国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2009年4月23日  消費者問題に関する特別委員会
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 金融被害とか消費者問題をやってきた議員の一人として、消費者庁法案が、一時はどうなるかと思いましたけど、ちゃんと全党で修正が行われて無事参議院に来たということを大変うれしく思っているところでございます。
 参議院の審議は、更に参考人の方々の意見あるいは公聴会を開いて、何がまだ足りないのかということを十分聴きながら、きちっとした的確な審議をやっていくべきだと思います。ただ長々やればいいというものでもないなと。どこかできちっと仕上げて、あとはスタートした中でつくり上げていくということも大事じゃないかなというふうに思っているところでございます。
 今日は最初で時間も短いので、ちょっと全体的な点を聞きたいと思いますが、資料をお配りいたしました。消費者庁及び消費者委員会組織図ということでございます。右上の方に消費者政策会議ということが書き込んでありますけれども、これは、実は内閣府が配る資料には通常これは載っておりません。私の方で書き込んだものでございます。
 まず、ちょっと説明していただきたいんですけれども、この消費者政策会議というのはどんなメンバーで何をやるところなのか、説明してくれますか。

○政府参考人(内閣府国民生活局長田中孝文君) お答え申し上げます。
 消費者政策会議は、消費者基本法第二十七条に基づき内閣府に置かれた会議であり、構成メンバーは、内閣総理大臣が会長を務め、全閣僚及び公正取引委員会委員長がその委員となっております。
 同会議は、消費者基本計画の案を作成するほか、消費者政策の推進に関する基本的事項の企画に関して審議するとともに、消費者政策を推進し、各省庁が行う消費者政策の実施状況について検証、評価及び監視を行っております。

○大門実紀史君 この会議というのは、何か今まで役に立つことをしたことはあるんですか。

○政府参考人(田中孝文君) 最近の開催状況を近くから申しますと、これまでに六回開催されておりまして、第六回消費者政策会議は平成二十年七月二十五日開催で、このときは、基本計画の中で計画を毎年検証、評価、監視をするということになってございまして、平成二十年度の検証、評価、監視を行ってございます。四回、五回、六回は、毎年のこの検証、評価、監視の会議でございます。
 第三回、平成十八年三月十四日でございますけれども、悪質リフォーム対策に取り組む関係委員を設置するため、消費者政策会議関係委員会会議の設置要綱を決定してございます。
 以上でございます。

○大門実紀史君 いろいろ言われましたけれども、資料を読みますと既に各省庁がやったことを寄せ集めて報告書を作っているだけでございまして、会議も六回やったって、これは年に一遍でしょう。
 要するに、これは評価とか、消費者行政推進、その監視、評価とかをやると書いてありますが、要するに、何かこれはアリバイづくりでやっているだけで、本来、この会議がもっと機能していれば幾つかの問題になっている被害は防げたんじゃないかと思うんですよね。
 今思うのは、こうやって消費者庁、また消費者委員会ができていく中で、私はもうこの会議、実際にはこの会議は、大臣と、大臣が集まる会議といったって頻繁に開けるものじゃありませんから、幹事会というのがあって、事務次官クラスがやっているんですよ、各省の。
 だから、こういうのはもう、何というのか、特に今回の法案が成立した後というのは要らないんじゃないかと思うんですけれども、野田大臣、いかがお考えですか。

○国務大臣(消費者行政推進担当大臣野田聖子君) 率直に申し上げて、やはり一年に一遍では、今私たちが直面している様々な消費者被害に即時即応、対応できるかというとできないわけでありまして、それに関して、だからこそ全党一致で消費者庁という機動性のある行政組織をつくろうということになったわけで、また、この政策会議は、そもそもは消費者基本計画をチェックするという意味で、大所高所に立ってこれがちゃんと運ばれているかどうかというチェックをするための会議であると理解をしているので、それぞれ持分があるというふうに理解して、むしろこれからは消費者庁をバックアップしていただくような、そういう会議であってほしいなということは望んでおりますけれども。

○大門実紀史君 野田大臣、まだちょっとよく理解されていないんじゃないかと思うんですけどね、消費者基本計画作るんですよ、ここは。バックアップとか何かじゃなくて、ここが作っちゃうんですよね。今度どうなるかというと、消費者委員会は、基本計画作るときに、偉そうにですよ、この会議は消費者委員会に意見を言わせるというか、意見を聴くような立場なんですよ。
 だから、私が危惧するのは、アリバイづくりで何かやっている分にはまだかわいいものなんですけどね、これから消費者庁ができて消費者委員会が機能していくと、何かもう目の上のたんこぶといいますか、何も要らないんですよね。消費者庁が司令塔に、ちょっと聞いてくれる、聞いてくれる、ちょっと引っ込んでいなさいよ、あなた。消費者庁が司令塔になるといっても、こういうものがあったら司令塔になり切れないと思うんです。ですから、消費者委員会よりも上位に位置付けられる組織が各事務次官の集まりの組織になっちゃっていると、今の段階ですよね。
 したがって、何といいますかね、今までは何もやらなかった、看板だけで何もやらなかったんですけど、私が危惧するのは、消費者委員会が動き出すと、消費者庁が動き出したときに、メンバーがメンバーですからね。私は全部官僚みんな悪人だなんて思っていませんよ。しかし、どうしても省益とか、省庁の事務次官ですから、業界の立場も考えてとか、こういうものがここで反映されてくるというか、消費者行政推進の、何といいますかね、ブレーキになるとか、あるいはひどい場合は抵抗勢力みたいになってしまうと、そういう危惧を非常に感じるのがこの消費者政策会議なんですよ。
 したがって、もうこの機会にこれなくしちゃうと、基本法を改正してなくしちゃうというぐらいやった方がいいと思うんですけれども、一応。

