国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年4月21日 参議院 内閣委員会 選択的夫婦別姓の早期実現を 同姓の強制は経済発展の足かせ
<赤旗記事>

2026年4月22日(水)

選択的夫婦別姓の早期実現を
同姓の強制は経済発展の足かせ
参院内閣委 大門議員

(写真)質問する大門実紀史議員
=21日、参院内閣委

 日本共産党の大門実紀史参院議員は21日の参院内閣委員会で、同姓の強制で女性が被る不利益は、政府の進める旧姓使用の拡大では解決できないと指摘し、選択的夫婦別姓制度の早期実現を求めました。

 大門氏は、選択的夫婦別姓制度を求める経団連の提言とともに、経団連が会員企業の女性役員に行った調査では88%が旧姓の通称使用が可能でも「何かしら不便さ・不都合、不利益が生じる」と回答していると紹介。戸籍姓と通称の二つの名前があること自体、海外では理解されないなど、マーケットの最先端で頑張る女性から寄せられた声も突きつけ、「同姓の強制がビジネス上の負担となり、足かせとなっている」として、同制度の早期導入を求めました。

 黄川田仁志男女共同参画担当相は「女性の活躍はわが国の経済にイノベーションをもたらし、持続的な発展を確保する上で不可欠だ」としながら、選択的夫婦別姓制度の導入については、「国民各層の意見や国会での議論を踏まえ検討していく」との答弁に終始しました。

 大門氏は、かたくなな反対論の中心は、戦前の家族制度を押しつける創世「日本」など、自民党の議員連盟の意見で、「全く合理性がない」と厳しく批判し、選択的夫婦別姓制度の導入を重ねて求めました。

<議事録>(未定稿)

○大門実紀史君 大門です。
 先ほど杉尾さんからもありましたが、私も夫婦別姓問題、私は経済の面から質問したいと思います。
 まず、大臣に伺います。
 今後の日本経済の発展、成長にとって、女性に思う存分、何の障壁もなく働いていただくと、頑張ってもらうということは大変大事だと思うんですが、大臣のお考え、いかがですか。

○国務大臣(黄川田仁志君) 女性活躍、男女共同参画は、全ての人が個性と能力を十分に発揮し、生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を実現するとともに、我が国の経済社会にイノベーションをもたらし、持続的な発展を確保する上でも不可欠な要素であると考えております。
 担当大臣として、関係省庁と連携し、しっかりと取り組みたいと思っております。

