国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年6月2日 参議院 内閣委員会 経済安保とインテリジェンス問題について
<赤旗記事>

2026年6月3日(水)

米戦略への同調危険
経済安保法改定案 大門氏が追及
参院内閣委

(写真)質問する大門実紀史議員
=2日、参院内閣委

 日本共産党の大門実紀史議員は2日の参院内閣委員会で、経済安全保障推進法改定案を巡り、軍事産業を経済成長戦略の重要な柱に位置づけ米国に同調し事実上「中国封じ込め」政策をとる危険を指摘しました。

 大門氏は、軍事産業を経済成長戦略の柱にすれば軍拡・軍事費拡大が正当化され危険だと追及。小野田紀美経済安保担当相は「経済成長を目的に防衛力を整備することはない」とした上で「(軍民両用技術などの)開発支援等は重要な課題だ」と述べました。

 大門氏は現に軍事産業と経済戦略が一体の米国や中国では軍拡が止められなくなっていると指摘し、「憲法9条を持つ日本が、その後追いを万が一にでもすべきでない」と強調。米中など軍拡を巨大化させる国はいずれも財政赤字を抱えているが、日本の財政はこうした軍拡に耐えられず、米国の中国封じ込め戦略に同調することは危険だと指摘しました。

 米政権は、ハイテク分野での中国封じ込め強化などへの協力を日本に求め続けてきたが、中国は貿易相手国を切り替え、かつては対米輸出が1位だったのに対し現在は東南アジア諸国連合(ASEAN)への輸出が1位で対米は3位だと指摘。2025年の中国の輸出項目で最も高い成長率だったのは精密機器、AI(人工知能)などハイテク分野であり「中国封じ込めは成功していない」と強調しました。

 中国などへの過度な依存からの脱却のため、レアアース(希土類)など重要鉱物を「特定重要物資」に指定し供給網を強化するのが経済安保法の「主眼」だが、中国封じ込め戦略に追随する日本に対し中国は輸出制限をかけてきていると指摘。日本が主体となる独自の戦略で、ASEANとの連携を含めた方向へ変えるべきだと求めました。

<議事録>(未定稿)

○大門実紀史君 大門です。
 前回の委員会で伊勢崎先生から防衛産業と経済成長の問題で鋭い御指摘がございまして、私も聞いてみたくなりました。
 常に防衛産業というのは、政治家との利権癒着の関係もあるんですけれども、敵国の脅威をあおったり不安をあおったり、脅威を創出というお言葉ございましたが、軍事費を増やそうとすると、自分たちの仕事を増やそうとするというものがあります。
 それをわざわざ経済成長戦略に位置付けると、そのことが意味を持って正当化されて、軍拡、防衛費の拡大の暴走につながるということで、伊勢崎先生はアメリカのミサイルギャップの興味あるお話もされましたし、過去の日本の苦い経験からしてもそれは言えるんではないかと思います。
 ですから、戦後、歴代の自民党政権は、経済と軍事というのを分けて、別々に考える、リンクさせなかったんではないかと、そういう倫理観が働いていたんではないかと思いますが、ところが、高市政権は、初めて防衛産業を経済成長の重要な柱に位置付けるというふうにされたわけでございます。
 私は大変危ない話だなと思って、四月に城内大臣には質問したんですけれども、小野田大臣は、この防衛産業を経済成長戦略の柱に据えることについて、私は大変危ないことだと思いますが、どう思われますですか。