○国務大臣(野田聖子君) まず、先ほどの基本計画についてですけど、消費者庁ができた暁には、消費者基本計画の原案作成を含めて、消費者政策会議の事務局を消費者庁の企画課が担うこととなると想定しているところです。
 それを踏まえて、消費者基本法では、消費者政策会議が消費者基本計画の案を作成しようとするとき、消費者政策の実施状況の検証、評価、監視についてその結果を取りまとめようとするときに消費者委員会の意見を聴かなければならないというふうにされています。
 ですから、消費者政策会議と消費者委員会の意見については整合性を取るための仕組みが整備をされることになり、消費者政策会議が各省の意向を受けて先生御指摘のように足を引っ張るような組織に成り下がるということはないと考えているわけであります。

○大門実紀史君 野田大臣は、後ろからペーパーを急に渡されて読んでいるからそう思うんですね。
 実際、よく考えてくださいよ。今度消費者庁が発足して、消費者委員会がいろいろ担っていくと。せっかく皆さんいい修正やられたわけですよね。頑張ってもらうわけですよ。そのときこんな組織があると、しかも基本法を作るんですよ、ここで。すべての上部に位置付いちゃうわけですよね。これはもう要らないんです。これ解散した方がいいと思うんですけれども、ちょっと通告しておりませんけれども、仙谷さんと吉井さんのお二人の意見を聞きたいと思います。

○衆議院議員(衆議院修正提案者仙谷由人君) そもそもの消費者庁をつくらなければならないという発想は、何といいますか、(発言する者あり)短くね。業者の育成官庁としての、そういう役目もこれ重要で残ると思うんですね、各省庁。それがしかし結果としてあらゆる消費者問題に関係するということで、消費者目線で行政を進める部分は別にないと、何か利害相反を一つの省庁が束ねて何かやるというのはそれは無理じゃないかというのが多分消費者庁構想のそもそもの原理だと思うんですね。
 この消費者政策会議というのは何をやっているのか知りませんが、総理大臣の官邸とか官房にいろんな対策本部とか何とか会議というのができて、ホッチキス官庁みたいな話になってくるので、これは、おっしゃるように事務次官の強力な彼らの事実上の権力を使ってのことになるとすれば、これ今事務局をどこが担当しているのか知りませんけれども、要するに重複したり混同したりなんかすることになる可能性が大とすれば、直ちにもうこの参議院で消費者基本法第二十七条に基づく設置を修正してやめてしまうと、なきものにしてしまうということは正しい方法だと私は思いますが。

○衆議院議員(衆議院修正提案者吉井英勝君) そもそも今回の法律は消費者行政の強化、一元化というのが最大のねらいでありますから、一元化に合わないもの、そういうものについては既に仙谷提案者からお話ありましたように、必要な措置というものは考えていくべきものであろうと思います。
 以上です。

○大門実紀史君 ちょっと話が大きくなってきましたけれども、すぐ法案修正しなくてもとにかくストップさせると、まず、こんなものはもう。ストップさせていくというのをやっぱり国会の意思の中で確認できればというふうに思います。
 ちなみに、この政策会議の事務局は内閣府の国民生活局なんですよね。これ、今後事務局はどうなるんですか、この政策会議。皆さんは消費者庁と両方やるんですか、事務局。どうなんですか。

○政府参考人(内閣官房松山健士君) 先ほど野田大臣からも少し触れさせていただきましたけれども、大門先生が配付されました資料で申しますと、消費者庁の組織の中に、左から三番目の課でございますけれども、司令塔部門に企画課という課がございます。この課の所掌事務として消費者政策会議の庶務ということで、先ほど来議論になっております基本計画の原案というようなものも含めてこの課が担当する方向で検討をいたしております。

○大門実紀史君 お聞きになったようにまだまだ混乱している。混乱しているというか、これから交錯していっちゃうかも分からないというか、なりかねないんです、この政策会議ですね。お分かりになりました。ほっといていくと危惧することも起こりかねないと思いますので、これは政策会議ですから、野田大臣もメンバーでございますし、総理が直接やられるということになるから、全体のこの流れとこの法案が通った後のことを考えると、ここの在り方ですね、政策会議の在り方についてよくお考えになって、危惧するようなことのないようにお願いしたいなと思いますが、一言。

○国務大臣(野田聖子君) そもそもこれは議員立法の消費者基本法の中で定められたものでございまして、そのときには今審議していただいている消費者庁という行政組織の存在が全くないときに、こういう形で当時の議員の皆さんの英知の中でこういう発想が出てきて、しっかりやれということだったと思いますけれども、今後はやはり皆さんのお力で消費者庁が生まれてくるわけで、そこでやはり全く新たな行政の動きが出てくる中で、今後、今までやってきたことを、そのときには消費者庁がなかったからこういう形を取ったけれども、消費者庁ができたことによって、例えばこういうことを増やさなきゃいけないねとか、こういうことは消費者庁ができるよねとか様々な動きが出てくると思います。
 ですから、さっき先生がおっしゃったように一日も早く創設していただき、運用の中でそういうことを対処していきたいなと思います。

○大門実紀史君 最後に一つお願いですけれども、まだまだいろんな部分が積み残しありますし、是非消費者団体の方々、昨日はユニカねっとがちょうど一周年でございますけれども、大臣よく御存じの、いろいろつくっていく中で更に更に、もちろん委員会としては参考人もやりますけれども、大臣としても現場の意見聞きながらつくり上げていっていただきたい、このことをお願いして、質問を終わります。
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