● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2008年5月27日  財政金融委員会(日銀報告に対する質疑)
“量的緩和策は異常”、日銀総裁にただす
○大門実紀史君 大門でございます。
 総裁としての白川さんには初めて質問をさせていただきます。
 以前から素朴で実直な方だなというふうに思っておりまして、確かに今日、大久保さんからございましたとおり、五千tの高級車には似合わないなというのも思いますし、お話がやっぱりちょっと眠くなるというところもあるかも分かりませんけど、私は、白川さんらしくやっていただければいいんではないかと、是非頑張っていただきたいなというふうに思います。
 御本も買わせていただきました。六千円という少々高い本ですけれども、その価値はあるなと。もうこんなに附せんを付けて、私が一番熱心に読んだんじゃないかと。もう図書館から借りている場合ではないと申し上げておきたいと思います。
 この本は、もちろん日銀総裁になると思っていらっしゃる前に書かれた本だと思いますので、余りこれを使ってどうのこうのと思わないんですが、白川さんらしい学者肌の非常に誠実なことが書かれているんで、これもちょっと使いながら質問をさせてもらいたいと思います。
 大変いい本だと思いますけど、今これ、何部ぐらい、何万部ぐらい売れているんですかね。

○参考人(白川方明君) これ、出版社がもちろん民間の会社ですから、民間の会社のことを私の立場で何か数字を申し上げるのは多分ちょっと適切ではないのかと思います。ただ、多分、先生がお持ちの本は第一刷りだと思いますけれども、今たしか第三刷りまで行っていると思いますので、この種の専門書としては思ったよりかは売れたのかなと思っています。

○大門実紀史君 私もあちこちで宣伝をしていきたいと思います。
 私なりの感想を述べさせていただきますと、とにかく分かりやすいですね。非常に分かりやすい本でございますし、もっと広く読まれていいと思いますし、非常に基礎から分かる金融政策みたいなことと、ちょっと実録的な日銀論みたいなものもありますし、大変もっと普及すべき、この委員会の指定文献ぐらいにしてもいいじゃないかと思うぐらい本当に思うんでございます。問題意識も、私がずっと速水さんから福井さんにわたって質問してきたところと重なる部分もありますし、もちろん違うところもありますけれども、本当に白川さんらしい本だなというふうに思っております。
 この白川総裁の本の前書きにもありますけど、やはりこの数年間は何だったのかということを私も同じように問題意識を持っておりますんで、今日は、個々の金融政策、これから何度もお聞きする機会があろうと思いますので、若干、この数年間何だったのかという総括的なことも含めて、基本的なこれからの総裁のお考えを聞いていきたいというふうに思うわけでございます。
 私は、白川さん、理事のときから御存じだと思いますが、基本的に日銀にずっと質問してきたのは、速水さんのときからそうですけど、日銀の独立性にこだわっていつも質問してまいりました。もちろん中央銀行と政府が協調するのは当然のことでございますけど、この数年間、かなりそれを超えたことがあったんではないかなと思って、心配も含めて質問してきたわけです。
 いろんな議論がありましたけど、要するに、財政支出はもうできないと、景気対策としても財政支出はできないから金融政策でやれと、日銀が少々無理なこともやれというふうな時代が続いて、一時は、言うことを聞かなければ総裁首だと言わんばかりの与党の一部の方の大変ヒステリックな質問がこの委員会の場でもされたのを強く記憶しております。その後、私が質問して、そんなこと、言うこと聞かなくていいという反論の質問を何回かした覚えがあるのがこの委員会での流れでございました。
 白川さんもこの本の前書きの中に、そういう時代とはおっしゃっていませんけど、とにかく今は冷静に議論ができるときになったとおっしゃっておりますけど、どうなんでしょう、振り返って、あのときはやっぱり冷静な議論がされなかったというふうにとらえていらっしゃるんでしょうか。

