国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年5月12日 参議院 内閣委員会 「国家情報会議」設置法案 民主的統制なく監視拡大
<赤旗記事>

2026年5月13日(水)

民主的統制なく監視拡大
「国家情報会議」設置法案 大門氏が追及
参院内閣委

(写真)質問する大門実紀史議員
=12日、参院内閣委

 日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院内閣委員会で、政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案は、民主的統制の仕組みもないまま市民監視を拡大・強化し、人権を侵害する危険があると告発し法案の撤回を求めました。

 大門氏は、これまでも公安警察や自衛隊などの情報機関が人権侵害を引き起こし裁判で違法と認定された事件が多数あると指摘。国会や第三者機関によるチェックなど本来、法案とセットで提案すべき民主的統制がなぜないのかと追及しました。

 木原稔官房長官は、法案は「内閣情報会議」と「内閣情報調査室(内調)」を格上げして設置する「国家情報会議」と「国家情報局」や各省庁に新たな調査・捜査権限を付与するものではなく、情報活動のあり方に「何ら変更を加えるものではない」などとして、民主的統制の規定を設けていない法案を正当化しました。

 大門氏は民主的統制が必要な理由の第1として、「変更を加えない」と言うが今も市民への合法性が疑われる監視や調査が秘密裏に行われている可能性があると指摘。過去に大垣警察市民監視事件やイラク戦争時の自衛隊情報保全隊の市民監視事件などが違法と断じられたが、国は情報収集自体をやめるとは言っていないと追及しました。

 警察庁の千代延晃平警備局長は警察法2条を念頭に「警察の活動は公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で必要な範囲で行われるべきもの」だなどと述べ、情報収集・市民監視を行っていること自体を否定しませんでした。

 大門氏は情報保全隊の事件では「年金改悪反対」「消費税増税反対」の活動まで監視していたと指摘。法律の拡大解釈で情報収集・市民監視が行われているのが実態だと批判しました。

 第2に、「重要情報活動」(政府によるスパイ活動)の対象があいまいなことなど市民監視の拡大・強化の危険性を指摘。第3に情報活動の総合調整機能を持つ「国家情報会議」設置で情報の集約化・共有化が進行し、これまで各情報機関・省庁が個別に収集してきた個人情報が共有され目的外使用される危険などを指摘し、民主的統制のない同法案は提起すべきではないと強調しました。

<議事録>(未定稿)

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 今回の法案、賛成という会派の方も共通して出されているのが、やっぱり市民への監視強化とかプライバシー侵害に対する懸念ではないかというふうに思われます。
 要するに、インテリジェンス機関というか情報機関というか、公安警察や自衛隊の情報保全隊ですよね。これまで、今まで人権侵害を、先ほど司委員からありましたが、実際に引き起こしてきたと。配付資料にもございますけれども、この配付資料以外にも数多くあるわけでございます。したがって、こういう情報機関に対する民主的規制が必要ではないかと。具体的に言えば、第三者機関によるチェック機能とか国会による監督、監視、そういう仕組みが必要ではないかというのが出されているわけで、これは当然の思いだというふうに思います。
 もう一つは、やっぱり懸念のバックグラウンドとして、戦前の特高警察とか憲兵という、この、何といいますかね、国民弾圧の暗黒の歴史といいますかね、それがかなりやっぱり国民の中に記憶として残されているということがもろもろ懸念を生じさせているんだと思います。
 これまでの議論なんですけれども、政府の答弁によりますと、こういう懸念に対して、今回の法案は組織法で作用法ではないからとか、あるいは新たな調査権限を加えるものではないからやることは従来と変わらないんですからということ、あるいは、今後必要があれば考えていくこともあるとか、要するに今後の検討課題というふうにされているわけでございますが。
 また、衆議院の参考人質疑で、法案賛成派の大澤淳参考人おっしゃっていましたけれども、法案が成立した後、例えば対外情報庁が設置されるという場合には、活動の透明性とか説明責任を果たすための根拠法とか監査機関の設置が必要という御意見もあるわけでございますが、もちろん、対外情報庁とかスパイ防止法、私たちは必要ないと思いますけれど、仮に出てくるとしたら、もちろんその個別法の中で、民主的な規制の仕組みは当然必要だと思います。
 ただ、今問われているのは、この第三者機関、これは行政の方に置くようになると思いますが、あるいは国会による監督・監視機関ですね、民主的統制ですね、これは個別法のことではなくて、個別法というのは当然法律ですので、違反したら司法が裁くということになるわけですが、そういう話をしているんじゃなくて、この情報機関の活動全体を監督、監査する、そういう仕組みが必要ではないかという議論じゃないかと思うんですよね。
 したがって、今後の検討課題ではなくて、本来、今回のような国家情報会議設置法案とセットで、本来ならセットで提案されるべきものではないかというふうに思うんですが、木原長官、御意見いかがでしょうか。