○大門実紀史君 まさに、その点で急がれるのが選択的夫婦別姓でございます。この問題は、自分の姓を名のり続けたいという、アイデンティティーの問題とか人権の問題、あるいは女性差別撤廃の問題という点からも一刻も早く実現しなければいけませんが、同時に、この問題は経済の問題でもあります。
 昨年、衆議院の法務委員会の参考人に来られた経団連のダイバーシティ推進委員長の次原悦子さんですね。女性実業家としても大変有名な方でございます。選択的夫婦別姓を強く一貫して要望されてきたわけですね。
 次原さんは、次のように法務委員会で述べておられまして、ダイバーシティーはイノベーションの源泉だと、持続可能な成長のためには欠かせないと。特に、人口の半分を占める、消費購買決定の約七割に関与している女性の活躍というのは、企業の成長そのものに深く関わると、経団連としてダイバーシティー、真剣に取り組んできましたと。しかし、企業の努力だけでは乗り越えられない壁が存在しますと、それが現行の夫婦同姓制度ですと。経団連が実施した調査によりますと、九一%の企業が旧姓の通称使用を認めている一方で、税や社会保障の手続や、結婚や離婚などのプライバシーに関わる情報管理におきまして、企業としても大きな負担が生じていると。さらに、会社の女性役員の八八%が、通称使用が可能であっても何かしらの不便や不利益があるとアンケートでは回答していると。何よりも次原さん自身が、ビジネス上使い続けてきた名称、名前と戸籍名が違うということによって不都合、不利益を長年感じた経験を持つと、こういうことをおっしゃっています。
 お手元に経団連の提言をお配りし、一番最後のところに、五枚目に、いろいろ分析された後、最後のところに経団連の提言が書かれておりまして、様々な分析の上に、最後にやっぱり、一貫して選択的夫婦別姓、実現してほしいということで、実は先月の経団連の会長の記者会見でもこのことは強く述べられているわけでございます。経団連の要望、至極まともだと、もっともだと思います。
 本気で強い経済を目指すならば、選択的夫婦別姓実現に私はもう直ちに踏み出すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(黄川田仁志君) 選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国民各層の意見や国会における議論の動向等を踏まえる必要があると考えております。
 一方で、この夫婦別氏を進めるに当たっては、社会生活で不便や不利益を感じる方を更に減らすことができるよう政府として長年取り組んできました。更にこの取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 この間おっしゃっている通称使用の拡大、旧氏使用の拡大ですか、それを法制化することによって促進していくと、拡大していくということだと思うんですけれども、それでは問題解決しないと経団連は一貫して主張しているところでございます。
 一言申し上げますと、我が党が経団連の要望書で質問するというのはめったにないことでございまして、その重みも受け止めていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事渡辺猛之君着席〕
 そもそも、旧姓使用の拡大ですね、旧姓単記の方向で、この最先端、ビジネスで頑張っておられる日本女性のいろんな困難は解決するのかということなんですけれども。
 実は、私の学生時代の友人の女性で、神戸で経営コンサルタントの会社、社員研修などの会社を経営している方がいます、投資の相談も乗っているそうですけれども。具体的に聞いてみますと、彼女の会社は、アジア、オーストラリアでビジネス展開されていて、ふだんは旧姓、通称で仕事をしているということなんですが、様々な問題点もあるということを聞きまして、例えば、海外渡航、飛行機のフライトですね、この予約は戸籍名に限られるとか、パスポートというのは旧姓併記が可能だそうなんですけれども、海外で二つの名前があるということそのものが大変理解されないというか、違和感を抱かれるということを言っていました。
 また、パスポートそのものは、国際基準、ICAOというんですか、それに準拠しているために、ICチップは戸籍の姓のみだということなんですね。そうすると、海外でいろんな本人証明するときには、やっぱり戸籍の戸籍名ということでしか認識されないと。
 今回の旧姓単記を拡大するということになると、かえって、本人確認のところでかえって手間、一々本人確認させられることが起こるんじゃないかとかですね。彼女は投資相談も行っておりまして、旧姓では証券口座が開設できないということで、あと、海外に送金する、海外のバンク、銀行に送金するときも戸籍名でしかできないということなんですね。
 先日のこの委員会でも議論されましたマネロン対策とかいうことでいえば、本人確認がかえって厳しくなっているんですね。したがって、二つの名前を持つということそのものが、ビジネス上の信頼性の確保とか、大変な負担増になっているわけでございまして、夫婦同姓の強制がビジネスの積極的な足かせになっているということを具体的な例で教えてくれたわけでございます。
 その旧姓の使用範囲拡大されても、今申し上げたような煩雑さとか混乱は残ります。かえって拡大する場合も懸念されておりますし、何よりもこのコストですね、民間にも強いるコスト、法制化に伴うコストとか、いろんな法律の問題もあると思いますし、膨大なコストが掛かるし。私、思うのは、こういう実務的な障壁もあるんですけれど、一番は、そうやって経済、マーケットの最先端で頑張っている女性の方々にとって、実務上の障壁は取り除いてほしいだけではなくて、やっぱり頑張っている自分に対する、のアイデンティティー、誇り、自負という点からも、この選択的夫婦別姓、実現すべきじゃないかというふうに思うんですね。
 それで、同じ答弁が繰り返されると思うので、聞きたいのは、一九九六年の法制審議会、実は、この旧姓使用の拡大というのが、A、B、C、三つの案のうちのC案として一旦検討されましたけれども、採用されなかったんですね。
 法務省、何で通称使用の拡大、採用されなかったんでしょうか。

