国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年6月24日 参議院 デジタルAI特 課徴金と差し止め訴訟について
<赤旗記事>

2026年6月25日(木)

課徴金制度 後退させぬ
個人情報保護法改定案 大門氏追及
参デジ特委

(写真)質問する大門実紀史議員
24日、参院デジタルAI特委

 日本共産党の大門実紀史議員は24日の参院デジタル社会形成・人工知能活用特別委員会で、経済界の反発を受け、個人情報保護法改定案で導入される違反事業者への課徴金制度が後退し、被害者救済の団体訴訟制度の導入が見送られた問題を追及しました。

 大門氏は、政府の個人情報保護委員会の専門部会の報告書(2024年)が情報を漏らさないための安全管理措置の義務違反を課徴金の対象としていたのに、法案は対象外にしたと指摘。消費者団体から個人情報漏えいの抑止力を大きく弱めるとの批判の声があがっていると突きつけました。

 課徴金は違反に対する罰金とは別に、事業者が個人情報漏えいで得た利益を剥奪する仕組みで、漏えいを抑止する役割もあると指摘。課徴金の機能をただしました。個人情報保護委員会の佐脇紀代志事務局長は「指摘と差異はない」と認めました。

 大門氏は、事業者が安全管理を怠って漏えいした利益も剥奪すべきだというのが消費者団体の意見だと指摘。安全管理措置義務違反を課徴金の対象外にすると、安全管理に費用をかけず力を入れない事業者がでてくると懸念を示しました。

 課徴金の対象を縮小したのは経済界の反対があったからだと批判。人権や消費者、個人情報の保護は経済活動と対立するものではないとし、「個人情報などの保護をきちんと行うほうが健全な経済発展につながる」と主張しました。

<議事録>(未定稿)

○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 松本大臣はほとんど答弁書読まないでお答えになってすごいなと、AIみたいだなと思っておりますけれども。そうすると、余り通告していない質問でもオッケーですよね、もう随分ありましたんで。
 本法案の懸念点というのは、生データが第三者に行ったところでの漏れとかプロファイリングというのはもう既に申し上げてきたところでございます。最後ということですので資料を配付させてもらいましたが、消費者団体の皆さんから上がっている声、懸念、要望に基づいて最後の質問をさせてもらいたいと思います。
 これ通告していないんですけれども、個人情報保護委員会、これ参考人でも結構なんですけど、個人情報保護法三年見直しの検討会がありましたけれども、今回初めて消費者団体の方を議論の場に加えたわけですけれども、今まで加えなかったのがなぜ今回加えられたのか、ちょっと教えてもらえますか。

○政府参考人(佐脇紀代志君) 三年ごと見直しの規定が入りましたのは個人情報保護委員会が設立された平成二十七年改正でございまして、それに基づく見直しは今回二回目でございますので、サンプルは二しかないのですが、いつも入れていなかったというわけではございません。
 前回は、ちょっと事情を振り返ってはおりませんけれども、基本的に、個人情報保護委員会の構成上、消費者に関連する、例えば相談員とかそういった活動をされている方が委員に加えなければならないというふうになってございまして、したがいまして、委員会で提案を練る中で、おのずとそういった委員の立場を通じて消費者あるいは消費者団体の御懸念なり御希望というものが反映されるという前提になっていたがゆえに、ヒアリングの過程で、例えば議事録に残る形で消費者団体を呼んでいなかったということが一つあろうかなというふうに想像されます。
 今回につきましては、より検討する内容の多様性ということを踏まえ、様々な、令和二年改正に向かったプロセスよりも多くの方々を、結果的にヒアリングなどの場で意見を聴取してきたということがあろうかと思います。

○大門実紀史君 お手元に配ったのは今回の法改正についての消費者団体の意見なんですけれども、かなり厳しいですよね、厳しいですよね。
 今おっしゃったように、いろんな消費者、個人情報保護の意見聴くためということで検討会に参加してもらったんだと思うんですけど、消費者団体の方々の意見というのは反映されたというふうな評価されているんでしょうか。