○国務大臣(小野田紀美君) 多分、委員も以前委員会の質問などで、軍事技術がGPSになったとかといういろんな御紹介もいただいたと思いますけれども、防衛産業はデュアルユース技術の活用や新技術の開発等によるこの民生分野への波及効果等を通じて我が国の経済成長にも寄与し得る産業であり、日本成長戦略においても防衛産業が危機管理投資及び成長投資の戦略分野の一つに位置付けられ、防衛省と経済産業省を中心に検討が進められているものと承知をしております。
 ただ、その上で、防衛力の強化はあくまで安全保障上の必要性に基づいて行われるべきものであり、先日の内閣委員会で若林防衛大臣政務官から、装備品の調達を含む防衛力整備は、あくまで、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために何が必要かという観点から、防衛力の強化を目的として行うものであり、このような考え方は今後も決して変わることはなく、経済成長を目的に防衛力を整備することもないという旨の答弁があったところでございます。
 経済安全保障の観点から申し上げれば、例えばサプライチェーンの強靱化や先端的な重要技術の開発支援等は重要な課題でございまして、これらとの関係も含め、防衛産業における取組についても、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保という観点から、関心を持って注視していきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 おっしゃるとおりでございます。そのとおりいかなかったのが歴史だということなんですね。
 それで、防衛産業、軍事産業と経済が一体になっている国の典型がアメリカと中国です。軍産複合体、あるいは中国の軍民融合ですか、あれも軍産複合体というと同義語かと思いますけれども、両国とも軍拡が止められない国になっているんですよね。それは、今申し上げたような歴史の教訓であり、心配されたことは、アメリカや中国、中国は公共事業をやるように軍拡をやっておりますけれど、そういうところに表れているんだと思います。
 その後追いを万が一でも日本はすべきでないと。もちろん憲法九条がございますから、ただ、財政的にも、是非、そういう軍拡、防衛費の拡大を優先的に進めることが財政的に何をもたらすかというのは、よくよくアメリカと中国の例を見て学んでおくべきだと思うんですよね。大体、軍拡を巨大化させる国は財政赤字を抱えております、借金を抱えております。それでも増やせる国というのがアメリカと中国なんですね。
 なぜかというと、アメリカは御存じのとおり基軸通貨がドルですから、世界の決済はドルで行われますので、借金しても、分かりやすく言えば、ドルを印刷して払えばいいというふうな国です。ですから、赤字を抱えても何とかなっている国ですよね。
 中国は、一方で、もう社会主義というふうには全然呼べないと、あの国はですね、私が言うんだから間違いないと思いますけど。国家資本主義、国家資本主義というのは当たっているかと思うんです。私、二回ぐらい行きましたけど、実際見てまいりましたけれど、例えば今申し上げた点でいくと人民元ですよね。人民元というのは、資本取引とか為替取引で規制がありまして、まだ完全自由通貨じゃないんですよね。しかも、人民銀行が非常に強い、中央銀行というよりも国家銀行ですよね、大変強いいろんな規制を掛けておりまして、超長期国債、半永久国債、返さなくていいような国債、特別国債発行するとかですね、あの手この手で、借金しても、人民元建てで借金しますから、ドルと同じようにどんどん刷って返すわけなんですけど、それでも財政的に破綻がなかなか生じないのは、少し出てきておりますけれど、それは、やっぱりそういう国家、国家管理のそういう国債政策もあるわけですよね。そういう国がどんどん増やしているのを、何かよく知らないで、日本も財政的にやっても大丈夫なんだと思っちゃうと大変なことになりますので、これ片山大臣、財務大臣とかと議論するかも分かりませんが、方向そのものが危ないと。
 ちなみに、去年の十二月に高市政権が予算を発表したときに、やっぱり大きな予算だということで金利が急上昇するわけですね。日本はそういうこともありますので、財政の仕組みからいってもそういう方向は無理だと、間違っているということは指摘しておきたいというふうに思います。
 前回の質問で、今回の法改正含めて日本の経済安保がアメリカの中国封じ込め戦略に同調するものだと、むしろ最前線に立たされていて、先兵役をさせられているということを指摘しました。今回、法改正いろいろ出てきていますけれど、一つ一つの問題を指摘するというよりもこの大本の、この方向性そのものがおかしいと思いますので、改めてその基本方向を問いたいと思っているわけなんですけれども。
 大体、日本の半導体は八〇年代にアメリカによって潰されたんですよね。後から中国はそれを奪い取るように急成長したわけですよね。今回、アメリカは勝手なことに、対中国戦略として、半導体、日本に半導体投資しろと。よく言うなと思うんですよね、アメリカは。そんな国にいつまでも付いていっていいのかということを思うわけでございますが。
 そもそも中国の、ごめんなさい、アメリカの中国封じ込め政策というのはうまくいってるのかということなんですね。今年、実は一月に参議院の重要事項調査で超党派でアメリカに経済調査行ってきたんですね。ニューヨークとワシントン行ってきたんですけど、現地の方々からいろんな話を聞いて、トランプ政権の評価も聞きました。あるアナリストは、アメリカにとって最大のリスクはトランプだと、トランプ自身が今のアメリカの経済リスクだということをおっしゃっておりましたし、名前言うといろいろあれなんですけど、国会議員の皆さんとも会いましたけど、総じて、トランプの相互関税とか対中戦略に関しては賛同する意見というのは余り多くなかったですよね。やっぱり心配だ、おかしいと、やり過ぎだという声がかなりありました。
 そういう下で進んでいるトランプの中国封じ込め政策なんですけど、これはうまくいっているという認識でしょうか。いかがですか。

