<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 お疲れさまでございます。
今日でこの法案の審議も最後ということで、ちょっと寂しい思いがありますけれども、まああと二十時間ぐらいやってもいいんじゃないかというぐらいの法案だと私は思っておりますけれども、最後ということですので、シンクタンク問題についてお聞きをいたします。
〔委員長退席、理事渡辺猛之君着席〕
資料をお配りしておりますけれども、上段の方なんですが、今回の改正案では、独立行政法人の経済産業研究所、RIETIですね、を今後、経済安保のシンクタンクの核に発展させていくということが盛り込まれております。
御案内のとおり、RIETIというのは、経産省所管といってもかなり政府から独立した中立的ないい研究を、客観的な立場からの研究をされてきて、国際的にもかなり評価を得るというような非常にいいシンクタンクなわけなんですけれども、そのRIETIを、まあちょっと言えば政治的な経済安保のシンクタンクにしようということだと思うんですが、そうなれば、当然、RIETIの職員、研究者もセキュリティークリアランス、厳しい監視の対象になっていって、自由な研究も制限されてくるんではないかと。本当はRIETIの職員や研究者の方も、余り今回この改正を望んでいないんではないかというふうに思ったりもするところがございます。
この基になっているのが、経済安保法制に関する有識者会議の中の検討会合で出された提言ですよね。要するに、RIETIを出発点として、再編、発展させて、経済安保のシンクタンクをつくるという構想を有識者会議の検討会議で、検討会合ですね、打ち出されたわけでございます。
泉統括官は、この有識者会議検討会合の政府側の筆頭メンバーだと思うんですけれども、なぜ、さっき言ったように、かなり政府から独立していて中立的な立場でいい研究をしているRIETIをこういう経済安保のシンクタンクにしていかなきゃいけないのかと。別にほかにつくりゃいいじゃないかと、そういうことならばですね。なぜせっかくRIETIいい活動しているのにそういう、まあ私から言えば変質ですけれども、させる必要があるのかと。この検討会合ではどういう議論をされたのか、ちょっと教えていただけますか。
○政府参考人(泉恒有君) 総合的な経済安全保障のシンクタンクでございますけれども、今般の法改正で法的に位置付けると、それで御指摘ありました独立行政法人の経済産業研究所、RIETI、この中に設置をするということで、外交、情報、防衛、経済、技術、こういった高度な専門知識を結集しまして政府の要請に即応すると、こういったことも含めまして、定量的な調査研究、各府省の所掌を横断したテーマの調査研究、政策提言を行わせると、こういうことでございます。
〔理事渡辺猛之君退席、委員長着席〕
そこで、有識者会議におきまして、経済安全保障のシンクタンク機能を担う主体といたしましては、まず自律的に、自律的でありながら政府の要請にも対応可能なガバナンスを備えていると、こういうこと、そして独立行政法人として継続的な運営が可能であること、こういったことが必要であると、こういったこととともに、経済安全保障分野に近接する分野での調査研究の蓄積があって、そして産業界との交流、アカデミアとの人的ネットワーク、こういったものを有することが望ましいとされまして、これらの要件を満たす独法としてのRIETI、これにシンクタンクを設置することが適切であると、こういう提言をいただいたところでございます。
○大門実紀史君 私、RIETIの今までの業績を考えるともったいないなというふうに思っているところでございます。
泉さんは、四年前もそこに座っておられて、ちょっと出世が止まっているのかという心配をしたんですが、全然そうじゃなくて、四年前に比べたら随分この経済安保の分野が重層的に重厚になって、そのボリュームのある仕事の大きな部局の責任者になられてまたそこに座っておられるんだと思いますので、全体よく御存じだと思うんですけれども、またお父様は、皆さん御存じかどうか、決算委員長をやられて、災害とか国家公安委員長もやられましたかね、大変お世話になった方でございます。知らない方、多いですかね。私は大変お世話になったんですけれども、大変温厚な方でございましたけど。
それはともかく、資料の下段の方なんですけれども、日本のシンクタンクが、これも意味はよく分からないんですけど、日本の今言ったRIETIが核になって発展していくシンクタンクが将来目指すモデルとして資料が配られたのかと思いますが、外国の四つのシンクタンクが例示されております。
有名なのがランド研究所でございますけれど、伊勢崎先生詳しいかと思いますが、元々アメリカの空軍の戦略立案から始まって、軍事関連の戦略研究、もちろん幅広く科学全般、経済全般もやっていますが、この間のデュアルユース研究でも最先端の研究所です。
CSISの、これは防衛、国家安全保障分野のシンクタンクとしては世界でトップクラスかなと思いますけれども、そういう、キッシンジャーで有名になったんですかね、キッシンジャーさんで有名になったシンクタンクでございますが。
こういう率直に言って軍事に密接な関係にあるシンクタンクを、とりわけランド研究所というのは、今や軍産複合体の中心にいる研究所と言われているぐらいなんですけれども、こういうものを今後、日本のシンクタンク、RIETIが核になって発展していくシンクタンクのモデルとして考えておられるのかどうか、経済分野だけではなくて、軍事戦略合わせたシンクタンクの構想なのかなと、こういうものがいきなり出てくるのはと思ったんですけれど。この資料は恐らく会議に事務方がまとめて出されたと思うんです。
ですので、これも泉さんにお聞きしますけれども、どういう趣旨でこういうものが資料で出されてどういう議論があったのか、教えてもらえますか。
○政府参考人(泉恒有君) 今御指摘ありました有識者会議の資料でございますけれども、これアメリカのそのランド研究所を含めまして、これ、各国が経済安全保障分野に関連して、まさに各国が官民で様々な体制を構築して調査研究に取り組んでいると、様々なやり方があるということをお示しするための参考としてまさに主な事例を提示させていただいたと、こういうことでございます。
