国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年6月9日  財政金融委員会(参考人への質疑)
金融被害の背景にある販売ノルマの労働者への押しつけ問題をとりあげる
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 本日は、お忙しいところありがとうございます。私のお聞きしたいことは既に各委員からもありまして、かなり重複しておりますので、日ごろお世話になっております全銀協と生命保険協会だけに絞って伺いたいというふうに思います。
 まず、全銀協の永易さんにお聞きしたいと思いますけど、漏れ聞くところによると、永易さん、あれですか、私が何を質問するのか大変心配、緊張なさっていたということをお聞きしましたけど。

○参考人(永易克典君) そのとおりでございます。

○大門実紀史君 大丈夫ですよ、リラックスしてくださいね。多分、貸し渋り、貸しはがし、この間いろいろあったのでだと思いますが、それは個別にそれぞれ私の部屋に来ていただいて相談しておりますので、特に三菱UFJは大変対応が良くてすぐ来ていただいておりますので、むしろお礼を申し上げたいというふうに思うところでございます。
 銀行業界全体の対応について、ちょっとダブらない範囲でお聞きしたいと思いますが、ADRも結構なんですけれども、皆さんが紛争の種をつくらないというのがまず最優先のことだと思うんですね。それなしに幾らADRつくったって、違うんじゃないかなと。
 そういう点で、実践的な話をお聞きしたいと思いますが、この間、私、過日もこの委員会で取り上げたんですけど、住友信託銀行あるいはあおぞら銀行が、販売スタッフ、セールススタッフの有期雇用契約ですね、労働契約にノルマを達成しなかったら首ですよと、ちょっと前代未聞の契約を結んでいるということを取り上げたんですけど、これは金融庁も大臣もちょっとひどいんじゃないかということで今対応してもらっている最中なんですが、要するにこういうノルマ主義がいろんな問題の背景にあったわけですね。リスクをちゃんと説明しないで売っちゃおうと、そこから金融被害が広がってきたという、根底にある問題でございます。これ、主要行向けの監督指針にも反するということで今対応してもらっているところなんですけれども。
 是非全銀協として、これ監督指針に違反することでございます。そういうノルマ主義、それが給与とか賞与と連動してはいけないと、過度にしちゃいけないと。ですから、首を切るなんというのはもっとひどい、連動しているわけですから。それと、手数料収入に偏重して稼げとなっていると。これも監督指針違反でございますので、監督指針違反の事項でございますけれども、是非全銀協として、各行にこういうことのないように注意喚起を是非してほしいなと思いますが、いかがでしょうか。

○参考人(永易克典君) ちょっと具体的な名前が、個別銀行の名前が出ましたが、個別の事案についてはお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として、やはり目標未達成を理由に雇い止めをするというようなことは有期雇用社員の方々の就労や生活に大きな影響を及ぼすことから、やはり原点の労働基準法、労働契約法、派遣法等の関係法令をしっかりと守っていくことが重要であると思います。
 先生御指摘のリスク商品の販売につきましては、お客様保護の観点から適切な説明を行うことが重要だということが原点でございます。そして、しかし営業を担当する社員等の給与体系等が、本件もそうだと思いますけれども、過度に成果主義に偏重した場合は、やはりもうけたいですから、収益獲得に傾斜した営業姿勢と当然のことながらなりやすくなると。結果として、商品販売においても非常にその人に合った適切な説明、こういうものが不十分になるという懸念があると考えます。
 金融庁の監督指針のお話もありましたが、この監督指針はこうした問題が生じないよう策定されたものと全銀協としても認識しており、銀行界としても遵守してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ちなみに、東京三菱UFJにはそういう形は導入されていないという認識でよろしいですか。

○参考人(永易克典君) 基本的には営業をする人は直傭に変えましたので、有期雇用のこういう形はないと思っております。

○大門実紀史君 次に、生命保険協会の松尾さんにお聞きしたいと思います。
 松尾さんは明治安田生命御出身ということで、私とは因縁の深いところでございますけれども、四、五年前ですかね、保険金不払問題でこの委員会でさんざん取り上げさせてもらって、ちょうどあのころ金子さんですか、社長さんが、金子さんがこの協会の会長になるならないというところだったんですね。なるべきじゃないと、させるべきではないということを申し上げて、御辞退されたようでございました。松尾さんは、去年、協会の会長さんになられたということで、本当に無事御就任されて、お祝いを申し上げたいと思います。私の大学の先輩にもなるわけでございます。是非頑張ってもらいたいと思いますが。
 ただ、銀行の先ほどの話とは違っても、やはり生命保険業界でもこういうノルマ主義というのが今どうなっているのかなという気がしておりますし、いろんなことをやって、すべてこのノルマ主義から発生するんですよね、リスクをちゃんと説明しないとかいうことから始まるわけですから。そういう点で、生命保険業界として今このノルマ主義に偏重しないようにどういう努力をされているか、お聞きしたいと思います。