○国務大臣(小野田紀美君) 大変申し訳ないんですけど、私からアメリカの政策に関して何かコメントするということは差し控えさせていただけたらと思います。

○大門実紀史君 じゃ、私が答えますね。
 話せば長くなるんですけど、要するに、二〇一八年のトランプの第一次政権のときに、中国のあれはEVですかね、電気自動車ですかね、そういうものに一〇〇%の関税掛けたり、バイデンのときには更に厳しく中国封じ込めいろいろやって、トランプに話をしますと、この間で言えば、一〇〇%超の関税を中国に掛けるとか、あるいは半導体、AIなどデュアルユースを含むハイテク分野における中国封じ込めというのは非常に強化すると。で、日本もそれに協力しろということを言われてきているわけですね。
 ところが、中国はなかなかしたたかでございまして、貿易相手を、二〇一八年のトランプ第一次政権のときからですけれども、シフトをして、変えてきているんですね。それまではアメリカが一番の輸出先だったんですけれども、アジアやEUに変えてきておりまして、二〇一八年当時はアメリカが一番だったんですね、中国の輸出相手国。今、一番はASEANですよね。二番目がEUで、アメリカは三番目になっております。つまり、対米輸出が減った分をアメリカ以外の国で切り替えてきていると。むしろ貿易黒字そのものは伸ばしているんですよね。なかなかアメリカがやろうと思っても効いていないわけです。
 貿易額だけじゃなくて、もう簡単にしておきますけど、ハイテク分野においても中国の封じ込めは成功しておりません。二〇二五年の中国の輸出項目見ますと、最も高い成長率記録したのは精密機器、ロボット、クリーンエネルギーなど、AI関連含めてハイテクですよね。しかも、中国は、ASEANとの経済連携を強化して、FTA三・〇とかですね、つまりASEANとの貿易額をずっと増やしてきているんですよね。
 ですから、中国を封じ込めしようと思ってアメリカがいろいろやっても、なかなかしたたかに中国が動いて効果が生まれていないというふうに、これは客観的に言えるんではないかと思うんですけれども。
 これは参考人ならいろいろ聞いておられると思うんですが、せっかく座っておられるんで、参考人の御認識はいかがですか。

○政府参考人(早田豪君) お答えいたします。
 大臣同様でございまして、我々といたしましても、アメリカの中国封じ込め政策がうまくいっているか否かについてコメント等を述べることは差し控えたいと思います。

○大門実紀史君 それで、これ私が一人で勝手に言っているんじゃなくて、いろんな経済アナリストとか、皆さんが指摘している、今の封じ込め政策が成功していないということなんですね。
 例えば重要物資、今回もテーマですけど、重要物資や技術を、経済安保が中心がそうですよね、重要物資や技術を中国に依存することをやめて、国内での生産や供給網の構築を進めなさい、進めようというのがこの経済安保の主眼でございますけれども、例えば、もう議論ありましたが、レアアースだってまだ七割が中国依存でありますし、中国は中国でMSPですね、いろんな国と違うレアアースの連携つくっております。
 こういう点でいきますと、要するに申し上げたいことは、こんな成功もしていない中国封じ込め戦略にずっと日本が付いていくと、前回申し上げた、中国だってもう黙っていないということで、日本に対して輸出制限を掛けてきております。現実問題として、何の得にもならないんじゃないかと、こんな路線はですね、いうふうに思うわけでございます。
 やっぱり、日本は日本で独自の頭でASEANとの協力とか、中国にもはっきりと物を言うことは言うと、アメリカにも言うことは言うという点で、ASEANを含めた、今一番成長していますからね、アジアが、との国との連携含めてこの経済安保の方向性そのものを変えていくべきではないかというふうに思います。これはまた答弁は同じだと思うんで、そういうことを指摘して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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