国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年5月28日 参議院 内閣委員会 米中関係と経済安保問題について
<赤旗記事>

2026年5月29日(金)

貿易は自主独立の立場で
参院内閣委 大門氏が主張

(写真)質問する大門実紀史議員
=28日、参院内閣委

 事実上「中国封じ込め」政策の一環となっている経済安全保障推進法改定をめぐり、日本共産党の大門実紀史議員は28日、「アメリカ追随ではなく自主独立で米中にものを言ってこそ国益は守られる」と参院内閣委員会で質問しました。

 大門氏は2022年の同法成立後に行われた日米経済政策協議委員会(経済2+2)で、同法が対中封じ込め戦略の一環であることが明かされていると指摘。今回の改定案にも協議の内容が反映されているとして、「他国に追随したり圧力を受けたりするのではなく、自主独立の立場で貿易を考えるべきだ」と政府の認識をただしました。

 小野田紀美経済安全保障担当相は同法について「特定の国を念頭に置いているものではない」としつつ「複雑化した世界で日本がどうするかは、日本が主体となって考えるとの認識は共有している」と述べました。

 大門氏は「実際には中国を標的に、レアアースや半導体分野でアメリカ追随を続けてきた」とし、「中国封じ込め政策は日本にとってプラスになっていない」と批判。経団連など財界から米中双方の強権的な政策に懸念が出ていると指摘し、「経済関係をアジアなどに広げた方が国益になる」と主張しました。

 小野田担当相は「依存しないようグローバルサウスなどに多角化していく」と述べるにとどまりました。

 大門氏は、自民党内の会合で埀(たるみ)秀夫前在中日本大使が「中国には日本が全く見えていない」と分析したことにふれ、「米中双方にものを言って、存在感を認めさせる経済外交が必要だ」と主張しました。

<議事録>(未定稿)

○大門実紀史君 最初ですので、経済安保のそもそも論について聞きたいというふうに思います。
 この経済安全保障推進法というのは、四年前ですね、二〇二二年、参議院のこの委員会では四月十四日に審議入りをして、五月十一日の本会議で成立をいたしまして、当時の大臣は小林鷹之さん、コバホークですよね。四月十四日は私が質問に立たせていただきました。そのとき、小林大臣に第一問目というか最初に聞いた同じ質問を小野田大臣にもしたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事渡辺猛之君着席〕
 そもそも、四年たったわけですが、同じ質問なんですが、それは同じ意味があると思うんですけれども、そもそもこの経済安全保障推進法というのは、アメリカの対中国戦略に従って中国をターゲットにしたものだと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

○国務大臣(小野田紀美君) 当時の答弁、ちょっと私が把握できていませんが、本法律は、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とするものであり、特定の国を念頭に置いているものではございません。

○大門実紀史君 ありがとうございます。全く同じ答弁で、なんですね。
 四年前のときは実は六時間コースで、私、質問四十五分間あったんですね。それで、いかにこれはアメリカの戦略の下かということを、第一次トランプ政権、バイデン政権の対中戦略、当時はファーウェイの排除とか、何でしょう、国防授権法、あるいは権限法ですかね、をトランプが提案するとか、あるいは中国の二〇二五戦略ですかね、というようなことをずっと取り上げて、半導体が特にターゲットになっていたんですけれども、そういうのを取り上げて、米中対立の中で出てきたものだと、中国封じ込め戦略に日本も協力しろということで出てきたということをいろいろ事実を示して申し上げたんですが、質疑ではなかなかストレートにお認めにはならなかったわけですけれども。
 ただ、法案が成立した後すぐ、アメリカ追随どころか、アメリカの後に付いていくどころか、日本がアメリカの対中国戦略の最前線に立たされるということがもうすぐ明らかになったんですね。それは、七月ですかね、法案成立した後、七月の日米の経済2プラス2が開催されたんですけれども、この日米経済2プラス2というのはどういうものか、ちょっと簡潔に、参考人で結構です、説明してください。