○参考人(白川方明君) 私は、まず最初に、私の、これ、日銀に入る前でございますけれども、本についての過分のお言葉をいただきまして、ありがとうございました。
 この今御紹介のありました本の序文とも関係しますけれども、私、金融政策の仕事に企画局というところの審議役としてかかわりましたのが二〇〇〇年の六月からですけれども、それから二〇〇六年の七月まで、これは最後の四年間は理事でございましたけれども、事務方として金融政策の仕事にかかわってきました。
 特に、二〇〇〇年から二〇〇四年、五年にかけて経済の情勢が非常に厳しかったわけであります。経済の情勢が厳しい、具体的に申し上げますと、不良債権の金額が非常に多い、銀行は不良債権の問題に直面し、それから物価上昇率も、これをどう評価するかについては様々な議論がありますけれども、これが若干のマイナスという事態が長く続いたわけであります。企業は三つの過剰に直面する大変厳しい状況でありました。
 経済が大変厳しいそれまで経験したことのない事態を経験しますと、当然、金融政策についてもいろんな議論が行われて、日本銀行として、もちろん日本銀行の中にもいろんな意見はございますし、最終的には合意の上で結論を出していくわけですけれども、金融経済の専門的な立場から見た場合に、私自身として必ずしも納得できない議論もこれは行われたというふうに思います。そういう意味で、ただ、これはどっちかが間違っているとかどうだということではなくて、別に論争をすること自体に意味があるわけではなくて、最終的に物価安定の下での持続的な経済を実現するということでの議論であったというふうに思います。
 中央銀行としては、組織に蓄積された経験なり知識と、それから何よりも現実、毎日の金融市場を見て、そこで我々自身が判断したことを、これをきちっと物を言っていくということがやっぱり大事だというふうに思います。
 さっき、冷静という言葉をちょっと引用されましたけれども、どうしても経済の状況が厳しいときには目先の政策の方に議論が集中していく。これはこれでもちろん日銀にとっても大事なことなんですけれども、ただ、少し経済の状況が回復しますと、改めて中央銀行の在り方とか政策の在り方を議論することが可能になってくる。それを冷静に議論をすることができる状況になったという言葉で表現をしております。
 以上でございます。

○大門実紀史君 私は、確かにあのときに比べたら今は随分冷静な議論といいますか、当たり前ですけれども、されるようになってきたなというふうに思っておりますけれども。
 そういう時代が続いた中で日銀は、やはりそういう与党の圧力といいますか、政治的な環境といいますか、そういうものに一定譲歩せざるを得ず、もちろん、むちゃくちゃな議論がありましたですね、株そのものを買えとか不動産まで買えというような、そういうものは拒否されましたけれども、やはり一定譲歩をされて、私はいつも指摘しましたけれども、量的緩和そのものがおかしいとは申し上げておりませんが、異常な量的緩和、あるいは銀行が保有している株式まで買い取ると、そういうところは踏み込んだといいますか、やはりちょっと違うところまで行かれたんじゃないかなというふうに感じているところでございます。
 もう一般論で結構ですが、これからのために原則的なことでお聞きしたいんですけれども、御本の中にもあります金融政策の失敗の原因の一つとして時間的非整合性と。私、この本、読ませてもらって初めて分かりましたけれども、なるほどなと思いました。まだ読んでいない方がいらっしゃると思うので、この時間的非整合性、これについて簡単に説明していただけますか。

○参考人(白川方明君) 時間的非整合性という言葉自体はいろんな文脈で使われますけれども、この文脈で申し上げたいことは、要するに、目先の景気を浮揚するということをねらって過度な金融政策を行いますと、例えば、足下物価は安定している、景気を良くする、例えばバブルのときがそうですけれども、そういうときに、目先の物価が安定しているということでずっと金融緩和を続けていきますと、結果として経済が大きく過熱し、バブルが拡大し、崩壊をしていくと。そうすると、長い目で見て結局、物価安定それ自体も実現していかないと。つまり、短期的な利益に余りにも焦点を合わせて政策を行っていきますと、長期的に見て実は望ましくない結果になってくるということで、それを経済学者が時間的非整合性という言葉で表現をしている。これは昔から、難しい言葉を使わずとも、皆さんが物価安定が長い目で見て大事だということを多少学問的な言葉で表現したということでございます。

