■2001年11月28日 災害対策特別委員 |
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 私は、三宅島の被災者の方々の生活支援について質問したいというふうに思います。 従来、この被災者支援の問題では、国としてはなかなか個人の資産にかかわるものについては、今もありましたとおり云々だとか、また何といいますか、一般国民との公平性の問題があるというようなことも含めて、もう一つはやっぱり前例を余りつくりたくないというふうな非常に官僚的な対応があったりもしてきたところだと思います。 私はこの三宅島の問題というのは、例えば経済産業省が三月三十日に、これは後で触れますが、事業者の借入金についての非常に行き届いたといいますか、私は非常に評価しているわけですが、その据え置きあるいは利子補給、無利子になるまで利子補給するというふうな措置をされた文書の中にこういうふうな表現を経済産業省としてされているんです。「三宅島の被災中小企業者の置かれているこのような深刻かつ特殊な状況に鑑み、臨時異例の措置として、」今申し上げたことをやるんだと。 私は国の姿勢も少し変わってきたのかなと。例えば、自治体では鳥取県の片山知事の住宅支援を初め、あるいは雲仙・普賢岳、有珠山での生活費に対する支援といいますか、そういうことも行われていると。全体の中では地方自治体の方が先行していると思いますが、国の姿勢もこの経済産業省の文書を読ませてもらって非常に変わってきたなという気もしているところです。 三宅島といいますのは、この経済産業省の表現をかりますと、「臨時異例の措置」の中でも異例中の異例だというふうに私は思うんです。なぜかといいますと、ほかの被災地も大変なんですけれども、特に三宅島はみんな島にまだ戻れないと。つまり、復旧のスタート地点にまだ立てない状況ですね。つまり、ゼロ地点にも立てない、マイナスのところで、まだ戻れない、戻る展望もないというふうなところで非常に大変な状況だというふうに思うんです。 そういう点では、国の姿勢としてこの三宅島の被災者支援の問題というのは、経済産業省じゃありませんけれども、全体としてやはり特別の取り組みといいますか、もう余りぐだぐだ公共性だとか私有財産とかいろんなことを言っていないで、急いで緊急にいろんなことに取り組むというふうな姿勢が求められているんではないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。 ○国務大臣(村井仁君) 三宅島は全島避難以来一年を超えて、そしていまだに一万トンないし二万トンの噴煙といいましょうかガスが出ているというような状態で、いつ戻れるという見通しも立たない非常に異例な災害であることはもう委員御指摘のとおりでございます。 そういう意味で私どもとしましても大変懸念をしているところでございますが、御案内のとおり、私どもとしましては、いつでも戻ることができるように、今できるインフラの整備、こういったところはいろんな形でやっているところでございまして、既に十分この委員会でも御認識をいただいているところだと思っております。 今御指摘のございました中小企業庁でございましょうか、そこが出しましたことについて、これはもう私の私見でございますが、あえて若干申し上げさせていただきますと、いわゆる経済産業省、中小企業庁のやっております行政、これは私の直接の所管ではございませんが、たまたま私の過去の経験から申し上げさせていただきますと、補助金行政というよりはいわゆる貸し付け、要するに金を貸し付けるという形の行政でございます。そこで金利を低減するというようなことでございまして、債務を免除するというようなことはしていないんですね。それは臨時異例で金利の減免はするかもしれませんけれども、そこにとどまっている。そこはやはりいわゆる経済合理性の範囲内でいっているんだろうと思います。そこはまたそれで一つの判断ではないか、こんなふうに思います。 ○大門実紀史君 きょうはいろいろ取り上げたい問題があるんですが、時間の関係で一つに絞って御質問したいんですが、今の経済産業省、中小企業庁でやられている事業者向けの債務の負担軽減というのは地元の方々にも大変喜ばれているわけなんです。ところが、もう細かく触れませんが、今避難されている方々の生活状況というのは非常に苦しい状況にあるという中で、今一番切実な問題になっているのが、もちろん有珠山とか雲仙・普賢岳のような生活支援という形も強い要求になっているんですが、とにかく今は毎日が大変だ、毎月が大変だという中でいかに支出を減らすか、負担を減らしてほしいかという点でいきますと、同じ債務でも住宅ローンの問題がかなり皆さんにとって重い問題になっているというふうに伺っているところなんです。 この点では、同じ債務でも事業者の方は据え置き、無利子になるまで利子補給するということで、かなりもうしばらく返済しなくていいわけですよね。もちろん後のことはまた別として、とりあえず助かっているわけですよね。住宅ローンはもう容赦なく毎月銀行から引き落とされているというふうな状況が今続いているところです。 一つだけ伺ってきた例を申し上げますと、これは避難されている方で小林さんという方なんですけれども、この方は平成八年に中古の民宿を三千六百万で購入されて、これは地元の信用組合との相談で住宅ローンとして一千八百万、民宿ですから自分も住まれますので、事業ローンで一千八百万という借り入れをしたと。