○政府参考人(竹林俊憲君) お答え申し上げます。
   〔理事渡辺猛之君退席、委員長着席〕
 平成八年までの法制審議会による調査審議におきましては、民法を改正し、夫婦は同一の氏を称するものとする現行の制度を維持しつつ、民法に氏と異なる呼称という概念を導入し、婚姻によって氏を改めた夫婦の一方が婚姻前の氏を自己の呼称として使用することを法律上承認する案も検討されました。
 平成七年九月に公表された婚姻制度等の見直し審議に関する中間報告の説明によりますと、この案につきましては、制度上は夫婦の一方が婚姻によって氏を改めることになるから、個人の氏に対する人格的利益を法律上保護するという理念が後退していること、氏とは異なる呼称という概念を民法に導入することになると、その法的性質は何か、氏との関係をどのように捉えるかなど理論的に困難な新たな問題が生ずること、この民法上の呼称は、現在戸籍実務において用いられている呼称上の氏との混同を生じさせ、氏の理論を一層複雑、難解なものにするおそれがあることなどの観点から採用されなかったものと承知しております。

○大門実紀史君 当時のこの法制審の議事録は、実はないんですね、平成八年、古いので。当時の論文とか国会の調査室の資料とか、いろいろ探してやっと見付けたのが総合社会科学研究、九八年三月版なんですけど、当時の経過を書いてございまして、今おっしゃったようなことを簡潔に言いますと、九六年答申の前から、A、B、C案、A案は別姓、B案が同姓、C案が通称使用の拡大。このC案が採用されなかった理由は、簡単に言えば、長期的な展望立った氏の制度としては採用することは相当でないと。まあ今おっしゃったようなことをすると解決にならないということで、通称使用の拡大は採用されなかったわけですよね。
 そういうことを今になって拡大しようということをおっしゃっているわけですけど、これでは何の解決にもならないんじゃないですか。大臣、いかがですか。

○国務大臣(黄川田仁志君) まず、済みません、先ほどの答弁で夫婦別氏制度と二度述べましたが、二回目については旧氏使用の拡大の誤りですので、訂正させていただきます。
 その上で、この旧氏使用の拡大、これについては、先ほど述べたとおり、社会生活で不便や不利益を感じる方を更に減らすことができるということで、さらにその方向性を強めていきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 いやいや、私が申し上げているのは、その不便を減らすとか不利益を減らすとかいう方向そのものが根本的な解決にならないということで、九六年の法制審ではもう退けられているわけでございます。
 何で選択的夫婦別姓に執拗に反対するのかと、合理的根拠は全く見当たらないわけでございまして、一つ思うのは、自民党の中の議連であります「創生「日本」」などが、まあ日本会議もバックにあると思うんですけれども、要するに戦前のような家制度、復古主義、そういう家族観を押し付けているところ、押し付けようとするところにこの問題の皆さんが抵抗するもとがあるんじゃないかと思うんですね。
 今、そんなこと考えているときなのかと。世界で日本だけですよね、どうせ押し付けているのは。国民に、政府が国民に特定の家族観を強制するとか復古主義を押し付けるということそのものが、もちろん人権を阻害して女性差別を当然するんですけれども、経済の足そのものを引っ張っていると、こんなことで成長戦略も何もないんじゃないかと思います。
 なぜ反対するのか、なぜ駄目なのか、ちょっとお答えいただけますか。

○国務大臣(黄川田仁志君) 全く申し訳ございません、繰り返しとなりますが、政府としては、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国民各層の意見や国会における議論の動向を踏まえる必要があるというふうに考えているということでございます。

○大門実紀史君 大事な問題なので引き続きやっていきます。
 ありがとうございました。

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