○大門実紀史君 そうですね、別にこんな難しい言葉を使わなくていいわけですが、あのときにやっぱり、率直に申し上げて、株価対策のために日銀も力貸せというふうな意見はあったわけですね。私は、まさに今おっしゃった、目先の利益のために全体を間違う、そういう議論がされたんではないかと思います。
 もう一つ、いいこと書かれております。次のページ、九十六ページですけど、政府や議会との関係についても、短期的な利害に基づく圧力が掛からないよう法的枠組みを設計することが重要となるというふうに書かれております。
 先ほど、午前中に尾立先生が出された資料、私も同じ資料を用意したんですけど、もう中身は触れませんが、日銀の独立性、外国に比べて高くないということがもう既に議論されました。それを踏まえて、やはり私は、この数年のことを思うと、一般的な外国と比べてではなくて、この数年の経験を踏まえると、やはり白川総裁がここの御本に書かれているように、こういう短期的な利害に基づく圧力が掛かりやすいと、政治から。これに対してやっぱり法的枠組みを設計することは私は必要だと思います。もちろん、今の立場でそういうものが必要ですとおっしゃるわけにいかないと思いますが、学者としてはそういう問題意識を持たれたんだと思います。
 まあお聞きしても午前中と同じ答弁だと思いますから求めませんですけれども、そういうところが今後大事になっていくのかなと、この本を読ませてもらって感じたことでございます。
 具体的な話で、日銀の私は問題視してきました大量の国債の買いオペの問題でございます。
 これは、原則論としても書かれておりますが、要するに、日銀の独立性を保つためには政府に対する与信を与えるということは基本的にはすべきでないということが原則ですよね。にもかかわらず、国債というものを買って政府に対して与信を与えるという、結果的にはそういう政策が取られてきたわけでございます。
 これは、御本の中、一々もう指摘しませんけど、量的拡大の効果という点で幾つかの点で白川総裁、評価されておりますが、私が申し上げたいのは、量的緩和そのものというよりも異常な部分、もう買い過ぎだと私は思ってきたわけですが、その買い過ぎの部分も含めて効果が、本当にここまで買う必要があったのかどうかという点ではいかがでしょうか。