○政府参考人(渡邊滋君) お答え申し上げます。
 日米経済政策協議委員会、いわゆる経済版2プラス2でございますけれども、これは二〇二二年に日米首脳間の合意の下で立ち上げられました。日本側は外務大臣及び経済産業大臣、米国側は国務長官及び商務長官が参加しまして、戦略的観点から経済安全保障等の経済分野における日米協力を進めるための枠組みでございます。これまでに閣僚会合を二回、次官級会合を四回開催してきてございます。
   〔理事渡辺猛之君退席、委員長着席〕

○大門実紀史君 これは開催された当時大変話題になったんですけど、当時の林芳正外務大臣と萩生田経済産業大臣ですね、アメリカ側はブリンケン国務長官とレモンド商務長官ですかね、この共同声明というのが出まして、その中の経過にもあるんです、議論の経過でも明らかなんですが、もうアメリカ側は露骨に対中国、中国という名前を出して、チャイナという名前を出して、中国戦略なんだと、日本も同調してほしいということで、それに応じるというようなことがやり取りされて、半導体含めて中国封じ込め戦略だったということが、この経済安保推進法はですね、ということが明らかになったのがこの2プラス2だったわけでございます。
 今から思うと、その後、回数は少ないんですが、かなり中身の濃い次官級の会議とか行われて、今回のこの経済安保法の改正案の中身も、実はこの経済2プラス2、ここでずっと議論されてきたことが出てきていると。つまり、今回の安保法の改正の大本にあるのがこの経済2プラス2だということは言えると思うんですけれども。
 改めて政府の立場聞きたいんですが、実は小林鷹之さんが二〇二四年に本を出されておりまして、「世界をリードする日本へ」という本を出されておりまして、あれは自民党の総裁選に出られるときですかね、出されたんで、総裁候補になるとみんな本を出すんですか、そのとき出されたと思うんですけど、なかなかいい本なんですよね。実は、このときに、経済安全保障法の審議、成立の経過をありのままに書かれておりまして、非常にリアルなことをずっと書かれていて、本当に的確に書かれております。
 その中に実は私のことも書かれていただいて、少し読みますと、こうして衆議院で可決し参議院内閣委員会の場へと移ったと、その中で、今でも鮮明に記憶に残っているのは、共産党の委員とのやり取りであると。大門実紀史議員とは、法案の中身というよりも、経済安全保障全般の議論になり、不思議なことに、大門議員の考えと共有できるところも多々あったと。例えば、例えば議員から、日本はアメリカであれ中国であれ、遠慮することなく堂々と自主独立の立場で、立ち位置で貿易も考えるべきと、仮にもほかの国の影響を受けたり、他の国に追随したり、あるいは圧力を受けて政策を決めるべきではないという質問があったと、私がいつも言っていることと同じだったというふうに小林さん答えているんですね。いい議論をしたということで、私の質問も評価をしていただいておりまして、どうせならこういう方に総理になってほしかったなと思いますけれども。
 小野田大臣も、この小林さんの立場なんですけど、日本は自主独立の立場で、立ち位置で貿易も考えるべきと、ほかの国に追随したり、あるいは圧力を受けて政策を決めるべきではないと小林さんは明確におっしゃっていますが、この点は同じ考え方でよろしいですか。

○国務大臣(小野田紀美君) 私も小林議員の著書を読ませていただいておりまして、大門先生とのやり取りを見たときに、本当に大門先生のお人柄も小林先生のお人柄も両方が出ているいい文章だなと思ったんですが、ちょっとその当時の、私も同じ思いだったというのが、ここで答弁、大臣としての答弁なのか、一議員としての答弁なのかがちょっと分かりかねるのですが。
 いずれにいたしましても、やはりこの複雑化する世界の中で、日本が日本としてどういう姿を取るのか、そして我が国の自律性、優位性、不可欠性を高めていくのかというのは我が国が主体となって考えることであるというその思いは共有しているところであります。

