<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 本日は、お忙しい中、ありがとうございます。日本共産党の大門実紀史です。
最初に、北村参考人に伺います。
今回、北村さんに直接、しかもこんな近くで質問できるというのは、望外の、何というか、喜びでございますけど、この問題への第一人者でございますのでね。
北村さんの御本を今まで五冊読ませていただいたことがございます。一番面白かったのは「外事警察秘録」で、秘録でございますけど、今回の法案との関係でいえば国家安全保障インテリジェンス。実は、ここでの提案が、そのものが今回の法案になったんじゃないかと思うぐらい、スパイ防止法や対外情報庁の今後の提案を含めて全部これに入っているんじゃないかと。したがって、今回の国家情報会議設置法というのは、私にとっても、北村法案じゃないかと思うぐらい思いが入っているんじゃないかと思います。
したがって、もう御主張はよく分かっておりますので、ちょっと違う角度で全体読ませてもらった上でお聞きしたいんですけど、北村さんは安倍元首相を物すごく評価されて、もう信奉をされていたんじゃないかと思うぐらいでございますが、「安倍晋三回顧録」でしたかね、その監修もやっておられますよね。私自身も、安倍さんには経済や現場問題でいろいろ要望聞いてもらったりしたことあるんですけど、ただ、やっぱり憲法改正を強く志向されていたということで、特に自衛隊を憲法上に位置付けるということを目指しておられたんではないかというふうに思うんですよね。
今、高市政権も同じように、自衛隊の位置付け含めて、憲法改正を視野にということを意欲持っておられると。その流れの中でちょっとお聞きしたいんですけれども、自衛隊は警察とともにインテリジェンス情報機関としては重要なメンバーだと思うんですよね。そうすると、北村さんにとって、この国家安全保障、国家インテリジェンスの強化ということを考えた場合、やっぱり自衛隊を憲法上位置付ける必要があるというふうにお考えかどうか、聞かせてもらえればと思います。
○参考人(北村滋君) まず、私の本を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
私が個人的な形でこの憲法改正について意見を開陳する場ではないというふうに考えておりますので、そこは答弁控えさせていただきますが、現在、そういった形での御提案といったものが党内ではなされて、政党内ではなされているということも承知をしております。
それは一つの考え方でありましょうし、それから、今回の意見陳述の関係で申し上げさせていただければ、防衛省・自衛隊の情報活動といったものは非常に国際的にも高く評価されておりますし、また、その情報部門においても非常に優秀な方々が勤務されておりますし、更に申し上げれば、そういった情報といったものが非常に多く官邸にも提供されてきているということを申し上げておきたいと思います。
以上です。
○大門実紀史君 分かりました。
ただ、対外情報庁、あるいはスパイ防止法、通信傍受という話も出ていますよね。そういうことを担っていくという点でいくと、流れの中にもう憲法との関係が出てくるのかなというふうには思っております。
もう一つ、この委員会でも議論になったんですけど、内調というのはそもそも、今度、内調は国家情報局に格上げされるということなのですが、一体今まで何やってきたんだろうというので、私もこの前、委員会で取り上げましたけど、例えば二〇一八年に、まさに北村さんが内閣情報官のときですかね、自民党の総裁選挙で安倍さんの活動を、安倍さん、総裁としての安倍さんの活動を支援したとか報道されていましたよね。個別のことはお答えにくいと思うんですけれど、内調というのは、時の政権の、あるいは時の総理大臣のためにといいますか、そういうふうな活動をする、したこととか、することあったんですかね。
○参考人(北村滋君) 基本的に、内閣の重要政策に関する情報の収集という、収集、分析という所掌事務の範囲で報告をさせていただいているということに尽きるかなというふうに思いますですね。
○大門実紀史君 海渡先生、海渡参考人にお聞きします。
今回の法案は、単に組織法では私はないと思っておりまして、肝は、国家情報局に格上げされて、内調がですね、各インテリジェンス機関、省庁に寄せられた個人情報を、国益のためと、あるいはこういう目的のためとあるんでしょうけど、その集められたときの目的外に使用できると。つまり、何といいますかね、組織法といいながら、新たな作用を及ぼすという点では、組織法といいながら作用するんではないかと思っておりまして、その点でずっと議論を聞いていますと、お国のためなら個人の人権とかプライバシー権など後回しにしてもいいというような、どうもそういうような考え方というか思想を強く感じるわけでございます。
実は、今、衆議院で個人情報保護法改正案が審議されておりますけれど、これは参議院にまた来ますけれど、要するに、様々な個人情報をですね、行政が集めるものを本人の承諾なしに集められるようにしようというような流れの内容で、例えば、統計を作成するために集められた個人情報なら本人の同意なしに集めてもいいじゃないかというようなことが出てくるわけですね。
そうなりますと、今回の個人情報保護法、これから、まだ審議中ですが、それが通ったと考えますと、さらにこの国家情報局が、もうほぼ制限なしに、国益のためだと、このためだと言えば集められるような、個人情報が本人の知らないうちに知らないところでどんどん使われるような危険性を感じるんで、決してこの組織をつくるだけの組織法ではないと、非常に危険な作用をするんではないかというふうに思いますけど、海渡参考人のお考えを聞きたいと思います。
