<議事録>(未定稿)
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
前回の質疑で、アメリカや欧米で設けられているような第三者機関あるいは国会によるチェック、監督・監視機構が必要だということを申し上げて、その理由の一つとして、今現在、公安警察とか自衛隊の情報保全隊などのインテリジェンス機関が、今現在、プライバシー侵害の市民活動を続けている疑念といいますか可能性があると、それがノーチェックになっているので今設けるべきではないかと。特に、今回の総合調整機能を持つ国家情報会議の提案とともに、そういうものが必要ではないかということを申し上げました。
今現在、情報機関の監視活動、市民監視活動という点では、前回、岐阜県警大垣警察署の市民監視事件、これは裁判でプライバシー侵害が認定されたやつですけれども、それを取り上げて、警備局長さんは指摘されたような行為はないようにとおっしゃっていましたが、市民活動そのものは続けるのかという問いに対して否定はされなかったわけでございますし、現に続けているわけでございます。
そして、自衛隊の陸上保全隊ですけれども、同じことをやっておりまして、これは、前回、時間の関係で質問できなかったので聞いておきたいと思いますが、仙台高裁、平成二十八年二月二日、判決がございまして、これは自衛隊の情報保全隊がイラク戦争に自衛隊を派遣するということに反対する市民運動を監視していたということですが、実はそれだけではなくて、広く、例えば年金改悪反対の街頭宣伝などなど広く監視をして個人情報を集めていたということで、裁判所はプライバシー侵害があったと違法と認定したわけでございます。
違法なことはやらないということだと思うんですけれども、聞いておきたいのは、このときの情報保全隊は一体どのような法的根拠を持って市民を監視するという活動をしていたんでしょうか。
○政府参考人(松尾智樹君) お答えいたします。
自衛隊の情報保全隊の情報収集についての法的根拠でございますけれども、防衛省の所掌事務を定めた防衛省設置法第四条第一項第四号にございます。具体的には、第四号の前に、第一号に、まず、防衛及び警備に関すること、第二号に自衛隊の行動に関すること、第三号に陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の組織、定員、編成、装備及び配置に関することという規定がございます。
これを受けまして、第四号におきまして、これらの事務に必要な情報の収集整理に関する規定という、業務に関する規定というものがございまして、情報保全隊はこの第四号に基づいて情報収集活動を行っております。具体的には、あくまで情報保全隊の任務として、あくまで自衛隊員の情報保全に関する規律違反などがないよう、これを防止する観点から必要な情報収集というものを行っているところでございます。
○大門実紀史君 資料を配付いたしましたが、一つ目の警察法は、この前も言いましたが、たったこれだけの条文を基に公安警察は広く市民活動を監視していると。暴動を起こすかもしれないというような拡大解釈してやっているわけですね。
今答弁あったのは二つ目の防衛省設置法ですが、これよく読みますと、要するに、自衛隊自身、自衛隊員が自衛隊の機密情報を外に漏らさないと、文字どおり自衛隊の中の情報を保全することを目的とした部隊というふうに読めると思うんですが、そういうことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(松尾智樹君) お答えいたします。
今、先ほど答弁申し上げました防衛省設置法第四条第一項第四号に基づく自衛隊の情報収集ということで、具体的には、情報保全隊が行う情報収集についてもこの号に基づいて情報収集を行っているというふうに御答弁を申し上げましたが、情報保全隊以外の自衛隊の部隊におきましても情報収集活動、必要な情報収集活動を行っておりまして、こういった自衛隊が行う情報収集全体がこの号に基づいて行っているところでございます。
情報保全隊につきましては、先ほど申し上げましたとおり、あくまで自衛隊員の情報保全に関する規律違反がないようにということで必要な情報収集活動を行っているところでございます。
○大門実紀史君 同じこと何回も言わなくていいですから。
要するに、情報保全隊は、今申し上げたように、自衛隊内の情報を保全すると、情報漏えいを防ぐということですね。だったら、なぜ年金改悪反対の集会まで監視する必要があったんですか。
○政府参考人(松尾智樹君) お答えいたします。
当時、イラク派遣をめぐるいろんな状況の中で、自衛隊員による情報の漏えいといったことがないようなことを目的として情報保全隊は必要な情報収集活動というものを各種行っていたところでございます。
先ほどの仙台高裁の判決におきまして、訴えとしては自衛隊の情報収集活動そのものを差し止めるといったことを、あっ、今御指摘のありました年金の話につきまして、当該争いになった文書そのものについて、裁判の中で、防衛省、政府といたしまして、作成を自衛隊が行ったというようなことについて認めていないというのが今の立場でございます。ですので、その文書を前提にした御質問について、お答えが困難であるということについて御理解いただければと思います。