当然平成十一年までは毎月二十六万円ずつ返したわけですけれども、ああいうことになりまして、今実際には、先ほど言いました事業ローンの一千八百万は今返さなくていい状況になっているんですが、住宅ローンの一千八百万は今の状況でも返さなきゃいけないと。収入は、この方でいいますと、前は五十万円ぐらいあったんですけれども、今は二十万プラスアルファぐらいなんですよ。その中でも九万円ずつ今返さなきゃいけないという大変苦しい状況になっているんですね。この方でいいますと、五人家族ですから、二十万少しの収入で九万円もローンを返済したらどうやってやっていくのかという非常に切実な問題になっているところです。 それで、私は国土交通省に伺いたいんですけれども、今、三宅島の方々の住宅ローンに関する負担軽減措置はどういうふうになっておりますか。 ○政府参考人(三沢真君) 三宅島で被災された島民の方々に対しまして、被災状況に応じまして、一つは返済金、これは元金と利息と両方でございます、その払い込みの据置措置がございます。これは罹災状況に応じて一年から三年までの据置措置でございます。それからもう一つ、全体の返済期間の延長、これも一年から三年という期間でございます。それから、返済期間中の金利の引き下げ、こういった返済方法の変更によって軽減措置、特例措置を講じているところでございます。 ○大門実紀史君 今のは住宅金融公庫の方ですね。民間の方は何もないですね、今の時点ではありませんね。 まず、住宅金融公庫の負担軽減措置について伺いますが、三宅島で公庫を借りている人が今四十一名いらっしゃって、この軽減措置を受けている人は八人なんですね。二割しかこの公庫の負担軽減措置を受けておられないんですが、つまり八割の人は受けていないということなんですね。皆さん切実だから本当は受けたいはずなんですけれども、なぜ二割にとどまっているか調査されましたか。 ○政府参考人(三沢真君) これにつきましては、公庫を利用されている方が四十一名いらっしゃいます。このすべての方について、個別にいろんな形で返済相談なりをしていただいているところでございます。 これはちょっと明確なアンケート調査という結果としては出ておりませんけれども、おおむね受けていない方の感じは、大きく分けてこんな感じかということでございますけれども、一つは、こういうのを受けたい気持ちはあるんだけれども、現に収入は減っていないので適用にならないからこのままでいこうというような方々がいらっしゃる。 それからもう一つは、仮に特例措置を受けたとしても、据置期間でございますので、その期間中は元利を払わなくていいわけですけれども、しかし将来は結局やっぱり返済しなきゃいけないと。だとすると、返済できるうちは今の条件で返済をしていこうかというような感じの方々等、おおむねこういう感じだというふうに承っております。 ○大門実紀史君 この問題は感じじゃ困るんですよ。現地の方々が困っているんだから、なぜ受けてもらえないのか、なぜ皆さん応募されないのかと、ちゃんと調査をするべきですよ。私の方で調べましたけれども、そういう感じの話じゃないんですよね。 経済産業省、中小企業庁にお伺いしますけれども、先ほどの事業者ローンの借入金の据置措置あるいは無利子にしている利子補給というのは、これは将来的な話ですけれども、結局は返済総額はふえるんでしょうか、それともふえないんでしょうか。 ○政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。 私ども中小企業庁としては、積極的な支援措置、被災中小企業者の方々への積極的な支援措置を講じてきているところでございますけれども、その中でも先生御指摘の、本年三月末に臨時異例の…… ○大門実紀史君 ふえるかふえないかでいいです。 ○政府参考人(小脇一朗君) 私ども無利子化措置をとっておりますので、その分についてはふえないといった状況でございます。 ○大門実紀史君 では、国土交通省に伺いますが、今の住宅金融公庫の若干の軽減措置というのは、結局、将来は返済総額はふえるんでしょうか。 ○政府参考人(三沢真君) これは、将来、返済総額は若干ふえます。例えば…… ○大門実紀史君 それだけでいいです。 使われない理由は幾つかあるんですけれども、一つはそこなんですよ。そこなんです。使わない三十三人の方のうち、もちろん公務員の方は収入は減っていませんから、減っていない方はいますからね、公務員含めてね、そういう方は別に返せるだけ返しておこうと。それで使わないというのはありますけれども、それ以外の方は、要するに将来、返済総額がふえてしまうなら、今の時点では貯金を取り崩してでもとにかく払っておこうという気持ちになるんですよ、当然。貯金があればね。本人が考えればそうでしょう。その使っている方八人というのは、貯金を取り崩して払うということはできないから、できないでもう使わざるを得ないという状況なんですよね。 つまり、本当に役に立っていないんです、この制度というのは。経済産業省のやられているような、本当に臨時異例の措置ということでやっているようなものじゃないんですよ。 もう一つ、私、きのう資料をもらって夜、家でちょっと計算してみたんですけれども、この軽減措置そのものが非常に欠陥を持っていると申し上げなきゃいけないというふうに思うんですね。 ちょっと算数になりますけれども、数式がありますよね、罹災比率を出す。