<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
本日は、お忙しいところ、ありがとうございます。
参考人の皆さん、全員法案に賛成ということで、何を聞いたらいいのかというのがあるんですけれども、この前、小野田大臣に聞いた同じことを聞いてみたいと思うんですが、日本の経済安保に大きな影響を与えたのはアメリカというのは間違いないと思うんですけれども、そのアメリカがやってきたことなんですが、第一次トランプ政権、バイデン政権、そして今の第二次トランプ政権、一貫して中国封じ込め戦略をはっきりと明確にそういいながら取ってきたんですけれども、ただ、中国は、この前も委員会で申し上げたんですけど、なかなかしたたかで、貿易相手国をアメリカが一番だったのをASEANやEUにシフトしていくと、減った分全部ほかでペイするというようなこととか、むしろ貿易黒字は増加させているとか、あるいはハイテク分野も抑え込もうとアメリカは思ったんですけれども、結局、精密機械、ロボット、AI関連、あとクリーンエネルギーですかね、そういうハイテク分野は中国の輸出項目において最も高い成長率を示しているというような点で思いますと、二〇一八年以降ですかね、取ってきたアメリカの中国封じ込め政策というのは成功していないんじゃないかというふうに、客観的にもそう思うんですけれど、この点、田上参考人と渡井参考人に御意見を伺いたいと思います。
○参考人(田上英樹君) 御質問ありがとうございます。
米国による中国の封じ込めということでございますけれども、封じ込めている部分と封じ込めなくてもよい部分というのがひょっとしたらあるのかなというふうに考えております。バイデン政権の頃もかなり厳しくしたというふうに言われておりますけれども、それでもやはり、スモールヤード・ハイフェンスというようなことにしておりまして、アメリカの中にも、やはり産業を、経済を回していきたいという企業の意向というのがあると思います。
そうしたこともアメリカの国内でもある程度のしんしゃくがされてスモールヤード・ハイフェンスということになっていると思いますので、その全てにおいて封じ込めているという見方がよろしいのか、それとも封じ込めるべきところだけ封じ込めようとしているという見方がよろしいのか、その辺で一つ議論がある部分かなというふうに思っております。
○参考人(渡井理佳子君) 御質問ありがとうございます。
アメリカと中国の関係が現在の経済安全保障をめぐる議論につながっているということは疑いのないところだと思います。
やはり、中国やロシアもですけれども、WTOに受け入れたわけですけれども、その後、そういったこの国々が経済的な成長を遂げる一方で、政治、経済、社会体制をそのまま維持したということにアメリカがフラストレーションを覚えてデカップリング論に転じたということは事実であると思います。ただ、その後やはり、特にバイデン政権になってからということになると思いますけれども、世界経済がグローバル化していて依存度が高まっている中では、デカップリングは現実的ではなかったというのも事実だと思います。
そこから始まったのがやはりデリスキング論であり、今お話のあったスモールヤード・ハイフェンス論であると思います。そのスモールヤードが本当にスモールなのか、どんどん拡大していってしまうのかというところで、その封じ込めであるのかどうかという評価も変わってくるところはあると思いますけれども、アメリカ自体がそのデカップリングからデリスキングへ転換したということは、封じ込め政策ではなく協調政策を模索していることの表れだろうと思っております。
○大門実紀史君 田上参考人の御本にも出ていますけどね、デカップリングからデリスキングということで、アメリカも、もう中国を封じ込めるとか、そういうことはもう現実的に難しいというところからそういう方向に変わってきたのかと思います。それを踏まえて日本も考えていく必要があるかと思いますが、どうもちょっと日本の場合、思考停止して、ちょっと自分で展開が遅れているのかなというふうに思ったりいたします。
済みません、白石参考人、伺います。
弁護士さんということで、私がふだんお付き合いしている弁護士さんとは大分タイプが違うなと思って、刺激的な御意見を伺いましたけれども、経済安保、インテリジェンスとの関係、そうはいっても、弁護士さんなので聞いてみたいのは、アメリカのDCSAというのがございますけれども、つまり、政府職員二百万人ぐらいいるんですかね、アメリカは、とデュアルユースの関連の企業の従業員、多分何百万人だと思うんですけど、その個人情報をチェックというか監視というか、それがいろいろあって、人権団体から問題視されて、一定歯止め措置も付けられてきているんですけど、高市総理が著書の中で、日本でもこのDCSAが必要だということをおっしゃって、ちょっと危惧を抱いているんですけどね。
元々この経済安保というのは、御案内のとおり、国家安全保障局で、ここにも来られた北村滋さんが国家安全保障局の経済班というのをつくったところから始まっているんで、非常に、何といいますか、インテリジェンスとの関係が、あるいはデュアルユースと、軍事との関係が強いんですよね。
そういう点でいきますと、こういう、これから経済安保でいろいろ広げたり、対象を広げていく中で、個人情報の保護とかプライバシーが侵害にならないように、このことはやっぱりきちっと担保していかなきゃいけないと思うんですけれど、白石参考人の御意見はいかがでしょうか。
○参考人(白石和泰君) 先生、御質問ありがとうございます。
弁護士ということで、そんなにタイプが違うこともないのかなと思ってはおりますけれども、同じ法律をつかさどるというところで。