○政府参考人(佐脇紀代志君) 私ども、委員会での検討の場にもお呼びしておりますし、また、一昨年でしょうか、数回に分けて特別な検討会を立ち上げたときにも何名かの消費者団体の代表としての有識者として御意見を述べていただいておりますし、当然ながら、そういった方々を含めたこれまでのプロセスに関与いただいた方々の御意見を拝聴しながら政府としての提案をまとめてきたと、そのように承知しております。

○大門実紀史君 ちょっと具体的に聞いていきますね。
 まあ全部触れるわけにいかないんですけれど、最初に、第一にというところで課徴金のことが取り上げられております。要するに、検討会で議論して令和六年の検討会報告が出たんですが、そのときに比べて相当、大分後退しているという御意見ですよね。
 課徴金の役割を不当利得の剥奪と位置付け、悪質性ではなく利得の有無で判断するべきというふうに検討会報告では明確に整理していたのにそうなっていないということと、安全管理措置義務違反についても、本来投資するべきコストを回避しているという点で利得が生じているため対象にし得るというようなことが検討会報告では出されたのに、みんなで検討して出されたのに、法改正にはそれが後退しているという御意見でございます。
 要するに、改正案では課徴金の対象が悪質な事業者に限定されていて安全管理措置義務違反は対象外となったと、このことが大規模個人情報の漏えいの抑止力を大きく弱める結果になっているという意見なんですが、この点どういうふうに考えますか。

○政府参考人(佐脇紀代志君) まず最初に、委員御指摘の検討会でございますけれども、これは、令和六年の春頃出しました中間整理に基づきまして、特に課徴金と団体訴訟という論点にフォーカスを当てながら、関係する方々、有識者、あるいは事業者団体、消費者団体などを集めて検討したものでございまして、検討会に提示されている様々な論点は中間整理に示した論点が全て提示されているわけでございます。
 また、検討会が十二月に一旦の取りまとめをしましたが、その時点でも特段成案が得た形にはなってございませんでして、今申し上げた中間整理に対する様々な賛成意見、反対意見、専門家の意見というものを漏らすことなく書いたというのが検討会の取りまとめになってございますので、検討会で決めたことがその後の提案しております法律との関係で、一旦決めたのに除いたという格好にはなっていないことはまず申し述べたいというふうに思います。
 その上で、違反行為類型あるいは本人の数という観点で絞ったというのは先ほどからも御説明してございますが、やはり事業規模などを問わずにすべからく課徴金を課すとなりますと、抑止力の必要性が高い事案に対する監視、監督の行使に影響を及ぼすおそれがあるということから、それを絞り込んで、より迅速、機動的な対応ができるということで限定するということになったということがございます。
 それと、安全管理措置義務違反が対象から外しましたのは、一定の安全管理措置義務の内容をより具体的にガイドラインで示してはおりますが、結果的にどんな措置というのが、いわゆる課徴金で想定しているレベルの義務性があるのかということとの関係でいいますと、実際の執行の局面におきましてもやはりケース・バイ・ケースのところがございまして、他の第三者提供義務違反でありますとか不適正な利用の極端な場合の違反に比べますと、積極的な行為とは言えず、事業者の予見可能性を確保するには一段の検討が必要かということと、それと関係がございますけれども、やはりその結果、何を不当に、コスト、払うべきコストを節約したのかということの算定方法にも更なる検討が必要だと。そういったことから、成案を得ていく過程におきまして今回の対象から除いたと、そういった経緯でございます。

○大門実紀史君 私が伺っているのは、検討会の経過じゃないんですよ。消費者団体が議論に参加して、いろんな意見を言って、検討会の報告がまとまったと。で、結局、法改正とは乖離があると。これに対する政府と個人情報保護委員会の考えを聞いているんですね。
 もう少し言いますと、私は消費者問題をずっと取り組んできたので、課徴金というのはそもそも何だろうというのがありまして、単に違反したから罰金というんじゃないんですよね、課徴金というのはね。罰金は罰金でまた別の目的があるんですが、その行為によって不適切な、今回でいうと不適切な個人情報の漏えいとかいうことをやったことによって得た経済的利益、経済的利益、これを剥奪するという仕組みによって違反を抑止するということなので、罰金とは違うわけですね。これが基本にあると思うんですよね、課徴金というのは、そもそも。これは違うんですか。