それで、有識者会議におきましてはこの資料を基にどういう御提言をいただいたか、御意見をいただいたかと申し上げますと、まさに個々のシンクタンクに着眼していずれかのモデルを目指すべきだと、こういう方向性の議論じゃなくて、むしろ、その様々な取組を参考として我が国としてどのような形で経済安全保障に係る調査研究の機能を実現すべきかと、こういう観点から御意見をいただいたと、このように考えてございます。実際に様々御意見をいただきました。
したがいまして、繰り返しになりますけれども、私どもとしましては、ランド研究所も含めまして各国はどのような体制を構築しているかということを参考にしたい、その上で今後も取組を進めていきたい、このように考えているところでございます。
○大門実紀史君 恐らく、経済安保といっても国家安全保障戦略と一体ですよね。そういう点でいきますと、もちろんこのランドも経済分野にも大変もういろんな提言の最先端を出していますし、CSISもそうですよね。
このランド研究所というのはちょっと特殊なところがあると思うんですけれど、泉さん、もし、個人的な感想でも結構なんですが、ランド研究所の役割というのはどういうふうに捉えておられますか。
○政府参考人(泉恒有君) ありがとうございます。
ランド研究所というのは、一九四八年に第二次世界大戦後にアメリカ軍の研究機関として設立されたと、こういう経緯がございます。そういった経緯がございますけれども、現在、今の主な取組例を申し上げますと、まず国防、安全保障関係、これございます。それもちろんございますけれども、それだけではなくて、AIの利用が子供、児童に与える影響についての研究ですとか、若しくは地域の薬局における臨床サービスの評価、ヘルスケアですとか、教育、こういった分野ですね、こういった新興技術を含めた幅広い分野において調査研究を行っておりまして、そういう意味ではかなり幅広く調査研究を展開されているシンクタンクであるなと、このように考えてございます。
○大門実紀史君 おっしゃるとおり、世界の頭脳と言われるような人を集めておりますが、詳しく申し上げませんが、分厚いランドの本っていっぱい出ているんですけれども、この間でいえば、やっぱりデュアルユース、アメリカは広くいろんなものをデュアルユースとして考えていますので、その辺の最先端を行っているということと、このCSISは、日本部というのがあるんですかね、日本部長さんがいらっしゃって、その中に日本人のスタッフがいるんですが、出ているのは防衛省、公安調査庁、内調ですね、こういう方々がこのCSISの日本部に結集されているということがあるわけですね。
非常にリアルに密接に次のこのシンクタンク構想と結び付いているんではないかなという懸念を持っているところでございます。もっと自由に、RIETI含めて研究していった方が結局は日本の国益になるのかなというふうに思うところがあるわけでございます。
最後に、ちょっと経済的な話を大臣に伺いたいんですけれども、全体として見ると、アメリカも中国もほかの国に働きかけて、資金調達、サプライチェーン含めて、経済ブロック化してきていて、資源調達だけでも、アメリカはMSPですかね、鉱物資源のパートナーシップですね、中国は途上国連合と、そういうブロック化が進行していく中で、全体見なきゃいけないと思うんですけれども。
さっき言ったように、いろんなものが対決、仮想敵国、いろんなものがデュアルユースと対決の物資になっていくというふうに、そういうものが拡大していくと、結局、経済にとってマイナスになるんじゃないかというふうに思うわけですね。
これは四年前なんですけど、大企業の幹部の方とお話しいたしまして、その方というのは元々霞が関出身の方で、委員会でもお世話になった方が大企業に行かれたんですけど、こんなことをおっしゃったんですね。この特定重要物資を指定しますよね、国が。それを扱う民間事業者に供給計画を作ってもらって、大臣が認定して、認定した事業者を支援すると、従わなかった場合は罰則と。これはもう統制経済的な発想ではないかということをその方はおっしゃって、当時、経団連も経済活動を阻害するという意味では似たようなニュアンスを言ってきたわけなんですけれども。
よくよく考えてみると、こういういろんな対立に巻き込まれて、いろんなことに戦々恐々といろんなことをやっていくということは、結果的にいうと、こういう統制、経済の統制というのを強めていって、大きな意味で経済活動を阻害するんじゃないかというふうに思うわけでございます。
そういう大きな意味で考えますと、経済安保というのはこのままでいいのかというふうに思うんですが、そういう経済活動を阻害するんではないかという点について、最後に大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(小野田紀美君) 委員よりもう委員会の審議を通じて度々御指摘いただいたことではあるとは思うんですけれども、政府としては、個人や企業の経済活動は自由に行われることが基本であるとの考え方に立って、経済安全保障の確保に取り組んでまいりました。
他方で、やっぱり急速に変化する国際情勢等に鑑みれば、経済安全保障上の一定の課題については、市場や競争に過度に委ねず、官民で連携して日本の国益を守る取組を進めていくことも重要であると思っています。
経済安全保障推進法第二条に基づき定める基本方針では、安全保障の確保と自由かつ公正な経済活動との両立が十分に図られるようにする必要があるとされておりまして、本年一月の経済安全保障法制に関する有識者会議の提言でも、経済安全保障の推進に当たっては、推進法の趣旨に照らして合理的な範囲で取組を行うことが重要であるとされたところでございます。
政府としては、これらの趣旨をしっかりと踏まえて、自由かつ公正な経済活動を前提に、関係省庁、関係府省庁そして民間事業者とも連携しつつ、経済安全保障の確保に適切に我が国を主体として取り組んでまいりたいと思います。
○大門実紀史君 お疲れさまでした。終わります。