<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
本当に両先生、本当にありがとうございます、お忙しい中。また、恐らく急な要請だったんじゃないかと、失礼もあったんじゃないかと思いますけれども、しかも、こんな専門家の御意見を伺うに値するような法案なのかというふうに思っているんですけれども、先ほどから厳しい御指摘もありましたけれど、そういう法案にもかかわらず答えていただいて、本当にありがとうございます。藤井先生は、特にこういう政治的な法案に、かえって御迷惑掛けているんじゃないかというふうに思ったりもする中ですけれども、よく来ていただいたなと思っております。
実は、私の兄は、京都大学の防災研究所でおりましたので、こういう震災とかその研究をやっていて、地震の石原先生なんかと一緒にやっていましたので、藤井先生の雰囲気とかですね、私も付き合いがあったので、非常に、この災害とか防災をやられる研究者という方、地道に本当にふだんから研究されていて、本当に敬意を表しているところでございます。
そういう点で、せっかくですので、富士山のことについて聞きますけれども、富士山の火災災害警戒地域というのは、実際には山梨、静岡、神奈川ですかね、の三県の二十七市町村で、ただ、火山灰の降灰は、同地域越えて首都圏全体に被害が広がると言われております。
ただ本当に、先生のお話あったとおり、この対策が大変遅れているんではないかというふうに思います。大量の火山灰を、もし来たときですね、最終処分どうするのかということなんか決まっていませんし、除灰と言うんですかね、灰を取り除く、その必要な機材とかマンパワーも圧倒的に不足していると、いざというときのためにですね。また、あれですかね、水道の水質汚染も考えられるんですかね、悪化もですね、断水とか、先ほど先生からあった停電も含まれるわけですね。
そういう対策が遅れているのは事実なんですけれども、ただこれは、その首都中枢機能云々とは別の話で、以前の話で、各都市が備えて対応をやるべき話であって、今回の首都の中枢機能とか、ちょっと別のことではないかというふうに思うわけですね。
政府、内閣府の方も、直下型地震であっても中枢機能は維持されますと。その対策は今取っておりますし、一遍に、提案者の人たちが言うように中枢機能の大部分とか全部が失われるということはありませんと言っているわけですね。
この富士山の場合の噴火の場合も、富士山の噴火があったといって、大量のちりが、灰が、まあ何センチか来ることあるかも分かりませんが、首都の中枢機能の大部分とか全部が噴火の灰によって失われるということはさすがにないんではないかと思いますが、もしあるとしたら、その何%の確率なのか、藤井先生の御見解伺えればと思います。
○参考人(藤井敏嗣君) 確率で答えろと言われると、これは非常に難しい話です。先ほども申し上げたように、どういう噴火が起こるのかということが事前には分からないので、想定のしようがないというところがあります。
宝永噴火と同じようなことがもし起こったとしたら今の日本で何が起こるかということに関しては、見積りが既に中央防災会議のワーキンググループの方で出されておりまして、今おっしゃったように、水道も、電気も、あるいは交通機関も断絶するということはあります。
ただし、それは除灰がうまくいけばそれなりに復旧はできる問題でありまして、どこから手を着けるかということに関しては、いかに効率的にやるかということをあらかじめ考えておく必要があります。大ざっぱな見積りについては、先ほどの二〇二〇年の中央防災会議のワーキンググループの報告の中で除灰の仕方も含めて方針は書いてありますが、具体策までは考えておりません。
○大門実紀史君 おっしゃったとおり、いろんな対策とか対応についての、が遅れているのは確かなんですけれども、ただ、首都の、東京の首都中枢機能が全部とか大部分が失われるという話とは別だというふうに思うんですが、いかがですか。
○参考人(藤井敏嗣君) 首都機能の全部という、どこまでを全部というのかによると思います。
例えば、以前に北海道で起こったような、あの北海道の地震の際に起こったようなブラックアウトみたいなものが首都圏で起こったときには、そのときにどう考えるかですね。そのときにはほとんど首都機能が麻痺してしまうということに通じるかと思いますが、可能性としては、そういうことはあり得るということは先ほど申し上げました。電力を失うということはあり得ないわけではない。ただし、復旧はできないわけでもないというふうに思います。
○大門実紀史君 その復旧できるかどうかなんですね。
直下型の場合でも同じようなこと起こるわけですけれども、復旧は、復旧の対策を取っているというふうなことがありますので、ちょっと、この富士山の噴火をこの法案の前提に持ってくるのはちょっと無理があるんではないかというふうに委員会でも指摘したところでございます。
小原先生に伺いますけれども、お話あったとおり、先生の違和感というのがございましたけれども、大体、おかしいんですよ、この法案ですね、あっちこっち。で、なぜおかしいのかと思うと、最初から大阪維新が大阪を副首都にするためにいろいろ組み立てているんですよね。客観的に副首都はこうあるべきだという物差しがあって考えるんじゃなくて、大阪から考えていると、大阪を物差しに当てはめようとしていると、大阪を当てはめようとしているという、何といいますかね、それを答弁で、もう建前でごまかしてごまかしてやるから全然質疑が深まらないんですよね。
つまり、先生の違和感というのは、この今言ったところに実はあるんじゃないかと思いますが、実際どうでしょうか。
○参考人(小原隆治君) 政治日程が恐らく前提としてあって、それで急いで作りたいということでお作りになってきたのかなということはやはり感じます。
