えたいと思っています。
 大塚副大臣、あなたやってください、ちゃんと。

○副大臣(大塚耕平君) 御指示でありますので、しっかり対応させていただきます。
 それに付随して、一言付言をさせていただきますと、不良債権、何をもって不良かというのが、これが、考える起点が銀行側から見て良か不良かということになっているわけであります。どのような与信先であっても、資金を借りるときに、ビジネスをしてプロフィットを上げて銀行にも利息を払うという気持ちで最初は借りているわけでありますので、だれも最初からローパフォーミングにしようとは思っていないわけであります。
 そのことは同様に、金融機関のいろんな経営姿勢に影響している物の考え方の非常に大きな構造的なある意味欠陥だとも思いますので、御指摘の趣旨を踏まえてしっかり対応させていただきます。

○大門実紀史君 非常にいい答弁、真っすぐな答弁をいただきましたので、今日は質問することがもうこれで終わりましたので、終わります。
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