○政府参考人(佐脇紀代志君) お答え申し上げます。
 私ども、今回の法律案提案に向けて課徴金の導入を検討した際に基本的に考えていた課徴金の法的機能は、委員御指摘のものと差異はございません。

○大門実紀史君 ですから、悪質性を問うものとは限らないんですよね。
 先ほどの安全管理措置義務違反によって、つまり、安全管理をちゃんとやっていなかったと、その企業はですね、意図的に悪意はなかったかも分からないけれども、サボっていたと。そのことによって、それに対するコスト、安全対策に人を掛けるとかいろんなことのコストを省いてきたと。そのことによって違法行為が結果的に起きてしまったと、経済的利益を得てしまったと。それはやっぱり、悪質性がなくても経済的な利益を得たんだから、それはやっぱり剥奪すべきだというのが消費者団体の意見だったと思うんですね。それが除外されて、悪質な例だけというふうに限定されたわけですね。
 それで、ちょっと衆議院の議事録を見ておりましたら、大臣が長妻議員との答弁で、ちょっと大臣の課徴金に対する考え方もいかがなものかとこの議事録読んで思ったんですけれど、こんなことを大臣おっしゃっているんですね。
 課徴金などの法律というのは、御自分の考えとおっしゃっていますけれど、まず努力義務があって、法律というのはですね、次に勧告、命令があって、更にそれでもやらなければ罰金刑があると、そういう順番があるんで、いきなりどんと強い罰を与えるというのは違うんではないかと。つまり、悪質性を基準にした段階論的なことをおっしゃっていて、これは一つのものはあると思うんですね、法的な措置で言えばですね。
 ただ、課徴金は、さっき申し上げたように、その性格とは違うものだと思うんですが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(松本尚君) 衆議院での意見、私の個人的な見解も含めてのお話はそのとおりでございます。
 私は、今お話あったように、課徴金と罰金、全く違うということは理解した上で、それでも今回は、悪質性があるのと、それから、一応、安全管理義務はちゃんと取っていたけれども、うっかりというか、何かの拍子で漏れてしまったものとを同格に扱うというのではなくて、まず悪質性のものを、高いものを課徴金制度の対象として、それでも抑止力が効かなければ広げていくというのが今回の考え方なんだろうというふうに思います。
 そこは、何というかな、段階的にやるというふうな判断を今回はしたということであって、三年ごとの見直しの中で、この抑止効果がどれぐらいかというのはしっかり見ていく必要はあるとは当然思っております。

○大門実紀史君 悪質な場合の課徴金と安全管理義務違反の課徴金と、同じ重さとは誰も言っていないですよね、消費者団体の方も。それは、一定考えた考え方だと。
 しかし、その安全管理義務違反の場合は課徴金の対象外にするということが生むマイナスの効果、つまり、先ほど申し上げましたように、安全管理義務をきちんとやっている企業、やっていない企業があって、やっている企業はコスト掛けていますよね、安全対策にですね。やっていないところはコスト掛けていませんよね。その分、利益に反映しているかも分かりませんよね。
 そのまま取れという意味じゃなくって、そこに対しても、やっぱり安全管理義務違反したらいけませんよという政策的な効果を考えた場合、それがなくなるということになりますと、ひどい例でいきますと、もう安全管理対策にコスト掛けるよりも、それはもう別に悪意として捉えられないんだから、課徴金も掛からないんだからというようなふうにインセンティブが働いて、結局、安全管理義務対策に余り力入れなくていいんだみたいな、ようなマイナスのインセンティブ効果に働く可能性があるんで、総合的に考えて、やっぱり課徴金というのは何だろうということをきちっと押さえた上で、もちろん軽重の違い、差は付けなきゃいけませんですけれども、いうふうなことが、非常に健全な議論といいますか、当たり前の議論がされたんではないかと思うんですけど、すぱっと、すぱっと悪質な部分だけとされたところが理由がよく分からないと思うんですね、これはもう論理的に言ってもですね。
 強いて言うなら、経済界が反対したと、よく分からないけど反対したと、いろんなことを言われるの嫌だとかいうようなことしかちょっと検討会の議事録読んでいても考えられないんですけれども、そんなことでこういう大事なことが決められていいのかと思うんですが、もう一言、事務局長、どうですか。