○参考人(白川方明君) まず最初に、量的緩和政策の効果でございますけれども、今時点でどういうふうに評価するかということでございます。
 量的緩和政策を始める時点では、これは初めての政策ですから、決定をしたときの議事要旨にも書いてございますけれども、効果を検証しながらこれを進めていくということで取り組んでまいりました。
 量的緩和政策の経験を踏まえて現時点でどう評価しているかということでございますけれども、金融機関の流動性に対する不安を払拭しまして、極めて緩和的な金融環境を提供することを通じまして景気回復の基盤を整えるという効果はこれは発揮したというふうに思っております。これ、大変異例な政策ではありましたけれども、現実にあれだけ大規模なバブルが崩壊をしてしまい、厳しい日本の経済、それから金融システムの状況に照らしますと、量的緩和政策の枠組みそれ自体は必要かつ適切であったというふうに今では考えています。
 ただ、この政策をじゃどこまで進めるのが適当であったかということでございますけれども、今申し上げたとおり、金融システムが現実に不安定になっているときには、あれだけ量を出すこと、あるいはゼロ金利にすることというのは意味があったわけでありますけど、逆に言いますと、金融システムの不安定性が後退した後とか、あるいはいわゆるデフレスパイラルの縁に立たされたというような状況が後退した後ももしこれを長く続けますと、今度はその副作用というものも出てまいります。
 この副作用というものを考えてみますと、一つは、金融システムのショックに対する耐久力というのが結果として弱くなってしまう、将来何らかのショックが起きた場合に逆に耐久力が弱くなってしまうということが一つと、それから人々が過度にリスクテークに積極化してしまうということも可能性としては意識されます。
 日本銀行としては、そうしたことも意識しながら、最適のタイミングで量的緩和政策を解除をしようというふうに努めました。ただ、これをどういうふうに評価するかということは、今回私が書きました本も含めてですけれども、これ、学問的にしっかり検証していくという話でございますから、私自身がここでそれ以上立ち入った評価をすることは適切ではないというふうに思っています。
 それから、長期国債の買入れでございますけれども、これ、この本でも多少書きましたけれども、中央銀行のバランスシートを考えてみますと、右側には負債、つまり銀行券と当座預金がございます。負債があるということは、当然それに見合って何かを買わないといけない、何かを保有しないといけないということであります。
 今もそうですけれども、中央銀行の負債として一番大きいものは、これは銀行券でございます。今金利が非常に低い金利でございますから、銀行券の発行残高が非常に高い水準で推移しております。これ自体がどんどん増えているわけではございませんけれども、今名目GDP対比約一五%でございます。日本銀行、百二十年強の歴史がございますけれども、過去百年近くの平均値計算しますと、大体これは八%、平常時は八%。銀行券のこの比率は極めて安定した数字でございますけれども、今は金利が非常に低いことと、それから、かつて金融システム不安が発生して、いったん銀行券が出てしまったものがなかなか戻ってこない、これは銀行の預金金利が高くありませんからどうしてもそういうふうになるわけですけれども。したがって、銀行券がたくさん滞留しているわけであります。
 そのときに、じゃ、左側の資産で何を買うかということになりますと、民間の資産を買うかあるいは国債を買うかということになってまいります。つまり、中央銀行としては、安全性、流動性、中立性等を考えて一番いい資産を、望ましい資産を買うわけでありますけれども、今言った基準に照らしますと、全体としての流動性に配慮しつつ、国債というのが最も自然な選択だと思います。そのときに、政府から中央銀行が国債を直接買いますとこれは引受けになりますから、これは非常に危険な道であります。したがって、引受けは行っておりません。あくまでも市場から、市場のふるいに通したものを買うということを行っています。
 問題は、買い入れる国債の量が適切かということでありますけれども、先ほど申し上げたような銀行券の発行量が現実に非常に高い水準であると。それから、量的緩和の中で当座預金の残高も増えましたから、それに見合って長期国債を購入を増やしたということでございます。
 ただ、実は長期国債といいますと、非常に期間の長い国債というイメージになりますけれども、実際にはこれは期間が一年超の国債をすべて長期国債という名前で呼んでおります。現実には、期間が一年超の中で、金融機関が様々な期間の国債を持ち込みまして、この量的緩和期も平均的な残存期間は実はそんなに長いものではなくて、期間によって若干違いますけれども、三年前後、三年から四年ということでございました。
 これはFRBもそうですけれども、国債全体としての流動性、つまり期間のばらつきを考えた上で、いつでも国債がいざという場合にはこれは売却をできるとか、いざという場合にはこれ償還で減ってくるということ、そういう状況を全体として保てるように維持してまいりました。
 長期国債の問題は、これは結局、量的緩和政策をどのように評価するかということとイコールではございませんけれども、かなり関連した問題であり、その中で我々としては十分中央銀行の資産の健全性にも配慮しながら運営をしてきたということでございます。

○大門実紀史君 よく分かりました。できるだけこれから答弁は簡潔にお願いしたいと思うんですけれども。
 ただ、負債と資産で説明されるのはちょっと意外かなと思っております。負債が増えた原因そのものが元政策にあるわけですので、それを言っちゃうとどんどんどんどん買わなきゃいけなくなりますので、ちょっと違うのかなとは思っておりますが、今現在はどうなっているかというのを二枚目の資料でお配りいたしましたが、今も実は国債買いオペは変わらない規模で続けられております。ところが、買いオペを続けると日銀の保有国債残高というのはどんどん増えるはずなんですが、保有残高はどういうわけか減っております。この仕組みを簡潔に説明してもらえますか。