○参考人(海渡雄一君) おっしゃるとおりだというふうに思います。
先ほどの私の公述の中でも触れましたけれども、今回の法案の七条ですね、これに基づいて、各行政機関の情報をかなり強制的に取得できるという根拠になっているのではないかと思います。それから、個人情報保護法の六十九条という条項によって目的外の使用ということも認められているわけですね。そういうものが使われたときに、集められてきた個人情報、各省庁が集めているものが国家情報局に集中するということの可能性があるわけです。
だからこそ、先ほどから私が申し上げているように、どういう情報を取得してはならないのか、どういう活動をしてはならないのかということを、この今回作る法案の中にきちんと書き込んでほしい。そうでないと、暴走を避けられないし、具体的に弊害が起きるような違法な行為、本来規律しなければいけない行為がなされているときに、それを独立の立場から検査して、問題点を見付けて是正を勧告するような第三者的な機関、独立の監視機関というものがないと、これだけ強大な権限を持った機関をつくるときに、権力間のバランスを欠いてしまうんじゃないかということを非常に懸念いたします。
以上です。
○大門実紀史君 私もそういうふうに思うわけでございます。
小谷参考人に伺いますけれど、この法案に賛成の方々も、有識者の方々も、何らかの民主的規制といいますか、そういうものが必要じゃないかという中で、具体的には国会へ報告をしてもらうと、いろんな白書とかもですね。
ただ、これは、ふだん国家情報局、大体秘密裏に活動するわけですね。国会への報告といっても、自分たちの公にしていいことだけ報告する可能性がありますよね。したがって、点検がしようないわけですよね、その報告であっては。
あるいは、これ、北村参考人の著書にもありましたけれども、国家情報局は局だけじゃないんだと、情報会議があって大臣がみんなで議論するんだと。したがって、大臣、政治家が国民を代表して監督するような意味があるんだと、重要なんだとおっしゃっておりますけれど、ただ、国家情報局は、内調時代と同じように、やっぱり総理・総裁直結の形にならざるを得ないし、それが重要な点だということもあるわけですね。そうすると、総理に選んでもらったほかの大臣がそれをチェックするなんてことは事実上あり得ないんじゃないかと思うんですけれど、そんなことで本当に、監視とか監督とかチェックできるんでしょうか。小谷参考人。
○参考人(小谷賢君) 国会の審査委員会は基本的には時の政権の指示を受けませんので、やはりそれは独立して調査を行うことができるということですよね。
ですから、必要があれば、今後、審査会の調査権限を強化するということは検討されてもいいかと思います。
○大門実紀史君 今申し上げたように、今言われているような国会への報告とか、あるいは大臣が関係するからだけではやっぱり不十分ではないかというふうに思うわけでございます。
そういう点で、海渡参考人の資料、膨大な資料であって、全部御説明受けられなかったんですけど、私もちょっといろいろ海外のことを調べていて、いろいろありますけど、やっぱりツワネ原則というのが大変重要な役割を、世界的に一つのスタンダードとしてあるんではないかと思いますが、先ほどちょっと詳しくは御説明の時間なかったと思うんですけど、このツワネ原則、これについて御説明をちょっと加えてもらえればと思います。
○参考人(海渡雄一君) ツワネ原則は、国連機関がつくったものではありませんけれども、全世界の五百人余りの安全保障と人権の専門家が集まって何度も会議を重ねて、最後は南アフリカのツワネで合意を見たというもので、安全保障というものを原則認めていると思います。しかし、その安全保障が行き過ぎて民主政治を傷つけてはいけないという立場でつくられたものだと思います。
そして、ここで決められている制度というのは、非常に各国の新しい制度をつくるときには参照されていて、先ほどから私申し上げました情報機関には、情報機関から独立していて、そしてその情報機関の中の情報まで見た上で監督できる制度が必要であるということをはっきり述べているわけですね。
そういう意味で、非常に参考にしていただきたいというふうに思います。
○大門実紀史君 今回、単に組織だけじゃないんで、今回、委員会でも申し上げたんですけど、この法案を提案するならば、一緒に、セットでそういう第三者機関とか国会の監督、監視の仕組みが必要だということを委員会でも申し上げたんですけど、そうはいっても全部一遍にとはならないと思うんですが、日弁連もいろいろ提案されておりますけれど、最低限、最低限これだけはどうしてもというその監視機構とか監督の仕組み、これがございましたら。
○参考人(海渡雄一君) 先ほども言いましたように、どのような情報を集めてもいいのか、集めてはならないのかということについての明確な規範を提示すること、そしてその規範が守られているかどうかを情報機関の実際の運用の実態まで見た上で判断できる独立の機関、これは独立の行政委員会としてつくることもできると思いますし、議会の情報監視審査会の権限としてそういう権限を保障するということもできると思いますし、一部の権限については司法機関が判断するということもあっていいと思うんですけれども、そういう制度を組み合わせて、情報機関というものが人権侵害を引き起こさないようにする複合的な監視システムというものが求められていると思います。
以上です。
○大門実紀史君 先生、海渡先生おっしゃったとおり、ほかの海外の例を見ると、いろいろ起きていろいろ加えていくというのはあると思うんですけれど、やっぱりそういうほかの海外の経験があるわけですから、最初からやっぱり幾つか仕組みをつくっておくべきだというふうに思います。
大変参考になりました。ありがとうございました。