御質問もありがとうございます。私といたしまして個人情報も業務分野の一つとして取り扱っているところではございますが、まさに個人のプライバシーとか個人情報についての重要性については日々実感しているところではございまして、これが置き去りになりつつ、それを無視して何か事を進めるということはあってはならないというところだと思いますので、こちらについては尊重した上で措置を講じていくというところが先生御指摘のとおり重要かなというふうには思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
一般論でいえば、政府が日本のあるいは国民の知的財産とか技術を保護して発展させるというのは当たり前で、重要なことなんですね。
問題はその方向性ということをずっと委員会でも申し上げているんですけど、単に、アメリカもさっき言ったようにちょっと変わってはいるんですけど、単にアメリカの中国戦略に従っていくとか、あるいは中国にもきちっと、覇権主義、緩いですから、批判的に見ながら対応するのも必要だと思いますし、いずれにせよ、全体よく俯瞰して、何かアメリカから物を見るだけじゃなくて、日本の自主的判断で、自主的戦略の下で国際的なこの経済戦略というのは取っていくべきだというのが基本にあるので、ちょっとこの間の方向性が心配でね。今日の議論も非常に大事な議論だと思うんですけど、土台が違ったらもっといい議論になるのかなと思って聞いているところなんですけど。
それで、アメリカとトランプ政権というのは何なのかというのをやっぱり、私、一月にアメリカへ行ってきて非常に直接教えてもらったんですが、自国ファーストが非常に強くて、トランプ関税って一体何だったんだろうと思うんですけれども、高い関税掛けるぞと言って、結局下げてやったと、代わりにこれやれというような、結局は、関税を脅しに使いながら、投資をしろとか農産物を輸入しろとか自国製品買えとかですね、何かそんなところにあって、それは日本も相手にすると、同志国といいながらですね。非常に、ちょっと一緒に付いていっていいのかなというか、というような危ない政権になっているなというふうに思うんですよね。
なおかつ、そういうのを見ながら思うのは、そうはいっても、アメリカも中国も、ブロック化といいますか、いろんなサプライチェーンも含めて他の国巻き込んで、これ大変危険な方向で、まあグローバル化がいいという意味じゃないんですけど、やっぱり自由貿易というのをきちっとしながらいかないと、このブロック化で、なおかつ日本がアメリカ寄りというようなことでいくと、結局日本の国益にもマイナスになってくることはあるんじゃないかというようなことを思うんですけれど、もしよろしければ、お三方、簡潔に御意見いただければと思います。
○参考人(白石和泰君) 御指摘いただきましてありがとうございます。
先生今おっしゃった自由貿易体制、これ極めて重要だと思っております。この経済安全保障を考えるときに、この自由貿易体制とどうバランスさせていくのか、その関係をどう捉えるのかというところにつきましては、私といたしましては、この自由貿易体制を守りたいというところに経済的威圧というものが登場し、それが立ち行かない場面が生じてしまったと、そこに対する、自由貿易を大事にするからこそ、そこを尊重しつつ、経済安全保障という考え方の下で、そこの経済的威圧についての体制というか、対抗できる力を付けるというところでございますので、ここの、尊重しなければいけないというところについてはぶれていないというふうに捉えているところでございます。
○参考人(渡井理佳子君) ありがとうございます。
トランプ政権の経済政策でございますけれども、御指摘のように、同盟国である日本に対するものも含めて極めて異例であるということは事実であると思っております。
その中で日本が何をできるかということでございますけれども、先ほどグローバルサウス諸国の台頭の話などもございましたけれども、やはりその国際経済社会の、国際経済の基本的価値やルールに基づいて秩序を形成していくということについて、日本がその主導的役割を果たせるようになることというのが経済安全保障の一つの側面であるというふうに考えております。
その点、日本が、これ先ほどの海外事業の支援などもございましたけれども、そういった仕組みを利用して国際社会にプレゼンスを高めて、今、WTOなどが機能不全に陥っておりますので、そういったところに存在感を示していくことができるようになればと思っております。
○参考人(田上英樹君) 元々、その国際枠組み、自由貿易も含めたですね、というのは、恐らく、そこに加盟している各国が自国の利益のために、皆でルールを作って安定をしてという枠組みをつくりたかったのがその元々だというふうに思います。自国の守るためにやっていたんだろうと思います。ところが、その中で一部の、本当に経済力、軍事力が高い国が、もうやはりそれはやり切れないという判断で自国ファーストになってきていると。これは、こうなってくると、まずやっぱり自国を守らざるを得ないみたいなところがもうミドルパワーでもスモールパワーでも出てくると思います。
その中で、じゃ、今やはり議論になっていますのは、本当の超大国ではないミドルパワーの中で、どういった理念を共有して、価値を共有して新しい枠組みを、第三局ではないですけれども、つくれるのかと。これはいろんなところで議論されていると思いますけれども、そういった流れをちょっとビジネスセクターにいる者としては見守っていきたいと、こういうふうに思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。
終わります。