○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 先生からいただいた資料を確認いたしますと、私どもが持っております長国の残高は十八年三月末で六十・五兆、十九年三月末で四十九・二兆、二十年三月末で四十六・九兆ということでありまして、減少しておるわけでございます。
 実は、私どもでは、私どもが持っております国債の満期到来時の取扱いについてルールを決めております。一つは、長期国債の満期到来時には割引短期国債による乗換えを行うということを一つのルールとしております。それからもう一つは、割引短期国債の満期到来時には基本的に現金償還を受けると、このようなルールを定めております。
 この二本立てでルールを作っておるわけでありますが、こうした取扱いの下で、近年日本銀行の保有する長国が今、先生の資料にありますとおり減少しておるわけでありますが、これにつきましては、一つは日銀の長期国債の買入れにおきまして残存期間の短い国債が多く含まれておるというような実情が一つあります。したがいまして、保有長国の満期到来額が多額に上ると、こういう現象が起きているということが一つであります。
 それからもう一つは、国債整理基金が買入れ消却を行っておりまして、これに際して財務省から要請が私どもにありまして、その要請に応じて国債整理基金に対して国債売却を行ったと、こういったこともありました。これらが相まって私どもの国債保有残高が減ってきておるというのが実態でございます。

○大門実紀史君 大変うまいやり方だなといいますか、さすが専門家だなと。買い続けても残高が減ると。しかし、私そもそも疑問なんですけれども、なぜ同じ規模で買い続けなきゃいけないのかと。これは、率直にいうとあれですか、国債の利回りを安定させるために買いを減らすわけにはいかないというふうな事情でもあるんでしょうか。

○参考人(白川方明君) お答えします。
 今現実に非常に金利水準が低い下で、銀行券の発行残高は非常に高くなっております。その中で資金をじゃ、どうやって供給するのかということを考えた場合に、もしこれを、長期国債の買入れを全くやめますと、今度は毎日毎日短期の資金供給をもう連日物すごい量で頻繁にやらないといけません。ある程度の期間を取ってみて、銀行券の残高がかなり高水準であると、ございますと、そういう長期的、安定的な言わば負債に対応してある程度期間を持った国債で買い入れませんと、先ほど申し上げたようなオペレーションになってしまうということでございます。

○大門実紀史君 私はこの数年間、余りにも異常な量的緩和を、特に小泉内閣のときですね、進めた背景にはいろいろあったと思いますが、財務省の意向もあったのではないかと実は思っておりまして、当時は国債の市場価格が下落していたので、機関投資家がリスクは高いけれどもといって社債の方に流れる傾向があったと。そうすると、国債消化に困る、消化に困るということで、財務省は日銀に国債支えてほしいというような意向を幾つかの人から聞いたことがあるものですから、そういう面でそういうことにまた日銀が使われるのかという危惧を当時抱いたものですから、今ももしそういう役割を果たさせられているとしたら、違うんじゃないかなと思ったので、そういうことのないようにしてもらえればと思います。
 この数年間の総括的なことでいえば、どうしてもお聞きしなきゃいけないのは、中央銀行の信頼を著しく低めた前総裁の村上ファンドへの投資の問題でございます。白川さんはもう見るからに身ぎれいな方だと思いますけれども、あの件は、ああいうことは二度とあってはいけないことだし、世界の中で中央銀行として大変恥ずかしいことだったと思いますが、あの件について白川さん、いかがお考えでしょうか。

○参考人(白川方明君) 私、これ所信、副総裁の就任のときに、これは、あれは衆議院でしたか、でも申し上げたことの繰り返しになりますけれども、まず福井前総裁のファンドのことでございますけれども、前総裁のファンドへの投資につきましては、これは民間企業在職時に当時の村上氏の理念に共感して行ったものだというふうに聞いております。
 総裁就任後も保有を続けたわけでありますけれども、そのこと自体は改正前の日本銀行の内規に違反するものではなかったというふうに承知しております。ただ、その後、村上氏が違法と疑われるような取引に手を染め、結果として、福井前総裁の村上ファンドへの投資が多くの方々から御批判をいただくことになったということは大変残念に思っております。
 私自身は、日本銀行の今の規程がしっかりございますので、その規程に従ってすべて対応していきたいというふうに考えています。

○大門実紀史君 今までいろんな総裁といいますか、速水さんなんかは少し反骨的なところがあったり、福井さんはちょっと軽いなと思ったり、いろんなことがありましたけれども、私は本当に白川さん、今日申し上げたとおり、学者らしい実直さといいますか、信念を堅持して頑張っていただきたいというふうに申し上げて、今日は質問を終わります。
 ありがとうございました。
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