○大門実紀史君 そこまで言うなら言わなきゃならないんですけどね。二〇〇七年当時、自衛隊から我が党に内部告発がございまして、当時大きな問題になってマスコミも取り上げまして、情報保全隊の市民監視活動がおかしいんじゃないかという自衛隊員の非常に真面目な方の告発が我が党に膨大な資料と一緒に寄せられたんですね。そのときの内部資料、それ、ここまで言うつもりなかったんですけど、そういうこと言われるのなら申し上げますが、情報保全隊は監視、収集した国民の運動、運動団体を団体別に区分して集約しているという文書が入手されました。
例えば、GL。GLというのは、民主党及び連合系労働組合、それに関連すると区分された市民運動。P、Pというのは、日本共産党及び日本共産党系と区分された労働運動、市民運動。Sというのは、社会民主党、社会民主党系と区分された労働運動、市民運動。CVは、それ以外の市民運動。その他は、市民運動、個人、地方議会の動向。NLが新左翼等と。これぐらい具体的に区分を設けて監視活動を行われているということがもう当時大問題になったんで、今あれこれ言いませんけれども、そういうふうに日常的に行われたわけでございます。
いずれにせよ、この仙台高裁の判決の後、情報保全隊は違法なところはいろいろ直すとかいろいろおっしゃっていますけれども、こういう市民や政党や、市民の監視活動というものは今も続けておられるんでしょうか。
○政府参考人(松尾智樹君) お答えいたします。
繰り返しになりますけど、文書そのものの存在について認めているわけではございませんので、ちょっとそれに基づく御質問にはなかなかお答えしにくいところではございますけれども、裁判の結果、一名、原告一名に対するプライバシーの侵害というものが認められ、損害賠償の支払というものを命じる判決が言い渡されたところでございます。
防衛省といたしましては、判決で個人情報の適切な取扱いといったコンプライアンスに問題があったというふうなことで、この判決を厳粛に受け止め、情報保全隊が関係法令に従って適切な方法で情報収集活動を行うということを徹底するべく、部内にもその趣旨の徹底をするための教育などをその後引き続き行っているところでございます。
○大門実紀史君 とにかく、公安警察も情報保全隊も、引き続きそういう市民監視活動が行われて、行っていないと言わないわけでございます。
そういう点で、今現在そういうことをチェックする仕組みがほかの国にはあるわけですから、日本も設けるべきではないかというのが一つでございます。
もう一つ、二つ目に、そういうチェック機関を設けるべきだと思うのは、国家情報会議が局、会議、局ですね、この格上げの問題でございますけれども、今回の法案の一番の肝は、内調が国家情報局に格上げされて総合調整機能を持つということだというふうに思います。
そもそも、今まで内調がどういうことをやってきたか、余り信用されていないというのは今日の質疑でもあったと思うんですけど、内調というのはいろんな言われ方をして、内閣直属あるいは総理直属の情報機関とか、場合によってはマスコミも隠密組織というようなことまで言われてきたわけでございまして、資料の二枚目がございます。これはもう午前中、杉尾さんが全部やっていただいたんで、私の方は何も言うことはないんですが。ありがとうございました、時間の節約になりましたけれども。
要するに、安倍晋三元首相の私兵部隊のように働いたということなんですね。これも、実は内調のスタッフから、こんな選挙の情報収集とかそんなことをやっていいのかというリークが新聞社にもたらされて記事になったんですよね。これも、今後やらない保証はないと。やらないと言うなら、やっぱりその事後で結構ですので、そういう第三者機関なり国会が、ちゃんと後でも、目的どおりやっているのかと、ちゃんとした目的でやっているのかチェックを受けるべきではないかというふうに思います。
私、歴史が好きでいろんな本を読むんですけど、古来、情報機関というのは余り権限を与えない方がいいんではないかというふうに思うんですよね。例えば、江戸幕府も、服部半蔵を旗本、大名にはしなかったわけですよね。この知恵が小説の中にも書かれておりまして、やっぱり情報機関が政策決定に関与しない方がいいというのがもう古い日本の中でも知恵としてあるわけですよね。
新しいところでいいますと、新しくないですかね、一九五〇年代にCIAのダレス長官が大変問題になりましたよね。イランの政府転覆、グアテマラ、あとキューバですかね、あの作戦ですよね。勝手にいろいろやったんで、ケネディにもうそをついてやったんで大変叱られて、その後、CIAはかなりいろいろ目を、大統領から目を付けられる存在になったということがありまして、こういう歴史の教訓を学ぶべきじゃないかなというふうに思います。情報機関が格上げされると政策にも影響しかねないという点の危なさがあるわけでございます。
そんなことも心配されるわけですから、要するに、第三者機関とか国会が監視する仕組みがあれば、そういうこともなかったんだなとか後々でもチェックができるわけですね。かえってインテリジェンス機関の、国家情報局の信頼が増すんではないかと、逆に言えば、そういう機関がちゃんとチェックした方がですね、思うわけでございます。