○国務大臣(木原稔君) 本法案ですが、行政機関相互の関係を律するものでございまして、国家情報会議や国家情報局にも、各省庁にも、情報収集に関するその新たな調査権限であるとか捜査権限を付与する規定を置くものではないということは申し上げてきたところでございます。
 また、国家情報局による総合調整の対象となる各省庁の事務ですが、それぞれの主任の大臣により分担管理をされており、各大臣の監督の下で、これまでと同じく、同じ所掌事務や権限に基づいて情報活動を適切に行うものでございまして、本法案はこのことに何ら変更を加えるものでもございません。
 加えて、民主的統制という点で申し上げれば、本法案は、従来の言わば役人を中心とした会議体から、閣僚級の国家情報会議を設置し、同会議が各省庁の情報活動の基本方針を定めることなどを内容とするものであって、民主的統制の強化に資するものと考えているところです。
 今私が申し上げたことを踏まえまして、本法案においては、御指摘のようなその第三者機関に関する規定を設けることとはしていないというところでございます。

○大門実紀史君 同じ答弁を繰り返されたわけですけれども、なぜ今回の法案とセットで提案されなければいけないのかということを、これから具体的に、三つの理由があると思っておりますので、申し上げていきたいといいますか、議論したいと思うんですが。
 一つは、新たな調査権限加わらない、今までとやることは変わらないといっても、その今までが問題なんですね。今が問題だと思うわけでございまして、今も合法性の疑われる市民監視あるいは調査が秘密裏に行われている可能性が、この間の事案を見てあるわけでございます。ですから、今現在、誰もそれをチェックできないと。個別事態が告発などで顕在化したときに裁判によって問われるというのがパターンでございまして、今現在行われていることそのものの問題点ということをほっておいて、こういう格上げがされるべきなのかという点が一つですね。
 二つ目は、まさにその格上げの問題なんですけれども、今官房長官おっしゃったように、何も変わらないということでなくて、この格上げによって、やっぱりその市民に対する監視活動は拡大強化されるおそれがあるというふうに思うわけでございます。
 後でまた詳しくやりますけど、今まで政令で規定されていた内調が、今度は法定の国家情報局になることの意味とか、あるいは重要情報活動の範囲の曖昧さですね、これは衆議院からずっと議論ありますよね。これらのことから生じる危惧が拭えないという点で、そのためにも、今回セットでそういう監視機関が提案されるべきだと思います。
 三つ目は、今日も議論ありましたけども、この国家情報会議が総合調整機能を持つということの意味なんですね。
 このインテリジェンス機関の間で情報の集約や共有化が進行されると。これは、インテリジェンス機関の方、集める方としては重要なことかも分かりませんが、裏を返せば、個人情報あるいはプライバシー侵害につながる可能性が大きいわけでございます。つまり、今まで各情報機関が、各省庁が個別に収集していた個人情報等が共有化されるということの意味ですよね。
 これは、例えばNHKの「日曜討論」でも議論になっていましたけど、例えばお巡りさんが訪ねてきて、おたくの家族構成は何人ですかと聞くと。これはお巡りさんにとっては防犯上聞くということだと思うんですけれど、例えばそのお住まいが自衛隊の基地のそばだったとしますよね。そうすると、その家族構成が情報保全隊に共有されて、周辺住民の状況としてデータ化される、あるいは公安警察がそれをデータ化してデータベースにするというようなことが、危惧があるわけですよね、この共有化ということに関して言えばですね。
 これも個別情報、個人情報保護と、先ほどありましたけれど、また詳しく議論したいと思いますが、こういう三つの点から考えますと、少なくとも今回の法案とセットで、セットで提案されるべきものだというふうに思いますし、逆に言えば、こういう監視機能、民主的統制なしに、今回、まずこれからということで、先にこれということは、この国家情報会議というのは大変危険なことではないかと、後々禍根を残すことではないかというふうに思います。
 この三つの点で、これから何回かの質疑で明らかにしていきたいというふうに思いますが、まず、一点目に申し上げた、今現在のその市民監視活動が、インテリジェンス機関の、情報機関の、本当に適正に行われているのかという問題でございます。
 この機会にちょっと聞きたいんですけど、議員会館の前によく集会がやられるんですね。規模はいろいろですね、十人ぐらいの場合もあれば百人とか何千人のときもありますけれど、国会議員が挨拶に行ったり行かなかったり、独自にやっていらして、いろいろ、いろいろなんですけれど、大体共通しているのが、制服の警官の方がいて、交通整理も含めてしていただいていると。もう一つ、道路側でなくて会館の側に私服と思われる方、何人かいらっしゃるんですよね。その道路側にいて、制服の警官の方に私聞いたことあるんですけれど、どこの警察ですかと言ったら、麹町署ですと、非常に普通に答えてもらうんですけど、会館側で私服で五、六人か七、八人いらっしゃる方というのは、正面からどなたですかって聞いても答えてくれないんですよね。あるとき、ちょっと隣に寄り添って、大変ですねと、警視庁ですかと言ったら、はい、そうですって答えられたことあるんですけど。
 だから、やっぱり警察、警備、まあ東京だから警視庁だと思うんですけど、警備、公安の関係だと思うんですけど、ああいう方々は、何を根拠にこの議員会館の前の集会を監視しているというか、されているんでしょうかね。どういう法的な根拠があるんですか。