○大門実紀史君 建前はともかく、何だかんだ言っても、半導体、IT、デュアルユース、レアアースですね、アメリカ追随で中国ターゲットで進んできたというのはもう誰もが分かっているような話ではないかと思うんですよね。
 我が党は、中国いいとは思っておりませんが、アメリカ追随だけではやっぱり国益を守れないんじゃないかと。アメリカとも中国とも対等の立場で経済貿易関係を構築すべきだということはもう繰り返し申し上げているところで、更に言えば、アジアを含めて、もっと国際経済関係を大きく広げる方が結局日本の国益になるんではないかと思って主張してきたところです。
 実は、このアメリカ追随の経済安保で一番困っているのは経団連じゃないかと思っているんですね。実は、前のときも取り上げたんですけど、二〇二〇年にトランプ政権がファーウェイなどの中国企業と取引するなというようなことがあったときに、当時の中西経団連会長が、アメリカと中国の間でどっちにするというような踏み絵を踏ませるなということ等をおっしゃっていますし、二〇二二年に安保法が国会に提出される直前に、これは当時の十倉会長が、日中両国というのは、アジアの、東アジアの経済繁栄と平和のために安定的で建設的な関係を築いていく必要があると、世界は中国なしでやっていけないと、中国も世界なしではやっていかないんだということで、当時、この経済安保法には、経団連、経済界はほとんど反対といいますかね、慎重な立場だったんですよね。
 ところが、自民党は経団連よりもアメリカの言うことに従うということになったわけでございまして、経団連はその後も中国との交流の努力とかしていましたけれども、やっぱりこの間、中国側の反撃に遭ってきておりまして、御案内のとおり、日本の二十の企業、団体のデュアルユースの輸出を禁止すると。先ほどもありましたが、レアアース、まだ七割ですよね。これ、ちょっとでもレアアースに制限掛けるということになれば、かなり日本経済に打撃になるわけであります。
 経団連はこの間も、米中の、米中のですよ、強権的な対外政策で自由貿易体制が揺らいでいることに危機感を持っていると、二大国に過度に依存しない体制を構築すべきだと、開かれた国際経済主義を維持することだということを、ほぼ我が党と同じようなことを主張されているわけでございまして、これは今本当に考えるべき立場ではないかと思うんですね。
 このまま、今日いろんな法案の中身ありますけど、どこに向かっているかというと、やっぱり中国封じ込め戦略の中でいろんなことが出されていると。それが決してプラスにはなっていない、来ていないと、四年間振り返ってですね。そういうふうに思いますと、改めてこの経済安保の方向を考え直すべきじゃないかと率直に私は思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(小野田紀美君) 済みません、改めまして、答弁としては、特定の国を念頭に置いたものではございませんがというところなんですけれども、やはり特定の国や地域への過度な依存によって国民生活や経済活動が止まったり迷惑を被ったりという、することがないような自立性を高めていくことというのはやはり非常に重要だと考えておりまして、委員が言っていただいたように、例えばアジアだったり、これからグローバルサウスだったり、同盟国だけではなく同志国、様々にそうやって多角化していくことで我が国がしっかりと経済的に安定していくという、こういう環境をつくっていくということは非常に必要な、そのど真ん中に置くべき考えなのかなというふうに私は思います。

○大門実紀史君 先日、総理と議論のときに、総理の御本、「国力研究」を読んでいたら、その中に前中国大使の垂秀夫さんのお話が載っておりまして、これ、自民党の中で垂さん呼んだ学習会があったようなんですね。その中で述べておられるんですけれども、垂前中国大使が、中国は日本をどう見ているか、中国には日本が全く見えていませんと、大きなアメリカのその向こうに追随する日本がいるという認識ですと、中国はそういうふうに見ていると、したがって、米中関係さえ調整すれば日本は付いてくると見られているんだと、これが前中国大使の分析というか見方ですよね。一方、アメリカはどうかというと、これは岸田総理の訪米のときに、垂大使が調整されたんだと思いますが、テーマは実は中国への対抗策だったらしいんですけれども、実は、岸田総理をバイデン大統領迎える前に、バイデンさんは中国と長い時間電話会談をしていたと、日本に会う前にですね。つまり、日本は中国からもアメリカからも軽視されているというようなことを前中国大使がおっしゃっているんですよね。
 こういうのはやっぱり違うと思うんですよね。やっぱりアメリカにも中国にもきちっと物を言って主張して、存在感を認めさせて、そうしてこそ経済外交もきちっとした対応がされていくのではないかと思うんですよね。相手にされていないのが今の日本だというような下でのこの経済安保が更にアメリカの後ろ側で付いていく、あるいはアメリカの先兵役やらされるということは大変危険な方向に行くんではないかということを指摘して、今日の質問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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