三つ目に、そういう機関が、チェック機構あった方がいいと思う理由は、まさに今回、先ほど言いました総合調整機能を持った国家情報局が、各インテリジェンス機関、省庁に、これこれこういう目的でこういう情報を集中してもらいたいという指示ができるという点でございます。
通常なら、各インテリジェンス機関、省庁が収集した個人情報というのは、個人情報保護法から通常は目的外使用をしちゃいけないということになっているわけでございます。ただし、必要な場合は目的外使用をしていいということが書かれておりまして、それは個人情報保護法第六十九条の中に書かれていますが、第二項第三号ですね。行政機関が、例えば国家情報局が、他の行政機関が保有している個人情報を提供するように求める場合、それは、その必要な、その求める方、国家情報局が必要な限度で個人情報を利用しますということと、それに、その目的を、相当の理由があるときというふうに、そういう解釈になると思うんですよね。
つまり、各行政機関が様々な目的で収集した個人情報も、国家情報局がこれこれこういう理由で必要だという情報と決めれば、今申し上げたような個人情報六十九条第二項三項に該当して目的外に使用してもいい、出してもいいということで合法になるという、そういう流れが今回つくられていると思うんですけれども。
時間の関係で、そうなるとということで聞きますね。これは確かに、内調が格上げされた国家情報局は、もちろん国益のためということでやられるんでしょうけれども、これが重要情報だと、国益のために必要だと決めれば、各情報機関が持っている個人情報も集められるということになります。個人情報保護法の縛りもなく収集、分析ができるということ、今回、この法案、法律によってなるわけでありますね。総合調整機能ということですね。
そうなりますと、このインテリジェンスコミュニティーの間で情報がフィードバックされるということと、共有化されて、やがてデータベース、いろんなことの、危機対応の点でいえばデータベース化もされていくということになると思うんですけれども、これは、国家情報局にとっては国益のためだ、合法だということになるかもしれませんが、国民の側からすると、ある省庁に限定的に答えた情報が全然違うところで使われると、知らないうちに使われるということで、これは明確なプライバシーの侵害に、個々の国民にとってはですよ、幾ら国家情報局が正しいことと思ってやろうと思っても、それで集めたとしても、個々の国民にとってはプライバシーの侵害になるというふうに思います。
そういう仕組みになっておりますので、何も今までとは変わらないということではなくて、個人情報の保護という、からいくと、大きく変わるというふうに私は思いますし、何といいますかね、国家情報局による法の例外、目的外使用という法の例外を限りなく拡大して、合法的ということにはしますが、言ってみれば超法規的な個人情報の収集が可能になるというふうに思うんですね。
これは大事なことなので、木原官房長官に聞きたいんですけど、これが私が一番危惧する点で、今回何も変わらないんじゃなくて、そういうふうに情報が共有化されて御本人の知らないところでいろいろ使われていくという点ですね。この点の歯止めがないということなんですね。この点いかがですか、長官。
○国務大臣(木原稔君) 国家情報会議や国家情報局は、その所掌事務のあくまでも範囲内において国民の安全や国益の確保に資する情報を集約するものでありまして、その所掌事務の遂行に必要な範囲を超えまして個人情報を各省庁に求めることもしませんし、その必要もないと思っております。もとより、委員御指摘のように、法令等に沿った個人情報の適切な取扱いにはもちろん留意しなければならない、当然であろうかと思います。
本法案の審議、こういった審議を踏まえまして、国家情報会議で作成、公表しているような政府の情報活動、中長期的な推進方策、これにおいては、個人情報やプライバシーの保護を無用に侵害する情報収集は行わないものであることなどについてその具体的方策を含めて検討していくこととしておりますので、衆議院の審議の中でも附帯も付けていただきました。そのことについてしっかりと留意していきたいと思っております。
○大門実紀史君 申し上げたいことは、国家情報局の活動ってオープンにならないわけですよね。そうすると、疑心暗鬼が今までのこともあるから生まれますし、今おっしゃったような、何もかもひどいことやると言っているんじゃないですよ、やっぱり逸脱されることがあり得ると、そういうことがチェックされないまま進むわけですよね。逆に言えば、若干、事後でも第三者機関とか国会が監督、監視する仕組みがあれば、そういうことはなかったんだなと、そういうことやって、ちゃんとやっていたんだなということが後で分かっても、それは、逆に言えば信頼が高まって、その国家情報局もですね、かえって皆さんにとっても、その方が信頼も高まるし、予算も付けようということになるかも分かりませんし、私は立場違いますけれどね、皆さんの立場に立ってもそういう仕組みがあった方がいいんじゃないかというふうに思います。
その第三者機関については、海外の例をまた次回紹介していきたいと思います。
今日は終わります。