○参考人(松尾憲治君) お答えをいたします。
 業界全体としての状況を把握しているわけではございませんけれども、一般に申し上げまして、生命保険会社の営業職員につきましては有期雇用という形はございませんで、いわゆる正規の雇用というもので採用してございます。そのような中で、御指摘にございましたように、銀行で言われれば手数料、私どもで申し上げれば新規契約の業績に偏重したノルマ主義というものは、やはりお客様の信頼を損ない、結果として営業職員あるいは会社にも大きなマイナスをもたらすというような認識をしてございます。
 昨今、各社の取組でございますけれども、これは大きくかじを切っているというふうに思っております。
 具体的な例として私どもの例を申し上げますけれども、お客様の満足度をどうやって上げていくかということをメーンのテーマにいたしまして、昨年度から、いわゆる基幹チャネルと申しますが、この営業職員のチャネルの抜本的な改革を行ってございます。具体的に申し上げますと、新規契約を獲得するということから、より一層アフターサービス重視の営業政策に大きくかじを切ったというところでございまして、これらと併せまして、営業職員の給与につきましても固定的な給与を引き上げる、かつ、それによって処遇の安定化を図りまして、一段とお客様へのアフターサービスを実施しやすい、そういう体制を整備しているところでございます。
 協会の各社におきましても、ここ数年、お客様へのアフターサービス重視の営業政策、これを強めてございますし、またそれに沿った営業職員の処遇も見直しをしているところでございまして、業界全体としてそうした方向に取組が進んでいると、このように理解をしているところでございます。
 また、生命保険協会といたしましては、お客様へのきちっとした販売時の御説明というものが非常に重要であるということも考えまして、営業職員の資質の向上というような観点から、これまで業界共通の教育制度の抜本的な見直しといたしまして、アフターサービスも含めました生命保険募集人に必要な知識を毎年継続的に教育する制度、これを導入したところでございます。
 以上のような取組を通じまして、先ほど御指摘ございましたように、ノルマ主義ということではなく、お客様のアフターサービスを重視した、お客様の満足度を上げていく、そういう政策を強めているというところでございます。
 以上でございます。

○大門実紀史君 最後に、もう一度永易さんにちょっと大きな話をお聞きしたいと思います。
 先ほど大塚さんの質問の最後のところとダブるわけでございますが、私もきちっと聞いてみたいと思うんですけど、要するに世界全体の流れは、こういうマネーが、マネー資本主義といいますか、マネーの世界が巨大化してそれを何とかしていこうという方向にもかかわらず、日本はこれからマネーの世界を大きくしようというふうなところについてどう思うかということだと思うんですが、この法案について言えば、私はこの利用者保護の点では大変評価しているんですけど、商品取引所にわざわざ投機マネーを招き込む結果になるというところで、後々大変な事態を招くんではないかなということで問題意識を持っているわけですけれども、先ほどの全銀協会長としての永易さんのお話でございますと、今回の金融危機は、欧米の一部の投資銀行がレバレッジ等、要するにやり過ぎがあったと。もちろん日本の銀行もということもちらっと言われましたけれども、私はそれだけではなくて、だれが彼らに対してマネーを提供したのかと。いろいろ言えばいろいろあるんですけれども、欧米の責任だけではないと、日本も関与していると。日本の銀行も関与しているということも思うわけですけれども、要するにこれからそういう、実体経済と金融との在り方にもかかわるんですけれども、今までの考え方でいいのかと。
 先ほど、まだ日本は欧米に比べて遅れていると、ですから今回の商品取引所の問題も世界でランクが下がっているとか訳の分からない話がすぐ出てくるわけですけれども、そうじゃないんじゃないかと私は思っておりまして、こういう、ちょっと大きな話ですが、経済の在り方そのものとして金融が肥大化してきていると、これはいいことなのかどうか。私はいいとは思っておりませんが、もう少しその辺の考えを最後にお聞きしたいと思います。

○参考人(永易克典君) 非常に大きいテーマなので、私の個人的な意見が全銀協の意見でも何でもないんですけれども。
 私は、頭取になったときに、どういう銀行にしたいかといったときに二つ挙げました。これは、品格のある強い銀行にしたい。もう一つは、グローバルベースでも名誉ある地位を占める銀行としたい。特に、私どもの銀行というのは、東京銀行さんも入っているし、世界でやっぱり勝負していく、ある面ではナショナルフラッグを背負って金融業をやっていく、そういう存在になりたい。ただ、品格のある形でやりたいということを述べたわけであります。
 今のグローバルプレーヤー、メジャープレーヤーといったところは相当傷んでおります。先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、大きい方向感は、コングロマリット化、シティだけはちょっと大失敗をしましたので違う方向に行きました。それを強く言われているんだと思いますけれども、ほかのJPモルガンにしろ、BOAにしろ、欧州系の強いところにしろ、これはまさにコングロマリット化を進めております。
 例えば、私どもがモルガン・スタンレーと資本提携をして戦略的アライアンスをやりました。これは何かというと、モルガン・スタンレーにとっても私どもと組む価値は非常にあるんです。これは、我々の商業銀行機能というのは向こうはないわけですから、逆に投資銀行機能としてモルガン・スタンレーは世界のナンバースリーに入る力を持っていると、これを融合するアライアンスによって、グローバルベースで本当に勝負したいという気持ちであれはやったわけで、コングロマリット化が逆方向だという意見には私はくみしません。大きい方向はそちらに行っておると。ただ、いろいろ反省すべきところがあるから、これはちゃんと正すべきは正すべきであるということだと思っております。
 以上です。

○大門実紀史君 終わります。
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