その違和感を感じる、混ぜるな危険の混ぜた部分に関しては幾らか和らぎましたけれども、最終的にはどうしても残ってしまっているので、これが残っている以上は、やはり大きな、違和感にとどまらず、これまでの法体系にとって、法的な安定性にとって持つ意味を考えると、大きく首をかしげてしまうということでございます。
○大門実紀史君 引き続き小原先生に教えていただきたいんですけどね、私、自民党と維新の議論というのは全然分からないんですけれども、当初、維新案としては、維新の案の中に、大阪市の廃止を決める住民投票を大阪府民全体でやろうというような案があって、これ、何か憲法違反になるような指摘もあって、自民党からもあったのか分かりませんが、それで撤回されたと。
これは、先ほど名称の話ございましたけれど、ちょっと地方自治法、私詳しくないものですから、この大阪市を廃止、決めるのを大阪府民全体でやるということが憲法に触れると、抵触するというのはどういう構図なのか、ちょっともし分かれば解説をお願いしたいと思います。
○参考人(小原隆治君) 大阪府に限らずでございますけれども、都道府県の名称変更する場合には、その都道府県民全体に関わることであるので、その単位で住民投票をするというのは全く理屈が通っている。
他方で、大阪、いわゆる大阪都を設置する場合には、大阪府と大阪市の存する区域に関して、大阪市を廃止し、そこに四つか五つ特別区を設置し、大阪府が制度としては都の機能を果たすという、いうことになるわけでございますけれども、では、そのいわゆる大阪都を設置することによって、制度上、大阪市、旧大阪市以外の大阪府民の方々が何か影響を受けるかというと、それはございません。ございませんので、その当事者としての資格といいましょうか、条件を持っていない大阪市民以外の大阪府民が大阪都にすべきかどうかということに関して住民投票をするというのは理屈に合わないということであって、それで、これを憲法第九十二条からいきなり持ってこようとするのはやや無理があって、強いて言うと、地方自治の本旨の中にはいわゆる住民自治の原則があって、住民に関わることは住民で決めるんだということであるから、そういう教科書的な理解でいうと、憲法第九十二条が一つ意味している住民自治に反するのではないかという、こういう議論の立て方ではなかったかと思いますが、繰り返しますけれども、九十二条違反というようなことが直ちに言えるわけでは恐らくないであろう、ただし、そもそも常識で考えて理屈が合わないという、いうことであろうかと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
これは地方自治法ということじゃないかも分かりませんが、小原先生の意見聞きたいと思うんですけれども、今回、基本方針を策定する前に先に副首都を指定すると、これがおかしいんじゃないかという意見がいっぱい出ていますけれども、これについていかが思われますか。
○参考人(小原隆治君) 繰り返しになりますが、様々な防災のバックアップとしての副首都という側面もあれば、多極分散をする、東京だけではない、東京一極集中ではない国土形成をするという、そんないろいろな要素が入っているというそういう問題もございますし、仮に、では、バックアップ機能ということで純化していい法律を作っていくんだとすると、では、バックアップ機能を果たすためにはどういう条件の自治体が副首都になるべきかという、その条件が幾つか並んでいるというのが当然であろうというふうに思います。
それで、今の大都市制度でいうと、政令指定都市というのは、現在横浜市中心に議論されている特別市ではなくて、戦後間もなくできた特別市の後釜として政令指定都市の制度というのができたわけでございますけれども、先ほどのお配りした紙にちょっと書いておりますが、その特別市というのは、やはりこれは指定をするのは特別法だと。それで、特別法で、では横浜市を特別市にするという法律を作る。そうすると、横浜市の住民がみんな投票するということになる。で、特別市というのはどういう権能があるということは、もう地方自治法で既に定められているということであったわけですけれども、そういう手続を取るのが、住民投票を最終的にするのがなかなかこれは大変だということで政令指定都市に逃げ込んだという、つまり政令で指定できるようになってしまったと。その意味では国会も関与できないということになってしまった。その制度ですら、その制度ですら、地方自治法、国会が関与できないというのは、その指定のことに関してを申し上げているわけですけれども、その根拠法となる地方自治法には政令指定都市に関して全く何の規定もないかというと、たった一言ですけれども、人口五十万以上の市はという規定がそれでもあるわけです。
今回の場合はそういうのすらなかなか見当たらないというところがあるので、それも御指摘のとおり、ちょっと大きな欠陥と言ってよろしいのではなかろうかと私は認識しております。
○大門実紀史君 今日も議論になったんですけれども、大阪都構想の、都構想についての住民投票と地方選挙と一緒にやるということについて、おかしいんじゃないかという意見もいっぱいあったんですけれども、それ先生、いかが思われますか。
○参考人(小原隆治君) 先ほども答弁させていただきましたけれども、争点が大きく重なっているということであればそれは理屈が通るであろうけれども、しかし、争点が必ずしも大きく重なっていない、またその片っ方の争点の方では世論が大きく分かれているという場合には、余計な判断材料を入れないために独自に住民投票をやるというのはそれは筋であろうと、法律の理屈であろうという具合に思います。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。