○政府参考人(千代延晃平君) お答えいたします。
 今委員から御質問いただいた個別具体の事案について、どういったケースなのか、私、今直接承知はしておりませんけれども、警察活動は、あくまでも公共の安全と秩序の維持という警察法第二条第一項に定める責務を果たす上で必要な範囲内で行われるべきものでございます。
 先般の衆議院内閣委員会におきまして、総理から、政府の政策に反対するデモや集会に参加しているということのみを理由として、普通の市民の方が調査の対象になるということも想定し難いと御答弁ございましたとおりでございます。
 この点、総理の御答弁におきまして、同様に、デモが過激化して一般の方々への危害が及ぶ事態に発展するかどうか、また、ある主張をするデモ隊とその反対の主張をするデモ隊が衝突して危険な状態が生じる可能性があるかどうかといった観点から関心を寄せることはあり得ると御答弁がございました。
 違法行為や事故が発生するおそれなどの観点から関心を寄せるということは、先ほど申し上げました警察法第二条第一項に定める警察の責務の遂行に当たり必要なことであると考えているところでございます。
 引き続き、適切に警察活動が行われるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 最近ですと、医療改悪反対とか、あるいは憲法を守れとか、しかも、規模でいえば十五、六人の場合もあって、ありますけど、それが何かあれですか、暴動に発展する危惧があるからああいう監視をされているということなんですか。到底そういうふうに見えないんですよ、そういう集会には見えないんですけど、その場合でもいらっしゃいますよね。ちょっと拡大解釈じゃないんですか。

○政府参考人(千代延晃平君) 大変恐縮でございます。個別具体のケース、今委員が御指摘されましたその個別具体のその活動に対して警察活動がどのように行われているのかいないのかにつきまして、私、今手元に何も持っておりませんのでお答えできないわけでございますけれども、警察活動といいますのは、先ほど申し上げましたとおり、公共の安全と秩序の維持という警察法二条一項に定める責務を果たす上で必要な範囲内で行われるべきものであると考えております。