分母が一年間の収入で、分子に収入減プラス資産の減少ですか、これを加えて罹災比率を出すんですけれども、要するに結論から言いますと、一般の、一般のというのもなんですけれども、今不況で大変ですけれども、普通に失業された方がいわゆる新特例といって今猶予措置がありますよね、住宅ローン返済の。あの方にも今制度があるわけですけれども。 この被災者、特に災害の被災者に向けての制度であるにもかかわらず、例えば収入が一千万円だった方が三百万に減った場合、これは単純にお手元の算式で計算できると思いますけれども、どちらが軽減されるかというと、普通にといいますか、普通の失業している方の方が実はこれ計算すると負担が軽減されるんです。仮に一千万から三百万に減った方、これは数字は違ってもいいんですけれども、私、計算したんですけれども、要するに普通に失業した方が新特例で住宅ローン返済の猶予措置を受けた場合は、五年間据え置きで、金利は、これはいつ借りたかによりますけれども、最低でも一%、一%から三%ぐらい軽減されるんですよ。 ところが、三宅島の方あるいはその被災者の方がこの住宅金融公庫の軽減措置を受けた場合は、これはこの数式の矛盾なんですけれども、上限が罹災率が六〇%以上になっている関係があるんですが、結論だけ言いますと、据え置きは三年、金利が下げてもらえるのは一・五%。これは大きな矛盾なんですよ、この住宅金融公庫の軽減制度そのものが持つ。 これはなぜかというと、ちょっと算数ですけれども、要するに、分子の二つ足すうちの右側の住宅復旧にかかる資金というのが関係ないんですよ。そこのところに計算が行かないんです。要するに、収入の減だけで適用される数字に六〇%だからなってしまうんです。 したがって、被災者には被災者だからという特別の意味がない制度になっていると。あえて言うならば、収入が一銭も減らないで家だけ壊れたと、こういう人には若干は使えるかもわかりませんけれども、実態に全然合わないんです、この住宅金融公庫の軽減措置。いかが思われますか。 ○政府参考人(三沢真君) 先ほどの、失業者等に対して講じている返済措置の特例措置、新特例との比較で申し上げますと、一つは、新特例は、特例措置の内容が、これは据置期間がございますけれども元金の据え置きでございます。こちらは元金、利子ともに据え置くというふうなことでございます。 もう一つは、先ほど先生、金利のその間の低減が非常に大きいんじゃないかというお話がございましたが、公庫はいわゆる法定上限五・五%というのがございます。それで、五・五を借りている方について五%まで下げられると。ですから、新特例は〇・五まで下げられるという制度でございます。これは、それが上限一・五まで下げられるということ。 それから、先ほど新特例は五年間じゃないかとおっしゃいましたけれども、こういう金利の低減措置が受けられるのは最初の三年間ということでございますので、新特例よりこちらの方が劣っているということはないというふうに認識しております。 ○大門実紀史君 それは後で、帰ってよく計算してみてください。そうならないです。新特例の方が有利になります。 要するに、私が申し上げたいのは、災害で被災者になる方というのは、何度も言うようですけれども、本当にもう異例なんですよね。臨時異例なんです。それに対してほとんど何も手当てがないと、住宅ローンに関して言えば。だから使われていないんだと思うんですよね。 その点は、やっぱり根本的にこの住宅ローン問題を、国土交通省として金融公庫の関係はぜひ再検討してもらいたいというふうに思います。 もう一つは、もっと大きな問題は民間の方、民間金融機関から借りている住宅ローンですけれども、これについては内閣府の方でお答えいただくようになると思いますが、先ほどの、何度も言うようですけれども、経済産業省の方は、東京都がやっているわけですけれども、民間金融機関にも据え置きのお願いを出して、その利子補給を村と東京都がやっているというような非常に積極的な措置をされていますけれども、この住宅ローンの民間の部分について言えば何も今のところ措置がないということですが、これはぜひ検討される必要があるんではないかと思いますが、これは内閣府ですか。 ○政府参考人(高橋健文君) 民間金融機関からの住宅ローンですが、これは私的な経済取引でございますので、これそのものにいろいろ返済の猶予だとか金利の引き下げを要請することはなかなか難しいと思います。 しかしながら、今、東京都が三宅の島民の方の生活実態の調査をやっておりまして、その調査がまとまった段階で、東京都として島民にどういう生活支援が必要となるかというような話を持ってくることになっておりまして、そういったことを踏まえて、どういう対策が必要となるかということは東京都とよく相談していきたいと思っております。 ○大門実紀史君 今、民間の話だと言われましたけれども、事業資金だって民間ですからね。事業資金だって、民間のところに返済猶予なり据え置きなりを東京都として、これは中小企業庁も頑張られたと思いますけれども、要請して民間金融機関が応じているわけですから、住宅ローンは民間という話にならないんですよ。事業資金だってやっているわけだから、できない理由がないんですよね。 今おっしゃったとおり、間もなく村民の実態調査が出ますので、それを踏まえてぜひ前向きに検討していただきたいということを申し上げて、私の方の質問を終わります。 |
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