○政府参考人(佐脇紀代志君) まず、課徴金の政策的な機能との関係で安全管理措置を対象にすることができないと判断したというわけではございませんでして、優先順位の問題として課徴金の対象行為の絞り込みということを私どもはしたということに尽きております。
 私どものリソースの範囲を考えまして、最初に、初めて課徴金を入れるということもございますので、違反行為を実効的に抑止するという観点から、事業規模でありますとか行為形態の悪質性でございますとか、それから、これまでの権限執行の過程で実際に悪質性が高いがゆえに権限執行をした実績があったかどうかと、そんな要素から絞り込んだということでございまして、決して安全管理措置義務違反というのは課徴金になじまないという判断をしたわけではございませんが、検討の過程におきまして、ガイドライン等におきまして一定程度安全管理措置の義務内容を示しておりますが、なかなか、これサボって余りにコストを掛けていないということでラインが引けるかということについて更なる慎重な検討が必要といった背景から、今回、安全管理措置義務違反を対象から除外したということでございます。
 課徴金の対象にならなかったとしましても、従前より、漏えい報告等がございますと、報告を義務付けておりまして、その対応いかんによりましては指導以上の執行を掛けていくということでございますので、全く何の措置もないというわけではございませんし、課徴金につきましては、一旦はそういった絞り込んだ中で進めていくわけでございますが、今後更に研究を進める中で必要があれば、どんな形でそういった部分もカバーするような課徴金制度を設計できるかというのは課題になる可能性もあろうかなというふうに思います。

○大門実紀史君 ちょっとしっかりしてくださいね。そういうあれこれの話じゃないんですよね、これはね。
 最後ですので、大臣に伺いたいんですけど、参考人のときに申し上げたんですけど、個人情報の保護とか人権とか消費者保護と経済活動というのは決して相対立するものではなくて、個人情報の保護、人権の保護、消費者保護をきちっとやった方が結果的に健全な経済発展にもつながるというのは、まあEUでは、EUとかアメリカも含めて欧米では基本的に当たり前の考え方ですよね。どうもずっと消費者問題からやってきているんですけど、対立物として捉えて、経済活動を萎縮させるとか、そんな理由でいろんなことが、何というのかな、後回しにされているような気がするんですけど。
 二つ目の差止め訴訟、時間がないので大臣に、これについてもちょっと、考え方なんですけどね、差止め請求なんかやられたら面倒くさいと、困るというような経済界の意見があったと思うんですけど、あったんですけど、この差止め請求制度そのものも、これが存在することそのもので、使わなくてもね、やっぱり企業側に緊張感を与えますし、間違いのないようにと、コンプライアンスを向上させようと、消費者にも分かる説明しようという効果があるわけですね、制度の存在だけで。それはかえって企業活動を健全に発展させて、結局はマイナスにならないで、いい方向に行くと思うんですよね。そういうふうな発想でこういう問題を捉えなきゃいけないと思うんですけど、大臣、いかがですか。

○国務大臣(松本尚君) そもそも論、この特例をつくるに当たって、団体訴訟等の可能性は我々個情委としてもしっかりと検討はしてきました。その上で、物理的な制限とか、あるいは法制的に消費者と個人の問題とかいうのをもうちょっと整理しましょうというところで今回は見送ったということでございますので、これはもう見直しを含めながら、今委員おっしゃったとおり、対立項ではないんだというのは私も賛成です。
 なので、これはもう見直し過程をしっかりと、の中でそれができるかできないかということは、ちゃんともう継続して議論していくという必要はあると思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 終わります。

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