○大門実紀史君 ちなみに、もう一つ聞きますけど、国会議員が挨拶に、いろんな党が挨拶したりしなかったりしますけど、あれ、国会議員が挨拶したときは、あれですか、何党のどの議員が挨拶したとかも記録されているんですか。

○政府参考人(千代延晃平君) 大変申し訳ありません、今の国会議員が挨拶されてといいますのは、済みません、どう警察との関わりのお話なのか、ちょっと私、理解し難かったものですから、もう一度お尋ねいただければと思います。

○大門実紀史君 ちょっとさらに、先ほど司委員から紹介してもらったんで中身は省略いたしますが、資料一枚目なんですけどね。
 簡単に言いますと、岐阜県警が風力発電施設反対、建設反対という住民の活動を、個人情報を収集して電力会社側に知らせると、とんでもないことが起きて、これは裁判所で違法性が認定されて、国家賠償請求と個人情報の抹消請求認められるという判決が確定したんですよね。
 これは、岐阜県警はどの法律を根拠に、こういう風力発電建設反対、これ全国で起きていますよね、住民の皆さん困るからといって、環境問題とかいろいろ困るということで、どういう根拠で、どんな法律を根拠にこういう市民の活動を監視されていたんですか。

○政府参考人(千代延晃平君) 警察活動は公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で必要な範囲で行われるべきものでございまして、お尋ねの警察の活動もそのような考え方を念頭に置いて行われたものであると承知をしております。
 警察としましては、いずれにしましても、大垣署員の活動を違法と判断した同判決を重く受け止めているところでございます。

○大門実紀史君つまり、今恐らく警察法の第二条しかないんですよね。警察は公共の安全と秩序の維持に当たることをもってその責務とする、これだけでいろんなことをやっているってことになるわけですよね。
 これ判決が出まして、違法性は裁判所が認定されて確定したわけですけれど、この情報の収集活動というのはやめるとおっしゃっていないわけですよね。これ引き続きやっていらっしゃるのだと思いますし、今後もやっておかれるということなんですか。情報収集、監視活動そのものはこれからもやっていくということなんですか。

○政府参考人(千代延晃平君) 先ほど来申し上げておりますとおり、警察の活動は公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で必要な範囲で行われるべきものでございます。
 情報収集に当たりましては、目的の正当性、行為の必要性及び相当性という情報収集活動の基本原則を遵守した上で行うべきものであるというふうに考えております。

○大門実紀史君 要するに、非常に拡大解釈で監視活動が行われて、それをやめないと、今後も続けるということでございまして。
 二枚目は、自衛隊の話で、これも先ほど御紹介あったんで、中身はもう説明いたしませんが、イラクに対する、イラク戦争のときの自衛隊派遣に対する反対の市民運動と言われましたけど、実はそれだけじゃないんですよね。年金改悪反対とか、消費税増税反対の街頭宣伝まで監視していたと、情報収集していたということが裁判で明らかになっていて、やり過ぎじゃないかということで、違法性も含めて認定されるわけですね。これもこちらで言いますけど、何を根拠にやってんのとこの前聞いたんですけど、防衛省設置法の中の、要するに自衛隊の防衛及び警備に関すること、それに必要な情報の収集に関することという、たったこれだけの条文を基に幅広く監視活動されていたわけですよね。
 申し上げたいことは、こういうふうに警察も自衛隊の情報保全隊も、非常に短いアバウトな法案、法律を根拠に幅広い拡大解釈ですね、この法案のですね、拡大解釈をして調査活動をされているということなんですね。今、これが今の実態なんですよね。これ、こういう状態のまま、新たな調査権限加わってないどころか、今の調査権限が問題なんですよね。
 その上で、これ以上こういうことを拡大していいのかという点が一つ目で申し上げた点でございます。
 二つ目の懸念点、三つ目の懸念点は次回やっていきたいと思いますが、これ一つ取っても、何かその格上げしたり何かする前に、まず今、襟を正すべきではないかと。そうでないならば、まずやっぱり監視、監査機関をきちっと一緒に提案すべきじゃないかということを申し上げて、今日の質問は終わります。ありがとうございました。

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